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ちょこざいうつわ

chokozai utsuwa

卖弄小聪明的家伙

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表題作ちょこざいうつわ

樋口宗秋,経営コンサルタント
今野 由一郎,大学生.陶房の3代目の弟

同時収録作品友と恋

近田弘貴,同じビルの別の会社の社員
篤史,同じビルの会社員

その他の収録作品

  • うつわのおまけ(描き下ろし)
  • あとがき+おまけ4コマ(描き下ろし)
  • カバー下漫画(描き下ろし)

あらすじ

経営コンサルタントの樋口(ひぐち)は赤字続きの陶房「こんの」の担当になるが、三代目の弟である由一郎(ゆいちろう) のクソ生意気な態度に、初日からむかつきっぱなし。そんなある夜、忘れ物を取りに「こんの」を訪れた樋口は、由一郎が実の兄をおかずに一人エッチしているところを目撃する。弱みを握ってやった!!勝利を確信した樋口は、バラされたくなければ仕事の邪魔をするなと釘を刺すが、調子に乗って由一郎を無理やりいかせたことで立場逆転。「人のち○こを握る変態」として、扱いは悪くなる一方でーー!!?

作品情報

作品名
ちょこざいうつわ
著者
碗島子 
媒体
漫画(コミック)
出版社
心交社
レーベル
Chocolat comics
発売日
ISBN
9784778118853
3.5

(84)

(23)

萌々

(21)

(28)

中立

(7)

趣味じゃない

(5)

レビュー数
20
得点
290
評価数
84
平均
3.5 / 5
神率
27.4%

レビュー投稿数20

笑いは抑えめだけど

碗さんの魅力、それはこれでもかと繰り出される細かいボケ。
ボクシングの軽めのジャブでじわじわ体力が削られていくように、こころがボケで侵食されて、読み終わる頃には虜に。

この作品はボケが少なめです。
残念です。
しかも他の作品では冒頭から受けが大好きすぎる!という攻めが見当違いに攻めまくる!というパターンが多かったのに、この作品はじわじわと自覚していくという、他の作者さんではよく見られる流れとなっています。
つまりは碗さんの魅力(わたしが勝手に認定してるだけですが)が、半減していると言っても過言ではない作品です。

なのですが、ボケが減った分、胸きゅんというか、胸どきどきが増えたような。
きゅんまでいかないどきどき。
鷲掴みほど決定的じゃないんだけど、ちりっと胸が鳴る感じ。
いじっぱりでちょこざいな由一郎に樋口が絆されていくのと同じ速度で胸が高鳴りました。
のらねこ、てなづけたった!みたいな。

立派に溺愛系攻めになった樋口の可愛がり方と、相変わらずちょこざいだけど、ちょこっとデレる由一郎も良い。
最終的にほのぼのとした気持ちになれる作品でした。

同時収録は、親友から告白された会社員の話。
付き合う or 疎遠状態になったときに、告白されたノンケはどうするか、というストーリーでした。
大事な友達失いたくない!という一心であっけらかんと受け入れてしまうのが、さすが碗さんのキャラという感じがします。
うじうじ悩まず猪突猛進。
さくっと読めます。

描き下ろしに「雨雫」の2人がボケ要員で出てきます。
くすっと笑えます。

2

糖度は低いがギャップはしっかりあり

 メイン2人の掛け合いが、碗先生らしいシュールさが溢れていてすごく面白かったです。ゆいちの生意気さは碗先生作品の中でも群を抜いているんじゃないかな。くっついた後もまったく引っ込むことなく、最後まで変わらず樋口を弄ぶところはさすが。樋口が上に立った!と思っても、すぐにゆいちが優位を取り戻すので、この若さでやるなぁと驚かされます。その反面、自分の居場所を取られてしまった焦燥感から、樋口に当たっていたという年相応な面があるのも、彼にギャップを感じる良いエピソードでした。ゆいちの兄を含め、彼の家族がまた1人ひとり個性があって、そんなところも実に碗先生らしいと感じました。

