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表題作極悪人のバラード

高野航二, 親友に片思いしている起業家
水沢渉,19歳, 郵便局臨時職員

その他の収録作品

  • Home, My sweet home
  • 君の幸せ 俺の幸せ
  • あとがき

あらすじ

自ら起業し社会的な成功をおさめながらも、親友への叶わぬ恋にフラストレーションを抱える高野。憂さ晴らしに一晩30万円で澄んだ瞳の青年・渉を買うが、文句ひとつ言わず従う渉に苛立ち、酷く当たってしまう。それでも変わらずに逢瀬に応じる渉――いつしか二人でいる時間が心の拠り所になっていた高野は、溺れるように渉にのめり込んでいくが……!?

作品情報

作品名
極悪人のバラード
著者
月東湊 
イラスト
榊空也 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
幻冬舎ルチル文庫
発売日
ISBN
9784344834453
3.8

(83)

(35)

萌々

(24)

(9)

中立

(4)

趣味じゃない

(11)

レビュー数
10
得点
302
評価数
83
平均
3.8 / 5
神率
42.2%

レビュー投稿数10

私は高野を許せない!

渉が、幸せだと自分で思えるようになって良かったです(´つω・`)
彼の生い立ちと境遇には、もう辛いし切ない…!!

高野が憎たらしくなりました。
よく許されたな…。
もっと痛めつけてもいいんじゃないかって思えるぐらいの渉への仕打ちが私は許せなかった ಠ_ಠ
でも、渉への異常な執着ゆえの愛情は渉にとっては唯一の自分自身へ初めて優しさと愛情をくれた人と思ってしまうのは仕方ないのかなぁ…と思いました。
渉の孤独と高野の孤独は、私は同じだとは思えないけれど…寂しさを誰かが側にいて安らぎを感じることが出来たのが、お互い同士だったのだなぁ〜と思いました(๑ ̄∀ ̄)

結構、内容的には好みが分かれる作品でもあると感じました。フィクションでも…物語の設定を少し現代よりにしなければ受け入れられたかもしれないけど、結構ギリギリラインの物語でした。

0

なんて奴!

最初、高野は何てやつだ、お金で言うことを聞かせるのはまぁ仕方ないとして、と思ってましたが、物語が進むにつれて渉に首ったけになってしまう。。。
ですが、その渉への思いがねじ曲がって、どう対処して良いのかわからずに、最悪の仕打ちをしてしまいます。

渉はそれを機に高野から距離を取り、離れていきます。
高野の方は、信田とのことも渉とのことも気持ちの折り合いが付けられないまま、そしてどうにもならずに事件を起こしてしまいます。
(とは言え、通報されなかったので事件にはならなかったのですが)

でも、そのおかげ?で渉を側に置くことができるようになり、信頼を回復する努力をしていきます。

高野のねじれてしまった心の動きと、渉の健気な高野への対応、めちゃくちゃ引き込まれました。ありがちだけど、嫉妬や劣等感といった負の感情をうまく表現されていました。ホント、あの境遇でひねくれなかった渉がすごいわ。
だからこそ頑なだった高野が変わったんでしょうけどね。書き下ろしはもう、甘い甘い。高野がいい男になっていきます。
信田達とのパーティも楽しそうで、このまま幸せに暮らしていってほしいです。

榊空也さんのイラストもストーリーとマッチしていて最高です。

2

隠れた名作!攻めザマァ成長記


親友に片想いを拗らせている攻めが、憂さ晴らしで男の子を買って遊んでいるうちに、だんだんその子にハマっていくお話。
珍しく攻め視点です。(最後に少しだけ受け視点もあり)

驚いたのは受けを好き勝手に扱う攻めですが、なんとその描写がないこと!
乱暴にしたりと可哀想なことをしたとのことですが、その部分のエッチシーンがないので痛い系が苦手な方には、大分気が楽かと思われます。
ただ、逆にその辛い部分がないと成就した時の幸せも薄くはなってしまいますが…。

あと思ったよりも早い段階で攻めが恋を自覚します。
あれ、あと7割くらい残ってるのに…?と、戸惑いましたが結構拗れていくんですねこれが…。

読み終わった私の攻めへの印象は「思春期拗らせた大人」という感じ。
お金も才能もあるのに、どこか不安定。
嫌なことがあると受けに当たり、落ち込み、自堕落になる。
当たり前のように不法侵入もするし、たくさんの貢ぎ物をして記憶に刻まれようとしている。

そして後半と描き下ろしが神です!!
何かあるんだろうな~この受け、と思っていましたがまさかの不憫受け!!
実はどちらとも愛に飢えていて、居場所を探している。
幸せを探しているんです。

