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表題作めんどくさいけど愛してる

村田春秋,サラリーマン
新倉恵介,会社を辞めコンビニバイトに

同時収録作品兄貴あれなんだったの

白石楽,兄
白石仁,大学一年生,弟

その他の収録作品

  • むらたくんとにいくらリーダー
  • 兄貴あれなんだったの 逆ver.

あらすじ

サラリーマンの村田は会社の飲み会で悪酔いし、上司の新倉にキスしてしまう。
すると新倉は突然会社を辞め、それっきり連絡がとれなくなってしまった。
何も言わずに消えた新倉と偶然再会したのはコンビニのレジで、業務的に対応する新倉を村田は強く責め立ててしまい…。
大人だから踏み出せない、臆病な恋の話。

【収録作品】めんどくさいけど愛してる/兄貴あれなんだったの

作品情報

作品名
めんどくさいけど愛してる
著者
はなぶさ数字 
媒体
漫画(コミック)
出版社
一迅社
レーベル
gateauコミックス
発売日
電子発売日
ISBN
9784758077347
4.1

(148)

(77)

萌々

(31)

(29)

中立

(3)

趣味じゃない

(8)

レビュー数
18
得点
599
評価数
148
平均
4.1 / 5
神率
52%

レビュー投稿数18

血縁兄弟BL

義兄弟とかでもなく、生まれたときから一緒のたった2人の血の繋がった兄弟のBL!嬉しい!
兄×弟っぽいのも嬉しいポイントです!
恋愛感情と家族としての感情が混ざっている複雑さがとっても好きです。
兄弟BLがお好きな方は読んだ方がいいです。

表題作もとっても良かったです。
面倒くさがりな元先輩が元後輩と恋をしてすこーしずつ変わっている様子が萌えました。

どちらもすごく派手な展開があるとかではなく、人間模様がなんだかリアルに感じて登場人物を身近に感じられて良かったです。

1

たしかにめんどくさい

兄弟BLということでおすすめされたのですが、表題作のアンニュイリーマンBLがやたらはまりました!!!それぞれの事情がいい感じに生々しくて萌え。親近感ってちょっとおかしいけど、そのへんで繰り広げられてそうな臨場感があるセリフや間、雰囲気の描写が秀逸です。映画をみているような感覚でした。

キス魔の後輩に飲み会でキスされるゲイ先輩。会社をやめてコンビニでバイトしてたらその後輩が現れて、、ここぞとばかりに絡んでくるんですよね。恋しかはじまらないやつ。ノンケだから気持ちを抑えたいのに、ノンケのほうから近寄ってきちゃうってワクワクしちゃうやつ。相手の事情なんてお構いなしにグイグイくる後輩もめんどくさいけど、自分の気持ちもめんどくさいっていう、”めんどくさい”ってとても便利な日本語ですよね。でもこの二人のもだもだにはめちゃくちゃはまってます。先輩の元彼がまたいい感じのスパイスになってます。あと気持ちいいと笑っちゃう受さんのクセがエロい。

兄弟のほうも面白かったです。妥協のないガチモンの兄弟ね!兄の苦しい気持ちと弟のモヤモヤ、そして父の思惑…気持ちが双方向になったとしてもそんなに明るさのみえない、重暗い感じがいいな〜と思いました。
両方の作品全体から感じる湿度の高さがなんともいえずにいいです。

0

淡々と、でもそれがリアル

作者さん新規開拓したいな〜、とお初の作者さんでしたが読みました。

2つのお話が収録されています。
表題作は表紙の感じそのままに、気怠い雰囲気で進むお話。
爆笑したり、号泣したりそんなのはひとつもない。
だけどキャラクターが発するセリフの端々に、表情に、リアルさがあります。
「何考えてんの?」「お前のことだろ」「道理で……」
ここのやり取りが妙にツボでした。

もう一つの実の兄弟の方は個人的にあまりハマれませんでした。
実兄弟が地雷というわけではないのですが、高校生兄→小学生弟への愛情ってのが理解し難いというか、リアルじゃ無い気がして。
表題作の方がリアルに感じられるお話だったので、余計に非現実的に思えたのかも知れません。
弟くんも可愛い可愛いしてないフツーの子で、兄が好きになったポイントどこなん?と思ってしまい。
漫画でそんなこと言ってても仕方ないので、あまり考えないようにして読んだのですが…。
兄←弟だったらハマれたかもしれません。

