• 電子書籍【PR】
  • 紙書籍【PR】

表題作やぎさん郵便 3

澤 陣一郎,出版社勤務,花城の右腕
有原 岑生,廣瀬宛に恋文を書いた大学生

同時収録作品やぎさん郵便

廣瀬 清高,お人好しで鈍感な大学生
花城 青司,出版社社長

同時収録作品かごめかごめ

汽車で乗り合わせた男
有原岑生,大学生

同時収録作品東京行進曲、前・後編

澤陣一郎,置屋育ち
花城青司,美術商弟子

同時収録作品ゆりかごのうた

同時収録作品続 東京行進曲

澤陣一郎,花城の部下
有原岑生,社会人,編集者

その他の収録作品

  • あとがき
  • カバー下、アキレスと亀

あらすじ

「マッチ売り」「やぎさん郵便」長期連載シリーズついに完結! !

1通の恋文で人生を狂わされた男たち…花城、廣瀬、有原、澤。

絡まり合った運命の糸は解かれ、それぞれのしあわせを
見つける4人の未来は…。

花城と澤の出会いを描いた番外編「東京行進曲」と
「やぎさん郵便」から数年後の後日談を大量描き下ろしで収録!

作品情報

作品名
やぎさん郵便 3
著者
草間さかえ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
リブレ
レーベル
シトロンコミックス
シリーズ
マッチ売り
発売日
ISBN
9784799727300
4.6

(176)

(139)

萌々

(25)

(8)

中立

(1)

趣味じゃない

(3)

レビュー数
17
得点
820
評価数
176
平均
4.6 / 5
神率
79%

レビュー投稿数17

燐寸売り切れました!

シリーズ完結巻です。
前半で『やぎさん郵便』は完結し、その後に有原の過去を描いた『かごめかごめ』、澤と花城の出会いを描いた『東京行進曲』、花城の失恋を描いた『ゆりかごのうた』、やぎさん郵便後日譚の『続・東京行進曲』と続きます。

自分のせいでまたもや怪我を負ってしまった有原のために泣く澤や、超絶分かりにくい告白をする澤に激萌えしてしまいました!
「余暇を費やすに値する」って…理屈っぽ!
でも好き♡

花城と廣瀬がトンネルに貼り紙をしに行くエピソードも好きでした。
2人が出会った場所に記した誓いみたいに思えました。

番外編や描き下ろしでは有原、花城、澤それぞれが辛い恋をしていましたね。
花城にもあんなウブな時代もあったのか…。

やぎさん郵便本編を経ての、『続・東京行進曲』では皆さんお幸せそうで何よりでした。
また時々読み返したい作品です。

0

冷たく見える人こそ情が深い

痒いところに手が届く。
登場人物について知りたいところが全部知れる。
ついに完結の最終巻は、そんな1冊。

本編の方は2話分で完結しています。
花城×廣瀬はいちゃいちゃして終わりですが、澤と有原が…。
有原の献身と、澤の情の深さに痺れます。
脅迫して無理矢理言うことを聞かせていた関係だったはずの2人の結末に、冷酷そうに見える人間ほど情が深いんだなあと思わざるを得ません。
素晴らしいラストです。

同時収録では、有原と廣瀬の出会い、澤と花城の出会いに、花城と社長の話、花城の下に付いてからの澤の話が読めます。
本編終盤で有原が「澤にとって女は全て母親」と言っていましたが、その辺りが分かるエピソードや、澤の初めてを花城がどうやって奪ったかも知ることができて、大満足。
有原の「前の男」の正体も分かってさらに満足。
こういう本編で匂わせる程度にしか分からなかったことを妄想で埋めることも出来るけれど、作家さんがきちんと描いてくれるのは何とも有難いことです。

4冊で、4人の人間の半生を知って、それぞれが見つけた大切なひとへの想いを知る。
2巻で初めて有原と会った花城のモノローグが思い出されます。
「キヨは俺に応えて、有原(あいつ)には応えなかった。でも俺のはただの運だ」
ひととひとの出会いはすべて巡り合わせ。
その出会いが友情になるか恋になるかは、先に出会ったとか関係なくて、タイミングでしかなくて。
でもタイミングが合わなかったせいで、本当に大切だと思える人に出会えることもあるのだから、人生とは不思議なものです。
そういう風に出来た縁が、自分や相手を変えていく様子が、見事に描かれた作品でした。

満たされます。

1

シリーズ完結

紙代値上げによる誌面都合など、諸事情の折り合い付けての完結編なのだそう。
電子版のみで、また続けてくれないかな??

