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  • 君と飛ぶ、あの夏空~ドクターヘリ、テイクオフ! ~

君と飛ぶ、あの夏空~ドクターヘリ、テイクオフ! ~

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表題作君と飛ぶ、あの夏空~ドクターヘリ、テイクオフ! ~

岸谷弘貴,医大からやってきた新任の脳神経外科医
加賀美慶人,総合病院のフライトドクターで心臓外科医

その他の収録作品

  • 二人でいること
  • あとがき

あらすじ

加賀美慶人が出身校である北都医大に残らず、葛城総合病院のフライトドクターになって三年。
脳神経外科に新しく一人の医師が入った。岸谷弘貴――慶人の同級生だが、学生時代に言葉を交わしたのは、
慶人が救命救急を目指すきっかけとなる事件が起きたある夏の一日だけ。
優秀で将来有望な岸谷が北都の医局をやめ、なぜこんな遠く離れた病院にやってきたのか。
真相のわからぬまま、慶人は岸谷と急速に仲を深めていくのだが…。

作品情報

作品名
君と飛ぶ、あの夏空~ドクターヘリ、テイクオフ! ~
著者
春原いずみ 
イラスト
逆月酒乱 
媒体
小説
出版社
三交社
レーベル
ラルーナ文庫
発売日
ISBN
9784879198990
4

(16)

(4)

萌々

(9)

(3)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
7
得点
65
評価数
16
平均
4 / 5
神率
25%

レビュー投稿数7

ドクターヘリ

Amazonkindle。河原で心肺蘇生を初めて現場で体験した医大生二人。
その後、脳心臓外科と心臓外科に夫々進んで・・ 加賀美は、フライトドクターになる。
現場をよく知る人しか書けない臨場感ある描写。
・・・山間部や無医村だとドクターヘリを活用するしかない。
陸自の名人パイロットが山で嵐の日に急患搬送中に墜落事故を起こした事件を思い出しました。
安全飛行が可能な、山の枝に接触しても墜ちないAI搭載ヘリがあればいいですね、
高速道路にも随所にヘリポートが必要だということも理解できた。

★イメージと合わない挿絵なら、ないほうが良いです。
無理やりBL要素を入れて仕上げるより、一般レーベル向けに書いたほうが生きる内容のような気がしました。腐女子向け官能小説で終わらせるには、勿体ない内容かも。

1

爽やかな医療もので良かったです

日々の救命救急の現場の様子が垣間見えて興味深かったです。
専門用語が普通に飛び交うので、医療業界に携わっていない自分には雰囲気だけ味わう所もありましたが。。超多忙な救命救急の医師同士のリアルな恋愛事情もなかなか大変で、考えさせられました。

激務な上に、医師も人の子、私生活で悩んだりする事も多々あると思うのですが、職場では頭を切り替え、生死を彷徨う患者と日々面しないといけない。精神的にもかなりタフでないとやっていけない仕事だなーと今更ながら実感しました。激務に耐えるメンタル力、知性、学閥やコミュ力、医療事故のリスク、臨床の合間に学会に出たり、論文も書かなければならないし。

主役の二人が面した、「周りの思惑により敷かれたレールに乗れば、将来は約束されるけれど、自由意思は…、やりがいは?」という問題は、いつの世にもある永遠の命題ですね。多くの人は迷わず乗るんでしょうけれど、数割の人は悩むんだろうな。二人の葛藤は過去の回想としてあっさりとしか語られないけれど、想像に難くないです。ただ二人の選択した結果の今が一番大事ですね。

二人が同棲してからも、救命救急の医師同士の恋愛は大変なようです。男女の医師同士であれば、女性が結婚や出産と同時に仕事をセーブする状況になるんだろうけれど、男同士だと岸谷と加賀美のような状況に陥るのかな。二人とも今の仕事を続けつつ、パートナーでい続けて欲しいな。

安定の春原先生の職業ものでした。あとがきの先生の昼間の医療関係のお仕事の日々の現場でのこぼれ話も興味を持って読みました。爽やかな若手医師同士のBLに職業ものとしても楽しめた一冊でしたが、ただ一つリアリティがないと感じたのが、相変わらず「美人」という言葉が飛び交うことでした。医療の現場でそういう言葉が出ることあるのかな??と(笑)まーご愛嬌ですけれど。
これからも日々の現場から、「愛」を届けて欲しいです。

