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優男とサディスティック

yasaotoko to sadistic

温柔男子与残酷本性

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表題作優男とサディスティック

吉野桜次,ストーカー
高瀬一,サラリーマン

あらすじ

瀬は、いたって地味で普通なメガネのサラリーマン。
ところが、そんな彼をつけまわし、女性との仲を引き裂くストーカーが現れた!!
つきとめたストーカーの正体は、高校の同級生でイジメっ子の吉野だった。 イケメンで資産家の親を持つ吉野が、今さらなぜ――!?
問い詰めると、いきなり「好きだ」と告白されてしまい!?

作品情報

作品名
優男とサディスティック
著者
秀良子 
媒体
漫画(コミック)
出版社
徳間書店
レーベル
Charaコミックス
発売日
ISBN
9784199606465
3.7

(188)

(64)

萌々

(55)

(43)

中立

(15)

趣味じゃない

(11)

レビュー数
23
得点
684
評価数
188
平均
3.7 / 5
神率
34%

レビュー投稿数23

癖になる〜好きなヤツだ。

凄く独特の雰囲気のお話。

2年間もストーカーしてた、吉野の気持ちは筋金入りだね。しかし、吉野はとてもイケメン&クズ。
しかし、イケメンがストーカー設定とは〜ギャップ萌え。
平凡に生きている高瀬の日常に、どんどん侵食して行く吉野の様が良かった。
高瀬は高瀬で、最初は困惑していたが、吉野を手放せなくなっていて、最後は一緒に住んじゃいました。ってな、感じ。
高瀬は吉野にいじめられていた過去を忘れてなくて、吉野はいじめた高瀬を忘れられなくて・・・お互い囚われた者同士。
ひと通り読んでから、タイトルの優男はどっちなのか?サディスティックはどっち?

高瀬が、サディスティックなんだろうけど。
吉野が優男な所が、まだわからない。
これ読む度に、感想が変わるヤツだ。

腑に落ちるまで何回も、読んじゃおう・・・

0

結局なあなあなカップル

 この作品が刺さる人がたくさんいるのも理解はできる一方で、私にはあまり理解できないカップリングだったな、というのが正直なところです。タイトルでも匂わされ、実際SM要素のある濡れ場もあるのですが、個人的にはそれがメインではないと感じました。こういうSMに萌えるか萌えないか、ではなく、ストーリーをすんなり受け入れられるか否かでハマるかどうかが変わる気がします。

 昔結構悪質ないじめをしていた人が、その被害者のことを忘れられなくて気付いたら同性だけど好きになっていた、そして、ストーカーになって再会したらもちろん引かれたし罵倒もされたけど、諦めずにアタックし続けていたら相手の方から寄ってきてくれた。加害者だった吉野の思考も被害者だった高瀬の思考も私にはよく分からないというか、よく分かりたくもないというのが正直な感想です。一旦は謝るものの、再会してからもずっと一方的な吉野。もっと攻撃したり完全無視したりしてもいいのに、なんだかんだ最初から吉野に絆される片鱗を見せる高瀬。なぜ?という気持ちでいっぱいでした。

1

泣きます

私はいつも読中気づくと泣いています。彼らと一緒に気持ちが高ぶるからだと思います。その為、SMプレイとは思いませんでした。初読後に仲間探し気分で皆さんのレビューを読むと「そうか。あの様な行為はSMと考えられるのか。」と新たな知識が得られた気にもなりましたが、性癖やプレイでは無く相手を許せない・しかえししたい・殴りたい等の怒りの行動とそうした相手に対する愛情のない交ぜ感があのような結果になっているのかな・・という印象。つまり最後には互いの愛憎の強さとハッピーエンドの喜びに泣いてしまうのです。

0

条件が揃って初めて開く、それが禁断の扉

ドアノブを回したら開く。
上部にあるセンサーに反応して、勝手に開く。
そんな扉はどこにでもある、ありきたりの「ただの扉」です。
呪文を唱えたり、合い言葉を言わないと開かない。そもそも扉のない壁にしか見えない。
何らかの条件を満たさないと開かない、中を見ることが叶わないのが「禁断の扉」なのです。

ひとりのリーマンをストーキングする男。
元は高校時代のいじめっ子といじめられっ子だった吉野と高瀬。
制服のズボンを脱がせるといういじめの最中に、高瀬に何かを感じてしまった吉野は、2年間にも高瀬を見守り続けて…。