2

ゆいちのデレ待ち

碗島子先生の作品が…エロくないだと?!となる今作です。

樋口が経営コンサルにきた先、こんの陶房で出会った由一郎。由一郎を生意気な学生だと思っていた樋口だが、会うたび気になる存在に…というストーリー

テンポのいい会話で、ほぼコメディです。中盤まではラブコメですらない。
樋口と由一郎がいい雰囲気になり始めた後の2人の会話が好きでした。「今日は言わないのか ここに居たいって」「あんたが言えよ 居て欲しいって」とか、由一郎が上手に立とうとするけれど、ツン多めの受けこそデレた時が可愛いんだな。

由一郎と兄で一緒に作ったお茶碗、由一郎の茶碗はくみ子さん(兄の婚約者)が使っていて…と悲しいシリアス展開だなと思ったら、兄の茶碗は近所の犬が使ってると笑
飼い犬ですらない。碗島子先生の緩急、ほんと好きです。

惜しむらくは、樋口がゲイの方がスッキリ納得できるストーリー展開でした。

2

憎さ余って可愛さ百倍

陶房を継いだ陶芸家の兄のもとで働くゆいちと、その陶房を立て直すために訪れている経営コンサルタントの樋口のお話。

まずこの樋口に対する、ゆいちの当たりがきつい(笑)
ツンデレ受けってなってるけど、ほんとにデレるの?と不安になるほどのツンっぷり。
だけど、ゆいちの樋口への態度にはちゃんと理由があるのです。

陶房の経営がうまくいっていないのは、この家族があまりに頼りないから。
ゆいちの兄、陶房の三代目は見事な天然。陶芸を辞めたお父さんはオカマになって、窯でピザを焼いているし、お母さんはなぜかそんな夫を認めているし(?)、妊娠中の兄嫁も危機感がなくて、なんだかぽや~っとしてる。

この家で唯一しっかり者なのは、ゆいちだけです。
そんなゆいちなので、樋口が来ることによって、自分の役割が奪われてしまう、居場所がなくなってしまう、と思ってしまった。樋口に対する反発心は、家族を大切に思う気持ちからだったんです。
そんなゆいちの一面を見せられ、樋口は彼に惹かれていく。
なんだか、このあたりの自然な流れは、すごくまっとうなラブストーリーに思えました(変な言い方ですが、他の椀作品とのギャップがすごい…)。

個性的な脇役が入り乱れ、椀先生らしくギャグも織り交ぜられていて、コメディ要素の強い作品です。
しかし、幼い日に兄と一緒に焼いた茶碗をめぐるエピソードなど、泣かせる場面もあって、きっちり締めるところは締めてくれます(その泣けるエピソードに、ちゃんとオチがあるところも椀先生らしい!)。

ところで、他の方が書いてくださっているように、椀先生の作品にしては珍しく、エッチがノーマルです。
お道具も使用しなければ、おもらしも腸内洗浄も尿道責めもないです。
ですが、経験のないゆいちを気遣うような愛情溢れるシーンに、これはこれでとても萌えました。
お道具もなにもないと、受けはただただ可愛いし、攻めもちゃんと優しい、まともな大人のひとに見える…(椀先生なのに…)。
椀先生の作品を読んだことがない人に勧めるとしたら、まずノーマルなこれを推すだろうな、と思うくらいお気に入りの一作になりました。

3

唸る一冊

これは唸ってしまうほどの面白さでした。

『理解できない彼との事』から島子先生を知り、以降少しずつ他の作品を読んでいるのですが、読み進めるうちにどうしようもなく込み上げてくる萌えと、最初から最後までペースの衰えること無く繰り返されるギャグの緩急とのバランスがここまで気持ちいいのは、現時点の私が読んだ島子先生作品の中ではNO.1かもしれません。