0

雰囲気が好き

gateau、いいレーベルですよね。

絵、キャラ付け、間の取り方、受け攻めの心情を重視したストーリー展開、どれも好みです。二編収録されているどちらも、絵柄と作品全体の黄昏れた雰囲気がとってもマッチしてる。

表題作は受け攻めどちらも苦手なタイプでした。特に村田みたいな男はほんと鬱陶しい笑
でも、どこかでひっそりとこんな関係が発展していそうな感じがするんですよね。男同士の恋愛なんてこんなもんだよ、って。

ゲイの新倉からすれば村田への気持ちは恋情としての「好き」なんだろうと思うけど、それまでに経験してきた男同士ゆえの惰性とか諦めとか、仕事と恋愛の兼合いからくる疲労感みたいなものがよく出てる。村田はおそらくバイ寄りのノンケ。酔ったらキス魔で、新倉が自分に優しかったから素直に好意を持ってしまった、くらいの単純さが妙にあり得そう。

二人が醸し出してる空気には、付き合い始めたばかりの「恋人感」と、まるで夫婦みたいな「わかってる感」とが程よく混ざり合っていて、終盤はそんな二人を見ているうちにいつのまにかじわっと心地よくなっていました。

後半収録の「兄貴あれなんだったの」はガチ兄弟。ガチものは条件付きでハマるかハマらないかはっきりしていているので、読み終えた当初はめちゃくちゃ好みなんだけど、最後だけが消化不良でした。

子供同士がそういう関係に陥ってしまう理由として一番わかりやすいのは、彼らが親から虐待を受けていたりネグレクトされていて、お互いに守り合うようになっていった結果そうなってしまった場合。だけど、この白石家って両親も仲が良さそうだし、子供たちのことをきちんと教育しているんですよね。お父さんなんかは息子たちの関係を心配しているようにも、なんとなく察しているようにも見えて、深読みするとちょっと怖い。

新鮮だったのは、今までBLコミックで読んできた近親ものではあまり意識してこなかった「兄と弟のどちらが先に相手を好きになったのか」を問う描写がすごく印象的で、新たな萌えを刺激されました。これ、もうどっちが先かなんてレベルじゃなくて、宿命としかいいようがない。なにより、そこが一番怖くてエロかったかもしれないです。

実兄弟間の切実な恋とその理不尽さを淡々と綴るこの作品には、それまでの日常を完全に失ってしまう取り返しのつかなさというか、現実から逃げた二人が異世界に旅立ってしまったようなホラーっぽい終わり方が似合ってるんじゃないかと思ってました。あるいは、短編的にばさっと切って終わるような。この感じだと完璧ハピエンなので、そっちか~とちょっぴりがっかりしたけど、冷静に考えてみるとハピエンの方がもっと怖いんですよね…。

もしこの結末が編集の意向や業界の流行を加味せざるをえない中での選択だったとしても、ヤボなツッコミを入れさせない終わらせ方ができる作家様の力量は、やっぱりすごいと思います。

一回目に読み終わった時は「萌」。これを書いているうちにめっちゃ好きなんじゃんと思い直してもう一つ加えました。

2

社会の中で生きる大人

表題はサラリーマンの後輩×先輩、同時収録作は兄弟モノです。
正直ガチ兄弟モノが得意ではないのですが、ガチ兄弟をかなり真正面から描いていて、茶化していなかったのは好感が持てました。
描き下ろしの逆ver…こっちの方が平和だったのか笑

◾︎表題
◾︎村田(後輩)×新倉(先輩→病気でコンビニバイト)
淡々としてるようで、心の中はざわついてる大人が染みる1冊でした。社会の中で適当に自分をごまかしながら生きてるんですよね大人は。真顔で「クソ可愛い」なんて思ってるのとか、まさに。
新倉の元カレが言った「タチにみられやすいの気にしてた」ってセリフで、新倉への愛しさが爆アゲ。村田に可愛いとか言われるの、実はすごく嬉しいのかな〜と思うとニヤニヤしてしまう。

描き下ろしの同僚のセリフ、社内バレしてたって意味なのかな…うーんなんか言いようのない感情

スマホサイズで電子書籍読むとモアレが酷くて辛い

1

苦手だったはずなのに!!