という始まりです。
歪な関係はどこまで行っても歪なもので、「迷惑」「やめろ」と言われても待ち伏せをやめない吉野を、雨が降れば気にかけて、遅くなったら心配してしまう高瀬の悲しい「良い人」っぷりがツボにハマる。
悪びれずに高瀬一色の毎日を送る吉野もイイ。
ストーカーに不労所得を与えてはいけないというお手本のような男です。

そんな2人がジワジワと開ける禁断の扉。
その中に潜んでいたのは、SやらMやらなわけで。
元いじめられっ子で、社会人になっても無難な人間関係を築いてきた高瀬が、吉野にきつく当たることで今まで感じたことのない「何か」を感じる。
元いじめっ子で、放任主義の親に叱られた経験もない、欲しいものはすべて簡単に手に入る、まさに人生イージーモードだった吉野が、初めて手に入れられないものに出会って、拒絶されてもゾクゾク、きつく当たられてもゾクゾク。
この「ゾクゾク」に下半身が反応するという、初めての体験に「何か」を感じる。

「何か」の正体を知らなければ、それまで通り。
壁にいきなり扉も現れないし、変わらない生活が送れる。
だけどほんのり「何か」の気持ちよさを知ってしまったら…。
ひとは弱い生き物です。そして知りたがる生き物でもあります。
気になって、つい自分から扉を開けに行ってしまう。
吉野が現れたから、それまで壁だったところに扉が現れた。
高瀬に気付かれたから、壁にあった扉の鍵を手に入れた。
どちらかが開けようとしなければ開かなかったはずの扉を、2人が一緒に開けてしまったら…。

BLという禁断の扉を開けて、中の世界にハマったわたしたちが抜けられないように、彼らもそう簡単には抜け出せないでしょう。
禁断は蜜の味。
次第にハマっていく2人の心理描写にワクワクが止まりませんでした。
そうしてわたしたちも、さらなる蜜の味を求めて本屋を彷徨うのであります。

2

元いじめっ子ハイスペックストーカー攻め


攻めの吉野はイケメンでお金持ちでヘラヘラしてるけど、高校生の頃にいじめていた受けを好きになり、再会してストーカー。

受けに近寄る女の子を秘密裏に対処したり、受けのストローだったりを収集したり…。
ストーカーの必要項目があったら全部クリア!
しまいには土下座して告白。

健気に駅前で帰りを待つ姿がまさに犬です。
受け(表紙右側)は見た目は平凡サラリーマンですが、好かれていることから優位なので女王様で飼い主。

攻めを突き放しますが、最後はとうとう折れます。

視点は攻めと受け混在。
一冊まるまる攻めの執着を楽しめます。

1

手綱はどちらが引いてるの?

作家買いしている秀良子さんの作品です。
秀良子さんの作品は個人的に、引っかかるものがほぼ無くて、すーっと頭に入ってくるんです。わかりにくい部分が少ないと言いますか。
絵柄もエロの割と淡白なところもお気に入り。
あと、「へらっ」としたチャラ男とか軽薄そうな男を描くのが上手いと思う。

こちら高校時代にいじめを受けていた高瀬といじめグループの一人である吉野のお話。
吉野が高瀬をストーカーしている描写から始まります。
ストーカーしているのがバレてから好意を隠す事なくさらにストーカーしてきます。
高瀬も最初は猛烈に拒絶していたものの、徐々に徐々に…というストーリー。
ただのストーカーではなくひどくいじめられていた相手からの好意ですからねー、なかなか受け入れられないですよね。

この二人の関係性が面白いです。
片方が主導権を握っているようで、じつは反対で。
この辺のやりとり、攻防が楽しい作品です。

2

イケメン吉野はどM?

ストーカーをしていた吉野を拒絶しながらもうまくつけこまれ?受け入れていく高瀬。
足でするのエロい。
や、されて感じる吉野がエロいのか。

主従があるような対等のような逆のような…その時によって行ったり来たりするのおもしろい。
まさにシーソーゲーム。

殴るシーンは痛そうと思いながらも過去のイジメやストーカーの鬱憤発散で高瀬に感情移入してしまった

これまでの作品と絵柄変わってるのかな。ま、変わるのはよくあることだけど私がそこまで見分ける眼力がないというね

秀先生作品はどれもコマの構図や流れが読みやすくて心地いい。

0

ストーカー男、拗らせにつき

〖DMM電子書籍〗
修正 : 水玉、擬音、神的アングル
カバー折り返し : なし
カバー下 : なし
帯 : なし
裏表紙 : なし
カバーデザイン : 不明
電子限定特典 : 描き下ろし漫画4P「犬のいる生活」
備考 :
ひと言 : こんな繋がり方もアリなのかもしれない。