本当にストーリーの流れ方が素晴らしくて、最初のうちはゆいちに対して『何なんだコイツ!?』という感情から入ったのが、展開に沿って樋口さんとずっと同調し続けていって、最後にはたまらなくギュウウウウウンとなりました。
電車のシーンは最高でしたね。あんなにさんざん理不尽なことを繰り返してきた二人に、こんな王道シチュエーションがハマるのかと。
この作品でこんな瞬間見られるのかよ〜〜〜〜と身悶えしました。

土屋さんは本当に悪い人ではなくて、本編ラストカットにも一緒に居たのが嬉しかったです。
あと、本当に島子先生の描くメインキャラの家族って凄いですよね。
今野家のキャラの濃さ最高でした。

島子先生にしては珍しくセックスがノーマルで、あまりにまっすぐ幸せな描写に終始していたのも不意打ちでした。
萌えの後には必ずオチを付けてくれててある意味ほっとしましたけど( ◜ᴗ◝ )

『fRag』vol.1に掲載されている『君とはこれから』の番外編にチラッと登場している二人(樋口さんは声だけ)にもキュンときます(*´ω`*)

5

もうちょいデレが欲しかったけど!樋口は振り回されるのも好きになりそう!

可愛い由一郎には、もうちょいデレても欲しかったけど、これはこれで、癖になりそうなので。
樋口は一生振り回されて行くんだろうなぁ。という気もします。
惚れた弱みさ、悔しい!いつか見ていろっ。っていう。

もう大学生なのに、究極の「構ってちゃん」である、ゆいち(由一郎)を好きになれるかどうかが、この作品のキモ。家族経営の陶工「こんの」の経営立て直しを依頼されたコンサルタント樋口は、訪れた先で理不尽な扱いを受ける。経営に無頓着な兄、窯でピザを焼く女装癖の父、値札関係無く売り叩く母。
そして、後に分かるのだが、一番この家の事を考えて経営の勉強をしていたのに、自分の居場所を奪われたと理不尽に樋口に八つ当たりをしていて、泣き出す由一郎。
このツンデレぶりに煽られて、樋口は由一郎に恋してしまう。
碗先生らしく家族のトンデモっぷりが可笑しくて、全員悪気が無いところが笑えます。無邪気。
次第にノンケの筈の樋口がドンドン意識していくようになって。クッソ生意気だった由一郎がベッドの上でだけ素直になれるのもお約束な展開かな。
ふんわりとした絵柄も可愛くて。いつもの碗先生の描く変態ぶりは鳴りを潜め、なかなかハートフルな仕上がりです。

同時収録は、サラリーマン同士の恥ずかしくて素直になれない!が、度を越している「友と恋」。
友達で居られないなら付き合おう!って、決意してしまう篤史が単純なんだけど、度量的には男前なのか。同僚の前田が泰然とし過ぎてて、彼に全て持ってかれます。笑。

カバー下おまけ漫画にて。薄気味悪い村、とゆいちが評するあの「雨雫」の村に遠出している樋口とゆいち。欄外に『雨乞いBL』と書かれていて、ちょっと笑った。何だそれ、ジャンル⁈

3

ツンツン受けが可愛くて!

由一郎がなんか可愛くて!
樋口も態度は大人なのに面白くて。

大好きな兄と工房を立て直す為に勉強している由一郎。卒業したら頑張るはずだったのに、兄が経営コンサルタントを頼んでしまって。

由一郎が樋口に反発して嫌がらせが子供みたいで可愛らしくて。小憎らしいのに憎めなく悪い子じゃないし。
お互いにどんどん遠慮がなくなって、距離が縮まり。

だんだん好意を持っていきなんと樋口が勘違いから由一郎にキスして気持ちを確認して結ばれます。
どっちがどっちか決めるときの樋口の言葉。本当にそれだけ?と邪推してしまいました。ただ自分が入れたいだけじゃ?大人のズルさ?そこもいいんですけどね。