pixivで読んだときに衝撃を受け、あまりにハマってしまったので購入しました。

表題作も同時収録も、どちらも良かった!けど、特に同時収録の『兄貴あれなんだったの』がとても、とても私の心を揺さぶったので、お気に入りです。

血の繋がった兄弟のBLって、私にはちょっと苦手だったのですが、pixivで無料だし~って読んだら、キュンとしたのでヤバかった。

自分の気持ちを自覚して、距離を取ろうとしてたお兄さん。
そんなこととは、知らずに距離を置かれてショックを受けて(なのかな?)、自分からも少し距離を置くようになってしまった弟が、昔兄にされたあることを思いだして、話は進んでいきます。

もう、すごくお兄さんの葛藤が良くわかるお話で、それなのに弟のほうは考えてるのか考えてないのか、お兄さんの側にいこうとしちゃって…

とにかく、とても素敵なお話でした。
この兄弟のお話、続きとかでないかなぁ…

2

自分的に、コミックのベストオブ兄弟

同時収録の「兄貴あれなんだったの」のみの評価になります。
作者様には申し訳ないのですが、私はこの作品が好きすぎて、表題作を一度しか読んでいません。

大好物な兄×弟、しかも同じ親のもと、同じ家で育った実の兄弟。
この設定だけで、ありがとうございます…! と拝みたくなりました。

今まで読んだ兄弟BLって、執着エロエロ病み系か、葛藤や禁忌というものを全部振り切ったコメディタッチか、でなければ恋愛なのか憧れなのかという半端なところでお茶を濁して終わるか…という感じでどこか物足りなく思ってました。

しかしこの作品、ヤンデレにも笑いにも走らず、兄として弟を好きになってしまった苦悩、葛藤、親に対する罪悪感などを、非常に真面目に真摯に、正面から描いています。
私が個人的に、兄弟BLに求めていた全てが詰まってる!

兄が弟を好きになること自体、普通じゃない。でもこういう真面目な普通の人がそういう感情を抱いてしまったら、きっとこういう風になるんじゃないかな、という感じで、普通じゃないことのはずなのにとてもリアルに思えてしまう。

苦悩と葛藤を乗り越えたラスト、静かで穏やかなハッピーエンドに胸が熱くなりました。

8

見た目も雰囲気も台詞も生々しい

 はなぶさ先生の作品って独特のローテンションで進むんですが、それが題材によっては非常に生々しく感じられ、癖になりそうですね。個人的に、これからどんな作品を描かれるのか、気になる作家さんの1人です。

◆めんどくさいけど愛してる(表題作)
 キャラクターだけでいうと、こちらの2人が好きでした。淡々としているのに、なんだかんだ元部下だった村田に優しい新倉が可愛い。彼が会社を辞めたのはもっと深刻な理由だろうと想像していたので、痔が原因だったのには笑ってしまいました。しかも、それをいい雰囲気になったところで伝えるのが最高ですよね。描き下ろしの村田の気持ちの変遷を読んで、キャラの魅力がさらに増しました。

◆兄貴あれなんだったの
 ストーリーはこちらの方がかなり強烈で、印象に残りました。ガチ兄弟もので、以前寝ているふりをしていた時に、兄の楽にキスされたことが忘れられないでいる弟の仁。掘り返さないでいて欲しかった楽ですが、仁は楽に置いてきぼりにされたくないがために、つい当時のことを問い質してしまいます。そこで関係が遮断されたり、逆に一気に縮まることもなく、本当に少しずつ兄弟がお互いを分かり合っていく焦れったい展開が良かったです。特に楽が、分かりやすく仁を可愛がろうとせず、最後までいろんな柵を考えながらいるところがとてもリアルで、台詞もすべて共感させられました。リアルさの濃い兄弟ものが読みたい人にはオススメです。

1

気だるさがたまらない

表題作『めんどくさいけど愛してる』、同時収録作『兄貴あれなんだったの』は
どちらも共通して、「なんかエロい」。です。
二人の間に漂う空気、目線、距離感、すべてがどんより湿った感じ。
あ~~難しい!でもそんな雰囲気がずっとこの本の中にはあって、
その気だるさに「ちょ、ちょっとこれ見ていていいやつ?」とドキドキします。
読み終わって、ちょっと片目開けてちらっと読んでまた閉じる。
いけないものを見ている背徳感が、詰まっています。

3

英数字さんワールドに引き込まれます

以前pixivで作品を上げていらっしゃったのを見て、英数字さんに一目惚れしました。今回大好きな作品が本になるということで、とても嬉しく、迷わず購入いたしました!
英数字さんの好きなポイントを3点挙げさせていただくならば、
①絵柄(目にハイライトがない大きさの顔の描き方が特に好みです)
②「好き」という気持ちだけで突っ走るのではない、ハイウェイというよりは手漕ぎボートのような、2人の歩み寄り方
③寒空の似合う、独特の空気感
「好き→だから付き合おう!」では済まされない、いろいろな事情の絡んだ生きた人間の恋が描かれていると感じました。

