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表題作契約に咲く花は

三藤陽輝,華道家の御曹司,28歳
雪平倖,市役所勤務,29歳

その他の収録作品

  • Darling, which do you love me or…?
  • あとがき

あらすじ

市役所に勤める倖はパーティで、従弟と敵対する華道家・三藤の高価な衣装を修復不可能にしてしまうが……?
変態×包○、開花する恋!

作品情報

作品名
契約に咲く花は
著者
鳥谷しず 
イラスト
斑目ヒロ 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
ディアプラス文庫
発売日
ISBN
9784403523731
4

(58)

(17)

萌々

(26)

(13)

中立

(2)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
9
得点
230
評価数
58
平均
4 / 5
神率
29.3%

レビュー投稿数9

こんなフェチもあるのね(^_^;)

やはり鳥谷先生の書かれる攻め様はこうでなくっちゃ、なフェチぶりを堪能しました。

受け様は、質素倹約の生活を送り、趣味は鉱石図鑑を眺める事という公務員の雪平。
仲良くしている従兄弟の英に頼まれて同伴参加したパーティーで、高そうな衣装を着た男性にぶつかり、ワインをかけてしまう。
その相手が、今回の攻め様である三藤。

華道雫川流次期家元の英は、雫藤流の三藤をライバル視して忌み嫌っていて、お互い犬猿の仲。
英に迷惑はかけられない、と雪平は弁償をチャラにする代わりに三藤を楽しませる、という契約を受け入れる。

小学生の発表会レベルの雪平の出し物に、三藤は容赦なくダメ出しをして、本当の楽しませる、というのはこのようなものです、といろいろな所に連れ出し、美味しい食事を楽しむ。
あら、こうしてみたらやってることはただのデートですね。

初めは、慇懃無礼でけったくそ悪い男だと思っていたのに、一緒に過ごす内に、三藤の優しさを垣間見れたり、自分の鉱物オタクな話をじっくり聞いてくれて会話を楽しんでくれる三藤のことを憎からず思うようになる。

雪平は、自分の仮性包茎がコンプレックスだったのだけど、その仮性包茎をことのほか愛でまくる三藤。
上品な紳士然としていながら、なかなかな変態ぶりを見せてもらいました。

情熱的に愛を囁かれ、すっかり三藤の事を愛してしまうようになった雪平。

なのに、三藤と参加したパーティーで、三藤が後輩と英の恋人である雪平を落とせるかとうか賭けをしていたことを知ってしまう。
そんなこと知らなかった私もショック(*`Д´)ノ!!!

これは大好きな攻めザマァ展開なのか( ☆∀☆)
さぁ、すがりついて懇願するがいい、と思っていたら、ポカーン(゚д゚)
えっ!?そうくるの!?
もうちょっと攻め様の後悔とか懺悔する姿が見たかったなぁ。
雪平、素直過ぎでチョロい。
でも、やっぱりこの辺りは何度もリピートしちゃいます。


1

上品な変態ほど素敵なものはない

電子書籍で読了。美しく雰囲気のある挿絵有り。

ずっと気にはなっていたのですが手を出さないままになってしまっていて、多分初めて読む鳥谷さんの本。
コメディなんですけれど「さあ、笑ってください」という感じではなくて、どことなくとぼけた雰囲気がおかしみを醸し出すという素敵な本でした。

主人公の雪平は歴史ある華道の家元と親戚で、親友の従兄弟は次期継承者という晴れやかな血筋なのに地味な倹約家の公務員。趣味が『鉱物図鑑を眺めること』で、平穏無事な毎日が続くことが何よりの幸せと思っているというあたりから、そのお人柄をご想像ください。
そんな彼が、従兄弟に大学時代のサークルのOB会である仮装パーティーに同伴して欲しいとお願いされます。しかも女装して。
お約束通り、雪平は絶世の美女に化けるのですけれど、従兄弟が敵対視している別の流派の華道家、三藤に誤ってワインを浴びせてしまい、衣装の弁償代800万円を支払うか、それとも一週間三藤の下に通って彼を楽しませるかの二者選択を迫られます。
倹約家の雪平は当然のごとく後者を選ぶ訳ですが、目の超えた三藤を素人芸で楽しませれる訳もなく。でも、素人芸で滑った後に三藤は雪平をサーカスや映画、マジックショーに連れ出したりするんです。これはイヤミなのかと雪平は思ったりもするのですが、そういう感じでもない。で、三藤という人が解らなくなります。一体何のために?って(まぁ、BL読みにはその目的はありありと解るのですが)。

雪平に訪れるのはジェットコースター並に驚きの出来事なんですけれど、感情が急激に上がり下がりしないおっとりした主人公なので、お話がとても上品に感じられました。『仮性包茎フェチ』なんていうネタがぶっ込まれてもですよ。ここがすごくいいなと思いました。人を貶めない可笑しさに溢れていて、ほんのりとした読後感が楽しめる一冊です。

