クールな社長はわんこ系男子がお好き!?

小説

  • 若社長は捨てわんこに甘すぎる

若社長は捨てわんこに甘すぎる

wakashachou wa sutewanko ni amasugiru

  • 電子書籍【PR】
  • 紙書籍【PR】

表題作若社長は捨てわんこに甘すぎる

多喜川直哉,32歳,大手化粧品会社社長
百瀬澄晴,20歳,ホームレス

同時収録作品若社長は恋人わんこを愛しすぎる

多喜川直哉・大手化粧品会社社長・32歳→33歳
百瀬澄晴・化粧品会社社員・20歳

その他の収録作品

  • 犬だって××をする
  • あとがき

あらすじ

「百瀬家は一旦解散します」ーー。どこかで聞いたフレーズでホームレスになってしまった澄晴。めげずに土手で逞しく生活していた時に介抱した酔っ払いが、何とか潜り込んだ大企業の若社長・直哉だと知ってビックリ! “氷の王様"と呼ばれる社長は、意外と犬好きで澄晴のペットのわんこに興味津々。やがて澄晴もわんこと一緒に餌付けされて身も心も甘やかされて!?

作品情報

作品名
若社長は捨てわんこに甘すぎる
著者
榛名悠 
イラスト
カワイチハル 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
幻冬舎ルチル文庫
発売日
ISBN
9784344840942
3.4

(29)

(3)

萌々

(13)

(9)

中立

(1)

趣味じゃない

(3)

レビュー数
7
得点
95
評価数
29
平均
3.4 / 5
神率
10.3%

レビュー投稿数7

リアリティ薄めなシンデレラボーイ

父親が社長やってた会社が倒産して「一家解散」となり、両親は姿をくらまし、両親が唯一残してくれたのはテント。
仕方なく大学を退学し、土手でテント暮らしする羽目に……と流れを書くと結構悲惨なんだけど、読んでて全然悲惨さは感じません。
んな、バカな!ってくらいリアリティ薄めだし、本人もそこまで悲壮感ないので。

だけど、子供だけ残してトンズラしてしまう両親に、はーーーっ?!ありえない!!と思ってしまって、少し萌えを阻害されました。

うまーい具合に、社長である攻めと知り合って、トントン拍子に正社員へと……。

攻めのスパダリ具合は好みでしたが、なんか突っ込みどころも多いのでそこに目を瞑れるかどうかだと思います。

受けが飼育しているビーグル犬が、お利口で、まるで受けと会話が成立しているような感じがこれまた嘘くさい……。


あれ?こういうレビューどこかで書いたなぁ…と思って、自分のレビューを見返してみたら、同じ作家さんの「恋膳王子は新米猫をほっとけない」と「御曹司と愛情ごはん始めました」にも似たようなこと書いてたわ……。

三匹の猫や、オウムがまるで人間の言葉を理解しているかのような相槌を打っていて、んなアホな!!とシラけた気分だったんですね。
榛名悠さんが書く動物は、まるで人間の言葉や機微を理解しているかのようなんだと、今更ながら気付いた次第です。

0

わんこが可愛い

なんといっても、愛犬みたらしが可愛い一冊。とても賢く、わふ、や、しっぽで会話を成立させるというわんこ。みたらしに癒され、みたらしに和み、通常では辛いシーンもみたらしが中和してくれています笑


いきなりホームレスになった百瀬が親切にした道端で出会った男は、知り合いのツテで始めたバイト先の社長でした。宿無し仕事なしの状況から、社長に気に入られて甘やかされながら、お仕事で道を切り開いていくシンデレラストーリーです。いろいろツッコミ所はありますが、BLはファンタジーですしなんといっても可愛らしいお話なので、そこに目を瞑れば楽しめました。甘々で可愛い話が好きな人、深く考えずに楽しめる人にオススメしたいです。

2

みたらしが賢くてかわいい


父親の「解散」という言葉によって一家離散するという、どこかの芸人のような状況になった受けが偶然出会った人の会社に偶然バイトに雇われることになり、やはり偶然再会して気に入られて同居するという、シンデレラストーリーです。

テント生活をしている澄晴(受け)は大学の先輩のつてで大手企業のメールボーイのバイトを紹介されます。その会社の社長というのが、以前泥酔していたところを世話したサラリーマン・多喜川(攻め)だったのです。喜んで声をかけるのですが、多喜川は全く澄晴の顔を覚えていませんでした。人違いだったかとがっかりする澄晴ですが、夜の散歩で三度再会します。
「氷の王様」と称される多喜川でしたが、毎夜の散歩で話をする多喜川はよく笑い、みたらしの扱いもうまく、みたらしをもふもふしては癒されると喜んでいます。そんな多喜川を知っている自分に優越感を覚えるのです。