〖紙媒体〗
未読

0

新鮮な切り口のSMモノ

秀良子先生の作品が兎に角好きな人間の偏ってるかもしれないレビューです。

先生お得意の相対する2人のBL漫画ですが、他の作品より軽いノリが少な目で、マジっぽさというかエグさが強め。相変わらず作品全体に寂しさも漂う。
2人が大人ですしね。吉野は社会人ではないけれど。そこがまた吉野の歪さを際立たせている。秀良子先生はストーリーの途中で過不足無くキャラの素性を明かす作品が多くて、それがまた絶妙なリアリティのラインでして。

描き下ろしのエピローグも含めてお話が完成してると思う。本編だけだとメリーバッドエンドっぽい。

※電子書籍 修正薄め
描き下ろしおまけ漫画4枚
ギャグっぽいですが同棲生活後の八代の策略みたいなのが垣間見えて、作品がお好きな方には是非読んでほしい。

1

ぐるぐる

読後感が不思議な作品。
どちらが優男でどちらがサディスティックなんでしょうね?
秀さんの絵が絶妙に独特で、かつあまりキラキラしてないことにより、「イケメン」設定の吉野もそこまで「イケメン」に見えないし、高瀬は “メガネを外したら滴る色気が!” なんてこともなさそうな普通のリーマンだし……。表紙では、高瀬に「優男」の文字が、吉野に「サディスティック」の文字が重なってるし……。だけど、吉野のストーキング行為が発覚してからは高瀬の「サディスティック」属性が目覚めたりもしてるし……。読むたびに、自分の認識がぐるぐるいたします。

SMものということになるのでしょうが、いわゆるよくある(団鬼六的な)SMとは全く違い、精神的な要素が大きいし、SとMの関係性すら一定していないような不安定さです。その不安定さ加減が読みながら覚えるモヤッとした不安感みたいなものに繋がるのでしょうね。人間ってややこしいですね。

一度で読了というよりは、何度も繰り返し読むとより味わい深い一冊です。

0

二重螺旋の二人。吉野と高瀬の場合

まず感想。すごく面白かった。
というのは、読む前に刷り込まれていたSMテーマを斜め上に裏切られたから。
高校時代に意味もなくいじめられて、恥ずかしい写真を撮られて、忘れようにも忘れられない被害者の高瀬。
なんとなくいじめる側にいて、なぜか高瀬を忘れられずストーキングしている吉野。
二人が再び出会ってしまってからのねじれねじれた奇妙な関係。
単純にSMとか主従とか一言では表現できない感情と行動の衝動。
屈辱と全能感。劣等感と優越感。憎しみと愛玩感情。
言葉で責め、ぶん殴り、はじめに足コキでイかせた側だったけど、実際関係が始まってから受けになっているのは高瀬。
ストーキング行為が見つかり、無視され、なじられ、イかされ、それでも挿れる側なのは吉野。
二人の感情と現実と肉体と、すべては二重らせんとなって、ユルいようにもがんじがらめのようにも、絡まりあっている…

6

エロ!?心理描写!?もっと特濃なのを期待してました、、

仕事もまじめで浮いた話もないサラリーマン高瀬がストーカー被害に!
ストーカーは高校時代に自分をイジメていた吉野だった!!
試し読み(SS目的で電子書籍で購入)も良かったし、レビューも高評価だったので購入。
お話自体は面白いしグイグイ読めます。
とくに、シーソーゲームepisode4でプレイ?のあとに吉野が笑うところが吉野のオカシイの片鱗を垣間見れた気がしてよかった!
と、思うからこそ、もっともっと濃く吉野のストーカーとしての異質な部分とか、高瀬のイジメられてた時の仄暗いところとか、歪んだプレイとか、深いところまで迫って欲しかった、、!
エロがあまりないから?全体的な雰囲気(絵も含めて)があっさりしてるから?
なんでだろう、、。読んだ後、物足りない感じが私にはしてしまいました、、
他にも何冊か秀先生の本を持っているのですが、全部読んだ後に物足りない気持ちになります、、、
秀先生のお話は『オシャレなカフェ飯』みたいな?オシャレ!だけど、なにか物足りないーーー!!吉野家のようなガッツリ濃厚がすきな私にはやっぱり合わないようです
んーーー!!残念!!