24話
評判の色刷り近代もの美人画版画のモデルは、花城だった。
画家が視たいのは、苦しむ顔。喜ぶ顔じゃないと蝋燭を消す。
有原は、澤と夜道を歩いていると、突き落とした男が待ち伏せしていた。
澤を庇って、刃物を握り止める有原。

25話
澤に、一生面倒を見ると言われた有原。
有原はやっと好意を受け入れる。
トンネルに行って、張り紙をする花城と広瀬
「燐寸 売り切れました」


「かごめかごめ」
有原と広瀬のなれそめについて。

「東京行進曲」
終戦間際の頃。
花城が、贋作を買い付けて騙された時の話。
出征後、戻らなかった社長は南方で現地嫁を貰って生きていた。
有原と広瀬が社会人になっている後日談。

面白かった。月並みな表現だけど、本当に味わい深い。
そしてみんな夫々納まって幸せなのがなにより。
何度も読み返したい作品の一つになりました。

0

マッチ売り〜やぎさん3巻までまとめての感想です

独特のコマ割りの一コマ一コマの構図もいい。
外の背景、室内の装飾や小物、どれもとてもきれいでかわいい。

扉絵、全部好き。全部額縁に入れて飾りたいくらいステキ。
原画だと見惚れてしまうほどだろうなぁと想像。

構成とかもすばらしい。うまく言えないけど
とにかくすばらしい作品です。


追記
廣瀬×花城があまりに素直でらぶらぶでうれしいんだけど途中で試練や妨げが起こらないかしら…とちょとハラハラしたけど何も起こらずよかった。
その分?澤×有原が少しドキドキあったけどそこまで辛いほどではなくよかった。
陰鬱なことが起こらずとも読ませる作品好きです。

0

シリーズ最終巻

草間さかえ先生の本は、続きが見たい!とならないものが多いです。決してマイナスの意味ではなくて、作品が美しく完結するからだと思う。

◾︎廣瀬(学生)×花城(出版社社長)
◾︎澤(花城の部下)×有原(学生)

さんざっぱらヤってたのに、橋の上でキスをした澤と有原にプラトニック〜とか意味わかんないことを思いました。意味わかんない。
澤のプロポーズの言葉が強すぎてくらくらします。

後半はみんなの過去編。初々しい花城と澤…可愛い。そしてこの二人の関係性を改めて噛み締めて、花城も澤もそれぞれに長い不遇の時代があったのだと思わされる。

連載が長過ぎて考えが及んでいませんでしたが、作品内で経っている時間はそう長くはない気がします…どうでしょう?
4人とも恋に溺れるのが早いのに、何故だかストーリーに無理矢理感もなく染み渡る作品でした。

0

この時代の雰囲気がたまらなく好きだ

 素敵な終わり方でした。廣瀬も花城も、澤も有原も、皆ようやく自分が満たされ心穏やかに身を委ねられるような相手を見つけたんですね。4人それぞれの形の幸せがすごく伝わってきました。特に、今まで本気で愛を注ぎたいと思える男に出会えなかった澤と、人生に後悔ばかりで自分の行動に自信の持てなかった有原が、お互い気を許し合い、まさに恋人らしいやり取りをしているのがたまらなかったですね。有原が廣瀬を好きになった経緯、澤が花城に童貞を奪われた経緯も描かれていたので、より今の2人の関係の尊さが沁みました。最後の本編の後日談で変わらぬ熱々ぶりを見せつけてくれた2人に、廣瀬達に劣らない安定感を感じて嬉しかったです。

 戦前から戦後へと大きな環境の変化があった中で、恋に生きた4人の男達。こんな状況下でも自分の恋心を大切にしたり、惚れた相手を守ったりする余裕のある彼らはなんて強いんだろうと思いました。私だったら戦争のことだけで頭がいっぱいになってしまいそうです。当時恋をしていた人達ってすごいなぁ。本編が終わった後に、花城や澤、有原の過去の短編が収録されていたので、それらを読んだら漠然とこんなことを考えていました。そもそもトンネルでマッチを売っていたという行為が、今では考えられないことですもんね。この時代だったからこそ、4人はこんな素敵な結末に辿り着けたのだとも思います。

