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表題作ヘブンリーホームシック

太田,転勤でイギリス勤務になったリーマン
行貞,イギリス赴任中のリーマン,偶然会った元同級生

その他の収録作品

  • bonus track(描き下ろし)

あらすじ

“好き”だけで 触れたわけじゃない 「ねえ、オレら ゲイなの?」 イギリスで再会した 元同級生の太田と行貞。 ホームシックで参っていた2人は 足を絡め、腕を抱き、ひざ枕を許したり…。 その行為はしだいに心も侵食し、 互いに離れがたい存在になっていた。 ある夜、ベッドですり寄って来る行貞に たまらなく愛しさがこみ上げた太田は、 強引にキスをして、衝動のまま欲望を 押し付けるのだが――。 非日常に揺れる エロティック・異国ステイ。

作品情報

作品名
ヘブンリーホームシック
著者
京山あつき 
媒体
漫画(コミック)
出版社
祥伝社
レーベル
on BLUE comics
発売日
ISBN
9784396783600
4.3

(233)

(130)

萌々

(67)

(28)

中立

(5)

趣味じゃない

(3)

レビュー数
28
得点
1007
評価数
233
平均
4.3 / 5
神率
55.8%

レビュー投稿数28

人肌のぬくもり

言葉の通じない異国の地で、心細い中再会した2人の心温まるストーリー。
最初絵柄が苦手かなと思ったけど、何度も読み返しているうちにこのふわっとした感じが、ストーリートと合っていてとってもいい!
寂しくて寂しくて人肌恋しい、寂し過ぎて思考がおかしくなってくる。これは恋なのか。いやこれも恋だよ。って思いました。
最初に手を出したのは太田だったけど、メンタル的にやられてたのは行貞の方だったように思います。
何度も読んでも胸にすーっとくる作品です。

1

スキヤキ

連日の京山先生作品です。
やっぱり好きだなぁ。空気感が絶妙。太田にしても行貞にしても、置かれた環境が隅々まで分かるわけではなく、漫画の中で何となしに察せられるものを集めて読み取る。その程度の背景でも、彼らの寂しさがとても伝わるのは京山先生の漫画力によるものです。その寂しさと人恋しさ、人肌への渇望が彼らをそうさせたことにも違和感はありませんでした。そして太田も行貞も思ったように、この気持ちは一過性のものではないかと自分も不安に思いながら読みすすめ、2人はある一定の境地に到達します。こんなものまだ序の口で、付き合い続ける理由よりそれを諦める理由がの方がはるかに多く存在するのでしょうけど、少なくとも今このときに抱いている気持ちは本物なんだよな。

0

できすぎだけど好き

イギリスでホームシックになったところで友人とばったりってできすぎでしょ。と思うけど、出会いなんて全部偶然だもんね、そこから先が大事なんだと読んでて感じました。孤独とか不安とかすごく伝わってきた。外国生活のせいでいろいろ臆病になりすぎて、焦ったい、けどこんなお話大好き。絵がごちゃごちゃしてるので読みにくい人もいるはずなので、必ず試し読みすることをお勧めします。
個人的にはシンデイの話が良かった。彼女に幸せになってほしい。

0

ホームシックの2人が出会ったら…

イギリスに転勤となった太田がホームシックでかなり参っていた所に高校時代の同級生・行貞に再会して始まるストーリーでした。

ヨーロッパの冬は長くて、雲が厚いイメージ。特にイギリスは天候が悪そう。
太陽が射さないとセロトニンの分泌が…は余談ですが、それに加え慣れない環境、言葉、習慣の違いなどでホームシックになっても致し方ない状況であることは想像できます。

それは行貞も同じで(むしろ太田より重症で)、ひとつのベッドでくっついて寝たり寄り添ってきたりするのを容認しているうち、ある晩太田から半ば強引に口で抜きあってしまう状況に…。
この時点ではまだ愛情とまではいかないけれど、お互いをかけがえのない存在としているのは確かです。
だけどそれがホームシックにかかった2人だからなのか、そうじゃないのかが最後まで分からず、
「繋がりたいのは 寂しいからだろうか」
と太田も考えたりします。

2人で長期休暇で日本へ帰るときにはちょっとヒヤヒヤしましたが、お互いしか見えないくらいメロメロのご様子で安心しました♡
お互いに会社を辞めてでも一緒に居たいくらいに想い合う2人に幸あれ。
どちらかがまた転勤になったときの後日談などまた見てみたいです。

0

さりげない空気感からのくっつく過程が最高

最初ふわっとした絵だなと。
余白がいい。

さりげにスキンシップする2人の空気感がよく、どうなるのかとドキドキ。
言葉少なめに淡々とした描写ながら目が離せず、葛藤ありつつ、じわりと2人の感情と行動が盛り上がっていき、くっつくとこが最高。 

ホームシックと天国の使い方がうまい!

どんどん絵の良さにも惹かれた。
触れ合い方、体のライン、絡みとか特に。 

ホームシックとは言え、一緒に食事したり眠ったり心地良くできる関係性がとてもいい感じに描かれている。

いちゃもいちゃもとても好み。

スキヤキのお肉を生卵につけ食べるのを見るイギリス人の反応に笑ったww
「NOーーー‼︎ オーマイガッオーマイガッ」つってたw(私も生卵つけない派

0

大事なものは移り変わっていく

 とっても胸に沁みる、素敵な作品でした。『3番線のカンパネルラ』でも感じましたが、私は京山先生の描くキャラの涙にどうも弱いようです。どちらかというとラフなタッチで、涙を流すといってもけっしてドラマチックに描かれているわけではないんです。ストーリーの流れを止めずに、淡々とぽたぽた落ちるように描かれる涙。でも、限りなく私達の日常に寄り添ったキャラの心情がよく分かるから、そんな軽い描き方でも十分心に訴えかけられる。日々の生活に溶け込んだ涙だからこそ、共感できるというか。

 イギリスという異国の地で出会った、元同級生の太田と行貞。海外勤務というと聞こえはいいし誰しも一度は憧れるものですが、慣れない言葉、食事、天候、差別、それらに順応するのは実はとても大変なこと。大の男がなんて関係なく、2人がホームシックになるのは当然だと思いました。故郷が恋しい者同士、寂しさを埋めるように一緒に過ごすことが増え、ついには太田が行貞に手を出して。