5

大勢が思う「SM」とは一味違うSMモノ

どこかに捻れがあり、そこが魅力的だと思う作家様。
恐る恐る手に取った「宇田川町で待っててよ。」で秀良子さんにハマり、読むようになった一読者ですが、こちらの作品もあちらと同じように、このキャラが何故こんなことを?と不思議に思い引き込まれるところからスタートします。
ただ、すーっと入り込めたあちらに比べると、こちらはキャラたちの心情を自分の経験則では今一つ掴みきることが出来ず、一読目はさらさらさら〜と読み終えてしまいました。
二度、三度繰り返し読んでいくうちに徐々にハマった1冊です。
人間の「矛盾」に焦点を当てた、とても面白いお話だと思います。

攻めの吉野がほんとクズなんですよ。
恵まれた容姿で生まれ、恵まれた環境に育ち、子供のうちは王様、成長してからは働く必要もないイージーモードな人生。
挙げ句、学生時代は高瀬のことをイジメていて、卒業後は一転して今度は高瀬の生活を24時間覗くストーカーになります。
いくら主役の片方といえ、こんな奴を魅力的に思うこと自体難しいのですが、けれど「なんだこのクズ…」とバッサリ切り捨てられない不思議なキャラなのです。
そして、高瀬もきっとそうだったんだろう…という感じに次第に吉野のことが気になっていきます。

普通ならば到底その先の進展を望めるはずもない2人を本人達の心とは裏腹に強く結びつけるのは、それぞれがそれぞれにかけた「呪い」
高瀬はイジメられたことで吉野をずっと忘れられないという呪いにかかり、吉野はイジメた時に高瀬に対して抱いてしまった感情にずっと縛られることになります。

呪いも、SMも、「縛る」という意味では共通点を見出せますから、この2人の関係にSMを掛け合わせてきた秀さんにまずおおおと思わされるのですが、さらに面白いのは2人の関係が逆転に逆転を重ねること。
自分がイジメた高瀬を見て思わず欲情してしまった吉野は普通に考えればSだろうと思うのですが、実際はMなんですよね。高瀬のほうがS。
けれど、上下で言うと、攻めは吉野で高瀬は受けなのです。
この時点でもう訳が分からないのですが、もう一つSMにおいては面白いことがあって、本来のSMの姿というのはMがイニシアティブを握り、SはMに精神的に支配されることで喜びを得るものだとも言われています。

一体どちらがどちらを振り回しているのか、本人達同様、読んでるこちらも読めば読むほど分からなくなって、途中で頭がショートしそうになります。
でもその一方で、現実は案外こんなもんだよなとも思わされるのです。
作り物のお話のようにスパッと分かりやすい関係なんて現実ではそうそうありえなくて、矛盾だらけの感情の中でみんな生きているものですしね。

呪い呪いと繰り返しましたのでおどろおどろしい印象を与えてしまったかもしれませんが、ここでいう「呪い」というのは安倍晴明とか京極さんの百鬼夜行シリーズとかに出てくる陰陽道の「呪」のことです。
呪に縛られた2人に秀良子さんが提示するアンサーがなんとも素敵でした。
女子が好きなラスト、ではないでしょうか。

電子版には4ページのSSが付いています。
かわいいワンコ吉野がある日高瀬にお弁当を持たせる話なのですが…
これもまた女性なら「ふふふ♡(意味深)」となるオチ付きショートストーリーでした。

10

読み手を選ぶ本かも………でも私は好き!

全体的に面白かったし萌えたけど、登場人物の気持ちが分からない所が多々あった。(私の読解力が無いだけかもしれないけど)←何回か読み返して来ると分かってきたかも。
なので、感想というより個人的疑問と私の解釈が大部分含みます。

以下部分的ネタバレ注意↓

吉野(攻め)があんなに高瀬(受け)を尾け回してストーカーしてたのに親にストーカーバレしてすっぱりやめれるのかとか、描き下ろしの2人がxxした後の高瀬の「これじゃまるで〜」ってセリフの意味とかがよく分かんなかった。←吉野が高瀬のストーカーを止めようとした理由は、その前にあった出来事で嫌いだ、と言われたからですかね?
吉野だったら嫌いだって言われても、ずっと付きまといそうだったので、ちょっと意外……
あと、描き下ろしの高瀬の台詞はツンデレって思う事にしました!(笑)

この上記以外(吉野の方は理解出来たので省く)は特に気にならずに読めました‼︎
高瀬が吉野を本当に好きなのかはちょっとよく分かんなかったけど(笑)
でも、すごく良かったです!期待通りで裏切らない‼︎
買おうか悩んでる方は是非買った方が良いと思います!