0

4人全員の笑顔

この作品は実際の連載は長期にわたっていたのですよね。
私は一気に4冊読んで、じれじれとリアルタイムで追っていた方とは多分出発点そのものが違うのだろうと思います。
4冊読んで、またループ読みして、複雑な花城や澤が段々素直…と言っていいのかな…甘々恋人になっていく様子が心に沁み渡るような。
元々甘々カップルの廣瀬x花城はますます仲睦まじく。
はじめはひっどい始まりだった澤x有原も、澤が甲斐甲斐しさを出してきて有原は柔らかく溶けてきて、澤のために怪我までして。
そして花城が廣瀬と共にあのトンネルに「燐寸賣り切れました」の貼り紙を貼るのです。
丸く収まるハッピーエンディング、なのでしょう。
でもここに至るまでの花城や澤がもう屈折してるというか、難しい人たちですよね…設定とか伏線?も複雑で、はじめ何で花城が立ちんぼしてるのかとか澤の鬼畜な行動とか、違和感というか意味がわからない感じがありましたし。

続いて有原が廣瀬に出会って想いを寄せるに至るまでの「かごめかごめ」、置屋育ちの澤が絵のモデル中の(?)花城に襲われて心を奪われる「東京行進曲」、花城がずっと、前の社長を想っている事を突きつけられる澤を描く「ゆりかごのうた」、そして「やぎさん郵便」から数年後の4人の姿、特に甘めな恋人関係になっている澤x有原が読める「続 東京行進曲」…と続き、「マッチ売り」から「やぎさん郵便」への物語が完結します。
戦後の昭和の世相と草間さかえ先生の絵柄、作風も相まって、非常に独特な世界観の作品、読み応えのある作品、癖のある作品だと感じました。難解な部分もあると思います。

2

大団円、そして文句なしの神

マッチ売りから始まって四冊め。
今までの三冊は全て薄暗い表紙だったのが、真っ青な空が眩しいこの表紙。(ワンコ廣瀬だから青空が良く似合いますこと)
作品の中身を表しているようなこの晴れやかさ。

一つの作品の中に性格が全く違うカップルが二つ存在して、この3巻目はそのカップル達が交互に出てくるんだけど、どっちも甲乙つけがたい!
廣瀬×花城カップルは安定感抜群で長襦袢着て絡んでるときの会話だの、明け方再び絡んでいるときの花城の表情だの、とにかく絶品。

そしてもう一つのカップル 澤と有原。
登場した頃はかなり嫌なやつだと思っていたんです、澤のこと。
でも次第にいつも眉間にシワを寄せて不機嫌そうにしている彼の内面にどれだけの激情があるのか、どれだけの懐の深さがあるのかが垣間見えて、すっかり好きになってしまいました。
だからこちらのカップルのエピソードにもキュンキュンしっぱなし。
それぞれのカップルのエピソードでどこが萌えたか挙げていったらキリがないので、とにかく読んでくださいとしか言いようがありません。

最後に収録されていた「続・東京行進曲」は数年後のお話で(廣瀬が商社勤めというのが妙に納得)、それまで登場した脇役達もほころびがなく全て無理なくうまいところに着地して(戦死したとばかり思っていた香坂社長まで)これぞ大団円としか言いようがない終わりでした。

こちらの作品を知ったきっかけは私が立てたトピ「ちるちるのランキング圏外だけど、心の琴線に触れた作品を教えてください」
http://www.chil-chil.net/answerList/question_id/4967/

でご紹介いただいた作品です。
レスの中に「ただ、草間先生の作品で泣けるかと言われると、私は一度も泣いたことがないです。しかし、読むたび、これはすごいものを読んでいる、先生がBL作家でありがたい、と感じるので、心の琴線には触れまくっているかと。」ありましたが本当にその通りでした。

「すごいものを読んだ。」
コメントいただいた方のこの文章が、一番的確に表していると思います。

私も泣きはしませんでしたが、はぁー興奮して疲れた、すごいものを読んだ・・・でももう一回マッチ売りから読んでみようかな、と無限ループに陥りそうです。
教えてくださって本当にありがとうございました。文句なしの神です。