シュールでツンツンな受けが可愛くて最後はメロメロでした。
受けの家族も面白くてギャグっぽいところもあり笑えました。

友と恋
親友からの告白。以来避けられて。傍にいられるなら友達でも恋人でもいいって!
抱かれます。こちらもシュールですね。
後輩が言うことも笑えます。

絵が可愛くて読みやすいですね。

1

うざかわいい

潰れかけの陶房を立て直す為に仕事に来たのに、依頼者の弟である由一郎がむかつくという理由で弱みを握ってやった!!
からの展開が王道じゃない!!
いつか酷い目に遭わせてやる…! と誓ったのだがやられっぱなし。
主人公の樋口は受けの由一郎に嫌われているのですが、それは後にわかります。
その原因がわかったシーンがよかった。
このシーンから由一郎のデレが徐々に見えてくるのですが、やっぱり一筋縄ではいきません。
でもちょっとずつ縮まっていく距離がいい! そしてうざがられるのがいい!
ギャグの具合もそうくるかーって意外性があって面白い。
特にテンションあがると言っているシーンですね、そんなことしていいんですか。
逆に由一郎の家族についてはむかつきっぱなしですね。
キャラは立っているんですけど、見ている側としては好きになれない。
でも二人の展開は超萌えるので、ツンデレ好き人は読んでみてはいかがでしょうか。

7

短編収録はリーマン×リーマン


おっと、ヘンタイ度よりストーリーがたっている碗さんのお話…!笑 です。 でした。

ふたりが触れ合う切っ掛けとなる、腹の立つ受けが実の兄の名を呼びながら自慰しているところを偶然見た攻め、弱味を握ったかと思えば…〜の流れは碗さんらしいですがその後は割と王道というか穏やかというか。

特にヘンタイプレイもありません。←

もっと、もうちょっとツンデレ受けのデレたところが見たい〜見たかったな〜という形で終わりを迎えました。

すきだなぁと思ったシーンは、始めの方に攻めが高くて大事にしている靴を履いていると聞いていた受けが、(一度はその靴ぶん投げるけど)いざその靴が傷付くかもって時に必死にそれを阻止しようとしていて。
そういう、愛情が垣間見えてしまうところが良いなと思いました。

いつの間にか受けちゃんに溺れていくリーマン攻めと、なんだかんだ常識人なツンデレ受けの話。

1

ほのぼのハートフルな碗島子さん

数々の愛すべき変態を生み出されている作家様なので、本作のカップリングは良い意味で「おや?」っと。
受けの由一郎のツンデレっぷりが可愛いです。
ツンとデレの振り幅の大きさに母性本能くすぐられまくりでした。
ストーリーもエロエロが通常運転の碗作品にしてはだいぶんエロ控えめ。
楽しく読みやすい1冊だと思います。

お話の主役は、経営のセンスもノウハウもない赤字続きの陶房「こんの」にコンサルとしてやって来た〔樋口〕と、その今野家の次男〔由一郎〕。
なんですが、、、
由一以外の今野家の人々がだいぶん愉快な人たちばかりなので、正直樋口さん(攻)霞んでます。
その分は由一の可愛さでカバー……出来てるはず…?
個人的には旦那(=今野父)が陶器焼かずにピザ焼き始めてもオカマになっても気にしないマイペースなお母さんがツボにハマってお気に入りw
BLだけど家族でわちゃわちゃ賑やかしいのも読んでて楽かったです。
ラブの方は、由一可愛いよ〜〜〜の一言に尽きます!