2

変則的マイルドSM

秀先生は優しく、情のあるお話を描く。えっちのシーンも欲情そのものといった体を装いながら、必ず人物の抱く切なさ、愛を感じさせてくれる。だからすごく好きです。

本作は一冊全て、同じ高校だった会社員・高瀬と、無職・吉野のお話。地味でメガネの高瀬と、容姿を含め生活においても恵まれている吉野は対照的な二人。吉野はここ2年くらい一方的に高瀬をストーカーしている。それが高瀬にバレて…。

読み込むほどに、二人の複雑な関係性を頭の中で整理する作業が面白くって、ハマっちゃいました。高校時代の二人の関係性は、吉野主導。卒業後の現在は一見、高瀬主導のようだが、身体の関係になると吉野が引っ張りつつ、性癖がMなので高瀬の隠れたSっ気を乞うという捻れよう。で、吉野が攻めなのね。二人の役割が常に揺らいでいて、互いに手探りで相手の心を読もうとする姿にリアリティーを感じました。

また、それぞれに初めて抱いた感情に戸惑う姿が描かれていて、ゆっくりと二人の仲が深まっていきます。二人が相思相愛を確認するまでの紆余曲折が萌えポイントなので、個人的にはとても美味しかったです。あとは吉野のキャラがツボだったのと、秀先生の描くチュウを含めたえっちシーンが好みなので、神寄り。

やっぱり、SMってMが主導なのね。

3

呪いから誓いへ

秀良子さんの最新作。
心理的・身体的にシーソーバランスが非常に巧みに扱われている作品。一読した時よりも、回数を重ねるたびに、貪るように没頭して読んでしまいます。個人的にはとても魅力的な秀作だと感じました。

地味で目立たない平凡なサラリーマンの高瀬がストーカーに遭う。相手は高校時代自分をいじめていた同級生の吉野(優男で無職のお金持ち)だった。いじめの延長かと思えば、吉野の口から『好きです』と告白されてー?!

吉野が元同級生のストーカーから開き直り(公認?)ストーカー、そしてごはんを一緒に食べる間柄へと少しずつステップアップして距離を縮めていく中で、高瀬の心がじわじわ変化する様子が、秀さん節を効かせ魅力的に描かれています。その秀さん節が、今作では”シーソーバランス”として炸裂。

ふたりのシーソーバランスー吉野が引けば高瀬が押し、高瀬が引けば吉野が押す―が絶妙に描かれていて、心にしても体(ソフトなSM描写有り)にしても、この均衡の取り方が本当に素晴らしい。

言葉だけではなく、表情や仕草からも静かな緊張感が伝わってくるので、コマから目が離せない状態が長く続きます。
わたしは特に、秀さんが描く汗の描写がとても好きです。”ぽたた”と高瀬や吉野から滴る汗は、その仰々しさを含め、並ならぬ臨場感を感じます。台詞や間合いに頼らずこういう風に描けるのは、本当に巧いなあと感心してしまいます。

終盤、吉野がシーソーバランスから大きく引くことになるのですが、ここで高瀬の強烈な押しが入り、このバランスゲームから吉野が外れることを許さないシーンはその後のSMプレイを含め、非常に迫力があり、圧巻の見応えを感じました。
そしてSMプレイからの(高瀬がずっと許すことのなかった吉野との)キス。このキスこそが呪いから解放された誓いのキスだというのがまた心憎い。(わたしはここで、秀さん最高!となりました笑)

いじめられていた過去の”呪い”が、『覚えていてほしい』『忘れないでいてほしい』という想いは変わらぬまま、現在のふたりの関係の”誓い”へと変化するラストがとても良くて、最後は秀さんの言葉に魅せられました。

描き下ろしは、実は吉野はやればできるハイスペック優男だったというお話。(イチャラブ付きです♡)
口の周りにごはんを付けているのんきな吉野を見て、『まあいいか』と思っている高瀬に愛を感じました☆

