SS付き電子限定版
砂原糖子先生、初読みです。
「心を半分残したままでいる」が気になるな〜とずっと思ってるけど手を出せておらず(3巻くらいあるし)
同じ作家先生か〜、とこちら読んだところ、地の文が読みやすいのがます心地よくて。。。
没入しすぎて、電車で乗り過ごしそうになりましたよ。危ない…
あらすじから、ゲイバーで攻め・本屋敷サンと編集者の受け様・晶川サンが出会うってことだったので、互いにゲイだと隠していた作家と編集者が出会ってしまうみたいな展開かと思っていたのです。
でも読んでみたら、晶川サンノンケだし!本屋敷サンもゲイだって確証がない初めての人だし!予想外!!
晶川サンが仕事に真面目すぎてお身体を搾取され……という正直者が馬鹿を見る的な展開も一時は心配しましたが、ハピエンでしたよかったあああぁぁ!!
(そういう身勝手な一方方向の搾取をするとか、自分のことばっか優先する攻め様はあまり得意ではないので)
仕事のためにと我慢して抱かれる晶川サンシーンはこちらも辛かったけどその分晶川サンを見て恋人として認められようとする本屋敷サンがグッと来ました……絆されるのもわかるよ晶川サン……
気持ちに自覚を持てたあたりで一区切りで、その後当て馬的な犬明サンが登場します。
いやー、最初はただのワガママ傍若無人攻めみたいな感じだったのに、よくぞ育ってくれた本屋敷サン。犬明サンに嫉妬しつつもちゃんと晶川サンの気持ちを考慮してて、いい健気攻めになってくれたよ……。成長の攻めバンザイ
エッもですね、エッでよかったです……。初めてのエッが晶川さんにはつらいものだった描写も、本屋敷サンがいたわって晶川サンも気持ちが乗って気持ちよくなれるようになってきた描写も、生々しく着実に描かれていてエッだったなぁ……(変態感想ごめんなさい)
まとまりもよく、一冊で出会いから楽しめます!
とても良き時間でした!!
笠井あゆみ先生の表紙なのに二人とも着衣!?と逆に購買意欲をそそられて購入。
電子版は中の挿絵なし、SSあり、あとがきあり。
タイトル通り、猫屋敷に住むぐうたらな作家✕真面目な編集者なんだけど…原稿を貰うためにカラダでどうこうするという、BLあるある的な流れが少々残念。表紙の肌色率の低さから、勝手に、てっきりそれとは違うアプローチで、敏腕編集者が原稿を書かせるのかと思っちゃったので、それは自分が悪いんだけど…。
盗作騒動のエピソードが片付いてから、ゆっくり恋愛モードになってもよかったのではとか、この受けさんにこういう枕営業みたいなのは合わないんじゃないかとか、攻めも本当は優しいのに、カラダ目当てみたいに見えて前半損だよなあ、とかいろいろ悶々としてしまって。
と、始まりは違和感があったものの、後半のお話は良かったです。シリアス展開に見せかけてオチがほのぼのだったのもホッとしたし、SSで攻めをうまく手玉に取ってる受けも萌えた。それだけに、馴れ初めがやっぱり微妙に引っかかる…。
おもしろかった!
事前にここのレビューをチラ見して、「トンデモ設定ばっかかな?」と心配しながら読み始めたのですがそんなことはなかった!!
……いや確かに冒頭の出会いの場面はちょっとびっくりしましたが(笑)、読み進めるうちにそんなのは消え失せて、お話にのめり込んでしまいました。
猫まみれの猫屋敷先生(攻め)のワガママっぷりが可愛い!
そして綺麗系編集者(受け)の必死さがたまらない!!
言ってしまえば自業自得なのに、耐えている受けがとても健気に思えてしまいました。
そしてお互いの気持ちが近づいてからはとてもエロくて、それもとてもよかった。
大変満足した本編でした。
そして、番外編もよかったー。
こちらでは犬を飼っている作家が出てくるのですが、これがいい。
大笑いしながら楽しく読みました。
作家と編集者もの、って色々あると思うんですが、エロいおもしろいを求めているなら、これはオススメです!
