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表題作美人な俺が好きですか?

大迫茂樹,芸能人御用達サロンのトップスタイリスト
天宮春雪,地味で平凡な大学生

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

大学デビューを夢見るも実際大学生になり現実を知った地味系の雨宮春雪。以降、平凡でも楽しければ良いと思っていたが、友人の強引な勧めで有名美容院に足を踏み入れることに。場違いな空間に萎縮していると芸能人の施術を終えたトップスタイリストの大迫が現れる。芸能人に劣らない彼の美貌に感心していると、春雪を見た大迫が突然「見つけた! 俺のミューズ! 」と叫んだ。そしてそのまま強引に春雪を個室へと連れ込んで…!?

作品情報

作品名
美人な俺が好きですか?
著者
白露にしき 
イラスト
北沢きょう 
媒体
小説
出版社
心交社
レーベル
ショコラ文庫
発売日
ISBN
9784778120221
3

(13)

(0)

萌々

(4)

(7)

中立

(1)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
4
得点
38
評価数
13
平均
3 / 5
神率
0%

レビュー投稿数4

受けの女装がかわいらしい

 平凡な大学生活を送っていた春雪は友人の強い勧めで、無理やり有名美容院に連れて行かれる。
 そこに、トップスタイリストの大迫が現れる。
 彼は春雪と目があうと、突然叫び出す。
「見つけた! 俺のミューズ!」
 びっくりした春雪は目を丸くするけれど、彼は実は春雪が高校生だった頃の最悪の女装姿を目にしていたようで。
「自分なら最高の春雪に仕上げることができる」
 と言い出し、女装を持ち出してくる。
 最初は嫌嫌だった春雪だったが、だんだんと自分ではない人間に変わる感覚に虜になっていく……。

 という話でした。
 春雪は自分じゃないみたいな自分を見れて、ハッピーだし。
 大迫も春雪を着飾れてハッピー。
 でもだんだん、春雪の気持ちが大迫に向かっていくに従って、自分の外見だけに興味がある大迫の気持ちが悲しくなっていく……というように変化していきます。
 もちろん最後はハッピーエンドなので、ご安心を。

 たくさんの女装が堪能できるお話なので、女装話好きな方には是非、オススメしたいです。

1

ハイテンション女装コメディ

平凡な大学生受けが、カリスマモデルの攻めに「俺のミューズ!」と讃えられ、女装に目覚めていくお話です。

とにかく攻めが変な人でした。受けを褒め称えるボキャブラリーが独特で、ミューズだとか天使だとか森の妖精だとか、ちょっと紙一重的なテンション。そのくせ受けといるとき以外はクールで、モテるのに美男美女に言い寄られても興味もない感じ。
受けは、地味だけど大人しさはない、結構口の悪いキャラ。高校生のときにやらされた女装が自他共に認めるひどい出来だったので、女装にトラウマがあります。でもそのひどい女装をかつて攻めが見ていて、「俺のミューズ…!」と思っていたというのが運命のいたずら。
大学生になってから偶然再会して、ミューズに再会できて大興奮の攻めに突然ハァハァ迫られ、キラキライケメンなのにテンション高すぎる(受け限定で)攻めが怖いしキモいしとことん罵倒する受け。逃げ回るんだけど大学まで追いかけてこられ、半ば無理やりやらされた女装で、攻めの手にかかれば絶世の美女になれると知り、かつてのトラウマが癒されます。
それでクセになっちゃって…という展開。

面白かったことは面白かったけど、あまり萌えはなかったかなぁ。
自分を女装させて喜ぶ攻めを好きになってしまい、「攻めが好きなのは俺の女装だけで、俺自身が好きなわけじゃないんだ」的に悩むのもとてもありがち。あと攻めのキャラがぶっ飛びすぎてて、くっつくまでに受けに対する恋愛感情があるのかないのかよくわからなかった。
あと、当て馬というか脇キャラのカメラマンの扱いがもったいない。せっかく「歌舞伎メイクでも素顔がわかる」なんて特技があるんだから、もっとがっつり話に絡ませて欲しかった。受けと攻めがくっつくのに協力するだけの役割で、もったいないので、スピンオフとかで他の作品に出たらいいと思います。

1

女装がいっぱい

高校生の時に出たくもない女装美女コンテストで惨敗し、自分自身にも自信が持てなくなった春雪(受け)は、その時たまたま女装を見ていたというトップスタイリスト大迫が(攻め)に自分に女装させてくれと懇願されます。

