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表題作旧繁華街袋小路

松葉たくみ,松葉商店の跡取り
なずな,大学生

同時収録作品悪い生徒

大月,高校教師
新見,高校生

同時収録作品種田くんと付き合いたい

種田,高校生
有馬,高校生

その他の収録作品

  • 旧繁華街抜小路(描き下ろし)

あらすじ

「あんた俺の顔が大好きだもんな」
旧繁華街にある松葉商店。店の息子である松葉(まつば)は交通事故で他界したなずなの姉の恋人だった。最後まで彼を愛した姉の言葉を、姉にそっくりな自分が請け負う為に、松葉と肉体関係になったなずな。しかし次第になずな自身が松葉に惹かれるようになり…? 寂れた町に隠された、素直になれない恋愛譚。その後の二人をエロティックな日々で描き下ろしで大量収録♥
【同時収録短編】生徒指導室の禁断を描く「悪い生徒」/校内一かっこいい男の子の実態「種田くんと付き合いたい」

作品情報

作品名
旧繁華街袋小路
著者
ためこう 
媒体
漫画(コミック)
出版社
リブレ
レーベル
ビーボーイコミックスDX
発売日
ISBN
9784799734391
3.4

(147)

(28)

萌々

(53)

(39)

中立

(12)

趣味じゃない

(15)

レビュー数
18
得点
481
評価数
147
平均
3.4 / 5
神率
19%

レビュー投稿数18

生意気少年好きは読んでくれ

個人的に性癖にぶっ刺さりました。

・綺麗な顔をした生意気な少年
・死んだ人を引きずる

この2点が個人的に癖なのですが、同じ感覚を持っている人なら楽しめると思います。試し読みでなずなくん(受)に「生意気で可愛い〜!」と思ったら買ってください。マジで可愛いから。生意気だけどめちゃくちゃ健気なのも最高に可愛い。一応、死んだ人はちょっと引きずってはいたけど、そこまで暗くはならないです。

死んだ恋人の弟と肉体関係を持ってしまうという背徳感溢れる設定ですが、終始愛に溢れててあったかくなれました。切なさと温かさで超気持ちいい読了感。濡れ場のエロ度はそこそこくらいですが、なずなくんの顔と反応が良くてしっかり楽しめました。

同時収録の短編は、どちらもちょっと薄暗くて良い雰囲気。SMっぽいもの(あくまで「ぽい」)が好きな人は楽しめるのでは。私はめちゃくちゃ好きでした。

1

せつないいい話でした

ためこう先生はほんと話のつくり方めちゃくちゃ上手だなと思います。。

不良学生の主人公(受け)がお金をせびりに行った相手が小さい商店の息子(攻め)で受けはセックスでお金をもらいます。
よろしくない関係なのかなと思ったら、受けは攻めの彼女の弟でしたが、彼女は2年前に他界。受けは姉が彼氏(攻め)に忘れられないように自分を姉と思って関係を持ちますが、攻めの方は彼女の代わりだとは思わず、きちんと弟個人として好きになってセックスしていました。
この辺がすれ違っててちょっとこじれてしまいますが、最後はきちんとすれ違いが解けてハッピーエンドでした。

私は普段あほなやつばっかり読むのでちょっと切ないめでしたが、ためこう先生の話のつくり方がほんとうまいな。。。と思ってちょっと苦しくても最後幸せになったのでめっちゃよかったです。
作品としては性癖ど真ん中というかというとそこまでなかったので萌2とします。

他短編が2つ間にあってそっちもちょっと闇が深い感じでしたが面白かったです。
そのあと表題の後日談でおわりです。

ためこうせんせいすき・・

0

見ているのは誰?

姉の恋人、もしくは夫を好きになる。
というのは、BL界ではときどき出てきますね。
たいてい届かない思いに苦しむ主人公を救い出してくれる誰かとの出会いがあるものですが、もし姉がいなくなったら…。

せりなとなずなはそっくりな顔を持つ姉弟。
姉は恋人の松葉に弟を紹介して、ことあるごとに3人で出かけていたが…。

家庭の事情が複雑で、弟をひと一倍気にかけていた姉が弟を連れ回すのは、きっと自分が松葉と新しく作る家族に弟も入れたかったからだったんだろうなと。
そこで本当の家族の温かさを教えたかったのかなと思うと、切なさが倍増します。

