この胸のざわつきは、どう考えても「欲情」だ――

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表題作美しすぎる男

廣瀬京,31歳,監察医
藤川レイラ,28歳,刑事

あらすじ

警視庁捜査一課の藤川は、誰もが見惚れる美貌の男。
しかし好戦的な性格が災いし、着任早々、監察医・廣瀬と最悪の出会いを果たす。
一見がさつな廣瀬に苦手意識を持つ藤川だが、彼の仕事に対する真摯な姿勢に触れ、次第に心を開き信頼するように。
一方の廣瀬も、ある事件で単独捜査を始めた藤川を放っておけず協力を申し出る。
真相を追い求めるうち、互いに惹かれ合う二人だが――。

作品情報

作品名
美しすぎる男
著者
愁堂れな 
イラスト
蓮川愛 
媒体
小説
出版社
フロンティアワークス
レーベル
ダリア文庫
発売日
ISBN
9784866570532
3.2

(7)

(0)

萌々

(4)

(1)

中立

(2)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
4
得点
21
評価数
7
平均
3.2 / 5
神率
0%

レビュー投稿数4

美しいのは罪

誰もが振り返るほどの美形。
藤川は超絶美形な刑事だけど、苦労も多く、それをコンプレックスにしていた。
そんな藤川が警視庁に異動して初めての事件で、監察医に食って掛かるという事件。

受けて立つのが監察医の京。
優秀な監察医で、彼もプライドを持って監察医をつとめている。そんな京に少しづつ惹かれていく藤川。

身代わり殺人の事件で二人は親密になり…
という愁堂れなさんお得意の2時間サスペンス的な作品ですが、今回は二人共ゲイではないのでイキナリなラブシーンではなく、ちゃんとステップふみつつなところが萌えました。そしてちゃんと初夜の章のあります!
可愛すぎる藤川と京の大きな包容力。
何より、美形を書かせたらピカイチの蓮川愛さんのイラストがそれを視覚化してくれていて、小説とマッチしていて良かった!

0

もうひとつ欲しかったかも

まっすぐな刑事モノです。事件捜査と共に親密になっていくというストーリー。
廣瀬(攻)と藤川(受)、両方の視点で語られるので、惹かれていく過程が分かりやすかったです。
上層部からの圧力に屈しないというスタイルも好感が持てましたし、事件も解決しましたし。

ただ、私は推理物が好きなので、警察関係の作品を多く読んでいるせいか、個人的にデジャブ感がありました。もうひとつ何か欲しかったです。レイラという名前はインパクトがありましたけど、メインに出てくるのは姓の藤川というのもちょっと物足りなかったです。

冒頭部分の、検視官ならともかく監察医に「間違っている」と断言するレイラは大人げなく感じましたし、監察医は解剖所見に「自殺」という結論まで導くものだったろうかと妙な部分が気になってしまったのも、ストーリーになかなか入り込めなかった理由かなと思いました。

期待が大きすぎたかも。タイトルに絡んだ「美しさが罪」みたいな内容の方が、私には面白かったかもと思いました。

ただ、二人が真面目に事件を解決していくプロセスは楽しかったですので、刑事モノや受けを守る攻めがお好きな方にはお勧めだと思います。蓮川先生のイラストは言うまでもなく素敵なんですが、廣瀬のもみあげ部分が私は特に大好きでした。

1

けんかっ早い絶世の美貌の男



警視庁捜査一課に移動してきた藤川レイラ(受け)は絶世の美貌の持ち主ですが、その美しい容姿がコンプレックスなため容姿が絡むとすぐに好戦的になってしまいます。赴任早々、一課内でも怒りを爆発させ暴走し、解剖所見に疑問を抱いた監察医の廣瀬京(攻め)に突撃します。その邂逅によりお互い苦手意識を持つのですが、気にくわないと思いながらも、上の言うことを聞かず勝手な捜査をしようとする藤川を心配した廣瀬は捜査を共にすることになります。


藤川はその美しすぎる容姿により、小さい時から贔屓され、それを周りから妬まれるてきました。それを良しとしない藤川は、努力して優秀な成績を収めてきました。身体能力にも長けており、複数の格闘技の使い手です。絶世の美貌を持ちながらも、男性に迫られてたり襲われそうになったりするばかりで、意中の女性には引け目を感じられて断られるという不憫な人です。
すぐに突っかかっていきますが、自分が間違っていると気が付いたらすぐに頭を下げることができる潔さももっています。
自分の正義に忠実で、考えるより行動が先に立ち、命令違反をしても正しいと思うことに突き進んでいこうとします。


廣瀬は法医学教室の准教授です。
周りの空気を読み気配りができ、おおらかな性格で争いは好みません。自分にも構わないので無精な感じなのですが、端正な顔立ちのおかげでワイルドで男くさいと評されています。
初めて藤川に会ったときはその美貌に何度も見惚れながらも、気にくわない相性が悪いと思ったにもかかわらず、無意識のうちに藤川に誤解されないように気を使っており、藤川が捜査で暴走しようとするのを気づいては余計なお世話だと思いながらも心配し行動を共にします。