2

人間くささが刺さります

PIXIVで読ませて頂いて大好きになった作品です。2作品とも神です。
登場人物は総じてどこかしらめんどくさくて愛らしい人たちです。

表題作「めんどくさいけど愛してる」

仕事帰りヘトヘトになった村田がコンビニに寄ると、レジには元上司の新倉さんが。
何で辞めたんですか?俺のせいですか?あんなことしたから…(←飲みの席でキス魔になったこと)
ー違う、持病だ。(←座り仕事が辛い持病)
戻って来て下さい、とその後もコンビニを訪れる村田。新倉さんの気持ちは…。
2話目には持病の原因の新倉さんの元カレが登場。

短めですがテンポもよく読み応えもあります。
英数字先生の描かれる独特のキャラが本当に魅力的なんです!
村田の的外れな「浮気だ」発言、怒ってたはずがすぐ嬉しくなっちゃう感情の起伏。
新倉さんの内に閉じ込めきれないところ…どちらも人間くさくて大好きです。
なつき方や、エッチの時の癖など可愛らしくてキュンキュンしました。

同時収録「兄貴あれなんだったの」こちらの方が長いです。

ガチ兄弟、兄(楽)×弟(仁)です。地雷の方は仕方ないですが、私はすごく好きです!
昔はそれなりに仲が良かったものの、楽が段々冷たく接するようになり二人にはキョリがあります。
進学で家を出た楽が3年ぶりに帰省し、父親との飲みの席で彼女の話題に。
彼女なんているわけないと思う仁。
なぜなら数年前、楽は部屋で寝ている(と思って)仁にキスをしたから。
そのことを指摘すると、楽はすぐさま家を出て行ってしまいます。追う仁。

色んな要素が味わえます。
同性・兄弟の葛藤、一途な積年の想い、周囲からどう見られるか、親への罪悪感、引き返さない覚悟…
テーマは重いはずなのに、そうは感じませんでした。
仁と一緒の姿を他人に見られたら自分が弟を好きな奴だとバレるかも、と楽は思ってますが
…いやいや、普通に冷たい兄貴にしか見えないよ?とツッコんじゃいました。
楽の癖に対し、女の子は嫌がるから気をつけた方がいいという仁。
だって楽は女の子ともデキるし←めんどくさい!
そこで見せる楽の覚悟の示し方がまた!めんどくさい(笑)!
もうこのめんどくさい登場人物たちが愛しくて堪りません。
二人とも素敵に重いです。

ネタバレタグ付けているので言いますが、両方ハピエンですよ。

8

萌えどころは細々あるも、淡々としていて退屈

神評価のかぼちゃごはん様が書いてくださっている「起伏が多くてドラマチックな話がお好きな方には向いていないかも?」がまさに私でした…oh
地味系、というのとはまたちょっと違う。
終始「淡々と」したトーンで進む作風の作家様です。
最近っぽい感じ。低温系というか。

2カプ入り。
同時収録作(実兄弟)の方がページ数は多くて100ページくらい。
表題作(部下×上司)は60ページちょっとです。

「めんどくさいけど愛してる」は表題作のタイトルですが、どっちもこのタイトルでいけそうな感じの、恋愛のめんどくささを描いたお話2作品。
めんどくさいキャラ達ゆえの萌えポイントは多くって、細々とくすぐられます。

このトーンが合えばよかったのですけど、んー退屈さが勝ってしまったな…。

【電子】シーモア版:修正 白抜き+薄トーン(見た目はほとんど白抜き)、カバー裏表紙、背表紙、折り返し、本体表紙、裏表紙収録あり

2

お父さん

兄貴あれなんだったのをpixivで読み、単行本になったと聞いて購入しました
兄弟BLが好きなこともあり、pixiv一話当時から友人にオススメしまくってました。
しかし、一話と二話にだいぶ間があったのでずーっとモヤモヤしてて、これで終わりかなと思ったところの単行本!!!嬉しくて踊り狂いました
個人的に好きなシーンは、仁君が家をでるとき、お父さんが「楽を頼む」とだけ言ったシーンが一番ぐっときました
こういう二人の関係を見越して話をするのはお母さんのイメージでしたが、きっといろんなことを考えてお父さんはこの言葉を言ったんだろうな、不器用だけどとても優しい人なんだろうなと思いました。
BL本なのにお父さんのレビューをして終わります。

13

近くにありそうな恋

表紙とタイトルに惹かれて購入。
神は表題作での評価です。

受け攻め両方黒髪で地味目な顔立ちで、話は淡々と進みます。
起伏が多くてドラマチックな話がお好きな方には向いていないかも?