 寂しいから血迷っただけなんじゃないかと不安を覚える2人だけれど、そうやって大変な時期を支え合って過ごした相手というのは何にも代え難い宝物でもあると思います。相手のことを愛おしいと思う感情は、思ったほど幻覚に左右されるものではないんじゃないかな。互いにゲイでないなら尚更、ちょっとやそっとでは出てこないものな気がします。あれだけ恋しかった日本に帰ったら帰ったで、家族や同級生に会えばそちらに気が向くかと思いきや、むしろ異国の地で共に過ごした相手が恋しくなってしまう。結局日本でも会って、仲良く過ごす2人の姿が可愛くて。ホームシックで泣いていた太田も、太田の気持ちに不安を感じていた行貞も、最後に本当に幸せそうな表情を見せてくれてとても温かな気持ちになれました。

1

ストーリーと絵の雰囲気が美しい。強くお勧めします。

絵が好みではないというレビューも多くありますが、とてもストーリーの雰囲気とあっていて美しさや切なさを感じられとても良かったです。彼らはとてもカッコいいですよ。
今まで読んだ商業BLでストーリーも絵も1番好きになったコミックでした。
イギリスでの生活風景も正確に描かれているので、とても彼らに共感しやすいです。
ストーリーからも、正確に描かれた風景や英国生活から、私がイギリスに留学した時のことを思い出しました。
イギリスや日本好きの方にもオススメです。ぜひ読んでみてください。

0

勘違いじゃなくて、ちゃんと恋に落ちてます

ノンケの二人が距離を縮めていく様子が、とても自然に描かれています。
一緒に寝て足を絡めたりくっついていて、誰かが入ってきたらホモだと思われるかなと思いつつも離したりはしない太田。

二人ともイギリスに赴任していて、言葉の壁や人種の壁など苦悩しながら毎日暮らしています。
そんな状況下、友人に会ったら嬉しいですよね。
でも二人の距離感がなんだかおかしい。
友達はこんな事しないだろう という距離感なのに見ているこちらは全く違和感を感じませんでした。

最後まで読んでみて「もし日本で再会していたら二人は恋に落ちたか?」と考えたりもしましたが、二人がイギリスで再会できて本当に良かったと思いました。
二人とも日本に来れば、お互いの気持ちが醒めてしまうんじゃないかと心配していたようですがそんな事もなく日本に休暇で来てもラブラブバカップルなのに萌えました!

そしてエッチシーンがとてもエロかったです。
絵も表紙よりも中の方がキレイで、受けの行貞が特に可愛いかったです。

もっともっとラブラブな二人が読みたかった!
何度も読み返したい作品です。

4

恋愛って。

「スリーピング・バグ」を読んだ流れで手に取りました。あー、これも良いストーリー。

彼らの関係は、特殊な環境下での偶然の再会によって生まれ、単に寂しさを紛らわすためだけの一時的な感情のようにも一見思えます。だけど、人と人との恋愛なんてみんな「たまたま出会った誰か」と「たまたま情を交わした」ことにより生まれるものですよね? 世界中の全ての人間の中から厳選の上、自分に一番合う人を選ぶ人なんて居ないのですから。

彼らが自分でも「あれ?あれ?あれ?」と自分の感情や衝動に戸惑いながら、失敗もしつつ、気持ちを認め距離を詰めていく様子がたまりませんでした。

やっぱり人間って、孤独なままでは生きられないなぁ。愛を考えるよい作品でした。

3

派手さはないけれど、じっくりと読ませる

イギリス暮らしの大変さが、読者も追体験できるように丁寧に描かれていていました。

人の温もりを求めるって人間の根源的な欲求だと思うんです。
赤子のときはそれこそ抱いて育てるみたいな感じだし、
幼児が何かあれば「抱っこぉ!」だの「ぎゅっとして!」だの要求して、抱きしめてもらう事によって心の粟立ちをおさめている様子を見ているとああこうやって皆、育ってきたんだなぁって。

異国にいて言語の壁や文化の違いで、まるで自分自身が社会の中で幼児のような存在に感じられるホームシック。

極限状態の孤独のなかで、人の温もりで無条件に心が安らぐ。
足を絡め、寄り添って眠る。
最初、それに性的な意味はなかったのだけど、健全な男子二人がいれば温もり以上のものが欲しくなるのも致し方なく、太田が均衡を破ってしまう。
その後、それは一時的な気の迷いか、恋なのかわからないけど、少しずつ心の距離が縮まっていく様子がいいです。
結婚が決まった同僚の「いっしょにいるのが自然に思えたからよ。」という言葉を聞いて何か感じた二人は、その帰り道、ローションを準備して一歩先に関係を進めようとしたり・・・。

他の男には興味がないからゲイじゃない、好きになった男は相手だけってって最強じゃないですか?この関係。
ノンケ同士なのに性差の違いを超えちゃった関係って強いと思う。
でも未だに一時的なものかもしれないと思っている二人が一緒に一時帰国して異国でのさみしさの魔法が解けてしまうのか・・と思いきや、もうなんですか!このいちゃつき、バカップルぶり。
互いのメロメロぶりをしっかりと見せつけてくれました。

もしこの二人が日本で出会ったら・・・おそらく恋には発展しなかったと思うんですよね。
実際、高校時代は気の合う仲間で終わっていたし。
でもきっかけはなんであれこの二人はイギリスのおかげで恋に落ちて、プロポーズしあう関係にまで育って、最後は男二人雨に濡れてても誰にも気にしないそのイギリス社会の寛容さに救われているとこが良かったです。

この作品は自分が立てたトピ「ちるちるのランキング圏外だけど、心の琴線に触れた作品を教えてください」
http://www.chil-chil.net/answerList/question_id/4967/#ans_72025
で教えていただきました。

派手さはないけれど、じっくりと読ませる描写が優れた良作でした。
教えていただき本当にどうもありがとうございました。


12

ホームシックから始まる恋

異国の地で言葉も通じず友達もいない。。
自分が同じ立場に置かれたらきっと寂しくて寂しくてしょうがなくて、そこで旧友に出会ったら天の助けだと思うだろうなーと共感しました。
ただ人恋しいだけなのか好きなのか分からないけれど、一度日本に戻っても一緒にいたいという想いが変わらなくて良かったです。
萌えというよりは、どこかリアルで身につまされるような感覚でした。
海外暮らしならではの生活の様子も新鮮で、大人なお話です。

1

神しかない~~!!