カバー下に「雨雫」とのコラボ漫画が入ってるんですが、「雨雫」のカバー下と続きになっています。
出版社の垣根を越えてのこういうちょっとした遊びゴコロ楽しいですね♪
私はどちらも電子書籍で買いましたが、両方カバー下入っていました。

3

「ゆいち」の可愛さに狂ってしまいそう

赤字続きでもどこか明るく楽しい陶房が舞台です。
祖父・父ともに引退した陶房を、三代目として兄が継いだ。まだ学生(21)だが、ときどき工房に入り手伝うのは弟の由一郎(呼び名:ゆいち)。ある日、兄の依頼により経営コンサルタントの樋口が陶房を訪れると、それを知らされていなかったゆいちが怒って…というところから始まります。※以下ネタバレ含む。

いやーもう、ゆいちがお子ちゃまで、ちょっとびっくりするぐらい生意気ですが、委細承知でやってるようなところがまた…。学生じゃなかったら...いや、ゆいちじゃなかったら許されない気がするが、笑えたからよし。本の半分以上がツンデレというか生意気すぎ、だからこそ弱さを見せてきた時とのギャップで可愛くてしかたない~!!となってしまうのですね。一瞬のポイントでゆいちに"ぞっこん"になっちゃう樋口ですが、その惹かれていく段階が頂点間近になるところは、読んでいるこちらが先に沸騰しそうでしたよ。ノンケの樋口に「彼女はいるか」と訊かせちゃうなんて...ゆいちってすごい。もしかしたら全部お見通しだったのかも...なんて勝手に思ってしまうほどです。あんな家族の中にいたら、そうなるかもね(唯一まともなのが「ゆいち」という、とんでもない人ばかりの大家族)。しかし「ゆいち」という響きが最高に可愛いと思いました、お兄ちゃんは弥一郎(やいちろう)です。そういえばこのカップル呼び合ったら「ゆいち♡」「ひぐち♡」だ♡♡♡

このまま読ませてほしいエンディングが憎かった!
笑ってばかりだった気もしますが、気持ちよく神評価です。
エロ度も、この作品にはちょうどよく感じました。

表題作以外に『友と恋』という24ページのお話が1つ収録されています。仲良しリーマンもの。こちらは以前の作品のようですね、原稿データがなく修正しなかった...とあとがきでおっしゃっていました。カバーについて、表紙はバックが陶器の土の色ですが、電子のページを拝見したらそちらはピンクっぽい背景色でしたよ。

ところで、この本と同日発売だった『雨雫』(Qpa 竹書房)とのコラボ漫画がカバー下にありました。分厚い同人誌を読んで以来、碗島子作品にハマり中なので『雨雫』ももちろんゲット、読むのが楽しみです。

9

大嫌いが大好きになる過程

大筋はシリアスですが、節々はギャグです。碗島子さんの書くギャグのセンスが大好きです。シリアスと絡んで、それがよくマッチしています。
そして何よりお話ですが、恋愛において一番大事だと思う「人を好きになっていく過程のドキドキ」を読んでいる側がとても味わえました。

傾きかけた工房を立て直すため雇われたコンサルタントの間島と、その工房の次男ゆいちの歳の差ものです。二人は最初はかなり険悪で、とくにゆいちが間島を嫌いきっています。
ゆいちが最初とてもツンツンしてて、嫌な子だ~と思います。ツンデレなどという可愛らしいものではなく、バイオレンスなツンツンっぷり。
私はゆいちが成人してると途中まで気づきませんでした。成人してるからどうというわけではないけど、成人男性にしてはかなり子供じみた意地悪を仕掛けてきて、小学生のよう。

好きの裏返し…というわけでなく、本当に心から最初は間島を嫌悪しています。
理由はちゃんとあるんですが、その後、この「大嫌い」から最後は「大好き」になる、という過程を一冊で見事に描いている事が、恋愛ものとしてのクオリティーの高さとか、充実感を感じられて、テンポもよく最後まで一気によめ、何より本当にドキドキしました。
間島はノンケなんですが、「あいつは男なのになんでかわいいと思うんだろう?」、という、ノンケなのに惹かれていくという過程も全く不自然に感じません。
周りの家族も変わり者でぶっとんでいますが、よほどギャグの波長が合わないとかでなければ楽しめると思います。

