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表題作2丁目の小さな魚

姫川春信,化粧品メーカーの営業,受の高校の先輩
憲二,ニューハーフパブ勤務,元ヤン

同時収録作品阿佐ヶ谷南四丁目

名前記載なし,インド人,建設会社勤務
三船,サラリーマン

同時収録作品サニーサイド

高山,受の母親のスナックの常連,会社員
秀,学生

その他の収録作品

  • 2丁目の小さな魚 番外編
  • 曙1丁目にて。
  • 西葛西三丁目の出来事。阿佐ヶ谷南四丁目 番外編(描き下ろし)
  • あとがき(描き下ろし)

あらすじ

「あなたの為なら…俺の人生なんて捨ててしまってよかった。」
高校時代つるんでいた春信先輩に言えない恋心を抱いていた憲二。
気持ちを隠し続けることに限界がきた頃、憲二は地元から姿を消しニューハーフパブで働き始める。
数年後、客として来店した春信先輩に出会い、忘れようとしていた感情がざわめき始めて―――?

珠玉の切ない恋物語、4話収録!

作品情報

作品名
2丁目の小さな魚
著者
河井英槻 
媒体
漫画(コミック)
出版社
リブレ
レーベル
ビーボーイコミックス~BE×BOYCOMICS~
発売日
ISBN
9784799725245
4

(61)

(24)

萌々

(20)

(12)

中立

(4)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
12
得点
240
評価数
61
平均
4 / 5
神率
39.3%

レビュー投稿数12

素晴らしき短編集

短編で泣いてしまうとは……
それほど健気で可愛い受けだったということてす。
短い作品と中編が入り乱れた作品集。
どれも良かったのですが、特に表題作が素晴らしかった。

受けの憲ニがめっちゃ可愛くて健気で泣けました。
憲ニは、好きなノンケ男のために女の子になろうとするのてすが、ここまでする受けは今まで見たことなかったかも。
180センチの長身で、言葉使いもやんちゃ。
なのに、大好きな先輩・春信の前でだけは乙女。
大きな体をプルプル震わせて、顔を真っ赤にして……めっちゃ可愛い♡

地味メガネに見えて、かなり手練れな春信も良き。
ただ、春信が憲ニを受け荒れるまでの気持ちの変化が、もう少しわかりやすいと良かったかなあ。
でも、それを差し引いても憲ニの健気さが胸を打つ素晴らしい作品でした。

0

眠らない街で飛び交う情

◆2丁目の小さな魚(表題作)
 高校時代の先輩である春信を、健気に想い続けている憲二がとっても可愛かったです。ノンケな春信のために少しでも可愛くなろうと努力していたのに、いざ春信の前に立つと、口調がすっかり元ヤン風に戻ってしまうところも可愛らしくて。対する春信の方もノリも面倒見も良く、ノンケではあったけれどゲイや女装する人間にまったく偏見を抱いていない非常に気持ちのいい青年で、これは男女問わずモテるだろうなぁと。憲二が泣いてばかりだったのが少し好みから外れてしまいましたが、2人のやりとりは甘酸っぱくて萌えました。

◆曙町1丁目にて。
 これはわずか2ページで終わってしまう超短編作品だったのですが、すっごく面白そうだったので逆に気になった作品でした。節操のなさそうな森山先輩を挟む3P、見たかったです。

◆阿佐ヶ谷南四丁目
 一番お気に入りのカップル。ラーメン好きのインド人と、惚れやすく彼の巨根をどうしても挿れたい三船。攻めは普通に日本人にも見えるくらいのビジュアルなのですが、片言の日本語や感情の高ぶった時などに混ざる母国語が魅力的で、辿々しい話し方は見た目とのギャップもあって素敵でした。淡々と接しているように見えて、実は外国人らしく情熱的なところもいいですね。それに照れる三船も、また可愛かったです。

0

体格は大きいのに可愛く見える


表題作は二丁目で女装して働く男性を主役にしたお話です。
表紙を見たら女装ものという感じはしませんが、「女性になりたい」という願望から女装しているという感じではありません。
気持ちが女性であるわけではなく、好きになった人はノーマルで、彼女がいて、いつかは結婚してしまう。思いつめて自分も女性の格好をするに至るというストーリー。

重いお話ではないのですが、切ないです。せつなくて綺麗なお話でした。
憲二の思いが一途過ぎて、とても綺麗なものに思えます。

攻め側が主人公ですが、この先輩、憲二が女装して働いていることに驚きながらも受け入れるいい男だなあと思います。
しかし、いまいち何を考えてこういう関係に落ち着いたのか分かりにくかったので、もう少しの気持ちの変化が見えれば良かったと思います。

切なくて純粋、そういう作品を求めている方に是非ともおすすめしたいです。

0

憲二に「神」を捧げます

表題作の【2丁目の小さな魚】は気づいたら泣いていました。

高校時代いつもつるんでいた後輩・憲二と6年ぶりに再会した春信。
再会したのは上司行きつけのニューハーフパブでまさかのニューハーフに変身していた。憲二は高校時代オラオラ系のチンピラヤンキーだったはずなのに‥‥‥。

