ミズキ、私の伴侶になってくれ――

小説

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王と恋するふたつの月の夜

ou to koisuru futatshu no tsuki no yoru

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表題作王と恋するふたつの月の夜

フェディ,30歳,瑞樹に「月の聖霊」と名のるが…?
神原瑞樹,19歳,勇者として異世界に召喚された神社の息子

その他の収録作品

  • ふたつの月が照らす夜
  • あとがき

あらすじ

父を亡くし、折り合いの悪い義母と暮らす神社の長男・瑞樹は、慎ましく日々を過ごしていたある日、突然、ふたつの月が夜空に浮かぶ異世界・アンブローズ王国にトリップしてしまう。王室付きの魔導師から、先王派の陰謀により呪いを受けた王のペット・タマちゃんを救ってほしい言われ、タマちゃんと共に呪いを解く旅に出ることになった瑞樹。道中、美しく精悍な月の精霊・フェディと出会った瑞樹は、自分の頑張りを認め、励ましてくれるフェディに、次第に心を寄せるようになり――?

作品情報

作品名
王と恋するふたつの月の夜
著者
名倉和希 
イラスト
北沢きょう 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
リンクスロマンス
シリーズ
王と恋するふたつの月の夜
発売日
ISBN
9784344840454
3.7

(41)

(6)

萌々

(26)

(4)

中立

(2)

趣味じゃない

(3)

レビュー数
9
得点
148
評価数
41
平均
3.7 / 5
神率
14.6%

レビュー投稿数9

異世界で 王の呪いを解く旅に出る


本編の冒険部分に入ると面白くなるラブコメ
異世界へ召喚された瑞樹も、白いモフモフにされたフェルナンド王も、
父の後妻=義母から虐待されている。

瑞樹は「病気のモフモフを辺境に住む老魔導士に届ける勇者」としてに召喚された説明をされるが 「タマちゃん」が、実は王であることを知らない、
モフモフが夜の数時間だけ戻る本来の姿=美貌の裸体成人男子と遭遇して驚き、月の精だと思いこむ。

---

神原瑞樹:18才 勇者として召喚 弓が出来る
神主の父の死後、神社を乗っ取る後妻と義弟が虐待  

フェルディナンド・ウェイスバーグ・アンブローズ/たま:30才 アンブローズ国国王 彫刻のような美丈夫  義母の呪いで、日中は白いモフモフ、夜数時間だけ元の姿  

ハーバード・モリス:フェルディの侍従長
ネイハム:瑞樹を召喚した魔導士 少し間抜けでミスが多い

ドゥルシラ:父の後妻、浪費家 身持ちの悪い悪女 呪いの依頼者
ウイリアム:13才 フェルディの義弟



0

フェディ(攻め)がちゃんとした人でとても良き◎

名倉先生の作品といえば、可愛いくて真面目で一生懸命で優しくてどこかズレてる受けと、そんな受けの完全な味方になってアホみたいに溺愛する気持ち悪い攻めが特徴で、読んでいて嫌な気持ちにならないもの、が醍醐味なんですけどまさにこの作品もそれでした!

異世界ものって難しくていまいちのめり込めない事が多いけどこれはそんなことない。スラスラ内容を理解できてサクッと読めました!さすが名倉先生です。
攻めのフェディがちゃんとした王様ですごくよかったです。周りを大事にしててもちろんみずきのことも大事にしてて読んでいてキュンキュンマックスでした。
今って感動する話とか泣かせる話とか心が痛くなるような話が話題になりがちだけど、そういうのを求めてない私みたいな人間もいるわけで。
平和な気持ちで最初から最後まで安心して読めるキュンキュンとクスッと笑いがいっぱいの名倉先生のお話がわたしは大大大好きです!