ストーカー、SMプレイ等が出てくるのだけど、お話の肝は、シーソーバランスにあるように思います。このシーソーにふたりと一緒に乗って楽しむことができたわたしにとって、今作は、何度でも読み返したくなる一冊となりました。

3

「踏まれるのが好き」と「踏まれるのも好き」の違い

秀良子さんは即買いの作家さんなのですが、読む前にこちらのレビューを覗いてみたらかなり好みの分かれる作品みたいだったので、自分にはどうかなーと楽しみに読みました。

SMはものによっては好き、ものによっては嫌い、というジャンルです。でもこれは、あんまりSMというかんじはしませんでした。攻めが局部を踏んづけられようが殴られようが、やっぱり受けのほうが翻弄されています。受けにとって攻めは自分を高校でいじめていた相手であり、自分をストーキングしていた相手であり、自分をぐちゃぐちゃにかき乱す相手です。そんなやつには関わりたくない。なのに実際姿を消されたら「自分をこんなに振り回しておいて姿を消すとは何事だ」と腹が立つ、という翻弄されっぷり。
一方攻めのほうは一貫して「受けスキスキ」で、こっちは受けのそばにいたい、受けとしゃべりたい、受けと付き合いたいし、舐めたいし挿れたい。でも「踏まれたい」とか「殴られたい」ではないのです。実際踏まれたらすんごく気持ちいいけど、踏んでほしい、ではない。何をされてもうれしい、そばにいられるだけでうれしい。
そういうところがあんまりSMっぽさを感じない理由なのかな、と思ったりしました。(あくまで個人的な感想です)

描写はシンプルなのに、含まれた情報量がすごいので、息を詰めて読んでしまいます。
ろくでもない男なのですが、「受けスキ!」な攻めが可愛くて、きゅんきゅんしました。受けに拒まれてしょんぼりワンコ(耳としっぽがはえてる)な姿とか、受けでなくてもほだされます。
私的には神です。

6

何度も読み返せばまた変わるかも

秀良子さんのファンなので、もちろん楽しみに待ってました!

元いじめっこストーカー×元いじめられっこサラリーマン

なのかな?挿入シーンも明確な描写もなかったのですが、空気間がそんな感じで出来上がってました。
今作は、攻めに振り回されてうじうじしたり、キレちゃったりな受けが申し訳ありませんが、少し苦手でキャラクターに物足りなさを感じてしまいました。

全体的にどうレビューしたらいいか迷います。
心の描写や空気間は秀良子さん節が出てて凄く好きです。
絵柄は綺麗だし、話も厚みがあるのに、私的には少し萌えが足りないかな?と言う感じがしました。
しかし、まだ私が読み解いていないだけで萌えが隠されているもしれません、。だって秀良子さんだから。やっぱり秀良子さんは大好きだし、次回作にも期待します。

3

性癖で好き嫌いが分かれそう。

私は好きです。
BL漫画に良くあるSMっぽさは無いと思います。
肉体的、というよりは精神的というか。私は受けのほうが上っぽいお話しが好きなので、大歓迎でした。
マンガ内の1コマで吉野がうっすら笑うシーンとか、足コキでの高瀬の淡々とした口調、後日談で高瀬が吉野の首へ手をかけるところなど、そういう部分に私はたまらなく刺激されたので、その辺りが嵌るとあうと思います。
あと、吉野のホントに躾をされずに育った感じが、すごく、好きです。
怒られたりこれは駄目、やっちゃいけない、とかそういうことを本とに知らないんだろうな~っという雰囲気凄く良かったです…。

逆にその当たりがさっぱりだとあっさり読み終わってしまうかもしれません。
個人的には好きなシーンを繰り返し眺めてしまうお話しです。

15

好きと嫌い

これは……評価に困りますね。

楽しく読んだかというと、楽しいばかりではなかったし。けど面白くなかったかというと、面白かったし。萌えたかというと、微妙だった。

好きとか嫌いとか、一方だけじゃないんだなって。何が言いたいのかわからんから終わる。

0

首輪と手錠の示す関係

この作品も、(いい意味で)なんとレビューしてよいのやら。私は”萌え”は低かったので、評価は低めですが、十分に面白い作品です。
ここ最近は、このちるちる基準の”萌”というスケールでは、評価できないような作品がふえてきているように思います。
登場人物のキャラクターやストーリーが評価されるのは通常のマンガと同じくですが、それに突出して、カップルの関係性と萌えが重要視されるのがBLの醍醐味ですよね。
この作品は、まさにふたりの関係性の推移が読みどころ。
攻め受けというBLルールも度外視して、読んでいただきたい。