前半はあんなにダメだった攻めの愛情が、後半ではヒシヒシと伝わり、受けの心を溶かしていく過程が本当に良かった。
実は繊細で臆病な心の持ち主の二人が、互いを思って生きていこうとする姿勢に涙しそうになりました。

執着攻め目的だけで購入したのですが、こんなに深いとは思わず…。
いい意味で裏切られました。
本当にこの二人にはずっと幸せでいて欲しい!と強く思いました。

また、この作品の魅力でもある挿絵のイラストがとても良かったです!!
ここの描写があったらいいなぁと思う場面で絵があり、想像以上に構図や雰囲気がとても綺麗で優しいんです。

読了後の満足感でしばらく天井を眺めていた私でした。

5

寂しがり屋のオレ様が愛しい居場所を見つけるまで

答えて姐さんの「泣けるおすすめBL」で推薦されていた作品でしたので早速読んだとこと私の好みドンピシャな切ないお話でした。
ご紹介くださりありがとうございます。

タイトルになっている『極悪人』は学生時代の研究仲間と起業して成功した技術者でもある 高野。
この男、見目よく金もあり男も女もいろんな尻尾を振ってくる華やかで幸せそうに見えて結構寂しがり。
恵まれた中流家庭で育つもどこか家庭に居心地の悪さを感じ自分の居場所を見つけられないまま大人になったような人です。

金もあり仕事に成功し名を成していても、誰にも気を許せず尖った心で表面だけ笑顔の付き合いで疲れ切ってる毎日が痛々しいです。
心のより何処を求めながらも弱さや疵を分厚い鎧で覆って他者を攻撃することで癒そうとでもしているようで、誰かこんな寂しがりやさんを救って欲しいと思わずにはいられませんでした。
とは言ってもやることは結構クズなんですけどね。

ある日、気晴らしにSMプレイの相手探しのナンパ中に出会った少年 渉。
恋人の出産費用の30万円のために好きにしていいという。

高野にしたら渉は見てくれで一目惚れ、会うたびにどんどん好きになっていく、でも彼はもうすぐ生まれる子供と妻になる女のために身を売ることすらできるくらい愛してるんだと思うと憎らしくも思うのでしょう。
ときに酷くして、気まぐれに優しくする残酷な男です。

学生時代から片思いしている仕事上のパートナーには妻がいて、渉にも将来の妻子がいる…
自分の思いはいつも叶わない…
自分にだけは居場所はどこにもない…
そんな閉塞感やら焦燥感、孤独感などまぜこぜになり渉に当たってますます酷くしてしまうことにも自己嫌悪して、という悪循環。
本当は好き、俺のものになってなんて素直に言えるはずもないのがじれったい。

しかし、このドSな『極悪人』直ぐにその化けの皮が剥がれヘタレな寂しがりやさん、あるいはちょっと危ないストーカー、それとも誘拐犯かと変容していくのですが、天使な渉のお陰で犯罪者にもならず暖かい居場所を見つけて幸せになれて本当に良かった。
高野が哀れすぎてクズでしょうもない行動も許せちゃうところが不思議です。

恵まれない生い立ちの渉も、居場所探しに疲れ切っていた高野と出会えて二人が一緒に幸せになれて本当によかった。
それから5年後10年後の二人が共にあってずっと幸せなんだろうなという展開が見えて幸せな気持ちで本を閉じられました。

11

もっと刺激が欲しかった

久し振りに健気受けとその切なさを堪能したいと思い…
クズ攻めも大好きなのでタイトルからも期待したのですが……
インパクトはほとんどありませんでした。残念。

シリアス好きなので受けを玩具扱いしているシーンなどはじっくり読みたかったのですが…リアタイではなくそう扱ってやった的な説明ばかりでどうにも心抉れませんでした。

攻めが惹かれていったというよりはそうなるように組み立てられたお話…という印象が強くキャラにのめり込むこともできませんでした。

いじめたかったのは分かるけど唐突にモブ呼び出し受けを抱かせようとした攻めにハテナマークを浮かべてしまいました。
そういう嗜好があるなら分かるけど…それで関係途切れたとか正直カッコ悪かった。

あと副支店長の存在さ…そういうお話の展開になるならこっそりでも最初から絶対援助してくれたと思うぜ。
受けの行動にお涙頂戴させたいだろうけど…正直必要だったのか?すら感じてしまった。


後半はずっと甘々で正直とても退屈でした。
このお話は波に乗れないとずっとローテンションになってしまう気がする。


健気な子が幸せになるそんな姿を追っていきたい…!という人にはいいかもしれません。
ただし私の中ではシリアス度も低いですし攻めはタイトル負けしていると思うのでそこを欲すとかなり物足りないかも!?

イラストはとてもお話に合っていたと思います。

1

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