松葉に「忘れられたくない」と言った姉。
同じ顔をした自分が松葉の近くにいたら、忘れようがない。
お金をもらうことで気持ちと行為を線引きして、松葉にきつく当たるのも気持ちがこれ以上持っていかれないようにするのが切ない。
そもそもなずなが松葉に惹かれたのは、姉を心から想う表情を見たときだったと思うんですよね。その表情の先に姉がいたから好きになった。
深読みかもしれませんが、こう考えないと「姉の遺志のため」に松葉と寝る理由が見つからなくて。

松葉の方はもっと複雑な気がします。
要介護の祖父と母の3人暮らしで、結婚を考えていた相手を亡くして、そっくりな顔をした弟と寝る。
1回目は、からだだけでもつなぎとめておかないと崩れそうななずなの様子に衝動的に、というのは分かる。
でもその後は?
憎まれ口をきかれて、お金をむしり取られてまで続ける意味は?
姉が生きていた頃のなずなを知っているし、きついことばかり言っても祖父の相手をしたり、服が汚れても厭わないところを知っているから、自分に向ける「悪い顔」が本当のなずなではないのは分かっているとしても、どこから恋になったのか。

2人をつないでいたのは姉の存在で、その姉がいなくなったら縁は切れる。
その縁を切らないように、からだを重ね続けるのは何のために?という疑問が終始ついて回ってしまいました。
なずなの方には「姉を忘れさせないため」という大義名分があるけど、松葉には何もないんですよね。
むしろ偉そうに「させてやる」くらいの勢いで、お金まで取っていくなずなを拒絶しなかったのが不思議なくらいで。拒絶したら壊れると思っていたのかなあ。

沸き上がる数々の疑問を気にしないで、作者さんが描いていないところまで深読みすると相当萌えます。

萌えるには
1) なずなは姉が生きていた頃から松葉を好きだった
2) 松葉は姉がいなくなったことで脆く壊れそうななずなを守りたいと思った

この2つを脳内補完して読むことをおすすめします。
ほんとに、からだを重ね続ける理由がもっと納得のいく形で描かれていたら、問答無用に萌えた、むしろ神の領域に行ってた気がするだけに残念。

同時収録は教師にいたずらされたいから悪い子になった生徒の話と、モテ男くんの闇を垣間見てしまったJKの話でした。

ごちゃごちゃ言いましたが、この作品、好きなんですよ。
好きなだけに、つい熱くなってしまう悲しいサガをお察しください。

0

死んだ姉の恋人に抱かれて

『旧繁華街袋小路』

旧繁華街、寂れた商店街の中に松葉商店はある。
そこは「なずな」の姉の元恋人・松葉の家だ。

なずなは死んだ姉の恋人だった男と関係をもっている。

2人を繋ぐのは恋か、共通の喪失か。
自分でもそれがわからないまま、〝姉〟と〝恋人〟、
それぞれのあいた穴を埋め合うようになずなと松葉は
身体を重ね続けた。

はじまりは姉が死の間際に遺した言葉だった。
それは今はもういない、姉が弟にかけた呪いだ。

間違われるほどに、姉にそっくりななずな。

自分は姉のために抱かれていると言い聞かせながら、
本当は心の中ではわかっていた。
抱かれたいのは自分で、姉ではなく自分をみてほしいのだ、と。
姉が羨ましくて、疎ましい、と。

松葉の中で姉が生き続けている限り、自分は抱かれ続けることができる。
憎まれ口を叩きながらも、心の中のなずなはどこまでも健気で切ない。

姉の恋人に抱かれる罪悪感に押し潰されながらも、松葉に触れられる
ことが嬉しくて、一方で所詮“姉の代わり”という虚しさを抱えていて、
入り乱れる感情の葛藤がなずなを苦しめ続ける。

吐き出すこともできないなずなの息苦しさはまさに袋小路状態だ。

それでも松葉との2人きりの時間は居心地が良くて、
その度に姉の顔がちらついて、幸せを感じることも怖かった。
だけど、怖くても、断ち切ることはできなかった。

結局、圧倒的言葉足らずだったのかな。
最後に松葉が胸にしまい続けてきた自分の思いの丈をぶちまけたことで、
やっと互いの真意が伝わり、2人ともがすれ違っていたことに気がつく。