まぁ、帯に「SとMの攻防!?」とありますから、ふたりの関係性の推移に注目なのは当然なのですが、秀さんにかかるとSMもこうなるのか!と作家の個性を感じました。
SMという言葉はとくに気にせず、手に取ってもらいたいです。
(むしろ、私は帯で先入観を与えずに、そこは読者が感じればよかったのでは?と残念に思いました…)

キーワードは「呪い」です。
眼鏡の地味サラリーマンの高瀬。彼をストーキングする吉野。
ふたりは高校時代の同級生で、高瀬は吉野に3ヶ月ほど虐められていたことが傷となっており忘れられず、一方の吉野も、そのとき撮ったの高瀬の下半身露出写真にときめきを覚え、忘れられずにいる。

発端はともかく、お互いに忘れられずにいるんです。
吉野は高瀬を写真に撮ったことで「呪い」にかかり、その後、高瀬も吉野の写真を撮ったことで同じ「呪い」にかかるような構造。
で、それを「呪い」というのか、「恋」というのか?
「嫌い」というのか、「好き」というのか?
こんなふうに言葉にしてしまうと、安直になってしまって残念なところを、曖昧さと抜け感をもって描く。
それこそが、皆さんがいう秀さんの「独特の空気感」というやつなのかもしれませんね。

お互いにとらわれているという事実だけで、呪いでも恋でも表す言葉なんて、なんでもいいんです、きっと。表紙のお互いに首輪と手錠が繋がれているという描かれ方も、その通りで笑ってしまいます。
そして、このお話の読みどころ、ふたりの関係性の推移ですが、各話の表紙とタイトルでも物語っています。

1話目と2話目の、世界の果て(ストーカー)→犬、ここまでは高瀬はきちんと目を開いて描かれている。
けれど、3話目のタイトル通りのシーソーゲームが始まってからは、高瀬が吉野を直視した顔は描かれません。また、ここまでのふたりのHシーンでは、高瀬の瞳が描かれないことが多いです。
シーソーゲームのエピソード4以降でようやく、眼鏡越しの瞳が描かれたところで、こいつ吹っ切れたなと思いました、私は。
その後のエピローグでは、眼鏡という鎧(?)脱いで、素顔をさらすまでになってよかったね、ふたり、お幸せに〜と納得のデキあがり加減でした。

ぜひ、眼鏡好き同志は、この高瀬の眼鏡に注目して読んでみてください。

5

メグタン

mayutaさま

わぁー、コメントありがとうございます!よくあるSMと違うということを強調するためだったのかもしれませんが、私もラベルなしで読みたかったです…
mayutaさんのレビューに書かれていた「ねじれSM」という表現にも、深くうなずいてしまいました。
高瀬がSとして、ふっきれたときの目がスゴいですから…そして、そのときの吉野の笑う口もとのクローズアップもヤバい…SMも因縁というふたりの歴史があってこそ、深まっているのかもしれませんね。

単純なSM関係ではないふたり

秀良子先生の一年ぶりBL新刊たのしみにしてました。

高校時代のいじめっこ•吉野といじめられっこ•高瀬が再会…
とゆうか、地味メガネリーマンの高瀬を、人生イージーモードなチャラ男の吉野がストーカーしてるとこからスタートします。
この吉野がなかなかのストーカーっぷりを発揮してて、働かず親の金で暮らし、四六時中高瀬のあとをつけまわして、使用済みのものを持ち去り、高瀬に近づく女を片っ端から遠ざけ、毎日「可愛い」「tnk舐めまわしたい」と遠くから眺める日々。
吉野に騙された女がストーカー行為を高瀬にバラし、コトが発覚するのですが、いじめを受けた苦い思い出がある高瀬にとっては吉野の存在は迷惑そのもの。
しかし、高校時代いじめられてた高瀬にときめいた吉野は、好きだ付き合ってくれと告白し、それ以来開き直った公開ストーカーになります。
今までいたってフツーに生きてきた地味男高瀬の生活に入り込んできた吉野。
突き放しても拒絶しても好きだと言ってくる吉野にペースを乱されながらも、自分がたまたましてしまった嗜虐的な行為にも反応する吉野に興奮する自分がいるのを感じてしまい…

