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前巻で甘々だな〜などと思っていたら、話が複雑になってきて、そうかこれ2人が家族になる物語だったのかと。こんな展開になるとは思ってもいなかった。完結巻が「寿」なので、結婚おめでとうパチパチなのかとは想像しつつもこんなに…なんというか湿度の高いというか…そんなストーリー展開なんですね。まぁ宮坂や矢野に異様に暗い過去があるような湿っぽさではないんですけど、もっとコメディっぽい作品で終始するのかと漠然と予想してたので意外。
(最終巻まで読みましたが、自分の予想は随分ぬるかった。結局はコメディから離れどちらかというとずっしり重めの物語として終わりました。彼らも自分も遠くまできたものだ。)
この巻では、ただ好きという気持ちだけではなく、今まで二人が積み上げてきたもの、二人が一緒にいる意味や、二人でどうしていきたいのかを仕事をきっかけにして改めて方向付けた巻でした。
ドラマ制作という同じ仕事につきながらも、一緒にいても会話もままならない遠い存在となってしまった矢野さんのことを考えるうちに、どんなに辛い状況でも前向きに頑張るところが魅力のワンコが、とうとう墜落寸前の超低空飛行に。
あれこれ浮上するよう手を尽くしてはみるものの一向に上昇しない宮坂に対し、自らのプロデューサーとしての力量不足に、困惑を越え苦しむ矢野さん。
手取り足取り教えるようなタイプではないけれど、突き放しながらも適切なアドバイスやヒントをしてきただけに、初ドラマ制作という大仕事を前に、今回は全くやる気を出させることができないことを悩む姿はとても痛々しかったです。
仕事だけでなく、普段の生活さえも宮坂を喜ばせることができないことをこんなに苦しむなんて、なかなか内面をみせてくれない矢野さんですが、本当に宮坂の作品が楽しみでとても期待していることが垣間見えました。
だからこそ、そんな不器用な矢野さんを大好きな宮坂が、やっと〈自分が本当に欲しいもの〉をみつけられてお願いできたシーンはこの作品一番の感動でした!!
でもきっと今回こんなにいい終わり方だったから、次は爆笑で落とされちゃうんだろうな~(笑)
もちろんそれもアリだけど…やっぱりその前に想いが溢れてぐっちょぐちょになっちゃうのも…見たいなぁ〰️(切望)
相変わらず宮坂くんの“矢野さんラブ”がすごいですね。橘くんとドラマ対決となり、家で宮坂くんが脚本を書いていると矢野さんが見せろと言ってくるシーンで、それを見せまいとしつつ、無理矢理イチャイチャに持ち込もうとする宮下くんが笑えました。
でも、それはほんの序章でお互いに敵チームだからと矢野さんと仕事の話が出来なくなって、またしても宮下くんのストレスがたまってきてしまいましたね。そこから、色々あっての明け方の告白は感動もんでした。ドラマ対決の結論も出てないのに完結したかと思いました。
宮下くんがどんなドラマを作り上げるのか、そこもとても気になります。
BLの中で個性派ではないでしょうか。思わずジャケ買いしました。初読み作家さんです。
美人の矢野さんに宮坂くんがメロメロ……お話しもテレビ局の裏がのお仕事が描かれていてこういったBL作品は今まで読んでなかったです。東京心中上下で心を鷲掴みされ、一気に読んでからの新刊! 待ってました!
矢野さんがいない寂しさからアンニュイ宮坂になったり……矢野さんの宮坂に対する心境の変化……それにエロくなりました矢野さん。
そして対決もどうなるのか気になるところ。どうなるのか次が楽しみです。
表紙の色合い、凄いですね。この「東京心中」シリーズはいつも斬新な色使いです。
さて、いつもながらの宮坂。
宮坂は仕事よりも矢野さん、矢野さんで頭も心も一杯なのに、何故こんなに「お仕事BL」なんだろう?
そして、いつも言われてる事だけど女性陣が嫌みなく頑張ってる。
今回の仕事面でのメイン「ホラードラマ制作対決」は、TV制作のリアリティとかが実感できないんでこんなもんかなぁという感じなのだけど、後半同じ仕事をしつつ同居してて、かつ何となくすれ違っているモヤモヤの感じ、それはすごく微妙に、細やかに描かれていると思いました。
「明け方の告白」良かったな。こんなストレートに言いたい事を言えた宮坂、すごいよ。
『いいよ』って答えた矢野さんはホントに宮坂への返事としての「いいよ」なのかな。この光の感じいいよ、とかこのアングルいいよ、だったりしてね……
(と思ったら、作者様あとがきにて家族になれましたって書いてありました)
番外編「イルミネーションのゴミ」も不思議な余韻があって良かったです。