4

丸く収まりました

読むごとにどんどんキャラが素敵に見えてくる作品です。最初はいろんな人とやりまくるビッチな花城という印象だったのに、色んなトラウマや思いを抱えていたんだなぁとわかり廣瀬くんがハマるのも仕方ないと思えるまでになりました。そして、この二人が主人公だと思って読み始めたのに、最終的にはその花城のことを好きだった澤と有原のカップルのウエイトも重くなって、私のなかでは澤の男前過ぎる優しさに心を持っていかれました。女の人全てがお母さんだと思えて優しくする澤もとても素敵❗同時収録の「東京行進曲」での花城とのエピソードも面白かったですね。
わき役かと思っていた人が別のところで絡んでいたり、どの人もあの四人を生かすためになくてはならない人で、上手く自分の運命の人と巡り会えたんだなぁと感心しました。
一巻から読み始めるときは、戦後間もない設定と言うことで暗いイメージがあり、なかなか読む気になれませんでしたが読み終わってみるとその時代背景があってこそ成り立つお話で、そんな時でも逞しく謳歌している感じのお話だったので思いきって読んでみて正解でした。

2

草間先生お疲れ様でした!

2015年内に書きたかったのですが、レビューが書けぬまま2016年に。
とうとう「マッチ売り」から始まった長いお話が終わりました。
そうか、たった一週間の話なんですねえ。
有原が本当好きでした。
BLにここまではまれたのも、草間さんと有原のおかげだと思います。
ただやはり澤が個人的には好きになれなかったのは残念です。
でも、皆大団円でよかった。

あと、もう読めないと思ってすごい苦労して手に入れて全プレの二冊が載ってる(笑)
最近転んだ方にはありがたいですよね。
まあ、カラーだったから、泣いてなんかないやい!(笑)

本当、草間先生お疲れ様でした!

1

なんと一週間!!

なんと、トータル4冊、約一週間ほどのお話だったとな!!
Renta!に、インタビュー記事があるので 興味のある方は是非。
本編2作と、廣瀬と有原の出会い、澤と花城の出会い、4人のちょっと先の話が楽しめます。
廣瀬、花城は安定したラブラブっぷり。
澤、有原がどうくっついていくのかと思っていたけど、既に有原の心は動いていたのね。
その集大成という感じで、この巻だけ読むとあっさりくっついてます。
が!最初、有原は澤が嫌いだったという所からのスタートなので、心の機微がお見事。そしてそれが一週間の出来事なんだから本当に凄い!!
でも心の動きに不自然さがなく、心が動く契機一つ一つが丁寧に描かれているので、全然一週間と思えない!!
そして、あの強気な男澤が 涙し、あっさりプロポーズする姿、有原の照れる姿、幸せを感じます。

個人的にもう少し本編を読める期待があった事と、過去よりも未来の話が読みたかったので 神よりの萌2でした。

1

まとめて読まなきゃダメです

10年……これは手放してはいけない本だった。

3だけを読みましたが、もちろん楽しめましたが、感慨に耽るには時間が離れすぎていた。2からはそんなに経ってないですけども。といっても、1年。だいぶ内容を忘れていました。(私は読んだ本の内容を、覚えているのがすごく苦手なのです)

まとめて読まないとダメだと思いましたね。3を読む前に。今知った人は最高ですね。まとめて読める。

「マッチ売り」から買い直そうと思いました。勿体なかった。

2

過去を乗り越えた新たなスタート

「マッチ売り」から始まったやぎさん郵便シリーズ、とうとう完結です!

個人的にこの作品は、登場人物達が抱えているわだかまりにどう決着つけるかが一番の見どころでした。
それは前作の「やぎさん郵便2」で大部分が着地したと思います。
なので、問題が解決された「ああ良かった…」という満足度は前作のほうが高いです。
今作は未来に向けて歩み出した2組のカップルに確かなものを感じ、幸せな気持ちになりました。

