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こんなバッドエンドが見たかった
予備知識なしに知らない作家さんを開拓…と購入。
BLだからLしてるものと思い込んでいましたが、L要素は微かに感じられるほどで、全編を通して、むむぅ〜と目を背けたくなる場面ばかりに私は感じました。
絵柄や雰囲気は好きなんですけどね。
(ちなみに同先生の「アルコホール・コミュニケイション」はBLしていて不快感なく好みの作品でした)
アンノウン
傷がグロいし痛そう。
正視できない。
モデルも写真の作品の良さもわからない。
Robot
ロボットとは言えあんな暴力は見たくない。
傷が正視に耐えない。
Lを感じられない。
アイ・ライク・ユー アイ・ラブ・ユー
これはミカが「好き」という気持ちはみじめで気持ち悪いと思っていたけど、告白されてそうでもないてことを描きたかったってこと?
(理解力なくてすみません)
正方形のアイスクリーム
これはダメでしょ。
枠からはみ出るために女装するのはいいとして、そんな生徒を教師が騙して薬使って強姦して撮影するて。
やられた本人は解放された、てことにしたいんでしょうけど。
胸ク○悪いですよ。
たのしいかたち
唯一少しLを感じたけど、先輩の裏表の闇感とかピアスのくだりが痛そうで、そっちばかり印象に残ってしまった。
Make haste slowly
過去、恋人を妬んで傷つけて別れて、その後、元恋人が成功したのを知り、振り返って反省するという話。
どこにおもしろさを感じたらいいのかわかりませんでした。
ま、普通の人のよくある話だと思うから共感できるのかもだけど、Lも萌えも感動ポイントもなく、ああ、そうですか、で終わってしまった。
評価としては、趣味じゃない、ですが、内容を確認せず購入した私が悪いので中立です。
バッドエンド集だと期待して読むのはやめた方が良さそうです。あと一歩ですごく余韻の残るバドエンになりそうだけど、ちょっと惜しいかなぁという作品が多かった印象。最後に全短編の短い後日談も収録されていて、いつもなら嬉しいところなのですが、余韻を大事にしたい作品が多かったので、明るいトーンの後日談はあまり読みたくなかった気もします。本編と同じ時系列で視点を変えた描き下ろしとかでも良かったのかなと。
◆アンノウン(表題作)
美しい容姿のジェイを、カメラマンのフランツが囲ってしまいます。撮影時に魅力を引き出すため、合意を得た上で、ジェイに暴力も振るうフランツ。愛というよりは、妄執的なものを感じました。ある日ジェイのおかげで名声を獲得したフランツが帰宅すると、彼はいなくなっていました。数年経って、荒んだ生活を送っていたフランツは街でジェイを見かけます。囲っていた日々からは想像もつかないような眩しい笑顔を見せ、友人に別の名前で呼ばれるジェイを見て、フランツは彼のことを何も知らなかったことを思い知ります。これはもう少し長ければ!と思った作品。ジェイに妄執を注ぐフランツと最後に愕然とするフランツとの対比を、もっと楽しみたかったです。
◆正方形のアイスクリーム
一番好きな作品です。教師×女装癖のある生徒で、母親から異物扱いされ家に居場所のない燐を、教師の大杉が居場所を与えるふりをし、狡猾に自宅に誘います。いい雰囲気になったところで、急に別の男達が現れ燐は戸惑いますが、言葉巧みに逃げ道を封じる大杉に逆らえず、男達に犯されて大杉に動画を撮られてしまいます。生徒の未熟で飢えた心を利用して喰い物にする大杉を酷いと感じる一方で、生徒の哀れさに惹かれてしまう作品でもありました。
◆Make haste slowly.
