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表題作ネコにさよなら

赤井新人,振られたばかりのリーマン,20代前半
シロ,捨てられていた白いネコ

その他の収録作品

  • 赤井さん、あのね(描き下ろし)
  • きみに好きと言われたい(描き下ろし)
  • あとがき
  • カバー下:イラスト

あらすじ

捨てられたネコが守りたかった、飼い主との約束。

人の顔色をうかがってばかりいるサラリーマン•赤井(あかい)の前に現れた、
一匹の捨て猫。
ひたむきな想いに心が締め付けられる、感動のストーリー

【あらすじ】
人目を気にしてばかりいるサラリーマン赤井(あかい)が気まぐれに拾った白い猫が、なんと人間に変身!!
飼い主を探したいというのだが、人間になっても出来ることは猫並み。
同情心から仕方なく始まった共同生活だが、純真無垢な猫の明るさに、赤井の心もだんだんと変化してゆく。

そして一匹の小さな猫が巻き起こした小さな波紋は、周りの人達へと少しずつ影響を与えて、新たな一歩へと導くのであった。

作品情報

作品名
ネコにさよなら
著者
チョコドーナツ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
ふゅーじょんぷろだくと
レーベル
POEBACKS ~ポーバックス~【非BL】
発売日
ISBN
9784893939906
3.6

(41)

(11)

萌々

(14)

(7)

中立

(7)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
7
得点
139
評価数
41
平均
3.6 / 5
神率
26.8%

レビュー投稿数7

長所を見つけてくれる人はきっといる

 チョコドーナツ先生ならではの視点で、優しい世界が描かれていました。人間になりたいと願って叶ったネコのシロ。幻覚や夢オチでもなく、赤井だけにしかその姿が見えないというわけでもなく、誰からも人間に見えるという設定です。一方、誰と付き合ってもいい人止まりで振られ続けていた赤井が、シロの世話をする中で、素の自分を晒せるようになっていきます。

 タイトルには3つの意味が込められているのですが、私はやはり、赤井が猫被りをしなくなったことが一番大きな変化だったなと思います。前の飼い主のことばかり話すシロにも愛想を尽かさず、常に気持ちを慮っていた赤井の根っからの優しさが、シロに伝わって満たし、彼に人間の心を育ませていった。BLとしての濃さはないけれど、温かな春を感じられるような作品でした。

0

それぞれのサヨナラのあり方

主な登場人物は、赤井・シロ・シオン
タイトル通り、それぞれのネコとのサヨナラが描かれた作品でした。
BLかといわれたら違うかもしれません…
でも、確かにそれぞれには愛がありました。

仲間のネコたちと別れ、シオンの元に行くことを選んだシロ…
拾ったシロを親に捨てられてしまうシオン…
シオンのために人間になったシロに恋をし、結果的にネコに戻ってしまったシロと一緒に暮らすことにした赤井…

人間のシロと赤井が幸せになれたらいいなと思いましたが、シロは人間には戻りませんでした。
ただ、もしかして…?的な期待を持たせる終わり方だったので、あとは自分の中で昇華します。

切ないけど美しく、心に残る作品でした。

0

無駄に美形で悔しいオスネコ

ブックデザインが素敵なふゅーじょんぷろだくとのコミックス。
初出掲載紙がCOMIC Be なので、むしろ非BLの匂い系。
彼女に振られて雨の中、つい拾って帰った捨て猫に、愚痴を言いつつ酔いつぶれて、翌朝目覚めてみると、そこにはネコの姿はなく一人の少年がいて。
人間になって恩返しするという元ネコ。
美形なのがよけいにむかつく。
人間にもネコにも自由に姿を変えられるシロと、いい人どまりの猫かぶりリーマン赤井の生活が、ほのぼのと、そして切なく、上品な絵で描かれた佳作でした。

絵も、ストーリーも、マンガ作品としての完成度は高いし、ジャンル的にもBLでこれはこれでいいけんだけど、個人的にはエチなくてもいいけど、もうちょっとBL的な妄想しがいが欲しいので、ここでの萌評価としては萌1個かな。

5

傍にいられる幸せ。居てくれるだけで幸せ。

人の顔色を窺い心が疲れているサラリーマンの赤井。
路地に捨てられていた猫を拾いシロと名付けた。
しかし翌朝、シロは人型になっていた。
話を聞いて分かった事は本来の名前と間違って捨てられてしまった事。
飼い主の紫音の元へ帰りたいというシロのため拾った場所へ。
シロが入っていた段ボールには一枚のメモが。
書いてあることを隠すため読めないと嘘をつき家へ帰る。
しかしシロは一人で匂いを辿り紫音の家へ。
人型のままインターフォンを押して返ってきた紫音の母の声。
猫は捨てた、その声を聞き打ちひしがれるシロ。
そのシロのもとへ赤井が迎えにやってくる。
もう捨てられたくない、いつか捨てられるくらいなら拾わないでと言う。
そんな言葉を聞いた赤井だが、俺の猫になってくれとシロに頼む。
後日、赤井がシオンと呼ばれる男の子に出会う。
今は僕の家にいる、君がまた会いたいと強く願うならまた会えるよと
言い、赤井はシロのいる自分の家へ帰っていく。

あくまで、あらすじのあらすじみたいなものです。
是非、1ページから最後まで読んでほしいです。
最初は、ほう猫とナニするんだ?!なんていうテンションで買ったのに
読んでる途中では泣いて、読み終わってからも泣いていました。
久しぶりにコミックを読んで泣いたと思います。

7

人を愛おしく描いた秀作

こちらの本は、「人間 × 人間の姿になった猫 」のお話です。

正直、BL本としては物足りなさを感じる本だと思います。
エッチはおろか、恋人同士としてキスをする場面すらありません。
(キスシーン自体はあります)
ラストも、一応ハッピーエンドっぽいけれど、
読み手によってはもっとしっかり描いて!物足りない!!
そんな印象が強く残るかも。
でも、
わたしはすごくいいな…と思いました、とても、好きです。

想いが通じ合って、恋人になって身体も繋げて…
そういうふたりの姿も見たかったなぁ…そんな気持ちもありますが、
そうじゃないことで、反対に余韻がいつまでも残って、
ふたりのこれからや、人としての幸せについて、
色々思い巡らすことができて、これはこれでよかった…と思いました。


お話は、
相手に合せては「いい人なんだけど…」と言われてフラれ続けてる、
そんな冴えないリーマンが捨て猫を拾ったら、
その猫が人の姿(しかも美形男子)になってビックリ☆
そんなところから始まります。
他のBL本なら、
早々に恋仲になってしまいそうなふたりですが、
リーマン→猫という恋は芽生えるものの、一方通行。
猫は、元の飼い主(小学生の男の子)のところに帰りたくて、
自分が捨てられたとも気付かず、口を開けば元飼い主の事ばかり。

猫の気持ちを思うと、
「捨てられた」という事実を猫に告げられないリーマンも、
そのリーマンの静止を振り切って元の家に戻り、
自分はもういらない存在…それを知って打ちひしがれる猫も、
すごくすごく切ないです…

でも、この本の素敵なところは、
元飼い主を悪者にして終わらないところ。

人というのは、
誰かを傷つけることや矛盾はあっても、
それでも誰かを想って一生懸命に生きられる強い存在。
誰かを大切にしたり、その気持ちを分かち合ったり…
それってとても素晴らしいこと。
そんなことを、
捨てられた猫の目線を通して、改めて気付かせてくれるのです。


恋愛色は強くないけれど、色んな愛情が詰まっていて、
それがじわじわといつまでも心に沁みる…そんな1冊でした。

8

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