そして思った以上に甘々でした。(過去偏は切なかったけど)
廣瀬×花城は最初から甘い雰囲気がありましたが、今作は澤の有原への想いが思ったより情熱的だったからです。
澤はもっとぶっきらぼうでクールだと思っていたので、泣いたり激昂したりプロポーズしたりと大胆な彼に驚きました。
そして、過去を吹っ切り澤と歩み始めた有原は彼本来が持っている大らかさ(天然)が前面に出るようになったと思います。
戸惑いながらも澤を受け入れてるし、甘い雰囲気がだだ漏れでニヤニヤしました。
澤の親代わりだった志緒婆も一安心でしょう。

廣瀬×花城もとっても良かったです。
こちらはセックスシーンが多かった印象を受けましたが、この2人は体で語り合っている感じがします。
包み隠さず自分をさらけ出すということでもあり、お互いの気持ちを確かめあう大事な行為だというのが伝わってきました。

この2組はこれから先も大丈夫という安心感がありますね。
花城や澤はどちらかというと悪い大人という印象なのに不思議ですが、みなそれぞれ自分の本当の気持ちに向き合っていたからかなと思います。
後日談で、しっかりと結ばれた関係性が描かれていてとても満足でした。

ストライクゾーンが広すぎる花城や、シリーズ通して腹を鳴らしている有原なども面白かったですw
脇役も大変魅力的で、みんなに幸せになってほしいと思える本当に素敵な作品でした。

6

さすがとしか言いようのない神作品

「マッチ売り」からの4作目にして完結篇の今巻。続きを正座しながら待ちつつ、でもこれで終わりか…、という寂しさもあり、感慨深く読ませていただきました。

まず表紙が良いよねえ。今までの3冊は何となく暗いイメージですが、今巻はすっきりと晴れ渡った青空をバックに満面の笑みを浮かべる廣瀬くんと、その向こうに見える花城さん。何ともほほえましい表紙にまず釘づけになりました。

さてさて、内容はすでに書いてくださっているので4巻まとめて、の感想を書きたいと思います。

一通のラブレターを巡り、色々な偶然も経て巡り合ったこの4人。
明るく天真爛漫な太陽のようなキャラの廣瀬くんよりも、花城さんのように過去にトラウマを持ち、一筋縄ではいかない性格のキャラのほうが「草間さんらしい」キャラ設定な気がするのですが、「やぎさん郵便」ではそうした暗い過去を持つ男が3人も出てくる。なのにネガティブになりすぎないストーリー展開にはいつも圧倒されました。そして複雑に絡み合った人間関係や伏線を回収しつつのストーリーの組み立て方がすごくお上手。

まだ大学生なのに、半端なく大きな懐を持つ廣瀬くんのおかげか、廣瀬くん×花城さんのCPは何となく安心感を持ちつつ読めたのですが、澤さん×有原くんのCPは始終ハラハラし通しでした。切ない恋心を抱え、酷い元カレ(カレ、ではないですね、あんなヤツ)にされた行為に傷ついている有原くんを澤さんが不器用ながらも受け止める様に、もうキュンキュンしっぱなしでした。

廣瀬くん×花城さん。
澤さん×有原くん。
まさに「破れ鍋に綴蓋」のCPで、お互いが唯一の存在へとなっていく姿に激しく萌えつつ、安心しました。

他の方も書かれていらっしゃいましたが、「かごめかごめ」「ゆりかごのうた」が収録されていたのはうれしかった…!欲を言えば、値段が上がってもいいからカラーで見たかった。

足かけ10年。すごい年月ですよね、改めて拝見すると。なのに10年前の「マッチ売り」から絵柄がほとんど変わっていないのもすごい。しみじみと草間先生のすごさを思い知った気がします。

この2CPが幸せになれて本当に良かった。

文句なく、神評価です。

5

青空賛歌

シリーズ完結編。
思わず青空を仰ぎたくなるような
一点の曇りもない、清々しい読後でした。

一通の恋文によってもたらされた、巡りゆく縁。
散らばって、広がっていくそれは
繊細なレース編みのように美しく紡がれ、読み手を魅了する。
粋で、色っぽくて、味わい深い、
草間さんだからこそ仕上げることができた
素晴らしいシリーズ完結作品だと思います。

3巻を読んで、わたしは澤がとても好きになりました。
有原の負傷で自分を責めて涙を流したり
ようやく向けられた笑顔ごと有原を抱きしめたり...
彼らしいプロポーズ(?)も良かった♡
最終巻にして、温かく、可愛い澤の一面が見れてすごく新鮮でした。
あと、花城さんに意地悪をして泣かせてしまい
逆に泣きたくなっている澤も切なくて良かったなあ...