0

「異世界召喚でモフモフ獣を救う勇者になりました」って感じ

真剣だけどどこかズレてる……みたいな名倉さんらしい攻めと受けによるやり取りが楽しい一冊で、ファンタジーものだけど壮大すぎず、気楽に読めて息抜きに最適でした。

表紙の白いモフモフにかかった呪いを解くために、勇者として召喚された受けの瑞樹。
このモフモフ獣を「たまちゃん」と名付け、一人&一匹で呪いを解く旅に出ます。

この瑞樹がとにかく素直でまっすぐな子なんだけど、あまりにも素直すぎるというか人を疑うということを知らなすぎてこの子大丈夫かな??と思わず心配になってしまうタイプ。

夜になると、呪いが解けてたまちゃんから元の姿に戻れるんですね。
で、素っ裸の王様(攻め)が苦し紛れに「月の精霊」を名乗るもそれをあっさり信じてしまう瑞樹。
露出狂なの?みたいな全裸男への警戒心もゼロで、そこがまたおかしいというか、この子、実は大物?みたいな。

そして攻めのフェディ。
キリッとした美丈夫かと思いきや、そこはやっぱり名倉さんの攻め。

特に勇者・瑞樹への褒美がどんどん跳ね上がっていくくだりが、読んでてニヤニヤです。
「当初の三倍」になり「予定の五倍に」になり「報酬は百倍だ!」
このタガが外れた感……(笑)

「キュー」としか言えないたまちゃんのモフモフっぷり、そして「悪いやつ」としか言えないような正しいさじ加減の悪役なども良かった。
もしかすると緻密なファンタジーを好まれる方からすると、突っ込みどころ多々かもしれないけど、私は全然気にならなかったです。





0

タマちゃんと月の精と王様と

異世界トリップファンタジー・冒険物ですね。とっても読みごたえがあり楽しく読めました。

元の世界では辛い境遇だった瑞樹が勇者として異世界・アンブローズ王国に勇者として召喚されます。
王のペット・タマちゃんを救う為魔導師に会いに森へ行く使命を。

タマちゃんは実は呪いをかけられた王・フェデイなのですが、それを知らない瑞樹は自分の境遇を語ったり、タマちゃんを必死に守ったり。
瑞樹が剣や弓を使えたり、とってもいい子で冒険物としても楽しく読めます。
フェデイも瑞樹を愛さずにいられません。
月の出ている間に現れるフェデイを月の精だと信じてるのも可愛かったし、二人がひかれあって行く様子も良かったです。

無事にフェデイの呪いが解けて、さあどうやってくっつくのかなと楽しみにしてましたが、なかなか二人は会えません。
でも瑞樹はとっても大切にもてなされ、フェデイも我慢ならずに会いに行き、あの時は戯れだったのでは?との瑞樹の不安もやっと溶けます。
おれの◯◯◯まで触ったくせに!って(笑)

なんとか周囲の大臣を説得し大騒動も無事に収めて正式に瑞樹が王妃になれることに。

なのに、瑞樹はなぜ身を引こうとする!盛り上がる所でしょ!いや、瑞樹の気持ちもわかるし彼らしいのですが。
フェデイの為を想って身を引こうとする瑞樹の言葉は愛を語るようにしか聞こえず、瑞樹の懸念を一つづつフェデイが解決法を伝えてやっと、やっと結ばれます。
侍従グッジョブです。

張り切っちゃいましたね!そのせいで瑞樹に避けられヘタレてしまうフェデイですが、瑞樹の可愛いおねだり?にメロメロです。

瑞樹がフェデイのモフモフな姿をタマちゃんと名付けたり、あまりの可愛さにいじくり回してフェデイがおそらくアソコを弄られてぐったりしたところも面白かったです。

元の世界は最初しか出て来ず無駄に家族の事で瑞樹が辛い目に会わなくて良かったです。瑞樹に未練がないのも。

色々とても名倉さんらしいお話でした。

1

玉ちゃんが可愛すぎて悶絶

幼い頃に母を亡くし、父親も一年前に亡くした神社の息子、神原瑞樹(受け)は継母と義弟に疎まれ、下働きのように神社でこき使われていました。いつまでこの状態に耐えられるだろうかと溜息をついていると突然何もない空間から手を掴まれ、気がついたら知らない場所で自分のことを勇者と呼ぶ人たちに囲まれていました。
そこはアンブローズ王国の王城で、権力争いに巻き込まれ病気になってしまった王のペットを遠く魔道士のところまで送り届けてほしいというのです。