超絶遅筆な俺様小説家にひたすら振り回される哀れな編集担当のお話かと思いきや、クォーターで派手な外見ゆえに遊び人っぽい=黒乳首?と邪推されたことに腹を立てた受けが、バッとシャツを脱ぎ捨てて「なんなら下も見せましょうか?」と啖呵を切るところに、お主やるなぁ!感があって一気に期待度があがりました。
おまけにノンケなのにゲイだと勘違いされたことを逆手に取り、ビッチ受けのフリをしてまで原稿をゲットする編集者魂の持ち主。
身体と心が悲鳴をあげつつも男を手玉にとる魔性のフリして攻めに抱かれるところは、人によっては顔をしかめながら読むシーンなのかなぁ?
物理的な痛みを感じてるのは確かなんだけど、部内で評価を上げたい一心でそんな事を了承しちゃった自業自得感が強くて、がんばれー(棒読み)と思いながら読んでました。
ついに無理!と悲鳴をあげてボロボロ泣く受けを見て、オロオロする攻めがかわいかったし、その後の気遣いエッチが甘くて萌えます。
攻めは確かに俺様なんだけど、ちょいちょい憎めない発言はするし、意外にも細やかで心優しい気配りができ、手の込んだ手料理を作って受けの来訪を待っているという甲斐甲斐しさもあり(趣味のいい器というところがこれまた高ポイント)どんどんかわいさが増していって読んでて楽しかったです。
受けが「先生」と呼ぶと「たいら」と訂正を繰り返すところもツボだったし、受けのことは「夕麻さん」呼びするところが年下感増しでかわいい。
何よりも恋愛に関しては意外と古風かつ真面目で一途というギャップがおいしい。
そして超出不精なくせして、編集部やら山奥やらを突撃する行動力を爆発させるところもかわいい。
おまけに超タイトスケジュールにも関わらず原稿を引き受けちゃう理由が「俺があんたを喜ばせられることなんて、ほかになんもねぇし。」というところもかわいい。
受けが担当している作家のお宅にお邪魔したことを聞いて「なによく知らねぇ男の家に上がってんだよ。密室で茶なんて!」と憤慨しちゃうところがもう死ぬほど好きで。
俺様なのに好き好き丸出しなところがとにかく最高にかわいかった。
猛獣かと思いきや、ただのかわいい年下ワンコで最高でした。
一方の受け。
真面目な性格なのにチャらく見られる自分を持て余し気味で、ちょいメンドくさいキャラだし、読んでて微妙にしっくりこない感がありました。
攻めから「好きだ」と言われても「自分も好き」と言えず、「付き合おう」と言われているのに難癖つけてYESと言わない。
真面目な性格ゆえに、色々理由つけてはグダグダ思ってるんだけど、もう恋人同然なことやらかしてて今更ソコ?もうーさっさと付き合っちゃえよー!!と思いながら読んでただけに、ようやく気持ちが通じあってからの後半は尻上がりに良かったです。
攻めだけで言えば神だったけど、受けのキャラに乗り切れないところがあり神よりの萌萌です。
残念ながら電子には挿絵がなくて、悶絶級の悲しみ……
電子版の書き下ろしSSは「猫屋敷先生は手なずけられる」
その名の通り、懐柔するコツを得た受け視点による甘くて絶妙なSSです。
電子書籍で読了。挿絵はありません!笠井画伯の美麗なイラストをご覧になりたい方は紙の本でどうぞ(ちょっと悔しい。イラストの有り無しはレーベルで解るのでしょうけれどもね)。
今までレビューを書かれた方も触れていますが「プレイじゃないのに痛いなんてとんでもない!そんなの配慮が足りなさすぎる」と思う方は避けた方が良いお話だと思います。
また「色仕掛けで仕事をやる人って嫌い」という方もダメかも。
圧倒的に地雷が少ない私は、さらっと「男なんてこんなもんさ」とか思いつつ、楽しく読めました。
特に「痛い」のと「気持ちいい」のの違いはどこにあるのか、という部分は「まさに!」と思いましたので、これから様々なめくるめく体験を予定されているお若い皆さまには、啓蒙小説としても読めるんじゃないかと思ったり(ふざけてない。いや、ホントに)。
一つだけ疑問が。
私は根っからの犬派で猫を飼ったことがないのですが、猫ってこんなにスペックが高いくせに「かまってちゃん」なのでしょうか?
その辺を知っていたらもっと楽しめたかもしれないなぁ、と思う次第です。