素直になってからのゆいちは、なかなか可愛い。
最初は嫌な感じなんですが、本とはこういう子なんだね、とわかってきたら可愛いと思える心境の変化を、読み手が間島と共に味わえると思います。
ずっと攻め視点だったので、ちょっとでもゆいち側の好きになっていく過程が見られたら面白かったかも。
(おまけで、ちょこっとだけゆいち視点が入っています)

素直に面白かった~と思える作品でした。
ケンカップルが苦手でなければ、是非おすすめしたい作品です。

6

ひとひねりな面白さ

2つのストーリー入り。
1つは表題、もう1つはかなり短めな作品でした。

短い方の作品。
短くてもとてもキッチリまとまっていて面白かった。

もちろん表題の方も面白かったです。
ページをめくるたびに、2人の会話が
思った方向に行かず、なかなかに裏切る感じ。
これが、とっても良かった。
小学生がスネているような心の持ち主の大学生でしたが(笑)それが
笑いにつながっていて。
随所にそういう部分が散りばめられていて
「よくある作り」とはちょっぴり違う感じで楽しかったです。

1

ツンツンツンデレだと・・・!

この帯を見て私が買わないわけがないという(笑)

やっぱツンデレっていいですねー無条件に萌えれます。

しかしこのツンデレ、はじめは本気で攻めの事を嫌っていました。
それが、ちょっと変わった(ちょっと・・・か?)攻めの行動や言葉でじわじわとほだされていったのはなんか奇跡のようでした。

受けの言葉足らず、攻めの思い違いの行動から結果的に上手くいっていますので(笑)

まぁあれだけ嫌っていたのに受けもほだされ、攻めを受け入れるだなんて
にやにやします。

しかし、お父さんがオカマになるとか、ぶれないピザ愛などは個人的には必要なかったかなぁと(それがアクセントになってるのかもしれませんが)うつわ設定は最後まで活きててよかったです。

ちょこざいとはなんだったっけと調べたら小生意気らしいです。
なるほどなぁ

4

ややついて行きがたいテンション

うつわ陶房の担当になった、経営コンサルタントの攻め。陶房の主人の弟・受けになぜかとことん嫌われ、あまりにひどい態度を取られるので、常々弱みを握りたいと思っていたところ、受けが兄をおかずに自慰しているところを目撃する。しかし、せっかく握ったと思った弱みだったが、受けの痴態に煽られてついつい手を出してしまい、逆に弱みを握られることになる、という話。

うつわ陶房が舞台の、ちょっとヘタレな抜けた大人とツンデレ21歳の変態ラブです。
思っていたよりギャグ調でした。受けは割とまともなのに、攻めはちょっとおかしいし、受けの家族がだいぶおかしいしで、結果多数決でギャグに行っちゃった、というかんじ。
陶房の取引先の、受けに思いを寄せているキャラがいい男で、えっこっちのほうが大人だし将来安定じゃない? と思ってしまった。
あと、まだ恋愛感情が自覚されていなかった&危険度がわからなかったとはいえ、当て馬に受けくんを「どうぞどうぞ」する攻めはさすがにどうかと思った。あれで強○でもされてたらどうするつもりだったんだろう。

1

感動と爆笑の振り幅、間違いなく今年度一位!!

久々に衝撃的におもしろい作品だったのでレビューします。

樋口の感情のジェットコースターにぶんぶん振り回わされました。

胸キュンあり、笑いあり、涙あり、エロスありで、
BLを読んでいてこんなに快感を感じたのは初めてでした。

全てのバランスが素晴らしくて、ぐいぐい引き込まれました。
感情のぶつかり合いが細やか、かつ大胆に描かれていて、
型にはまらないおもしろさに驚嘆しました。

陶工というテーマをここまでの作品にするとは!
すごいっ!!という感じです。

由一郎の表情がときどきすごく艶っぽくてたまりません。
若いゆえの危うさがそそります。
「大人」の樋口も妙に色っぽくて、
でも由一郎のいやがらせや可愛さで我を忘れて、
抑えきれない感情を、独り言や先輩に吐き出す様は、
爆笑でした。