美女コンテストがトラウマでイヤイヤだった女装ですが、大迫の女装は完璧で毎回美少女や美女に変身させてくれ、外に出るとみんなが自分の美しさにうっとりするのを見て満更でもなくなってしまいます。大迫のことも初めは変な人だ、イカれた人だと思っています。

大迫はイケメンなんですが、表現が派手で、シェークスピア劇かミュージカルかと思うような台詞回しが可笑しいです。ミューズとかキューピッドとかヘルマフロディトスとか等々、普通使わない単語で表現してて、本当にこんなこと言われたら固まりそうです。とはいえ、確固とした美のビジョンがあってその為に惜しみなく春雪を褒め称え着飾っていきます。途中言ってることが理解できないくらい陶酔してしまってますが。
また、女性用下着をはかせ、はみ出るのを見てはエロくていいなんていうちょっと変態さんでもあります。

雪春は、扇情的なかっこうをさせられているうちに触られて気持ちよくなって、流されていろいろされてしまいます。でも予想通りというか、大迫が美の追求としてしか自分のことを見てくれないことが辛くなり逃げ出してしまいます。

春雪に逃げられて焦燥の大迫は、やはりアーティストというか、モデルを見つけては春雪と同じような装いにして余計に辛くなったり、仕事もセーブして、それ以外は倒れていたりして、かわいそうではありますが、かなり初めの方から春雪を好きになっていたのに、「私のミューズ」という立場を崩さず接していた為、それが心からの描写であっても誤解されることになった上、自分では伝わってると思ってたなんて、なんて鈍臭い。

女装がたくさんあります。白無垢、チャイナドレス、ゴスロリ、カクテルドレス等々、最後の方はスケスケドレスのようなものだったり。

王道という気もしなくもありませんが、あとがきでも書いてありますが、かなーりフランス人かミュージカル俳優かという大仰な言葉のおかげで、端で見てる限りは面白おかしく読めたと思います。先の方も書いておられますが、薔薇の蕾が云々のところは、先日読んだ鳥谷しず先生の「溺愛スイートホーム」が頭に浮かびました。あの話のようにアナル舐めは出てきませんが通じるところがあるのかも。

両想いになってからは大迫は今まで以上に言葉を惜しみなく使って春雪を褒め称えるのでしょう。そんなところももう少し読みたかったかな。

こんなにたくさんの女装を読むのは初めてですが、私の貧困な脳みそではあまりイメージしきれなかったので北沢きょう先生の綺麗なイラストで全部見たかったです。

1

攻めの変態ぶりが楽しい女装モノ

あらすじ:
地味で平凡な大学生・春雪(受け)は、友人に連れて行かれた美容室で、トップスタイリストの大迫(攻め)と出会う。
春雪を「俺のミューズ」と崇める大迫は、彼を個室に連れ込み、可憐な美少女に変身させ……

理想の美を追い求める芸術家肌の攻め(変態)により、絶世の美女に変身させられる受け。
一見シンデレラストーリー的な展開ですが、攻めの変人ぶりのインパクトのせいでいまいち羨ましく思えないw、そして受けも意外と図太く行動力のあるタイプなので、良い意味でお伽話感の薄い作品となっています。

女装モノということで女性下着を身につけてのプレイもあり、背徳的なエロスも堪能できます。

春雪は、高校生の頃、女装して美人コンテストに出場させられたことがあり(結果は下位)、それは彼の中でかなりの黒歴史。
しかし大迫は当時から春雪に目をつけており、偶然再会してからは「俺はきみのしもべだ」となりふり構わず春雪に迫り、彼に様々な女装を試します。

ドレス、和服、チャイナドレス…と、クルクル変わる春雪の服装。
最初は清純派美少女路線だったのが、最終的にモデル風のゴージャスな美女に変化を遂げるのも面白いです。

大迫に対して「頭がおかしい」「気持ち悪い」「変態」と都度ドン引きする春雪ですが、美しく変身した自分の姿にはウットリしており、なかなかいい性格。
彼の才能や熱意、献身的な性格にも惹かれていきますが、彼は生身の自分には関心がないのか?と不安を抱くことも。
その不安がもとで大迫とすれ違ってしまいます。

春雪と会えなくなってからの大迫の憔悴ぶり、そして仲直りした途端元気になる変わり身の速さが可笑しく、クライマックスまでコミカルな展開。

春雪のことを「ヘルマフロディトス」(ギリシャ神話に登場する雌雄同体の人物)、アレのことを「ファルス」と称する言語感覚も独特で、大迫のキャラクターがとにかく楽しい一冊でした。

鳥谷しずさんの作品など、変態攻めがお好きな方に特にオススメしたい作品です。

7

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