本当に久々に、キタ!!ってかんじです。読みながら、あーこれだ、これだよ……とか呟いてましたもん。BL大好きなのに、ストライクゾーンが狭くてなかなかこれという作品に出会えない私ですが、やっぱりあるところにはあった!これからも頑張って漁り続けようという勇気を得ました。

一穂ミチ先生のお薦め作品ということでとりあえず試し読みしてみようかと思ったんですが、先生の推薦がなくて表紙の印象だけだと手に取らなかったかも。表紙だと受の子がちょっとオジサンっぽい印象?中の漫画ではクール可愛くてもっとめっちゃいいかんじなんですが。

そして試し読みで、これはよさそうとかなり手ごたえ感じて即購入。

いいです……。読み進めるほど、いい……。

お互いなんで好きになったのか、どこがよくて付き合ってるのか、全然伝わってこないBL作品が多い中、この話のふたりは、読者以上に冷静に、自分の感情や相手との関係性について考察してて、ときに距離を置こうとしたりして、こっちはものすごくヤキモキさせられました。受が急に攻の家に行かなくなっちゃうところとか、会いに行けばいいじゃん!頭で考えすぎないで~~!って叫びたくなりましたよ。

あと、心理描写の上手い漫画って、エロい場面もすごいいいと思うんですよ。私は攻受の関係性があんまり好きになれないとエロいところは飛ばして読んでしまうことも結構多いんですが、このふたりのはすごいよかったからめっちゃ凝視してしまいました。ベッドの上での台詞のやりとりもいちいちこのふたりらしくてエロく感じる……こういうの待ってた!

京山先生初読みだったんですが、すっかりファンです。一穂先生、こんな良作を教えてくださってありがとうございました。

4

寂しさが伝わってくる

レビューアーさんのレビューを読んでからずっと読もう読もうと思っていた作品です。購入したものの読みそびれたまま…つい先日、私用でヨーロッパに1ヶ月近く1人で滞在しました。
多分、行く前に読んでいたらここまで共感できなかったかもしれません。
日本で手に入る当たり前のものが手に入らないし、向こうは同じ言語が話せて当然のように話しかけてくるし…
そんな中で知り合いに出会ったら、きっと飛びついてしまうと思います。

2人がこんな関係になったのは他に知り合いのいない海外だったからか、果たして日本で出会っていたら、2人はこういう関係になったのか。
最後までそこは疑問でしたが、最後まで読めばこれはまぎれもなく恋で、恋しちゃったらもう仕方ないんだな、ということが伝わってきます。

日本以外にも国はいっぱいあって、仕事もたくさんあって、人もたくさんいるけれど、一緒にいるのが自然で安らげる相手というのはきっと世界中探してもそういないのだと思います。
これを読んでいると日本式の「細かいこと」はどうでもよくなる、かわいくてせつないんだけど、どこか読み終えてさっぱり、スッキリできるお話でした。

3

好きすぎて何を書けばいいのか。

去年読んだ中で一番キュンキュンきた漫画でして、好きすぎてレビューを書けずにおりました。
京山さんは好きな作家さんですが、何となく独特なノリ(?)についていけない事が多々あったりするのですが、これはいい!
ユキサダくんがめっさ好みなのですが、表紙よりも中の方が数倍可愛いです。
これも一種の吊り橋効果なのか、ホームシック同志が自然と惹かれ合う話。
何度も読み返してますが、何度読んでもキュンキュンきます。
昔5日間だけ仕事の取材旅行で上司と一緒にスペインに行きましたが、若くて勇気だけはあったので言葉が怪しくても何とかなった記憶があります。
旅行だったから良かったものの、これが転勤だったらどうだっただろう。
たった5日でも帰った時に、「やはり日本が好きだ!」って泣きそうになったので、いつ帰れるかわからない、常に一緒の(上司ではありますが)日本人もいない状態だったとしたら、自分も彼らと同じようになった気がします。
なりゆきで一歩踏み出してしまったけれど、その後どうしたらいいのかわからない二人がたまらないです。
何処の部分も好きなので、何を書いていいやら。
文才がないので小学生の感想文レベルですが、昔、「深夜特急」を読んで感銘を受けた方には何となくお勧めできるような気がします。
読み終わった後、UAの「数え足りない夜の足音」が聴きたくなりました。(「深夜特急」もどきのドラマの主題歌だったので)

3

寂しいと人肌恋しくなるよね。

日常会話のテンポよく流れる軽口や、ほのぼのした絵の雰囲気がマッチしててかわいらしい作品。
BLってどちらかが女性でも違和感ない作品が多いのですが、この作品は、
両方の男性が男の性格のまま、自然に一緒になっていくステップが描かれていると思いました。
パンツを自分で下げた、 天国みたいだろ?、好きかどうか考えなかった。など要所要所で印象に残るセリフが、ストーリーをぐっと引き締めていて一気に読んでしまいました!

あと、郵便が届かない、停電する、働かないローカルスタッフ、生卵食べると野蛮人扱いされる、ルームメイトが自分勝手、差別される、、などなど海外生活のあるあるが散りばめられていて面白かったのですが、
1ヶ月でホームシックでポロポロ泣く男っているのかな。。?と思いました。赴任2ヶ月は書類や身の回りを整える忙しさでホームシックになる暇がないので、3ヶ月ぐらいの設定がリアリティあるかも?あとロンドンって駐在員もすごく多いし、薄切り肉も買えるスーパーも日本食も沢山あるし、会社にも日本人多そうだったのでそこまでホームシックになる要素が少なかったように感じました。もっと日本企業の少ないルーマニアとかノルウェーあたりのヨーロッパの小国の田舎とかの方が設定に説得力があったのでは、、なーんて読後に思っちゃいました。

寂しい、人肌恋しいという感情に流されながら自然に一緒にいるようになった二人の関係が育っていき、転勤を絡めた将来の話でフワッと終わるエンディングがまたほのぼのした作風に合ってるなぁ〜と思いました☆

2

「孤独(寂しさ)」と「天国(幸せ)」はワンセット

これ絶対私が好きなやつだ!と思って電子化を心待ちにしてました。
期待を裏切らず、というかむしろ期待以上に良かったです!