大学時代に付き合っていたけれど、別々の道に進んだ宮田とよみ。2人が別れたきっかけとなったのは、よみが映像作品の才能をなかなか認めてもらえず燻っていた時に宮田が賞を獲り、そんな彼によみが酷い言葉を吐いてしまったこと。よみの気持ちを考えると共感できなくもないんですよね。自分が結果を出せない時に、他人の成功を聞かされるのはとても辛いですから。デザインの道に進み、結婚もして子供もできたよみは、テレビで宮田が映画の賞を獲ったことを知ります。妻にも当時のことを吐き出し、少しすっきりしたようにも見えたよみ。もし別れていなかったらどんな未来が待っていたのか、よみの想像の中の2人が切なかったです。
私にはバッドエンドという感じはしないです。
というか、最後に各ストーリーの後日談があるわけです。
バッドなのは正方形のアイスクリームの男の子だけかなって。
後日談の男の子は別の子だし、捨てられたんだろうなと。
I like you,I love youは実らない恋で可哀想かなと思ってたけど、妄想でアーノルトとセックスしてたりするし。
でも、最後はアーノルトとの恋よりアーノルトとの友情を選んだのかなって。当たって砕けても良いからどっかで告白しようと思ってる笑顔にも見える。
アンノウンは特典ペーパーでフランツが新しい彼とイチャイチャしながらモデルで出てきたアッシュを称賛しているし。
たのしいのかたちは卒業して一緒に暮らしてるし。
痛いことしててもそれがお互いに好きならしょうがないです。別に無理矢理な感じはしないし愛があると思うから。
robotの話はケガしてないのに胸が苦しくて痛いのは故障かなって悩んでたりして、そのロボットの気持ちが先生に伝わらないのかなって思いましたが、ロボットの喘ぎ声や反応をプログラミングしたのは先生、先生って変態って言ったところで先生に殴られてました。なんだ相思相愛かと思いました。
私にはバッドじゃない。皆ちゃんと良い恋してる。
その恋の途中のバッドな部分をピックアップしてる。後日談も含めて読むと全体で見たらハッピーエンドです。
正方形のアイスクリームを除いては。この話だけは先生最低です。
予備知識無しで購入。
短編集で、ラストの一作以外バッドエンドでした。そして読後に帯を見たら「こんなバッドエンドが見たかった」。
そうだね!その通りだ。
この需要と供給を見ると、BLの多様化を感じます。
BL黎明期のバッドエンドは禁断の恋でお別れ、みたいな、死んで結ばれる、みたいな。今求められている世界とは違うよね…それからハッピーエンドがフツーになって、ほんとに色んな設定が出てきて、いつの間にやらバッドエンドがタブー?になって。そんで今また新たな需要が出てきてる。
本作の収録作はそれぞれに違う読後感があって、一口に「バッドエンド」と言っても多様な展開の解釈があることがよく分かる。
「アンノウン」
ミューズとしての美少年がある日突然消える。捨てられた?写真家。捨てた少年の方はそんな意識もなくあっけなく新しい自分に。再会しない結末もあったと思うんだけど、あえて会わせて写真家の衝撃を描く作者の企み。
「Robot」
美形ロボットに暴力を振るう美形先生。多分先生はロボットに惹かれてるような気がする。ヒトとロボットの境を越えられないのは先生の方?。体の痛みは勿論感じないけど、どうやら感情が生まれ先生に恋してるらしいロボット。平行線の2人。
「アイ・ライク・ユー アイ・ラブ・ユー」
ホモ嫌いのアーノルトに恋してるミカ。勿論隠して隠して。そんな自分にまっすぐ恋心をぶつけてくるダサメガネ。オレは誰にも言えないのにムカつくんだよ。しかもオレがアーノルトを好きな事気づいてるし!
「正方形のアイスクリーム」
女装高校生。これぞ救いのない正統?バッドエンド。高校生がヒドイ目にあっちゃって、私的に読むのキツかったです。
「たのしいのかたち」
真面目そうな先輩をゲイSMAVで発見!しかもタトゥー&乳首ピアス!もう後輩君は先輩の事が気になって気になって。で、流されて?気が付いたらアッチ側に行っちゃった。あれ、バッドエンドじゃないかも。
「Make haste slowly.」
TVで元カレが映画の賞を取った事を知り、過去を回想する。嫉妬も僻みもあったけど。今は2人にとってはキラキラした過去になってる。
ラストにこの話があって、この一冊が明るい雰囲気になりました。
また、書き下ろしでそれぞれの後日談がコミカルに描かれていて、この作者様の引き出しの多さも感じられました。
これは、スキキライが分かれるとレビューにありましたが、私は後者の方でした。
趣味の問題なので、ダークなもの、暴力や裏切り、それに女装などが大丈夫な人には受け入れられるんだと思います。
どれも眉間にシワを寄せて読んでいましたが、唯一普通に読めたのは、最後の元カレが映画監督になっている話。よみ君は学生時代にカレがいたけど、その後色々あって結婚して子供もいる。そのよみ君の回想話なんですがすごくリアルな気がしました。学生時代は、才能のあるカレを妬んで、酷いことを言って別れて、最低な男なんですが、自分にカレがいたことを奥さんに話しているところが好感が持てました。
カレからのメールの返信が優しいのも救われました。
このくらいなら大丈夫なんですけどね。
痛いのは、ほんと、ごめんなさい。