最初は吉野がSで高瀬がMなんだな〜と思ってたら逆で、吉野はtnk踏まれて悦んでるし、高瀬は否定しながらも興奮してるし。
その次には、目隠しされた高瀬が手首縛られた吉野にフェラされたり。
かと思えば描き下ろしエロではSの高瀬が突っ込まれてるけど、攻の吉野は挿れながら首締められてて、なんとも一筋縄ではいかないSM関係だなと思いました。

チャラ男吉野がかなり一途で一生懸命なのが意外でした。
人生勝ち組だった吉野の中の、高瀬という存在。見られたり踏まれたりされて興奮する対象の男。
高瀬が好きで、攻略したいと思いながらも、その目に言葉に手足に冷たく蔑まされて反応してしまう。

逆に高瀬のスイッチを入れるのも吉野だけなんですね。
地味に生きてきた高瀬の世界を変えた吉野という存在。否定し嫌いながらも吉野にとらわれてしまうんです。
このふたりはお互いを支配し支配されながら生きる唯一無二の存在なのでしょうかね。

描き下ろしで挿入エロが追加されてますが、それより本編の足コキ?や、目隠しフェラがすこぶる良かった!!
フェラする吉野が手首を拘束されてるので、口でジッパーを下ろし、パンツ越しにベロベロしてtnkを引っ張り出すのが丁寧に描かれてあって興奮したーーー!!そして顔射でシメ!!
そしてドSスイッチ入った高瀬が、足指で吉野の乳首からtnkをすりすりするのも最高!!
修正はホタル修正でしたが、秀先生の描くtnkの形が好きなのでちゃんと拝めて良かったです^ ^

ただ、本編ではずっと吉野受だと思ってたので、高瀬が突っ込まれてててちょい残念…是非リバの機会を…!!

6

ねじれSM

ストーカー優男吉野と、真面目地味リーマン高瀬のお話です。

2人は高校の同級生で、元いじめっ子といじめられっ子の間柄です。
高校生の吉野はある日、いじめられいている高瀬の姿にキュンときて恋に落ちてしまいます。
そのいじめは元々きまぐれで始まったものなので3か月ほどで終わり、そのまま2人は卒業しました。
そして高瀬が社会人になったすぐの頃、吉野が偶然彼を見かけます。
さすがに高瀬に堂々とアプローチできるほど厚顔無恥ではない吉野は、ストーカー行為にでます。
その行為を他人から知らされて気づいた高瀬は、過去の出来事を含めて怒りが爆発します。
同時に吉野に囚われていきます。

ここから感想です。
吉野は実家が金持ちなので、金に困らない無職のイケメンという人生チョロイみたいな感じの軽さがあります。
そして何事に対しても執着がありません。
でも高瀬には2年もストーカーしていたりして、なんとも掴み所のない人物でした。
「あれ?高瀬に踏まれるの気持ちいい…」みたいなMへの開眼が面白かったです。w

そして真面目で地味なリーマンがSに目覚めるのがとっても素敵でした!
どんどん突き進んでいってほしいですが、このお話の場合、嗜虐心から欲情するといった単純な話ではないように思います。

私がこの作品を買った時は、表紙の高瀬の手錠が帯で隠れていたので、高瀬がSで吉野がMなんだと思いつつ読みました。
(なので、なんで表紙のメガネのほうが「優男」で首輪が「サディステック」なんだ?と不思議でした。)
しかし、読んでみたらSMの主従関係と2人の関係性が噛み合っていません。
普通Sが主導権を握ると思うのですが、Sである高瀬は吉野に振り回されてばかりです。
それは吉野に対して怒りがあるからだと思います。
怒りというのは囚われていることであり、吉野自身に囚われてしまっていることです。
高瀬を見ていると、「好き」と「嫌い」は近い位置にあるというのもよく分かります。
だからこそ高瀬は、執着心のない吉野に暴力という形で"囚われること"を植え付けようとしたのだと思います。
本編を読んだ後に表紙を見ると、吉野が体をはって高瀬を繋いでいるようにも見えてとても面白いです。
SM要素はあるけどねじれた関係だと思います。

本番エッチの時は高瀬が受けでした。
個人的には、リバか高瀬が攻めが良かったです。

10

メグタン

コメントありがとうございます。はじめてゆえに、返し方がわからず、自分のレビューのほうに書かせて頂いております〜。

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