受けの新倉さんが「気持ちいいと笑っちゃう」と言ったシーンで謎の声が出て、別の日に攻めの村田さんが「今日いっぱい笑お」と言ったシーンで萌えすぎて身悶えました(笑
ちゃんとお互いが好きだから許せる台詞ですよね…素敵……。
このシーンだけでも買う価値がありました_:(´ཀ`」∠):_

二人の見た目もそうですが、職場や部屋の風景だとかやりとりがリアルで、身近にありそうで。
身悶えたあとは、ああ幸せそうだなぁ…とほっこり。


同時収録作は実の兄弟ものでした。
兄弟間の恋の話は好きではないのですが、濡れ場はほぼなくて心情描写メインだったので、抵抗はなかったです。
というかむしろ兄弟ものもいけるかも!と思うくらいでした。
兄弟ものでエロエロしてるのが苦手なだけかもしれないです。
読まず嫌いはよくないですね!

静かな、じんわりくる感じの話がお好きならぜひ!

5

めんどくせぇ…と思いつつも

なんとなく気だるそうな表情をした二人の表紙がとっても印象的。
それなのに開いてすぐの口絵ときたら!なにコレーーーー!!かわいいーーー!!と叫びたくなるようなホッコリとした二人でこのギャップにやられました。

【めんどくさいけど愛してる 前編後編】
年下ワンコ後輩×ゲイの先輩。
わんこが登場するんだけど、わんこ物語に多く見られるようなハフハフとしたテンションの高さはあまり感じられず、地に足のついたリアルさがあります。

受けは何かと「めんどくせぇ」と心で呟いちゃうんだけど、それが臆病さを隠しているというか一歩先に進んで厄介な事に巻き込まれたり自分が傷ついたりするのが嫌で、すぐに「めんどくせ」ですませてしまうテンションの低さがちょっと新鮮に感じました。
それがワンコに押し切られて「めんどくせぇ」と思いながらも自分のテリトリーを徐々に許していくところ、そして前の男と一緒にいるところを攻めに見られてあらぬ誤解を受けて口論になりかけた時、本当なら一番メンドくさい場面のはずなのに「めんどくせぇ」には逃げずに攻めの誤解を解くために必死で立ち向かうところがいいな。

一番の萌えどころは攻めの「あとでね めぐちゃん 今日いっぱい笑お」でした。



もう一つの収録作はガチ兄弟ものです。
ガチ兄弟ものは読めるようにはなったとは言え好んで読まないジャンルでして、そんな私がこちらについてあれこれ言うのは申し訳ないのであまり書きませんが、キラキライケメン兄弟によるBLファンタジー補正のガチ兄弟ものではなく、地味な一般的な風貌の兄弟なのでやたらとリアルに感じました。
そして終始、死んだ魚のような目をしているお兄ちゃんが言う「お前はさ、そんな簡単に会いに来れんだね」という一言に弟を愛してしまった兄の長年の葛藤と苦悩が凝縮されてて、この台詞に唸りました。

なお評価についてはガチ兄弟ものは加減せず、表題作のみだけで評価してます。

4

距離感のリアルさ

素朴な絵柄がとても気になっていたので購入させていただきました。

『めんどくさいけど愛してる』
勤務していた会社を辞め、コンビニで働く日々の新倉は
部下だった村田が偶然店に訪れ、
それからというものしょっちゅう会いに来るのですが
村田には以前会社の飲み会でキスされた事があり…。

新倉、とにかくフツメンな感じがとても良いんです。
若いながらもリーダーを任されていただけあって、
面倒見はいいし気遣ってくれる…こういう存在が職場には必要ですよね。
そんな彼はゲイで、実は村田のことを可愛く思っていたわけですが
そりゃノンケはダメだと思っちゃいますよね…。
いくら一度酔ってキスしてくれたからって、その先なんて期待できませんものね…。
ちょっと表情が読めない新倉がまたある意味魅力でした。