2

大人の男同士

イラストが苦手なので、しばらく積んであったものを消化中。
春原先生は、医療系とかお仕事系がお得意なので、悪くなかったです。
やっぱり好きな作風だと再確認。
出会いのシーンから一気に時間が飛んで、どちらも過去があって・・・・・・という流れで、受け攻めどちらも心の傷になっている出来事が過去形で語られるので、謎というよりも淡々としていて、そこが物足りなかったかも。
恋愛としても、ほとんど障害なし。
駆け引きとか不安はなかったですね。それも物足りなさにつながってるかも・・・・・

それでも、この一冊としては、そこそこ読めました。
仕事をきちんとできる大人の男同士というかんじで安定感がありました。

1

お医者さま、ありがとう。

救急救命センターを舞台にしたお仕事BL。
日々のお仕事の描写がなかなか細かく書かれています。それぞれ、過去になんらかの辛い出来事や抱えたものがありつつ、日々の仕事に追われている男たち。精神的な面でよりつながっていく感じがいいですね。

医局や医学部などの複雑な話は、実際のところ、門外漢の私にはよく理解できない部分もあるかもしれません。ですが、フィクションを楽しむ上での支障となるほどではありませんでした。こういった専門性の高い業界を舞台したお話だと、説明とお仕事描写、ラブ要素のバランスって難しいんでしょうね。

そういえば、うちの近くにも救急救命の拠点となる病院があり、時折ドクターヘリが飛んでいきます。頭上をパラパラパラパラ…とヘリの音がすると、ついつい見上げてしまいます。現実のお医者様方への大いなる感謝の気持ちもいだきつつ。

0

医療ドラマを見ているようでした

救急救命センターに所属するフライトドクターの加賀美(受け)は医学生の時に同じクラスだった岸谷(攻め)が自分の勤める病院に赴任してきて再会します。

身内の争いにに巻き込まれ医局を出なければならなくなり、大学とは関係のない基幹病院に就職して5年、ずっと忙しくしてきた(というか忙しくしていないと落ち着かない)加賀美は岸谷に再会し、医者を目指していた頃に戻れるような気持ちになるのが嬉しく岸谷と親交を深めます。

2人ともが自分の意思ではないところでの争いが今の境遇の根底にあります。学生の頃のBBQでの会話で2人の心が近づき、お互いその時に恋をしていたのでしょう。

加賀美の方のトラブルは相手がすでに亡くなっていることからどうしようもないのですが、岸谷の方は相手ときちんと向き合えて、なかったことにはできないけれど納得することができたので一応の決着をみたと言って良いのでしょう。

恋愛描写はあまりなく、救命医としての仕事がメインのお話でしたので、救命医として力の限り命を救う姿が印象的で常に緊迫感のあるお話でした。そして2人が再会したことによって、本来の自分に戻れるようになった加賀美が人間らしくなっていく様子が感じられました。
恋愛というよりは魂レベルでの半身を得る話という感じで、ちょっと高尚な感じがしました。

ただ、救命の時のトリアージとかの説明はあったのですが、医局や医学部、研修などに関する説明が足りないように感じます。医学会に関する知識はテレビや本を読んだ知識しかなく、制度も変わっていたりするのでできれば細かい説明をして欲しかったです。年数などの辻褄など細かいことが気になるたちなので、医局に入った年数、就職した年数と私の知識では計算が合わずネットで調べてみて取り敢えず納得してみた感じです。でも、微妙に合わない感じがします。

最後までよくわからなかったのが、岸谷を大学病院にいられなくしてしまった三宅先生が、なぜあんなことをしたのかです。人の人生狂わせといて、最後にきちんと理由を言って謝罪して欲しかったし、元凶のくせに途中で頼ろうとするなんて、ムシが良すぎて、どのツラ下げて来たんだって思ってもやもやしました。最後にその先生にまで救済があるのはどうも納得いかなかったです。

これからも、疲れた心と体をお互いで癒してほしいです。

2

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