単身の海外赴任で重度のホームシックにかかったリーマン2人。
おまけに舞台は、“悪天候続きで1~2月は国民全員が鬱状態に陥る”なんてことが囁かれたり囁かれなかったりする真冬のロンドン。
これだけでもBL的には期待を大いに煽られる素敵設定なんですけど、これを萌えメインのファンタジーBLに仕立て上げるのではなく、リアルな方へ舵を切られているところが私の中では神評価の決め手です。
人の心を参らせる孤独感の表現がすごくリアルです。
だからそれと対峙している2人の姿も必然的にリアリティが生まれて、その対比として2人が一緒に幸せを噛み締めているコマの一つ一つは、見ているだけでこっちまで癒されました。
繰り返し何度も読みたくなるストーリーです。

転勤でロンドンに移り住んで1ヶ月。
言葉の壁、食文化の違い、生活様式の違い、思想の違い…
日本では当たり前だったことがどれもこれも赴任先のイギリスでは通用しなくて、全てから逃げ出したいさなかにいた〔太田〕は、偶然高校の同級生だった〔行貞〕と再会します。
“当たり前”が通じる相手がくれる安心感と体温が心地よくて、2人は普通じゃないところまでどんどん距離を縮めていくのですが、私的に良かったのは彼等がすんなりとは繋がってしまわないところ。
─“好き”だけで、触れたわけじゃない。
帯に使われているこのコピーが効いてくる、2人の少し特殊な関係が良かったです。
触れ合うことが性的な欲求に直結する太田は恐らく男性的なのですよね。
自分の身体に触れて幸せそうにしている行貞に“好き”より先に欲情してしまう。
対して行貞の思考は女性的な感じ。
「手を繋ぎたい」「足を絡めたい」「身体を寄せ合って寝たい」は、必ずしもイコール「キスしたい」「セックスしたい」じゃない。
それにプラスして、別にゲイでもないので、太田からのキスには当然のように驚いて、セックスは全力で拒否します。
それで2人は一度すれ違うんですけど、そこから恋愛の“好き”に発展していく過程が無理なく、さも自然な感じに描かれていてじんわりしました。

「寂しい」で心の中が破裂寸前まで埋まって身動きすらも取れなくなってしまった時に人が取る行動って、太田がテムズ川を見ながらそうしていたように「祈り」だと思うんですが、でも祈りだけじゃやっぱりなんともならない訳で、最後の最後に描き下ろしのボーナストラックで明かされる2人の再会の舞台裏に思わずニンマリしました。
突破口は、能動的に見つけようとしている人に開かれてほしいですからね!
いつの間にかすっかり強くなってる2人がカッコいいです。
強くなれば未来は明るいんじゃないかな。

読み終わった後、薄切り肉問題について思わずググってしまいました(笑)
薄切り肉使えない食生活キビシー(>_<)

6

京山作品のなかで一番エロチック?

京山さんの作品はほぼチェックしてますが、本作が一番エロかったように思います(笑)
ご本人も、ちるちるのインタビューで仰っていますね。
天国みたいだろ?のときのユキサダの表情とか、ユキサダのことをかわいくてたまらんって言っちゃう太田とか。我慢の蓋が外れたときの太田の必死ぶりとか。
ユキサダが一緒に寝たい、という自分の言葉の意味に気づいて、自分の気持ちを受け入れる→なだれ込むようにベッドイン、の流れも最高にエロいです。

それから、京山さんの作品にはいつも感じるのですが、受け攻めどちらのキャラクターにも、それぞれの生活の場があって、そこでの出来事がキャラクターの内面に、ひいては主人公二人の関係性に変化を及ぼす、みたいなお話の作り方をかんじますね。
ふたりだけの閉じられた関係に終止せず、その背景に生活の場、社会があることを感じさせられるというか…。主人公たちが世界の中心ではない、世界の片隅に存在している感、と言ったらよいのでしょうか?
特にこの作品は、異文化異言語の国に馴染めず、時に差別的な言葉や振る舞いを受けながら生活する二人を主人公にしているので、このような"片隅感"が如実に現れるのかもしれません。

こういう世界観のなかに存在する二人が、今後どんな関係性を築いていくのか。ユキサダが異動になったら…どちらかが帰国になったら…とか色々考えると切なくなります。ましてや同性同士、社会的な障害も…とか考え始めるともうだめですね。
ラストの、とうぶんここで一緒にいよーぜ、の言葉がなんか凄く刹那的に聞こえてしまう…切ない…

と勝手に深読みをして胸を痛めているのですが(笑)、二人のバカップルぶり(特に後半)には何はともあれお腹いっぱいにしてくれるだけの威力がありますので、ぜひご一読を。

5

やさしく触れるのたまらない

ぜひたくさんの人に読んでほしいと思える作品です。

大好きになってしまったカップル!
太田と行貞(ゆきさだ)です。転勤先のロンドンで超偶然再会するふたりは高校の同級生で、クラスは違ったがテニス部の仲間だった。最後に日本で会ったのが6年ほど前らしい...というところから始まります。太田はこのときすでに重度のホームシックにかかっていたので、行貞と再会したときには"もう二度とオマエを離さないっ!"みたいに抱きしめる(抱き合う)んです。

行貞はお酒も飲めないし、このふんわり感がたまらなくかわいくてモテる雰囲気なんですよね。ふたり一緒にいるシーンはなんだかもう...キュンがキュンしてキュンキュンです(笑)。だけど、読後30分ぐらいすると切なさが増してくる...私には、そんな魔法にかかったような一冊でした。なにも考えたくないわけじゃないけど頭がいっぱい、なときに読み返したいなぁ。

それにしても、息を呑むようなステキなタイトルです。細かな部分まで独特、流石な表現力で、もうこれは京山マジック!そして、自分たちさえわかっていれば、しっかりしていればいいんだ…というようなあの感じは、あの場所で、あの環境でホームシックにかかった者同士だからこそ出てくるものなのでしょうね。太田のやさしさ。あぁ、ほかほかなふたりでした。

異国の地での魔法にかかったり、心が大きくなったりたくましくなって。おそらくいい年頃の彼らだろうから、故郷に帰るときがきたら…と思うとまた勝手にいろいろと考えて胸が詰まりそうですがね。ロンドンの曇り空ではなく、このスカッと晴れた空を思わせるエンディングは、切ない気持ちを少し香らせながらもなんてシアワセ気分をくれるのだろうか、と思うのです。

11

迷宮のリコリス

これ、気になってたんです!
孤独で淋しい留学経験者な自分(笑)
今思いだすと気恥ずかしいほど弱気になっていたなーって思うんです。
そんな環境で高校時代の仲間に出会ってしまったらって思うと・・・。
ああ、やっぱり読んでみたいです!