枕元に置いて、元気出したいときに読みたい作品です。

12

かなりの嫌われ方

ツンデレと書いてあったので手に取りました。
ツンデレと言うか、最初は本当に嫌われてたんですね。結構頭に来るくらい露骨に嫌われてるのに、よくぞ好きになりましたね。
幼い頃に兄とお揃いでお茶碗を作り、大切にしていたのに、あるとき自分の作ったお茶碗を兄嫁が使っていた、と言うところできゅっと切なくなりかけましたが、兄のお茶碗は近所の犬が使ってたと言う件で笑ってしまいました。
8割方シニカルな由一ですが、樋口が「空気なんだったら包ませろ!」といって、由一を抱き締めると、「落ち着く」と言って抱きつき返すシーン、じわーっときました。
普段ツンツンしてる由一のたまに来る甘ったれな部分が可愛いです。

7

ろくろよりまわりまわる感情のゆくえ

どんぶり勘定のうつわ陶房を立て直すべく雇われた経営コンサルタント:樋口が店主の弟である由一郎の態度に翻弄されながらも猪口ほどの小さな小競り合いからジワジワと信頼を重ねる一冊。

「ちょこちょこ」など目立たない小さな動作を表す「ちょこ」と才能の「才」をあわせた『猪口才(ちょこざい)』は「ちょっとした才能」から派生して小生意気な人や小賢しい人に使うようになったらしいですが、由一郎がまさにこんな感じの子です(笑)
結んだ髪型が可愛い。

碗島子さん独特の小ネタが抑揚をつけるように仕込まれていて、せつなさの中に突然、笑いがこみあげて、そのリズム感が心地よくて退屈しませんでした。
兄弟の夫婦茶碗のエピソードの切なさと爆笑の落差にはつい「えぇぇ!?」と声が出てしまった。

ーーーーーーーーーーーー

【ちょこざいうつわ】
陶房「こんの」は店主の天然がすぎて経営難に陥ります。
経営コンサルタント:樋口を雇って赤字脱出を試みますが店主の弟:由一郎は大反対で樋口に嫌がらせをします。

大学で経営を勉強して兄を助けようとしていた自分の居場所を奪う(ような立場の)樋口に子どもじみたヤツアタリの数々で対抗。
足を踏んだり靴投げたり好みのピザを先取りしたり…蹴ろくろには大爆笑しました。

敵意を隠さない由一郎をもてあまし気味な樋口ですが、社会人らしく陶房の為に企画を出し仕事に徹します。
また、一見、ヘナチョコなのに由一郎のつくったうつわに宿る本質を言い当てたり。
由一郎はそんな樋口の姿に次第に気持ちをほどいていきます。
陶器のボタン可愛かったな~。

ブラコンやいろいろな気持ちをこじらせて本当のことを誰にも言えなかった由一郎の歯がゆさを樋口がうけとめる…王道のオトナ攻め。
樋口が釉薬のかかっていない粗めの素材:由一郎のざらつきを可愛く思う過程が下心込みなのが素の男らしくて好きです。

ノンケ同士ですが、ちゃんと汁気たっぷりにシています。
碗島子さんといえば異物挿入イメージなんですが(失礼←)さすがになかった。
でも、お互いの愛しさが溢れていて今まで読んだ碗島子作品の濡れ場の中でいちばん好きです。
ツンケンした由一郎の涙は可愛くてそそるなぁ。
アングルが巧妙で真っ白修正はありませんでした。
巻末収録の描きおろしも切なくて良かったです。

それにしても今野家の人々の静かな暴走ぶりが楽しい!
特に父:与一郎がインパクト強すぎてww
窯作りにハマった挙げ句、火事を起こしてオカマになるって!!
女装旦那の妻である由一郎たちの母親の肝のすわりっぷりが素晴らしい。
どんだけピザ好きなの…あなたたち。