澄晴は事業に失敗した父親の解散宣言により住む家をなくしてしまいます。通っていた大学も中退し、ビーグル犬のみたらしとともにテント生活を余儀なくされるのです。真面目な性格で、バイトに採用されてからは本来の仕事以外の手伝いも積極的に行い、会社の中でも仲良くしてくれる人が増えます。が、テント暮らしが皆にばれ、会社で不穏な空気が漂う中、多喜川が自分の家に連れて帰って同居を申し出てくれます。
澄晴のデザインを気に入った多喜川により、新製品のデザインを任されるようになり、面倒を見てくれる多喜川の力になりたいと、任された仕事を頑張るのようになります。同居がとても心地よく楽しく暮らしていたのですが、いつのころからか、とてもモテる多喜川が女性話しているのを見ると心がざわつくのようになるのです。

多喜川は若くで父親から会社を受け継いだため、古参の役員に舐められないように気を張っており、「氷の王様」と称されるようになります。澄晴とみたらしと‪の逢瀬に心が癒されもっとずっと彼らと一緒に‬いたいと思うようになります
澄晴がテント生活をしていると知って自分の家に連れて帰り同居を始めるのですが、その際澄晴のデザイン能力に気づきます。新製品のパッケージに採用したいとデザイン部に転部させるのですが、心配した澄晴の様子見を何度もしているうちに、今までののように壁を作って社長としての威厳を保つのではなく、社員と協力して一つのプロジェクトをつくるチームとして社員に受け入れられる親しみのある上司という新たな社長へと成長するのです。

澄晴は多喜川に恋していると気づいてからも、恋にうつつを抜かすことなく、大恩ある多喜川のために一生懸命頑張る姿はとても好感がもてます。

ただ、社長を狙っている秘書課の女性や幼馴染の女性が出てきて、特に幼馴染の社長令嬢はかなりきつく澄晴に牽制してくきます。この社長令嬢の存在により、澄晴は多喜川の部屋から早く出ていかなければと焦り、多喜川への想いを吹っ切ろうと切ない思いをするのです。
この二人はあっさりあきらめたようですが、社長令嬢の変わり身の早さはちょっとびっくりです。本当に多喜川のことが好きだったのかなと思うくらいあっさりしてる。


表題作は二人が付き合うまでが描かれています。
SSは二人で初めてのお泊りに行き初めて結ばれるまでが、そしてその間のみたらしの初めての恋です。


登場人物はいい人ばかりでした。
多喜川には大学の後輩にあたる優秀な秘書・黒江がいるのですが、この秘書がとても気の利いた社長思いの人で人物でした。黒江は二人の邪魔することなく、むしろ社長が楽しそうだと喜んで協力する姿がとてもよかった
です。
そして、就活の面倒をちょっと見ただけなのに、大学を辞めた澄晴をすごく心配して仕事を斡旋してくれた先輩の横井、仕事をしている間みたらしを預かってくれる警備員のおじさん。おやつをくれたり、テント暮らしだ
とばれて周りに白い目でみられる澄晴を気遣う経理部の弓削。
いきなり転部させられてきたバイトの澄晴を偏見なく受け入れるデザイン部のメンバー。
二人が想いを告げあうまでは澄晴が切ない想いをする場面もありますが基本悪人がいない話でした。


そして、みたらしがとってもかわいい。独り言がちゃんと会話になっているようなみたらしの合いの手は読んでいてほのぼのしました。

突っ込みどころもあります。
テント道具渡されたからって、いきなりテント生活するかな。最初は友達を頼る方が普通だと思うのですが。
テント暮らしなのにもともとやっていた大学近くのバイトは電車賃がかかるからと辞めるのも変です。住所不定でバイトが見つからないとわかっているのに何故やめたのかしら。貯金もあまりない状態でこれはちょっと無計画すぎる。
テント暮らしがばれ、みなに白い目でみられるのも、一介のバイトがテント暮らしをしてるのを知って敵意をむき出しにしたり嘲笑したりするかしら?興味本位な目で見られることはあってもそんなに気にしないんじゃないかな。
守衛室で犬を預かるのも、いくらいい子にしてるとはいっても毎日毎日預かってくれるだろうか?とか。

他にも疑問に思うこともありますが、トントン拍子に幸せになってさらっと読めるので、疲れた時に細かいことを気にせず甘いお話を読みたい時には丁度いいお話だと思いました。