「お前は全然せりなに似てないよ」
その何気ない松葉の言葉に救われて
なずなもようやく素直になれることができた。

あれもこれも、最初から言葉にしておけばよかっただけ。
相手を想うあまり、勝手に自分で決めつけて、2人とも
勝手に自分の作り出した袋小路に迷い込んでいたんですね。

なずなの背負う重責と寂れた街に漂うアンニュイな空気が
シンクロして気分がずしんと沈み込んでいたけれど、
最後には元の明るさを取り戻せてよかった…

描き下ろしは〝その後の2人〟で本編からは
想像できないくらい幸せオーラが出ています。
なに、この幸せ!
松葉がなずなにベタ惚れすぎて尻に敷かれちゃって…
相変わらずツンデレだけど、松葉が大好きすぎて献身的ななずな可愛い///


『悪い生徒』
悪い生徒といけない先生の秘密の情事。
生活指導という名のお仕置き。
そこに愛はあるの?
でも、そのために彼は今日も〝悪い生徒〟になる。


『種田くんと付き合いたい』
一見モテモテの爽やか男子・種田くんと地味な男子の有馬の関係は?
種田くんがこわすぎる…
笑っているのに、笑っているように見えない不気味さ。
はっきりとは描かれないけれど、有馬に執着をみせる種田くん。
その本性はきっとヤバイ奴。
クラスメイトの高木さんも気づいちゃってるよ…((((;゚Д゚)))ガクガクブルブル

0

「あんたみたいにブスじゃなかった」

ためこう先生の作品の中では相当とっつきやすい単行本です。同時収録作2つはちょっと(麻痺してるかもしれません…かなり?)闇がありますが、表題はきちんと萌があると思う。
しかし先生の作品の中で必ずしも評価が高くないのは、ためこう先生の作品を求めている方にはえぐみが足りず、そうでない方にはあまり好まれない中途半端さ故か?
それにしてもためこう先生は兄弟モノ、身代わりモノ好きですね〜。最早囚われている。

なずな(表題作の受け 表紙黒髪)「オレの顔キレーだから隠しとかないと」っていうセリフがとても好きです。それに対する友人達の反応も含め。

0

あと一歩心理描写を

表題作+短編2編。
全体的に少し倒錯的な雰囲気のある作品ですね。

亡くなった姉の恋人と体の関係を続けるなずな。

このなずなの心理がイマイチわからなくて。
最初は、姉の生前に3人で遊んでいる頃から、松葉に対して密かな想いがあったのかな?と思ってたんです。
だから姉を失って茫然自失としている松葉に、姉と似た顔で迫ったのかな?と。
…でもどうやら松葉を好きになったのは、姉の死後、彼に抱かれるようになってからの様子。

なら本当に単純に、
「なずな…お願い。私、あの人に忘れられたくないの…」
という姉の最期の言葉を叶えようとするための行動だったのか?
もしそうだと考えるとこれはね、姉弟の関係がかなり倒錯的ではないでしょうか。
「姉を忘れさせないため」=「弟である自分が抱かれる」とはならないですよね、普通は。

なのであと一歩、なずなの心理描写が欲しかったと思います。
はっきり語らずとも、ハッピーエンドならいいじゃん♪とするには、ちょっと姉の存在が重いんですよね。


絵柄が可愛らしく、なずなは年齢よりもかなり幼い少年のように見えます。
なので余計に、こんな少年がこんなことをしちゃうのにはちゃんとした理由が欲しい!と思ってしまいました。

あと、他の男に抱かれるシーンは苦手でした。
単純にモブとのセックスが好きじゃないのもありますが…
あんなに可愛いのに、自分を安売りしてくれるな〜〜!もっと自分を大切にしろーー!というこの心理は、我ながらなんなんでしょう。親心?^^;

3

受けが美人

受けの顔面が可愛いから好きです。
それだけです。

0

丁寧かつ濃く、萌える3作品

 ためこう先生の描く大きな煌めく瞳がすごく活かされた作品でした。改めて先生のタッチが好きだなぁと思いましたね。表題作は展開が展開なので、かなり読む人を選ぶかと思います。正直評価は二分される類の作品です。しかし、私にはストーリー性と萌えをしっかり詰め込んだ作品に感じられました。姉せりなが交通事故で亡くなってから、彼女の恋人である松葉に抱かれるようになるなずな。その動機は、亡くなる間際に彼女から「松葉に忘れられたくない」と最後の望みを聞かされ、姉と瓜二つの顔を利用してその望みを叶えようとしたから。というのは建前で、姉の生前に3人で仲良くしていた時から既に好意の芽はなずなの中に生まれていたんじゃないかと思います。姉から奪うつもりなんて微塵もなかったし、ましてや姉の死を喜ぶ気持ちも1ミリもないけれど、大好きな姉が亡くなった寂しさと松葉への好意が合わさって、こんなに切羽詰まった行動に出たのかなと。