萌え?…

すっごく萌えましたので神評価です!、とゆう『神』ではなく
全体的な物語と読み終えた後の心地良さからのこの評価です。
BL漫画を読んだとゆうよりも、可愛い詩集を読んだような感覚。
共感できる部分が沢山あるのも読んでて心地良かったポイントなのかな…??
上手く言えないのが悔しいですが(>_<)手にとって良かったなぁって思える一冊です!
なんかBL漫画なのに…恋したくなります。笑

4

「寂しい」感情は、人間の哀しい性

突然ですが、私は寂しがりやです。
物凄く寂しがりやです。

どのくらい寂しがりやかというと、
地球100周してもまだ足りないとか、
そのくらいの規模の、とても言葉では表せない
超絶な寂しがりやです。

なので、この1冊への共感度は、とてつもないものでした。

ああ、この共感度を、どう言葉で表現すればいいのか……!!!
激しく感情が揺さぶられました。

「寂しい」という感情で、つながった太田と行貞。
行く末を見ずにはおれません。

   ◆◆   ◆◆   ◆◆

会社の転勤で海外勤務となった太田(攻め)。
イギリスのロンドン。
そこで太田は、言葉の壁等が立ちはだかり、
ひと月で孤独の闇が限界に達していました……。
タワーブリッジが見える川岸で、ひとり涙を流しているところに
突然、高校時代の同級生・行貞(受け)が現れます。

まず、「孤独の闇」というのと、太田の表情にヤラれました。
「寂しさ」の限界。
自分がどうなってもいい。
この先どうなってもいい。
「寂しいんだ、ただ、寂しいんだよ!」
そんな太田の心の声が聞こえた気がして、
共感が止まりませんでした。

わたしも、寂しい時は、寂しい。
孤独なときは孤独。
泣きたくなる。
いや、実際に何度泣いたかわからない。
太田の孤独が胸に響いて、
一緒に寂しさを募らせた場面でした。


行貞(受け)に会うことが出来、
更に家に泊まっていって貰えることになった太田。
「今日は泣きながら寝ないですむ」
ああ、もうこの言葉も共感!
暗い夜の闇の中、ひとりベッドで泣く……。
それがどれほど寂しいことか、私もよく分かります。
わたしは、今まで、1人で何回、
夜に枕の上で泣いただろう。
きっと太田も同じ気持だったんじゃなかろうかと思います。
「側に人がいる」
それだけで、どれだけ嬉しいか。
どれだけ、救われることか……。


一緒のベッドで足を絡ませて寝るふたり。
ひとりじゃない……
それがどれほどの安心か、痛いほど分かる。
行貞が思ったことで
「本当は手をつないで寝たかった」とのモノローグ。
手をつないだら……安心するもんね……。
私だって同じ立場なら、恥も外聞も捨てて、手を繋ぐなぁ。


勿論、萌えるシーンも有りました。
くっつきたがりの行貞。
それに煽られるように行貞にキスをしてしまう太田…。
そして、そのまま身体を弄り、無理やりフェラ。
「天国みたいだろ?」という太田の言葉。
でも、ひょっとしたら、
それは太田の一人よがりだったかもしれない。

その日を境に太田の家を訪れなくなった行貞。
「時間が戻せたら……戻せたら…」と後悔する太田。
しかし、太田が頑張ってすき焼きを用意すると、
行貞は再び太田の家を訪れます。
「もう俺、あんなことしない。絶対しない」と
行貞の前で祈るように震える太田。

行貞への性欲よりも、行貞への愛情と寂しさが
勝った瞬間だと思いました。
寂しさは、何よりつらい……。
行貞が来てくれないなら、何もしなくてもいい。
そう思った太田の寂しさが胸にジン…と染みました。

「寂しい」感情は、自分ではどうしようもできない。
周囲に人がいなければ、解消できない。
周囲に人がいて、初めて、ホッとするのだ。
寂しい……寂しい……寂しい……
お願いだから、離れないで…
「寂しい」感情は、人間の哀しい性。
そう思います。


それから、本番はしないまでも
太田(攻め)と寝る行貞(受け)。
行貞は「お前は俺が好きなんだと思った」と
言いましたが、
そりゃ好きじゃなきゃあんなことしないでしょ、って
普通思いますよね?
しかし、太田は行貞への気持ちを考えていなかった。
「行貞のこと好きだから、
 性行為をしようとしたんじゃなかったのかよっ!」
と、ちょっと太田にムカッときてしまった場面でした。

「オレもお前もどこか正気じゃない」と
行貞(受け)は、太田(攻め)に
押し倒されながら言います。

でも、それって普通じゃないかな?と私なら思います。
寂しさは、人を正気ではなくしてしまう……。
そのくらいの威力がある感情だと思います。


そうこうしているうちに、太田の仕事仲間のシンディが結婚。
イギリスを離れることになります。
そして、結婚の決め手として、シンディが行った言葉。
「単純なことよ。一緒にいることが自然に思えたからよ」

この言葉には、グッときましたね。
太田も行貞も、ハッとさせられたのではないでしょうか。
二人は、一緒にいることが、今まさに自然に思えている。
寂しさという共通点。
寂しさの共有。それがどれほど自然なことか…。
改めて思い知った場面なのではないでしょうか。


他に萌えた場面としては、
行貞が「オレ、男は太田だけなんだよな」という台詞には
ニヤニヤしてしまいました。
「オレもユキサダだけだ」という台詞にもニヤニヤ。
ノンケ同士って大好物です。いいなぁー。
そして、太田(攻め)と行貞(受け)のセックス本番。
挿入ありなので、行貞、大丈夫かなぁとか心配しましたが、
大丈夫だった。

