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表題作死神幸福論

小林天、高校2年生
新谷理一、高校の生物教師

その他の収録作品

  • 描き下ろし
  • カバー下:あとがき、キャラクター紹介

あらすじ

偶然ネットで見つけたゲイ向けAVに映っていたのは、高校の生物教師に瓜二つで…。br>
ノーマル男子高校生×過去あり教師の秘め恋。
小林天(たかし)が偶然ネットで見つけたゲイ向けのアダルト動画に、どこか見覚えのある顔が一人。
男同士なんて気持ち悪い――そう思うのに、あられもない声をあげ、媚び誘うように笑う黒髪の男から目を離せなかった。
誰に似ているのか思い出せないまま、イケナイとは理解しつつもしっかりオカズにしてしまった翌日、件のAV男優似の人物を見つけ出す。

それは生徒たちから〝死神〟と呼ばれている、高校の生物教師・新谷だった。

作品情報

作品名
死神幸福論
著者
網野素 
媒体
漫画(コミック)
出版社
Jパブリッシング(ジュリアンパブリッシング)
レーベル
G-Lish Comics
発売日
ISBN
9784866690209
2.9

(21)

(1)

萌々

(3)

(11)

中立

(6)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
6
得点
56
評価数
21
平均
2.9 / 5
神率
4.8%

レビュー投稿数6

理系先生なのに文系〜

うっかりゲイAVを見たら、その人が先生に似ていて…!という引きの強い冒頭。ただしそれはただのキッカケに過ぎませんでした。じっと見たり思案し目が合ったり、忘れ物をした時に声をかけたり…と、急展開なドラマではなく日常的なやりとりで進みます。“やっと先生が笑った”と言う小林や、“小林くんは君に似ている”と思う先生、心理描写が細やかで瑞々しいです。こんなに人を好きになるまでに頁を要する漫画はなかなかないのではと思いました。
そして告白のシーンのセリフも、先生ほんとに理系なの?とでも突っ込みたくなるほど詩的で小説のようでした。
かわいいウーパールーパーや死神先生という渾名(みんな怖がってないし)、またAV男優もあまり生かされておらず残念。できればベッドシーンでガッついてほしかったけどこのお話の調子ならあと2巻くらい必要かな。そこがまた良いのだけど。
表紙と、1話と1話の間にある一コマ(ツッコミ)が好きです。

1

新谷先生って…?

ネットで拾ったゲイビをきっかけに、男性教師に興味をひかれるようになる男子高校生の話。
結局ゲイビの男優は、高校生くんの性嗜好の目覚めのきっかけになっただけで名前もないままだった。
まあ、それはそれとして、小林君が先生を意識していく過程はわかる。
小林君の心の動きは理解できるんだけど、問題は先生の方。
新谷先生って、女性と結婚していて死別したって事でいいんだよね。
なのに、なぜ今小林君に惹かれる?
死神ってあだ名がついた理由もよくわからなかったし。
まあ、これは、よくわからない理由で死神ってあだ名がついちゃって、生徒に避けれれ勝ちだった先生が、そんな自分に好意を持ってくれた生徒に惹かれるっていう展開上、死神ってあだ名のはっきりした理由はあってもなくても関係ないからなんだろう。
それにしても、小林君が先生に恋する理由はわかるが、新谷先生が小林君を受け入れる理由がよくわからなかったのでギリギリ萌一つかな。

1

そこで終わるのか!!

たまたま見たゲイビ動画の俳優が先生に似てた。
先生なのか、別人なのか。
自分が先生を気になるのは、この動画のせいなのか。
男同士なんて気持ち悪いと思いつつも、反応してしまう自分にも戸惑う。
戸惑いながらも先生から目が離せない。
近付きたいと思ってしまう。
青春!