 対して松葉はせりなのことを心底愛していたけれど、その大事な弟がただごとではない様子で迫ってきて、とてもじゃないけど突き離せなかったというように見えました。なずなは気付いてないでしょうがきっと松葉にとっては、せりなの生前から徐々になずなが「せりなの弟」という認識を超えて、1人の人間として映るようになっていたんじゃないでしょうか。もちろんそこに恋愛的意味の好意はなかったけれど、せりなの死ときちんと向き合ったのちに新たに恋をするには、十分な条件が揃っていたのかなと思います。けっしてせりなの死のおかげで付き合えたというのではなく、展開は早いかもしれませんが、私は彼女の死を受け入れた、あるいは受け入れようとした上での2人の新しい一歩なんだという解釈をしました。クールなようで繊細ななずなと、落ち着いていて男前な性格の松葉、弟のことが大好きなせりな、3人ともとても魅力的なキャラでした。

 同時収録作は表題作ほど重々しくありませんが、短編であってもどちらもすごく印象的な作品でした。『悪い生徒』は、目立たない地味な存在だった生徒が財布を盗んだという濡れ衣を着せられ先生に指導された時から、すっかり先生にお仕置きされるのにハマってしまう話です。そこから指導されたいがために非行に走り始め、ついには別の先生にその関係を示唆します。元々控えめだった少年が作り変えられたところに萌えました。『種田くんと付き合いたい』も系統は同じです。優しくて女子の憧れである種田は、裏ではクラスメイトの有馬を性的に虐めるような人物(互いに好意はありそうです)。女子を当て馬に使いながら、2人の関係が明らかになるところが堪りませんでした。

3

絵は好きなんだけど

死んだ姉の恋人に抱かれる男の子の話。
うーん、、、、
この主人公君の思考回路が、どこにどうつっこんでいいやら、不思議なビッチ具合で、ちょっとついて行けなかった。
っていうか、姉の恋人君の方も、この爽やかさが気持ち悪く感じて微妙について行けない。
まあでも、この表題作は、途中までがなんか微妙に居心地悪いかな位の感じで、ちゃんと二人が自覚しあって告白しあった後のラブラブっぷりなんかはアホかわいいいし、終わりよければ…とも思ったけど、
他の短編がねぇ、、、
ためこうさん、絵は好きなんだけど、買っても、買っても、うーんって、レビュー書きにくい読後感になっちゃって、でも、さすがにこの本は、しゅみじゃなかったの、ごめんなさい。

5

刺さるシーンあり

表紙とあらすじに惹かれて購入しました。
個人的には大当たりです。
ためこうさんの作品だと「なつめくんはなんでもしってる」が非常に好きなのですが、他の方のレビューを見て納得。
ためこう作品に関しては軽めのノリが好みなのかもしれません。
今作も、内容こそ重いですがテンポ良く読むことができました。

3話のラスト2ページが一際好きです。
可愛いやら切ないやら……ともあれ意思の強い美少年最高!!

姉のせりなも多く描かれているんですがすごくいい子で……亡くなってしまったのが本当に悔やまれたので、そういった間接的な描写からもなずなたちの寂しさが伝わってきたように思います。

また濡れ場は修正こそがっつりめなものの、アングルや表情が眼福でエロ度高いなと思いました。

3

松葉が好きじゃないので

死んだ姉の代わりに抱かれてるだけのはずが、だんだん好きになっていくと言うお話だと思いますがなずなは松葉が間違えてプロポーズしてきたあたりから気づいてないモヤモヤした想いがあったのかな。顔もそっくりな大好きな姉が好きになった人だから、知らず知らずのうちに同じように好きになっていたのかな。
と考えると、家族や友達を思う好きと異性に対する好きってものすごく似ていて、何かの拍子に恋愛だと勘違いしてしまいそうになるのかもなぁと思いました。