憲二は男に興味がない春信の為に女に変身したんです。
「女になりたい」「女だったら正々堂々と告白できたのに・・・」と悩むキャラクターは今まで何度も読んできましたけど、本当にニューハーフになったキャラは憲二しか知りません。
せっかく変身しても会う勇気もなく連絡を取る事もなく、一生会えない可能性の方が高かったんです。それでも万のひとつの奇跡でも起こって、もしかしたら‥‥‥という一縷の望みを捨て切れなかった憲二。

春信の前では肩をすくめて顔赤らめて視線を上げる事も出来ない純情可憐な恋する乙女なのに、元ヤンという事もあり、春信以外には「あぁんてめぇ舐めてんのか?!ブッ殺すぞ!」みたいなオラオラ全開なところがヤンキー受け好きとしてはたまりません(笑)

この憲二がとにかくいじらしくていじらしくて‥‥‥健気です。
健気さ&いじらしさに関しては、天下一品。そうそういないレベルです。
ついに想い溢れて震えながら告白するシーンがいじらしくて過去の思い出と相まってこれまた泣けます。
その後も付き合うようになってもまだ夢心地で信じられない気分でいるけど、自分は紛れもない男である現実に何かとポロポロ泣く憲二が可愛い。いちいち言う事が必死で切なくていっぱいいっぱいで可愛いんだ、これが。
そして、それをさっくり受け止める男前の春信。
「おまえにもするよ?」というくだりがいい。気まぐれではなく長い付き合いになる事を望んでいるようでホッとする。

2丁目の小さな魚というタイトルは、180cm超えの長身イケメンである憲二が春信の前では陸揚げされてしまった魚のように、もがいていつも小刻みに震えている様を指しているようで、どうかお願いだからこの大きくて小さい魚をいつまでも大事にしてやって欲しいと願わずにはいられません。

episode01は泣けるBLに episode02は不憫BLというアンソロジーに掲載されていたというのを知って妙に納得です。こういう泣ける○○みたいなのにしっかり泣かされるタイプなので‥‥‥。
正直言うと、ドノンケの春信がいつ憲二の事を好きになったのか不明で腑に落ちないのですが、もうそういう細かい点は忘れてひたすら憲二というキャラクターを堪能する作品だと個人的には思ってます。

私がトピ立てした「ちるちるのランキング圏外だけど、心の琴線に触れた作品を教えてください」
http://www.chil-chil.net/answerList/question_id/4967/#IndexNews
で教えていただいたのが、こちらの作品を含む河井英槻さんのコミック数点でした。(Chance! /Thank you my God/2丁目の小さな魚/青春花心中)
他にも収録作が3つありましたが、表題作がめちゃくちゃ好みでした。
教えてくださり本当にありがとうございました。

5

独自の世界

「2丁目の小さな魚」
高校時代から誰にも言わない恋をして、誰にも言わずに女になろうとして、そのままで良かったはずなのに、勤めているニューハーフパブでその好きな先輩に再会してしまう…
もうこの設定だけで胸が締め付けられる思い。何度読んでも胸の奥がぎゅーっとなってしまう…
花の髪飾りのエピソードが切なくて、続く涙の告白シーンに効いてくる。
ただ憲二も驚いてたけど、先輩がアッサリと憲二に『好きだよ』となるのが急な気がします。
でも先輩の懐深さに救われたなぁ。ただ愛されたい、と思い詰めてる憲二に『歴代彼女にしてきたことするよ』、つまりは俺のいつもの愛し方で女たちと同じように愛するよ、とさらりとね。
でも正直この2人、末長く、という感じがしない。私の勝手な妄想だけど。
たとえこの先別れが来ても、恋した人に愛された記憶は憲二を強くする、きっと。

「阿佐ヶ谷南四丁目」「西葛西三丁目の出来事。」
この話、すごく好きでした!
外国人彼氏イイ!聞いたことのない言葉で囁かれるのって萌える。
ラーメン屋さんでお持ち帰りされる瞬間はため息です。猥雑な街のボロい部屋ってのがまたイイ。
ただ、この人があんまりインド人に見えないのですよね。
この2人は、彼が帰国する時三船さんがインドについて行っちゃいそうな感じ。

「サニーサイド」
一読してなんかあっさりしすぎているように感じたのだけど、古い作品で、こういうのは多分作者様の萌えが滲みでているのでしょう。
物語的には、おばあちゃんに引き裂かれた恋、なんだろうけど、中学生?と母親の愛人?のような雰囲気で、大人側からは成り行きの流された関係の様にも、子ども側からは寂しさを埋める一種切実な感情の様にも取れる。そんな曖昧さと、別れの後今になってみるとイヤな思い出ではない、と言える甘さが確かにあった、そんな関係。

5

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