「繋がりたいのは、やはり寂しいからだろうか」と
自問する太田。
寂しさで、繋がったっていいじゃないか。
「寂しい」感情ほど、つらいものはないのだから。


そして、ストーリーは行貞のミラノ転勤の話へ。
この話では、ラストまで答えの出ないまま、
話が終わってしまいます。

もし行貞がミラノ転勤になったらどうするんだろう?
生きていくためには、仕事も大事。
会社も大事。
けど、太田は、行貞が一番大事…。

異動、転勤……。
サラリーマンなら誰しも悩むこと。
それを悩みながら、
イギリスのタワーブリッジの川辺で、
この物語はラストを迎えます。

   ◆◆   ◆◆   ◆◆

なんか、自分の恥ずかしいことまで
述べてしまいましたが、
やはり「寂しい」感情ほどつらいものはないです。

寂しい、哀しい、つらい、誰か側にいて……。

そんな感情が伝わってくる
あまりに切ない物語でした。



そっと、自分だけの心のなかにとっておきたいような
そんな話でした。
ありがとうございました。

6

驚異の膝枕率。

二人ともなんてかわいいんだ!
特に甘えんぼの行貞のかわいさときたら…。(;o;)

驚異の膝枕率です。二人で過ごす時はだいたい膝枕してましたね。表紙でも膝枕。書き下ろしでも膝枕でした。
膝枕で始まり膝枕で終わってました。

二人ともホームシック限界。
オータより長くロンドンでの生活を過ごしていた行貞。
ホームシックの寂しさのあまりにオータに甘えまくる行貞だけど、愛しさを感じ始めたのはオータの方が先だった。
甘えてくる行貞がなんだかかわいくてキスしたら止まんなくて…。その行為にびっくりしてしまった行貞にオータは優しく同じ事をしてやる。

「天国みたいだろ…?」←(ココ萌えポイント)

とはいえ、オータは自分が行貞とどうなりたくてそうしたのかはよくわかってない。その壁はやはり「男同士なのに…?」「なにやってんだ?オレら…。」だって二人ともノンケだもの…。それは物語の最後までノンケなんです。多分これからもずっと、二人とも同性愛に目覚める事はないと思います。読み進めるうちに「どちらかが女性だったら良かったのに…。(;_;)」とも思いましたが、物語は男同士だからこその答えに向かって行きます。

そんな事があってからパタリと会いに来なくなった行貞。
でもやっぱりもう会えなくなるのは嫌で…繋ぎ止めたい気持ちに整理がつかないから言葉もみつからないオータ。口説けないから食い物で繋ぎ止めようと必死になります。(^^)

徐々に「女との恋愛の時とは違う愛しさ」をそれぞれ自覚していく二人の感情の変化も見せ方が巧いな…と思ったし、日本に一時帰宅したら「素」に戻ってしまうのではないか?という不安…とは裏腹に「一緒に居たい」というその想いは加速する一方だった。この甘甘っぷり…に読者の私はホッとしつつ…「あーもー勝手にしなさい。」と言いたくなるくらいでした。(〃∀〃)

巻末では二人ともどちらともなく、男らしく潔い決断をします。
オータと行貞は世界のどこにいても一生一緒にいて欲しい。絶対離れちゃダメだよって思いました。
やっぱりハピエンて良いですね~。(〃▽〃)

でも「萌」に留まってしまったのは…やはり絵が…。(^-^;
いや…絵柄は嫌いじゃないんです。でも…シャッシャッ!と複数の線で描いたようなペンタッチがなんか下書きみたいで…。ハッキリしない線がどうにもイラついて…。「萌萌」なのに「萌」留まりになってしまいました。

そこだけが残念です。(T-T)

5

淋しいが理由でもいいじゃない☆

ホームシックから始まる恋。
恋のきっかけなんて何でもいいじゃない☆
淋しいだけなのかもしれないし一時の感情なのかもしれないけど、その時はお互いが必要で離れがたい存在なのであれば、それは恋が始まる一つのきっかけに過ぎないんじゃない?

文化の違う異国で淋しさも極限に達していた太田と行貞。
そんな同級生の2人が偶然再会!
そりゃめちゃくちゃ嬉しいよね☆
特に行貞はホームシックが重症だったようで、一緒のベッドに寝て太田に足を擦り付けたり腕を絡めたり。。
毎日ベッドでそんなことされてりゃねぇ、そりゃ手も出ちゃうでしょ☆
健全な青年男子ですからね(笑)

始めは愛とか恋とか関係なく、とにかく温もりを欲してたんだと思います。
その欲していた温もりがとても心地よくて、太田はその温もりを行貞と分かち合いたいと思う。
好きとか嫌いとか、そんな意識じゃなくて、とにかく離れたくない見捨てられたくない。
でも行貞の方には葛藤がありました。
太田と離れたくない気持ちは同じだけど、そうするには受け入れなければいけないことがある。
でもそれには決心が必要で。。

行貞の「寝たい」と太田の「寝たい」の意味は若干違っていたけど、一度決心してしまえば怒涛のラブラブモード♪

さわりたくてさわられたくて、体が溶けて一つになってしまいたい…

なんて情熱的なんでしょう☆
まだこの期に及んで淋しいからだろうか?なんて言ってるけど、もうこの時には愛を超えた2人だけの絆が生まれていますよね!
最初は淋しさから生まれた気持ちだったかもしれないけど、2人の力で淋しさを乗り越えて絆を深めて強く結びつく。
もう完全に愛以外の何物でもないでしょ☆

そこに本当の愛が見つけられるなら、きっかけなんて何でもいいんです☆
そんな風に思わせてくれる素敵なお話でした♪
やっぱり京山さん上手だわ☆

6

天国みたいだろ?ユキサダ

いやぁ もぅ やはり京山さんは凄い漫画家です
ただ、甘いだけでは無く、本人も蓋をしていた内側を暴く描写が素晴らしいです
でも、加減が良いのでエグくない 作品に深みだけを与えるんです 今作は今まで一番好きです

舞台はイギリス、高校のテニス部の部活仲間のユキサダとオータが互いの赴任先のイギリスでばったり出くわす

しかし、その時には二人共慣れないヨーロッパの言葉、食事、文化に追い込まれてて相当参っていた

そんな異国で孤独と寂しさが絶頂の時に出会った昔馴染み、二人の物理的距離は心の寂しさを埋める様に近づく

そして、ある日オータに膝枕をしてもらっていたユキサダの頭にキスをするオータ
『えっ、なに?』
『いや、なんとなくしたくなったから..』
いやいや、なに?って聞いたユキサダ あんたも既におかしいよ!友達の膝枕で寝転ぶってないでしょ!!
ってツッコミましたww