親が忙しくて姉が母がわりだったなずなが大好きな姉を亡くして、その婚約者だった松葉と傷を舐め合うように関係を持っていったのは切なくて、やはりそこは大人の松葉がピシャリと断るべきでしょう!と思いました。

松葉の対応が好きじゃないのと、死が絡んでるお話なので個人的にはあまり萌え要素がありませんでした。

同時収録の「種田くんと付き合いたい」の方が個人的には好きです。種田くんと言うブラックキャラが魅力的に感じました。短編じゃなくもっと読みたかったです。

1

泥中の蓮のテンションで書いてほしかった

 他の方がすでにレビューを沢山書かれていますが、亡くなった姉の恋人といたしてしまうそっくりな顔の弟。というところで話が進んでいくのですが・・・
 なんだかテーマは重いのに、テンションが軽い!!
 なんだろう、最近のためこう先生は軽めの作品が続いていたからなの?とか。
 なつめくんにしてもセックススターにしても、心理描写軽めで軽薄な感じがとてもテンポやかわいい美しい絵柄に合っていて、ためこう先生マジ神か!!とか思っていたんですが・・・そこまで軽いテンションではないにしても、もうちょっとどうにかできなったのかな〜?とか。
 だって、泥中の泥を書かれたためこうさんですよ!?期待しちゃうじゃないですか?!みたいな。
 お姉さんが死ぬときに、忘れられたくないの的な呪縛を残したという設定なのかな?わかるんですが、お姉さんに対するシスコン的な強さや、婚約者に対する葛藤とかそのあたりが、もうちょっと暗くて、どろどろしていて、狂気っぽい感じが強かったらとか思ったりしちゃいました。なんというか、どうしても泥中のと比べてしまうんですが、少し投げっぱなしというか、読者に対して察してほしいみたいなのを感じなくもなく。含みといったら、そうなのかもしれないんですが。ちょっと文学的だな〜とか思わなくもなかったです。

 と、話は変わりますが、絵が以前よりももっと繊細になってきている気がします!
 個人的にはなつめくんの頃がモノクロもカラーとても好きだったりしますが、これからどんな風に絵が変化されていくのかもとても楽しみにしています。
 

3

微妙

うーん…。
姉が亡くなって、その姉は死の直前まで恋人の姿を求めていた。
自分の顔はその姉と瓜二つ。
だからって、姉の遺志を受け継ぐみたいな形で、姉の恋人と肉体関係になりますかね?
そもそも姉にそんな遺志はあったのか…?
いざ二人がくっついたらそれを祝福みたいな感じだったけど、最初から「私が死んだら弟が彼とそうなってほしい」とは思ってなかったんじゃないですかね。

姉の生前から「実は俺も松葉のことが…」みたいになずなが思っていたなら、姉にそんな遺志があっても、なずなが松葉に迫るようになっても納得できるんですが。。
姉が生きている頃のなずなと松葉が、それこそこれからまさにいい兄弟になろうとしてるって感じの関係なので。

結局、これからこいつは俺の弟だ!みたいに大切に思ってた義理の弟(になるはずの男)に、いとも簡単に性的欲求を持ててしまう松葉。
同じく義理の兄になる男に肉体関係を迫り、他の男とも寝てしまうなずな。
他の男と寝た理由も納得出来ず。

何か最後までモヤモヤっとしてしまう作品でした。

4

可愛くて綺麗な顔してるくせに…


口絵が美しい。色使いが綺麗!瞳の中も綺麗!これだけでいいもん見させていただいた〜♪と満足。

お話は三つ収録されています。120ページちょいの作品【旧繁華街袋小路】と書き下ろしの【旧繁華街抜小路】。それから【悪い生徒】【種田くんと付き合いたい】という短編が二つ。

【旧繁華街袋小路】
これはレビューが難しいなぁ。。。。

姉のせりなと顔がそっくりの弟のなずな、そして姉の婚約者・松葉という三人のストーリーです。
なずなと顔がそっくりで、不仲な両親に変わって母親がわりに面倒を見てくれた姉せりな。それが突然事故でこの世を去ってしまう。
なずなは姉の最期の言葉を汲み取ったつもりで、姉の婚約者の松葉に抱かれるようになるのだけど…。