ノンケのわりにぐいぐいくる村田、単純で確かに可愛いですww
新倉の元カレに嫉妬して、必死になるところとか
携帯の登録を“めぐちゃん”にしちゃうとか
甘えただけど甘やかしてくれそうなところがズル可愛いかった…。

新倉はよくめんどくさがるんですが
そこまで面倒な気はしませんでしたけど皆さんはどうでしょうか(急に問いかける)
恋愛自体相手がいる事なので多少面倒かもですが、
やっぱり幸せを感じるじゃないの…、いいな←

『兄貴あれなんだったの』
仲が良いとは言えない6歳離れた兄弟の葛藤と距離感がリアル!
6歳違うと、10代だと同性でも異世界でしょうから
どんどん手が届かなくなりそうな兄に寂しくなる弟が切ないです。
でもそんな兄が自分の寝顔にキスしてきて
ぐるぐる悩んで苦しくて、平然とした兄が小憎らしくて…。
兄の方がずっと気持ちを抱えて悩んでツラくなっているとは知らずに。

どうにもならずに離れたい兄、もう置いていかれたくなくて縋る弟。
どちらの気持ちにも共感してしまいました。

覚悟を決めてからでも不安はきっと拭えないけど
傍にいられるなら何にだって耐えられるのでしょうね。

絵柄もお話も好みです。
が、目の焦点が……って思うところがたまにあって
なんとなく気になってしまって、すみません!!
でもホント、好みなんですよ!!

5

リアルかつセンシティブ

初めて読む作者さんの本で、2本の中編が収録されていました。

表題作はサラリーマン同士のお話。ノンケの部下×ゲイの上司、というカプです。

元部下と上司の関係ですが、作品が始まった時点で受けは会社を退職し、コンビニでアルバイトをしています。その退職が、キス魔の攻めが飲み会で受けにキスした直後だったので、攻めはもしかして自分のせいで辞めたのかも、とずっと気にしていました。そして偶然コンビニの店員と客として再会する、という流れ。

派手さはなく、どちらかといえば淡々とした作風です。でもとても面白かった。絵もシンプルな線で地味目ですが、味のある綺麗な絵でした。
キャラクターもすごく良かったです。特に攻めが可愛らしかった。これはいい年下攻め…! 受けの元彼と出くわしたときの「浮気だ!」がアホ可愛くてきゅんきゅんしました。
受けはツンデレと飄々の中間くらいの性格の、ちゃんと攻めのことが好きなんだけどあまりデレない人。割と冷静に攻めのことをあしらっているのが面白かったです。


同時収録作は6歳離れた兄と弟のお話でした。表題作よりページ数が多く、読み応えのある中長編です。
ある頃から自分を構ってくれなくなった兄に対し、拗ねてこちらも冷めた態度を取っている弟。あまりに相手にされないのが悔しく悲しい、でも昔一度だけキスされたことがあって…というややこしい関係です。

カップリングは兄×弟。弟が好きで逃げ出した兄と、兄を追い詰めて怒らせる弟。シリアスな兄弟ものがお好きな方には楽しめるのではないかと思います。背徳感も程よくて、あと体格差の大きいカプなので体格差萌え属性のある身には眼福でした。


一冊通してエロは少ないです。でもリアリティと説得力のある、じっくり読ませる話でした。
次回作も大変楽しみです。

6

最近読んだ中で最高

最近読んだ中で最高でした。
モノローグやセリフがうまい作家さんが好きなのですが、この作品もドンピシャでした。

表題作はノンケ後輩×ゲイ先輩。この受の素っ気なさとドキッとすることを言う塩梅が凄く良かったです。デレが透けて見えるツンが好きではない(こんなこと言う甘えた人現実にいたらヤダなと思ってしまう)のですが、
コトに及ぶ際に少し目をそらして「キスして」って言うシーンにはとても…キュンとしてしまいました。
2作目は兄にキスされたことを悩む弟の話。
兄の諦観のにじむ目つきにやられました。全体にあまりウェットな場面がなく、そうそう男子ってこんな感じ!とリアルで良かった。
弟が大変健気で、何考えてるか分からない兄にいつか嫌われるんじゃないかと不安になっているのが可愛かった。これはお兄ちゃん我慢するの大変だわ…と思ってしまいました。

全体にイチャイチャしたり笑ったりするところが少なく、男性同士の恋愛の難しさ(乱暴にして痔になるとか、遅漏とか)をしっかり描いているこの感じ、
ものすごく好きでした。リアルめなお話好きなら読んでいただきたいです。

11

この作品が収納されている本棚

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