結果として、結局ゲイビモデルが先生だったのかどうかは判明しません。
でも途中から声が違うとか身長が、という表現が出てくるので別人だったんだろうな、という感じはします。
きっと実際に他の人が見たら「えー、似てるかぁ?」というレベルな気がします。
これは小林くんが先生を気にするトリガーだったんだろうな、と。

気持ちに正直に、変に拗らせることなく向かってくる小林くん。
先生も「君(奥さん)に似てる」と感じるくらい、小林くんが気になる。
ここの描き方が秀逸です。
それぞれのエピソードが小林くん目線であったり、先生目線であったりするのですが、その手法のおかげでお互いの気持ちの膨らみ方が手に取るように分かります。

最終話の小林くんの先生への告白は本当に素晴らしく、「大切なものを言い訳にさせてしまった」という考え方が出来て、かつ大人の対応封じまでやってのける、男前すぎる高2!
先生も真剣に向き合おうと思いますよね、これは。
ここにくるまでにふたりの心情をきっちり描いて見せてくれているので、このエピソードは告白シーンベスト3に入れたいくらい、見事なシーンでした。

描き下ろしでは先生目線の気持ちに読者も激しく共感するのではないでしょうか。
最初の頃に比べると、小林くん、本当に別人のようなんですよね。
冒頭から河原に行く前までは、標準的な17才よりちょっと子どもっぽいところがあるかな、という印象だったのが、もはやスパダリ臭すら匂ってきそうな精神的成長を遂げてます。
こういう描き方、うまいなあ。
それだけに卒業後が見たかった!
欲を言えば5年後とかも見てみたかった!

全然関係ないけど、サラがかわいかったです。
ウーパールーパーじゃないの?と思って調べたら、ウーパールーパーってメキシコサンショウウオが正式名なんですね。
検索かけて出てきた画像の恐怖でメキシコサラマンダーをさらに検索することはできませんでしたが、一緒なのかな?
小林くんは成長しても、サラは成長しないで!と願ってやみません。

2

拍子抜けしました

男子高生の小林がたまたま見たゲイビ男優が、生物の教師・新谷に似ている事から新谷に興味がわき…と話が進んでいきます。
結局のところ男優≠新谷で、新谷に興味を持つキッカケにすぎなかったんですが、拍子抜けしたというか。
大半の人が男優=新谷と思い、エロい事いっぱいと勘違いしたのでは…( ̄▽ ̄;)
エロありません。キスだけです。

結婚した相手が1年程で亡くなったがために『死神』というあだ名を持つ新谷からこのタイトルなんですが、新谷が小林を受け入れるにしてはエピソードが弱いというか少ない気がしました。
小林が新谷に徐々に惹かれていく様は分かるんですがね…。

正直なところ、淡々として心に残るものが無かった感じでした。
辛口評価ですが、個人的には『中立』です。

2

タイトルや冒頭の伏し線と、お話の展開とのギャップが凄い。

偶然見てしまったゲイビ。男なのに…と戸惑いつつもその男優のエロさから目が離せず、抜いてしまった高校生のたかし。
誰かに似ている…と思っていたが、高校の生物教師・新谷と瓜二つなことに気づき…!

たかしは、印象の薄い新谷のことを気にとめることはなかったのに、ゲイビ男優と同一人物なのか気になり始めて新谷から目が離せなくなります。
そして帰宅すれば、先生にそっくりな例のゲイビ男優で抜く日々。

てっきりエロ路線でお話が進むのだと思いました。やっぱり先生と同じだ!→エロにもつれ込む、みたいな。

ところがどっこい!
まさかの純情ピュア路線じゃありませんか!
同性愛どころか恋愛そのものにも興味が薄い高校生が、その他大勢の一人として存在していた先生が新谷という名前であり、死神というあだ名があり、それは彼女に重い病気があることを知りつつも結婚してそれから一年後に奥さんを亡くした男である、という具体性を帯びた存在として、どんどん否応なしに意識せざる得なくなっていく…という過程がとってもいいです。
それに伴って嫉妬という感情を覚えたり、好きという感情に向き合って一歩踏み出そうと頑張る姿がいい。

全部で160ページちょっとなのでさらっとした感じです。
タイトルにまでになった「死神」というあだ名や、ゲイビ男優、元妻の死ネタといった重くてダークな意味ありげな要素を提示しているので、導入部分の要素に惹かれて読み始めると、なんだこれ?あの意味ありげな伏し線はどこ行った??となるかもしれません。

当の本人たちは描き下ろしでのキスのみと呆気にとられるほどのピュアでいいお話で終わってしまうので読後感はいいのだけど…。

3

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