死ネタが絡んでいるわりには、結構あっさりしています。それはなずな視点でお話が進むせいか、婚約者を失った松葉の悲しみ、喪失感とかそういったものが描かれていないんです。
このお話は、大切な人を失った婚約者と家族(弟)の喪失感や、魂の救済、再生、というそこに焦点を狙ったドラマチック系ストーリーではなく、「亡くなった姉の代わりに、姉の元彼氏に抱かれる男の子」って萌えるよね!みたいなひらめき&そういうお話を描きたいなぁと考えて、そこから派生していったストーリーなんじゃないかと思います。そういう視点で読めば、その男の子がどう変わっていくのか、そこに元婚約者がどう関わっていくのかということが描いているので、とても楽しめます。ただ死ネタとガッツリ取り組んだドラマチックストーリーを求めて読んだ場合にはめちゃくちゃ物足りないかなと。

松葉が最初になずなを抱いた理由。多分、断ったらこいつは壊れてしまうだろう…みたいな理由づけをされていてまぁ判るのですが、一度だけでなくその後、義弟と何度も関係をするというのが正直もやもやくるところではあるんですけど、目を瞑ります。
ためこうさんの絵がとにかく好きなので、これが他の作家さんだったら中立をつけちゃうかもしれない…。

かつて姉に憧れていたモブに頼まれて、仕方なく身代わりセックスする画面があるので苦手な人はご注意を。

ーーーーー
短編二つは、どちらも可愛くて綺麗な顔してるくせに下衆いというストーリーです。
そのうちの【種田くんと付き合いたい】は2015年に発行された女子BLというアンソロジーに載っていた女子視点のお話が収録されています。


2

自分には合わなかった

んー
ビッチっぽい受けだなぁと読んでいたけど
姉の変わりに抱かれてたまではいいけど
姉の元彼?告っただけの男か?現れて
その男と寝たという理由が、ないわーってなって一気に読む気冷めた
ビッチで他の男と関係持ちまくってるならいいけど
攻め一人としか関係持ってなかったのに
他の男と寝たという話が好きじゃない
最後ハッピーエンドでも、気持ちが全然ハッピーになれない
なんか短編もほとんど頭に入ってこなかった!

前作のストーカー幼馴染が面白かった分こちらは残念

5

短編に萌えました

作家書いしている作家さんです。
本作もためこう先生らしいエッセンスが沢山ありました。
見た目は可愛いのだけど、精神的に鬱屈している受けはためこう先生の作品だなあと感じます。
とはいえ、攻めが真面目でいいヤツなので表題作はすんなり安心して読めました。

でもこの表題作より、
ページが少ないのですが一緒に収録されている短編二つの方が萌え度が大きかったです!

「悪い生徒」
元々は地味で目立たない生徒だったのに、あることがきっかけで校則をやぶること生徒になった子のお話。
新米教師の第三者の目線で描かれているのがよかったです!
仄暗く、受け・攻めのあいだに恋愛感情はあるのか?気になります(*>Д<)

「種田くんとつきあいたい」
こちらも仄暗い、モテ男子のお話です。
いじめまれる受けちゃん可愛かった…。
どうしてこういう関係に至ったのか、他にどんなプレイをしているのか、などなど想像の余地たっぷりに終わってしまいます。

なんならこの二編を表題作にしてページ割いて欲しかったなという気も…。
仄暗い秘密の関係を描いたらピカイチの作家さんですね!

4

切なさと温かさ

姉の死、その後続く姉の交際相手との体の関係、というとかなり重い内容になりそうなものですが、良くも悪くも、さほど暗さ、重さは感じませんでした。
受けが超絶可愛いからか、攻めがしっかり者だからか、姉がサバサバ系良い女だからか、下町人情っぽい空気感あるからかな?
ためこうさんの描く受けの可愛さったらないですね!今回も可愛い…超絶可愛い。ちょっとツンなところが最高。不器用な優しさとか反則。
攻めの性豪スペックは良いスパイス!
既刊でいうと「なつめくんは〜」のようなノリの良さはなく、「泥中の蓮」のような重く病んでるのを欲してる人には物足りないかもしれませんが、絶妙にちょうど良い切なさと温かさがある素敵なお話でした。