その日の晩にオータは堪らずユキサダにキスをする
ユキサダも戸惑いながら、オータに触られ自らパンツを脱ぎオータの手に自分の手を重ねる もどかしいとでも言う様に
オータはユキサダのアナルに入れようとするが、
ユキサダは『怖い やめて』と拒む
その口元に興奮しフェラを強要
口内発射したオータの精液を吐き出しに行ったユキサダ
オータはここでやっと少し冷静になったと思います
自分のやった事に してしまったことに..
タオルを持ちユキサダを追うオータ
下半身を露出し、口をゆすぐユキサダを優しく包むオータ
そして、唇を重ねる
突き放し逃げるユキサダ
『こっちくんな バカオータ』と子供の様に罵るユキサダ
そんな、ユキサダと竿をそれは、それは優しく包み咥えるオータ
喘ぐ ユキサダ

ここが 良かった ここも 良かった どう? 天国みたいだろ?
ユキサダ

このモノローグがとてつもなく可愛くて悶えました..
自分が良かった事をユキサダにもやるオータの名誉挽回ともいえる一生懸命の行為に

しかし、その日を境に来なくなるユキサダ
ユキサダにもう一度来てもらう為に美味しいもの用意しようとするオータ
腐心して考えたのがすき焼きでした..
アホくさくて可愛いオータがたまりません

そんなオータに 食べ物しかないんか..と戸惑いを見せるユキサダ

彼はオータが自分を好きだったのかと思ってました
すき焼きを食べる時にそうもらしたユキサダ
しかし、オータはそこまで思い至って無かった

ユキサダを気遣い、あんな事は2度としないからと別々で寝る事を伝えるオータ
そんなオータの行動に何処か寂しさを覚えるユキサダ
『俺はオータの寝たい..』
率直に聞こえる台詞ですが、たんに人肌恋しかったからポロっと出たんです その瞬間は
しかし、それをSEXととったオータはユキサダに優しくキスをする
ユキサダ あれっ?そういうイミ? それは..そういうことだったんだ
と初めて自分の思いに気付くユキサダ

でも、淋しいだけかも知れない
ホームシックで正気じゃないかも知れない
もともと恋なんて正気じゃないだろ

こうして、二人は人肌恋しいのか純粋な恋なのか混在した関係になっていきます

でも、恋なんて純粋な思いだけじゃないと思うんです
その時の心の隙間を埋める様な始まりや思いなんて誰でもある事だと思います
彼らはそこに同性っいうマイノリティなキーワードが入っているから、もどかしくなるんです

でも、だからこそ、この環境でしか出逢えなかった思いや越えられなかった線だと思うとそれだけで胸がグッと掴まれます
真っ新で純粋な思いだけじゃない恋って凄くいいなぁって

そして、二人で夏季休暇を利用して帰国
二人は帰国と同時にこの愛おしい気持ちが霧散するのではと危惧していたが、想いは深まる一方でした

もうここからは色ボケ馬鹿ップルぶりが可愛過ぎて止まりません
恋しい愛おしいと言う気持ちを隠すこと無く見せ合う二人

わだかまりも無くなり異国で二人頑張ろうと決意新たに戻ります

程なくしてユキサダにイタリアに転勤の打診がありました
断るユキサダ
でも、オータも色々考えていて、もしユキサダが転勤になったら俺は仕事を辞めてついていく 仕事は現地で探せばいいとプロポーズ
もぉ どんだけ好きなん!!って絶叫ですよ
そんな、オータにユキサダもプロポーズで返します

異国で色んなとこがルーズで不便だけど、男二人でいても咎められること無い緩さもまた異国ならではの雰囲気でした
この土地で当分二人でいようと告げるユキサダにはこの異国が、もたらしたおおらかさが身についてる様でした

特異な環境から育った恋に胸が高鳴りました
京山さんのモノローグは物凄く想いが伝わります

もどかしい思い 恋しい思い 戸惑い 沢山の思いを抱えて結ばれた二人が大好きです

沢山の要素を含む京山ワールドか好きでたまりません
今回も素晴らしい作品をありがとうございました

8

真正面に直面

一読し終えて何処かで同じ様な感覚を味わった様な…
…と脳内を探ってみました。
既視感がある筈です。この方の旧名義でのデビュー単行本の
構成要素の一つが、この作品の軸と同じものでした。
ただ、重なった年輪の重みが展開の差異を生み出しています。
少し前までのこの方なら、一歩踏み込んだ展開を回避したでしょう。
そこを敢えて一歩踏み込んだ上で曖昧にしたのは、この方の
中での宿題の答えに一歩近付いたのだと言う意思表示なのだろうかと。

ある意味生臭い話ですから好き嫌いは当然の様に出るでしょう。
ただ、この生臭さは結構評者好みだったりします。

3

ホームシック

この距離感がすごく好き。
絵は相変わらずうまくはならんなーという感じがするんですが(苦笑
うまい下手ではなく見せ方がすごくカワイイ。
同じ布団で寝て。足をすりよせてきて。
胸元に頭をうずめて寝る暖かな存在。
そらカワイイでショーよ!!!
ホームシックな単身赴任から始まる物語。
幼馴染で別にゲイでもない二人。
それは一時の感情かそうじゃないのか。
そんな葛藤踏まえて~な物語。
一冊丸々で起承転結最後まで読めて大満足(*ノ∀`*)ノ uma-

誘いのメールが食い物ばっかりだなーを連呼している受。
最終最後までご飯メールばっかだったのには笑った。
細かい演出も嬉しい。

あえていうなればフツーの二人がフツーに出会って
いつの間にか~な展開なのだけれど不思議とホッコリきゅんとする
お話でした。今月は京山作品2冊も読めたのでおなかいっぱいです☆

4

ラブメーターもエッチメーターも0から100まで読める

ストーリーラインもコマ割りの流れも私好み。

はじめはお互いに故郷から離れて、寂しくて寂しくて涙が出るほどホームシックになった。寂しい二人は出会った瞬間喜びがあふれた。一緒にご飯を食べたり、同じベッドで寝たりする二人を読んで微笑ましい。好きかどうかまだ分からない二人は本能に任せて挿入以外はした。次の日は普段通りに一緒に朝ごはんを食べて、さよならをした。その日から相手のことを初めて意識して、寂しいと好きの境がはっきり分からないからエッチはするけど挿入はしない。