イラストはとても美しいです。澄晴とみたらしはかわいいし、多喜川はかっこよくて、筋肉がわかるような素敵な身体つきにうっとりします。
そして表紙がとってもかわいい。
あとがきで作者の方も書いておられましたが、パーカーが可愛すぎる。特にしっぽの部分。
澄晴は実は尻尾がついてるのかと二度見してしまいました。

2

可もなく不可もなくな物語です

優秀なスパダリで嫌みのない攻め×大学生からホームレスになったがめげずに頑張る受けとの甘いシンデレラストーリです。

ホームレス期間がページ数からすればそうでも無いのですが、日数的に見るとかなりの期間なので、傍から見ても綺麗目な顔をしていて護身術に長けている訳てもない受けが何の問題も無く生活できるのかな?と少し疑問に思ってしまいました。そこはBLファンタジーと思い楽しんでおくことにします。

ホームレスから攻めとの同居の流れも良かったのですが、会社でホームレスとバレた理由やバラした社員がほぼそれだけだったというのが残念です。
他にも秘書課の女の人や婚約者など当て馬や2人の仲を上手く引っ掻き回すであろう存在が出てくるのに、全員微妙なままで終わります。婚約者も攻めとの結婚が進んでいると吹聴した割には、あっさり受けとの関係を認めるので、ちょっと物分かりが良すぎる気がします。
微妙な役割であるかもしれないですが、誰も不幸にならないのでそういうのが幸せ至上主義の方には良いと思います。

受けを甘やしかたが良い感じに溺愛っぷりで甘い感じで、そこは楽しく読めました。
また受けが無能でただ可愛いお人形さんという訳でも無く、我流ながらもデザインの才能があり与えられた仕事を頑張るのは良かったです。
有能秘書の黒江さんが素敵でした。
優秀なビーグル(犬)がいるので、シリアスになりすぎず可愛さもあります。

つっこみ所もありますが、甘いお話が好きな方にはオススメです!

2

設定がもったいない

親の借金のため、大学を中退し、愛犬とともに野外のテント生活を余儀なくされている受け。ある日、道端に座り込んでいた酔っ払いを介抱したところ、後日その男がバイト先の社長だと知る。犬が好きらしい社長は、受けと愛犬を可愛がり、便宜をはかってくれるようになって…。


受けはカワイソ健気な頑張り屋さん、攻めはスパダリ、受けの愛犬は賢いという、全体的にはとても可愛らしい話でした。
ですがツッコミどころが多く、結果的に嘘っぽさが漂ってしまう作品でもありました。

受けはそろそろ就活を始めていた20歳の大学生。それが親の借金のために家族が「解散」。キャンプ用のテントを川岸に張り、愛犬とともにホームレス生活になります。
「解散」からホームレスという流れを某ベストセラーになぞらえて説明するところがまず手抜き。そして友達も知り合いもたくさんいるのに即テント生活、という選択になるのが疑問。まずは友人宅を回って、数日ずつでも厄介になりながら、住み込みの働き口でも探す流れになるのでは。
それを、やれ大学の友人に知られるのが恥ずかしいとか、その後バイトを紹介してくれた大学OBに「友人宅に泊めてもらってる」と嘘をついたり、攻めには「OB宅に厄介になってる」と嘘をついたり、見栄を張るのもあまり好印象ではなかったです。
その後バイト先を紹介してもらい、犬は守衛室でうまいこと預かってもらえ、バイト先では頑張り屋なため可愛がられ、秘められた才能が開花し…少々うまく行き過ぎ&頑張りどころが違うやろ的な展開に。
あと犬がやたら賢く、受けのセリフをすべて理解し、受けや攻めの気持ちを理解するのにも長けていて、人間と「あんあんっ」とか「わうん」とか会話が成立するのが作り物くさかった。

あと、受けのホームレス生活がバレる流れも微妙。一介のメールボーイがホームレスだったからって、なぜそれを一社員が全社一斉メールみたいなのでバラす必要があるの? 恨みもない、自社のバイトがホームレスだった、それを大々的にバラす社員も、それを見て一斉に手のひらを返して叩き始める社員たちも不思議だし、そのことが大企業の中でセンセーショナルな事件になるのが、なんていうか皆ヒマすぎる。

受けと攻めの関係や、シンデレラストーリー的なハッピーエンドなど、設定的にはツボな作品なのに、わざとらしさや嘘っぽさ、ありえなさが目立って、萌えられる余地が少なかった。

4

この作品が収納されている本棚

マンスリーレビューランキング(小説)一覧を見る>>

PAGE TOP