3

ブラックさの中に潜む恋心に萌え

ちるちるさんの作家インタビューを拝見して購入。表題作含む3CPのお話が収録されています。

ネタバレ含んでいます。ご注意を。





表題作『旧繁華街袋小路』
主人公は大学生のなずな。
なずな視点でストーリーは展開していきます。

なずなは2年前に姉・せりなを交通事故で亡くしていますが、せりなの恋人だったのが寂れた商店街で小売店を営む松葉。
なずなとせりなは、7つ年が離れているうえ姉と弟という性別も異なる姉弟ですが、顔はびっくりするほど似ている。亡くなったせりなの代わりになずなは松葉と身体の関係を持ち、そしてその代償として金銭を受け取る関係。


と書くと、松葉の事を亡くなった恋人の弟を、恋人の代わりに「買う」クズのような男をイメージしてしまいがちなのだけれど、実際はなずなが行為を迫り、金銭を要求している。

なずながなぜそんなことをしているのか、という所を軸に、せりなが生きていたころの過去の回想も含め、少しずつなずなと松葉の気持ちが見えてくる。

亡くなった兄弟の恋人を好きになってしまう、というストーリーは数多くあれど、このストーリーはなずなが一見蓮っ葉でビッチな風を呈しているので、物語の終着点がどこなのか気になりページを捲る手が止められませんでした。

松葉が、かつてせりなをどれだけ愛していたのか、という所も描き込まれているので、松葉が、いつどうやってなずなを愛するようになったのかという所がキモだと思うのだけれど、そのあたりは詳しく描かれていない。けれど、描かれていないからこそ、松葉の気持ちを読者一人一人が推測する形になっていて、そのストーリー展開の仕方が非常にお上手でした。

松葉にしろ、なずなにしろ、せりなが生きていた時からお互いが特別な存在であったことがうかがえる。たとえそれが恋愛感情ではなかったとしても。
せりなを亡くした二人が、傷をなめ合うように、ぽっかりと空いた穴をふさぐように、寄り添って生きてきたのが読み取れて、とても切ない気持ちになりました。

時に間違いを起こしながら、相手の気持ちを勘違いしながら、それでもともに歩んでいくことを決めた二人にエールを送りたい。

ストーリーとしてはシリアスに分類されると思いますが、その分、最後の描きおろしの二人がとっても甘々で優しい気持ちになれました。

表題作が多くの分量を占めてはいますが、ほかに短編が2つ。
どちらのお話も高校生のお話。

『悪い生徒』
クラスに問題児を一人抱える佐野先生視点のお話。

クラスでタバコを発見した佐野先生が生徒たちを追及したところ、「自分のものだ」と名乗りを上げたのがその問題児・新見くん。
職員室で指導しているところにやってきたのが生徒指導担当の大月先生。
「私に任せてください」という大月先生に任せることにするのだけれど…。

大月先生と、新見くんの関係が、いつ、どうやって始まったのかまったく描かれていない。
なので大月先生に行為を強要されているのか、新見くんが大月先生のことを好きなのかー。

『種田くんと付き合いたい』
校内一カッコよくて、モテモテな種田くん。
そんな種田くんと付き合いたいな、と思っている女子の高木さん視点のお話。

種田くんはイケメンなのに、その種田くんと仲が良いのはさえないビジュアルで常におどおどしている有馬くん。なぜこの二人が仲良しなのか、といぶかしむ女子の皆さんたちですが、ある日具合の悪そうな有馬くんを高木さんが保健室に連れていき…。

さわやかでイケメンな種田くんの内面に秘めたブラックさと、秘密を知ってしまった高木さんの心情が、端的に描かれています。

『悪い生徒』然り『種田くんと付き合いたい』然り、超短編なんです。すごく短い話なのに、そこにぎゅぎゅっと詰め込まれたブラックさと彼らの恋心がめちゃめちゃ読み取れる。

主要CPの、どちらかの視点ではなく、巻き込まれる形で二人の関係を知ってしまう佐野先生や高木さんの存在が素晴らしかった。あくまで彼らは「傍観者」という立場なのですが二人の関係がはっきり描かれていないために、読者も「傍観者」と同じ立場に立ち、二人の関係を推測する形になっていて、なかなか味わい深かった。

甘々で優しいストーリーを読みたいときにはもしかしたら不向きな作品かもしれませんが、個人的にはとってもツボな作品でした。実はためこうさんて、なんとなくシリアスな作風を描かれる作家さんかなと思って手に取ったことがなかったのですが、ためこうさんの違う作品も読んでみたいと思います。

12

この作品が収納されている本棚

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