当て馬:土屋の土屋さんが意外なほどにまっとうで由一郎を思いやる気持ちが嬉かったです。
出番は少なめでしたが、由一郎の気持ちのベクトルを想像させるエピソードを紹介する十分な存在感でした。

【友と恋】
同じビルに勤めている縁で友だち付き合いをしていた近田に告白された篤史。
対処に困ってはぐらかそうとするもよそよそしい状態に。
寂しさに耐えきれず友だちの枠を自ら飛び越えた直情型の篤史に大丈夫か?と聞かずにはいられない強引な展開でした(笑)
篤史の後輩:前田くんの衝撃的な話がめっちゃ面白かった。

3

お仕事BL?

陶芸ものって好きなんです!(そんなジャンルはない) ……ですが、お仕事部分を楽しもうとした時に、やはりマンガは不利なのかなーと。工房の経営はちょっとめちゃくちゃすぎるし(笑うところなんだろうけど)、器のこともあまり出てこないし、経営コンサルタントの仕事も少しばかり出てくるだけだし……。

そもそもお仕事BLではないのか! お仕事をちゃんと描こうと思ったら1冊じゃあ足りないですよね。

変な家族がいっぱいで、変なライバルみたいなのもいるし、恋愛部分も少し物足りないような……。キャラが多すぎたのかなぁ。

好きな設定なのですが、全体的に物足りなさを感じてしまいました。

2

ガンバレ樋口。

(帯より)「ツンツンツンデレ由一郎に、サラリーマン樋口の運命やいかにーーー!?」と書いてあるのですが、受けがツンツンツンツンしてて中盤までデレは何処だー状態でした。
仕事で来てる大人に対してそりゃないだろーと思ってたのですが、
「憎さ余って可愛さ100倍」と樋口は籠絡されてたので本人がそう思うなら傍観者は何も言うまい・・・。
(そのセリフ出た時に可愛い要素一切出てなかったですが)
(しかし後半大いにデレてくれた由一郎は確かにメチャ可愛かった!!)


ーーー(以下ネタバレ注意)ーーー


仕事で経営立て直しに訪れた陶房で依頼主の弟・由一郎になぜか嫌われてしまった樋口。理由もわからぬまま嫌がらせをされますが、そこには当然理由があって。
実はお兄ちゃんが大好きで本当は自分が経営立て直して兄を喜ばせてあげたかったのに、兄には頼って貰えず疎外感・・・。その事実を知った樋口は

「こいつの居場所を取ったのは、俺なのか」

とショックを受ける反面、初めて見る由一郎の涙に愛しさを感じます。
その一件以来、少しずつ本音や素直な可愛さを見せるようになった由一郎を抱きしめたいと思うようになりーーーー。


とりあえず、この経営傾いた陶房は由一郎以外ツッコミどころ満載ですw
他人事で見る分には面白いけど、それに関わる樋口の苦労が窺えますw

陶房の取引先の人間が由一郎狙いで当て馬として周りをチョロチョロしてるのですが、金をちらつかせて執着してた割りにアッサリ引いて「イイ人」で去ったのが違和感というか・・・。シックリこなかった(´・_・`)

ツンツン過ぎる由一郎は可愛くなかったけど、後半からデレるギャップ萌え!碗島子さんの描く[気持ち良くて泣いちゃう受け]が可愛すぎて可愛すぎてよかった+゚。*(*´∀`*)*。゚+

同時収録されてる「友と恋」
気心知れて一緒にいたいと思う友達から告白され、どうしようとモンモンと悩むリーマンのお話です。
愛情か友情かなんて線引きより、とにかくどんな形でも隣に居たいんだーって本能に率直な答えを出すのが読んでてスッキリでした。

5

この作品が収納されている本棚

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