勿論、廣瀬×花城さんカップル(大好きです)も本当に素敵だし、
澤と花城さんの出会いと現在に至るまでの物語も秀逸。
(『かごめかごめ』と『ゆりかごのうた』、カラーで読みたかった!)
最後に収められた描き下ろしは、
メインの4人を含め、味のある脇役たちのそれぞれの
”それから”が、やさしく温かく
そしてちょっと可笑しく小粋に描かれています。

足掛け10年にも渡った作品。
作品を描き続けた草間さんの想い
待ち続けた読み手、そしてこれから手に取るだろう読者の想いー
全ての想いが、ぴったりとやさしく重ねられ、
これからもずっと読み続けられていくのだと思うし
わたしもその中のひとりでいることが、すごく嬉しいです。

草間先生、素晴らしい作品をありがとうございました!

6

幸せな読後感

しっとりとした、独特の時代の情緒が漂う物語、
ついに幸せな完結編です。

ついに……と言っても、実は「やぎさん郵便2」が出て嵌ったので
10年に渡って愛していた読者の方々の喜びにはとても及ばないだろう。
長きファンの方々、おめでとうございます。

そして、なんと、この完結編には、手に入れたくて悶えていた
小冊子『かもめかもめ』と『ゆりかごのうた』が収録されており
私のようなファンを狂喜乱舞させてくれる。
ありがとうございます!

全体の半分弱が、本編の完結編。
残りに、遡って数年前の花城と澤の出会い『東京行進曲』前後編、
『かもめかもめ』『ゆりかごのうた』、
最後に書き下ろしの『続・東京行進曲』は、それから数年、
社会人になって働き始めている廣瀬と有原、
そして花城と澤の明るい未来が描かれている。


          〒   〒   〒


一枚の手紙をきっかけにして始まった、4人の男たちの物語。
それぞれ何かが欠けていた彼らの人生の歯車が動き出し、
雪の数日の間に分かち難い結びつきの番となり、
青空が広がるように新たな人生が彼らに開けていく。

廣瀬と花城も、澤と有原も、すっかり穏やかに幸せそうに。
それぞれが始まりの手紙とマッチ売りに別れを告げる場面が
それぞれのカップルらしく、とてもいい。
こういうところがさすがの上手さだと感嘆。

澤の彼らしいプロポーズ、有原の笑顔の可愛らしさ、
廣瀬と花城はてらいもなくラブラブで
幸せな彼らの現在と過去、それだけではなく
脇役の高岡先生や駒子姉さん、姿は見えない香坂社長など
エピソードがちゃんと回収されている。
さらには表紙のカバー下、裏表紙のミニ漫画のおかしさ、
どこをとっても余分がないパズルが綺麗にはまるような見事さは、
さすがとしかいいようがない。


個人的には、澤と花城の過去編、
女装した花城にまだ純朴そうな澤が襲われたお初と、
『ゆりかごのうた』で花城が涙を流すシーンがツボ。
あれ?まとまったカップルと違う組み合わせ‥‥?
いや、幸せな結論にはなんの異論もございません!

昭和の世を、彼らはきっと幸せに生きていくのだろう。
できればどこかで、また彼らのエピソードが読めればと願う。
評価はもちろん神です。

8

恋文の引力で起こった4人の運命

評価はシリーズ通してとなります。

マッチ売りから始まったシリーズ4作目、堂々の完結です。
楽しみにしてましたが、いざとなると名残惜しく淋しい気もします。

暗闇でマッチを灯す花城 (マッチ売り)
夕暮れに手紙を破く澤 (やぎさん郵便)
雪の降る寒空に佇む有原 (やぎさん郵便2)
ときて、最終巻は青空下で爽やかに笑う廣瀬というのが、完結なんだなーとシミジミ感じさせてくれます。後ろに立つ各々は今まで表情が見えない構図になっていたのに、最後は花城の笑顔というのにもジンワリしますね(;ω;)
恒例のカバー下も癒されます。と思いきや廣瀬が顔があれれ?ジックリ見ると花城の手の位置がw

パラリと捲り目次を見て震えました。
最後のチャンスだと半分期待はしてたけど、ホントにキタ!!!
夢にまで見た「かごめかごめ」「ゆりかごの歌」が収録されてます(;∀;)
ハマるのが遅かった事を悔やんでも悔やみきれない幻のような全サ小冊子、モノクロですが大大大満足です!