ぱっと見ありふれたように見える殺人事件の捜査を担当するうち、上からの圧力により捜査妨害されていることに気づきそれに反発する藤川とそれを心配する廣瀬。

話の流れに沿って視点が交互に切り替わるため、お互いの考えがよくわかります。

警察が上からの圧力に屈し「身代わり自首」を認めたことが許せない藤川の暴走にはどきどきします。
捜査を2人でするうちに2人共が途中で相手を「好ましい」と思っていることに気が付き呆然とする姿には気づかないうちに好きになっていたというより初めから好ましく思っていたのにやっと気がついた鈍感な2人に笑ってしまいます。
が、尺が足りなかったのでしょうが、最後が駆け足になったのが残念でした。
真犯人が捕まった経緯は少し都合よすぎにもみえますし、二人が両想いになるのはあっさりし過ぎに見えました。
そして、犯人が逮捕されただけで終わったのももやもやしました。二人がそれぞれ推理しているし、情報が小出しになっているので全然わからないわけではないですが、刑事ドラマとしての面でも読んでいたので、最後に事件の細かい経緯も知りたかったです。
また、せっかく出てきた個性の強い同僚たちの話ももう少し読みたかったです。
空気を読みすぎてるのか本当に読めないのかよくわからない助手の後藤は、すぐに混ぜっ返したり騒いだりしていましたが、(読んでいてもちょっとうざかった)、藤川の分析にもあとがきにも廣瀬に気があるとあったので実は二人の邪魔をしていたり、ひそかにアプローチしていたつもりだったのかとか。
謎の人物なバーのマスターは藤川が見たことがあると思っていた描写があったので何かあるのかと思ったけどそこで終わりだったし、何か言いたそうにしている描写が何度もあったけどあれはなんだったのだろうとか。
きっとすぐに二人の関係に気づくであろう後藤のその後とかも凄く気になりました。

もう少し読みたかったなと思いながら読了したので、サスペンスドラマとしては最後がちょっと物足りなかったですが、全体としては面白かったと思いました。

絡みは少ないですが、廣瀬が経験の少ない藤川のことを思いやり早急に先に進めようとしなかったり、男のプライドを尊重し待ってあげたりと廣瀬の男前なところが良かったです。

蓮川さんの美麗なイラストが本当に素敵でした。
美人すぎる藤川はうっとりするくらい美人だし、ワイルドで男くさいという表現通りの廣瀬も本当にかっこいい。
作者の方が黄色い声を上げたのもうなずけるすばらしさでした。

3

同族嫌悪ではなくて…

表紙買いでしたが、相反する二人が近づく様と事件解決への流れなど、なかなか読み応えありました。

『美しすぎる男』は表紙左側の茶髪の藤川。
誰もが見とれるその美貌、そして男にしては独特な名前(レイラ)の影響か勝気な人物。
所轄から本庁に移動した早々、殺人事件の監察結果に異を唱えに監察医の廣瀬の元に怒鳴り込んでくる。
そんな出会い方をした二人はお互い印象は良くなかったが、ある事件を機に少しづつ距離が近づいていき…。

区切りよく交互に視点が変わるため、二人の気持ちが非常によく分かります。
廣瀬は勝気で向こう見ずな所もある藤川を放っておけず、藤川は仕事に対して真摯に向き合いつつ協力的な廣瀬に心を許していくんです。
あからさまな態度の変化は無く、近づきお互い相手への感情がどういったものなのか分からない様子がもどかしかった〜。

事件は解決したが、力に屈してた警察に対しモヤモヤしたものは残りました。
屈してた人は何も変わりないんですよね…うーん。

解決に伴い廣瀬と藤川の想いが通じあうんですが、良いなと思ったのが両想いだと知れたその後。
ノンケ同士で男のHに不慣れなため、その日はかきっこになるんです。
ノンケ同士なのにいきなり(前もって勉強してたとかではなく)挿入というのに違和感があるので、この二人が挿入しなかった事が不自然じゃないな、と思いました。

本編終了後の『初夜』にて、二人の初挿入が書かれてるんですが、藤川が可愛くて可愛くて!
それまで無理をさせたくないと廣瀬は自制をしてたけど、藤川から「最後までやりたい」と言われるんです。
勢いつけるため酒を呑んでやって来て自分で前準備も済ます藤川に、廣瀬じゃなくとも滾ります!(笑)
Hはこの時だけだしページ数も多い方じゃないと思いますが、充分萌えました(〃ω〃)

大らかな廣瀬と勝気な藤川のキャラがとても良かったので、続編あれば是非また読みたいと思った作品でした。

7

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