この異世界での、魔導の力は凄く都合の良いものらしく、その世界に未練がなく、剣技や弓技に優れていて、清い心の持ち主でかつ責任感が強く勇気のあるものという盛りすぎだろというほどの条件をつけて呼び出されたのが瑞樹だったようです。
瑞樹が自分を必要とされることに飢えていたこと、玉ちゃんと名付けたその可愛い毛玉の病気を治したいという思いもあって、旅に出かけることを承知します。
魔道士の話では結構そばまで瞬間移動させてくれるという話でもあったからと思われます。実際にはそんな上手くは行かないのですが。


実はこの毛玉はアンブローズ王国国王フェディ(攻め)で、継母である王太后が自分の息子である王太子を王位につけるために魔道によって変えられた姿でした。
この毛玉が可愛すぎて困りました。
初めて玉ちゃんを見た瑞樹は興奮してモフりまくるのですが、それに陶然としてしまうのも楽しければ、それを見た部下で幼馴染の魔導士がお腹を抱えて大笑いするのもニヤニヤが止まりません。
ふわふわ毛玉で脚がとても短く、歩くのに苦労するフェディの嘆きとか笑いすぎで楽しくて何度も読み返してしまいまた。
夜、月の出ている間だけ元の姿に戻るので、人間の姿も瑞樹にみられてしまうのですが、瑞樹が「月の精霊」と勘違いしたので「月の精霊のフェディ」として夜の間だけ話をし、励ましたり他愛ない話をしたりして親交を深めます。
全く関係のない瑞樹が慣れない旅を頑張ってくれているのを身近に感じて感謝するフェディは、瑞樹が寝てしまってから幼馴染と連絡をとるたび謝礼を何倍にも釣り上げるのです。だから、追っ手が迫り彼が悪気なく「のんびりしてないでもっと急いでほしい」とか「馬が乗れる人にすればよかった」とかぼやいているのを聞いて、瑞樹がどんなに大変でどんなに頑張っているかを説いて相手を叱るところはジーンとしました。

ただ、魔導で色々取捨選択した結果選ばれた勇者だったとしても、人となりを直接知っているわけでもない異世界人にいきなり王を預けてしまうとはなんとも呑気な話だなと思いました。いくら身内から選定する動きを見せたらバレてしまうかもとはいえ、王ともなれば常に2、3人の護衛が控えていてもおかしくないと思うのですがそういう人を動かすのは駄目だったのでしょうか。
それに、初めての世界で少しのレクチャーを受けただけで野宿込みの旅させるなんて無茶ぶりすぎだろうとも思いました。

旅は継母の行動がおおっぴらになったせいで、命の危機にも見舞われますが、援軍の到着により唐突に終わりを告げます。
この話のメインは二人が旅の中でお互いを思い合うようになるまでと旅を終えた後フェディが瑞樹を伴侶にするため頑張る話の2段構えになっています。

交互に視点が変わるにで、それぞれの心理がわかって安心して読めます。
毛玉事件が解決してからのフェディは、初めは滞っていた政務のためなかなか会いに行けなくて瑞樹を悩ませたりするのですが、王太子と仲良くなったと聞くやいなやすっ飛んでいって、それからは瑞樹への態度を周りに隠すことなく甘々です。
どんどん思い通りに話を進めようとしますが、瑞樹が肩身の狭い思いをしないようにと周りの説得も強引にするのではなく手順を踏んでいく姿は瑞樹のことを本当に大事にしていると感じられて良かったです。

王太后は結局自業自得でしたが、その息子の王太子は母親の性格を受け継いでいないようなので、王の良い後継になってくれそうで安心です。

異世界召喚に関してはちょっと無理やりのような気がしないでもないですが、相手が王様だとは知らないで好きになって、王様だとわかってからはそのことにビビってと王道展開かもしれませんが、当て馬女が出てきて意地悪したりしないし、フェディは王様なのに傲慢なところがなくとても好感が持てるし、弓を自在に操り王を守ろうとする瑞樹は性格もいいのにかわいくてかっこいいしとても楽しく読みました。
瑞樹を継母が意地悪するところはありますが、境遇は可哀想だけどそのシーンは最初のちょこっとだけなのでそんなにダメージはないかと。
可愛い毛玉の玉ちゃんは前半しか出てこないので、それがちょっと残念でした。
もっともふもふしてるところを見たかったな。表紙の玉ちゃんが本当にふわふわ毛玉でとっても可愛いです。

2

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