本編はラスト2話。
廣瀬×花城は、お泊りした富尾先生の家にてラブラブエロス中+゚。*(*´∀`*)*。゚+
女物の襦袢を纏う花城はキレイです。色気たっぷりの誘い受けの前でジタバタグルグルしてる廣瀬のワンコっぷりが可愛いヾ(*´∀`*)ノ
そんなイチャイチャラブラブしてる2人を壁の裏から覗いてるお方が…。
富尾先生へ提案した代替案とはそういうことだったみたいですw

恋人との情事をサラリと他人に見せる事は出来る花城ですが、
翌朝、盛り上がってる最中に顔を隠したがり、恥ずかしそうに
「顔が作れねぇんだよ」「変な顔したらやだろ」
か・わ・い・いっ(///Д///)〜3 まだそんな一面隠し持ってましたか…
萌えます。廣瀬×花城カップル最高です。
花城の廣瀬にだけ見せる笑顔にキュンキュンします( ´艸`) ♡

さて、気になる澤×有原はというと。
手紙は破いて捨て、橋の上でそっとキスする2人…。
映画のワンシーンのよう。いつの間にかそんなキスするほどお互いの気持ちが重なってたんだなぁと思うと感慨深いです。
それでハッピーエンドに向かうとおもいきや、もう一事件発生( ゚д゚)!

まさか泣いてる澤を見る日が来るとは(;ω;)
それを見て幸せそうに笑う有原。ギュっと抱きしめる澤。
そしてそして色々すっ飛ばして回りくどい澤らしいプロポーズまで…!
涙腺が〜〜〜。・゜・(ノД`)・゜・。
ハッピーなシーンなのに今までの事を思うと泣けます。嬉し泣きです。

たった数日間に起こった4人の運命。
ラストページの終わりがとてもキレイです。

◆東京行進曲

澤目線で花城との出会いが描かれてます。2人共少し幼さの残る面影です。
布団部屋でいきなり襲われた澤×花城の一夜の情事。
その後、男を求めるようになった澤。
社長の出征で残された会社を守るのに必死な花城。
再度出会う澤と花城。
澤の健気な一途さにホロリとします。やぎさん郵便は読み進める毎に澤への印象が変わって行って、最初にあった苦手意識が嘘のように可愛く見えてきます。

◆続・東京行進曲 (書き下ろし)

数年たった4人の姿です。大学生組は就職してます。

キター!!受けサミット再び!\(^o^)/
ソバ屋で待ち合わせてた花城と有原。2人の会話を見てると、有原が澤から大事にされ世話を焼かれてるのが窺えてニヤニヤします( ´艸`) ずっと暗い顔をしてた最初の頃と違い、明るく可愛く幸せそうでホッコリ。

澤もやってきたのですが酔っ払い有原をみて即連れ帰り、2人が去った店に廣瀬登場。出張で留守にしてた廣瀬とは久々の逢瀬で人目もはばからず抱きあいイチャイチャ・・・を始めようとしたら店主ストップww

廣瀬×花城はエロなしですが、澤×有原はあり。
口腔攻め+言葉攻めが非常にエロスです+゚。*(*´∀`*)*。゚+
澤に憎まれ口叩いて声を出して笑う有原を見てると萌えるやら泣けるやら。

報われない片思いしてた頃の思い出話でピリッと切ない部分もあります。
最後まで澤の気持ちを花城は知らず、有原の気持ちを廣瀬は知らない。
見ている側は切なさを感じるんだけど、伝えることの出来る喜びが窺える「今は、あなたが好きです」という一言に重みを感じます。
とても素敵な後日談。澤×有原カップルも最高です!

最後の最後まで沢山の萌えが詰まっておりウットリ溜息が止まりません。
脇キャラに至るまで「その後」が散りばめられてます。

10年の連載お疲れさまでした。素敵な作品をありがとうございました。

22

この作品が収納されている本棚

マンスリーレビューランキング(コミック)一覧を見る>>

PAGE TOP