「一緒にいるのが自然に思えた」って友人の結婚の決め手を聞いて、覚悟を決めてフールコースのエッチをする。その後、帰国してもいちゃいちゃする。そしてイギリスに戻って、相手の転勤の話を聞いて、離れたくなくて仕事を辞めてもいいって結論を言い出したとき、感動します。ラブーメーターもう~MAXになったわ(´艸`)。

エッチシーンも萌えた。最初は「指を入れたら殺す」とても初々しいですね。最後は「ローションないけど入れてほしい」、大胆すぎて、もうたまらない(*´∀`)クスクス。

8

気持ちが伝わるストーリー

異国の地イギリスで偶然再会した二人。

ロンドン勤務という響きに、初めは意気込んで来たものの
言葉の壁、生活習慣、食生活・・
1か月で孤独の闇の限界に自然と涙がこぼれた太田・・・
そんな太田に声をかけたのが、高校時代の部活の友達だった行貞。
行貞もまた、太田と同じように・・太田以上に重傷で・・
太田の身体に身を寄せる行貞。
太田もまたそれを特に拒むことなく
2人して自然と人のぬくもりを求め体を寄せ合い眠った。

言葉の通じない知らない土地で、精神的に限界を感じた時に
日本人の知り合いに会ったら・・・
そりゃぁ、すりすりしたくもなりますね。
大の大人の男でも、寂しいものは寂しいし悲しくて涙も出るでしょう。
その気持ちをなんとか我慢して乗り越えようとする二人の気持ちが
非常にリアルに表現されています。
最初はお互いの寂しさや辛さを埋めるためだった。
肌を寄せ合い、足をからめ、ぬくもりを感じながら眠る・・
それがだんだんと心のつながりをも望むようになり、
互いになくてはならない存在になっていき・・・
あるとき、いつものように一緒のベッドですりすりしてくる行貞に
愛おしさのあまりとうとう欲情してしまう太田。
とても自然な流れのように感じましたが
突然の出来事に、太田のその気持に素直に答えられない行貞。
健全な成人男性である二人だから、当然あれこれすれば
生理的な現象は起きるわけで、そこに愛情がなかったら
ただの性処理になってしまいます。
少なくとも二人共、お互いをいろいろな意味で必要としていたと思います。
その時はまだ恋人とかいうものではないけれど
傍にいて欲しい、離れられない存在。
「好きだけで触れたわけじゃない」と帯にも書かれている通り
好きだけどそれだけじゃない、同じ境遇だからこそ理解しあえる
好きとか嫌いとかそんな簡単に片づけられないような
見えない心の絆でつながっているようなそんな二人。
心が病んで空洞ができるとそこを埋めようとして本能で何かを求めてしまう。
からからに乾いた土に水を注ぐように、
日本人のぬくもりに飢えていた2人が偶然出会い
渇いた心が少しづつ潤いを取り戻していきます。
寄りかかれる人が・・・受け止めてくれる人がそこにいて、
寄り添うだけで良かった行貞とそれ以上を求めてしまった太田。
ちょっとした気持ちのズレはあったものの
お互いを必要とすることには変わりはなくちょっと距離を置いたことで
なお一層愛おしさが増した様子に安心しました。

外国(イギリス)でのリアルな暮らしや常識など
普段日本での生活しか知らないものにとっては驚くことばかり
その辺も分かりやすく表現されていて、理解しやすかった。
日本国内での移動でさえ、まるっきり知り合いのいない場所への転勤は
やはり勇気のいるものだし、環境の変化は誰でも多少なりとも応えるもので
お互いがそんな極限での生活に舞い降りた天使のようだったのかもしれないですね。
1冊かけて、ゆっくりと気持ちの変化をたどっているのも良かったです。
急激に変化して無理を感じるより、自然な流れが理解できます。
そして何より、あんなに帰りたかった日本に帰っても
やっぱりお互いにメロメロで「俺たちバカップル」と自ら宣言してしまうほど
無くてはならない存在に、完全に定着したこと。
「からだがとけて、ひとつになってしまいたい」
それってすごい台詞だけど本心なんだなぁて思いました。
二人で孤独の闇から這い出したんだね。
本当に辛い時期を共に乗り越えた二人だから
これからの幸せもきっと二人で分かち合っていくんだろうな
そんな風に思えるラストでした。





14

ホームシックから始まる恋

ロンドンへの転勤が決まり、
周りから「カッケー!!」なんて言われて、
攻め(表紙上)は前途洋々な気分だったものの、
ひと月で孤独感とホームシックで限界に達し、震えながら泣いていた…
そんな時に声を掛けてくれたのが、
6年振りに偶然再会した高校の元同級生(受け・表紙下)。

同じく海外赴任でロンドンに住んでいて、
受けもやはり同じようにホームシックで寂しかったのだと知って、
再会の夜、ふたりは同じベッドで横になり足を絡めて眠る…

この作品、
異国での孤独感や人恋しい気持ちが募って、
気持ちが不安定になっている様子が、とてもリアル。

ドライなタイプだったはずの受けが、
とても人懐こく、攻めの体にくっついてくるようになっていて、
攻めは最初は戸惑いつつも、分かるなぁと受け入れているうちに、
衝動的にキスをして、力任せに抱こうとしてしまう…

元々どっちかに恋愛感情があったわけじゃなく、
身体を繋げようとしたのも流されたのも、恋かと言われると微妙。
でも、自分と同じく日本語を話し、
同じものを美味しい!と一緒に食べて安らいだ時を共有できる相手を、
依存でもなんでも失いたくなくて…
そして、
触れた身体はあたたかくて、
性器を口に包まれると、まるで天国にいるようで。
だけど、
その行為の後、受けは攻めの家には来なくなってしまう…


日本からの荷物を受け取るのも一苦労とか、
1週間ガスが使えなくてお風呂に入れないのも結構普通とか、
イギリスでの生活の不便な事がとても具体的に描かれているので、
その辛さや寂しくなる2人の気持ちに感情移入しやくすて、
だからこそ相手を求めてしまうのも、葛藤も、すごく分かる気がする…
そうやってどちらの気持ちにも寄り添いながら読み進められるのが、
この本のとても素敵なところだと思いました。

関係がちゃんと育って、
すごく大事な間柄になっていって、
プロポーズって言葉が出るほどになるのにも、心満たされました。

京山あつきさんの本は2冊目で、久しぶりに読んだのですが、
また違う作品にも手を伸ばしてみたくなりました。

16

この作品が収納されている本棚

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