6

攻め視点が読みたかった

倹約家で鉱物オタクの雪平(受)がパーティでワインを零したその相手が、従兄弟の天敵である三藤(攻)で、弁償の代わりに一週間付き合って三藤を楽しませるという展開に、というお話で…

慰謝料込みの弁償金額八百万が、いきなり一週間付き合って楽しませるだけとは、裏があるんだろうなと思っていましたが、やはりという展開でした。

もっさりとした身なりに気を使わない倹約家の雪平が三藤によって垢抜け、日々会っているうちにお互いが好ましく思い合います。
賭けの対象となっている事を知らずに好きになり、三藤が賭けをした相手と話をしている所を盗み聞きして、自分が騙されていたと知り、雪平は三藤の元から姿を消して…

というありがちなパターンなのですが、雪平のオタク設定や三藤の変態的なフェチをストーリー中に程よく散りばめてあり、飽きる事なく一息に読了しました。
(小説で、こんなに仮性包茎、包皮、を読んだのも初めてです(笑))

ただ、終始受けの雪平目線で話が進んでいくために、いくら三藤が強引なアプローチをしても、感情の変化がイマイチ分かりにくい。
賭けをした相手にも普通の態度で雪平の事を淡々と話すし、後から雪平も指摘していた、好きになった時点で賭けを解消してもよかったのではないかという点も激しく同意しました。

いくら後輩が賭けに勝って賭けの商品を手に入れさせてやりたいから…では、そんなに雪平の事を好きじゃないと思われても仕方ないですよね。後輩に説明する時と雪平へ愛を告げる言葉とのギャップにも違和感がありありで(笑)

敵対していた従兄弟との対峙があればもっと面白かったし、雪平に対する三藤の愛の深さを感じれてよかったのでは…
全体的には面白かったのですが、攻め視点のお話も読みたかったかな…

斑目ヒロさんのイラストも雰囲気があって凄く良かったです。

2

ロミジュリ? シンデレラ? ヘンタイ?

ラブコメちょっぴりシリアスでしょうか。
そして生け花家元関係のロミジュリ、とは言っても敵対関係にある家柄の葛藤や迷いはほとんどなくてあっさり目でしたが。

同じ作家さんの過去に読んだのが『恋色ミュージアム』で、そこでは受けが『美尻』マニアで攻めのお尻にいたく執心していて尻への賛美がおかしくて笑い転げましたが、今度の包○フェチにもまじめだからこそおかしかったです。

パーティ会場でうっかり高級着物にワインをこぼし、弁償する代わりに1週間楽しませろって、アレですか、いきなりなりホテルに連れ込み陵辱監禁、最後は一目で気に入ったからどうしても欲しかったんだでハピエン?
っていうありきたりな展開だったらがっかりだなと思ったら、攻めはその斜め上を行く素敵なバカボンでした。
受けは攻めに対して『頭に花咲かせてるバカボン』と心の中で称してますが、頭に花咲かせてるのは自分だよと突っ込みたくなる妙な29歳です。
真面目だけが取り柄のもっさい公務員が、頭をひねって考えた芸が白塗りで手品とかぴよよんパンツって…
攻めには全否定され散々な悪評でしたが、私は想像しただけですっごくウケ ました。
着物代800万円のために身売りすることも痛いことも怖いこともなく、言葉はきつくてもひたすら甘い溺愛の日々です。
仮性包○に対する芸術的な美の考察が素晴らしすぎて崇高なもののように思えくるかもしれません…。

1

読んでるとお腹が空きます

市役所勤めの庶民と美貌の華道家との、シンデレラストーリーです。
読み終われば、仮性包茎のことばかりが頭の中を駆け巡ってます(笑)
仮性包茎を、麗しい包皮と呼ぶセンスに脱帽です(笑)

市役所勤めの雪平は、従兄の英にお願いされて同伴したパーティで、美貌の男(華道家の三藤)の高価そうな服にワインをかけてしまいます。服の弁償をすると言うと、その代金は800万円で。
焦っていると、代替え案を提示されます。それは、一週間三藤に付き合って楽しませることでした。

次の日から、マジックを練習して披露したりと、雪平の涙ぐましい努力が始まります。でも、三藤は全然満足しなくて。
逆に、雪平を高価な食事に連れて行ったり、好きそうな場所に連れて行ったり。

そんな時間が楽しくて、最初は苦手だった男なのに、だんだん三藤への好感度が膨らんでいきます。
途中に、二人が仲違いするんですが、三藤が雪平を気に入ってるのが分かるので、安心して読めます。
雪平が、自分と仮性包茎とのどちらが好きか三藤に聞く場面では、聞いてしまうのも納得するほどの仮性包茎への情熱が凄くて萌えます。

大人同士の恋がゆっくり進んでいくのが心地よく、読み終わりました。
ちょくちょく出てくる二人の食事シーンが美味しそうで、読みながらお腹が空きました(笑)

5

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