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小説
こちら、分冊版も電子では発行されているのですが、ぜひ、中の作品すべてを知らなくても、手に取っていただきたいくらい素晴らしかったです。
私はパブリックスクールの番外編が読みたくて、先にエド視点の方だけ購入したのですが、そちらがとても良かったので、もっとこの世界観に浸りたくなりこちらも購入しました。
レビューはパブリックスクールだけになります。
さて、ギル視点のこちら。
本音を言うと、私はギルのことが嫌いだったんですよね。
礼のことを虐めてたのに都合よすぎじゃない?って。
ごく稀に、虐めてたり酷い態度をとっていたのに、なんのわだかまりもなく登場人物との仲が戻って友情に発展したりするじゃないですか。
樋口先生の作品はそれが結構多いですし。
物語の中ではあるあるですよね。
健気受けの子の作品では顕著というか。
でも、私はそこがどうしても受け入れられなくて。
どんな作家さんの作品を読んでも、そういう話になると最後まで引っかかってしまうんですよ。
なんですけれども。
それがもう。
覆って覆って、ギルのことが大好きで愛しすぎてたまらなくなりました。
ギル。ギルよ。
なんて、切ない愛を胸に抱いていたんでしょう。
エドは物語の主人公だったから、礼と幸せになれた。
待たざる者と、持って生まれた者の、違い。みたいな。
こういう、影で長年ずっと、報われない想いを抱いているキャラクターが好きすぎてたまりません。
報われないくせに、人が好きなんですよね。
自分は理解されないし、気付かれない。
それなのに人の機微には気づいてしまうし、愛してもしまう。
なんて損な役回りなんだろう〜〜
そして、ギルの、エドに対する尊敬の念と愛情。
それと、礼だけに向けられた本当の恋心が切なくて。
礼に対する気持ちは、存在を認めて貰えたっていうもう大きすぎる根本があるからで、どうあっても覆らない愛情なんですよね。
そして、かわいそうなエド、と言ったように、ギルはエドのことも愛している。
愛しているのを知られなくてもいい、と思っているくらい、愛している。
だからこそ、自分は報われなくても、エドと礼を思っているし、多分この先も思い続けるんでしよう。
お前のことも悲しませたくないんだよ、エド。と胸中を明かしたギルが愛しい。
本当に心が温まって、けれどしくしくと疼いて、切ないお話でした。
今回はギル視点のはっきりいって当て馬に相当する登場人物が主役ですが、当て馬の胸中を深く知られる作品があんまりないって、とてもとても勿体ない気がしてなりません。
長らく本棚に眠ってて漸く読めました。
読んでから時間が経過した作品もありましたが、夢中だったころを鮮明に思い出しました。
まず「DEADLOCK」番外編の「Starry night in Arizona」ですが、こちらの作品だけは購入当時に読んでました。
ユウトが義母のレティと異母妹のルピータにディックを恋人だと紹介する為にアリゾナ州のツーソンに行くお話で、ルピータの拒絶とかレティの寛容さとか星空の下でのディックとユウトのセックスが印象に残った作品でした。
ユウトがディックを2人に紹介すると決めるまでの流れもとても素敵なお話です。
そして私と相性が悪い「毎日晴天!」の番外編ですが、やはり今回も狭い人間関係の中のトラブルを勿体つけたようにこれでもかと引っ張ってました。もうシリーズを追うのはやめたので、アンソロジーとかバースデーフェアでしか読むことが無いです。
それから最近とても続巻がいつ出るかと気になっている「守護者がめざめる逢魔が時」の番外編です。実は3巻まで読んで6巻までは本棚で眠ってます。でも7巻が最終巻とレビューにあったので、7巻が発売されるまで読むのを待つ事にしました。
さて内容ですがゾクゾクする恐ろしさの中に、登場人物達のセリフにニヤッとしてしまったりとファンには堪らないお話になってました。
あの初登場だった彼のその後が気になりました。
唯一この中で本編を読んだ事が無い作品である「FLESH&BLOOD」ですが、バースデーフェアでの番外編もですが、本編を知らなくても面白いのが凄いと思ってます。読みたいなと思って調べてみたら何と24巻まで出てて、まだ続いているようなので諦めました…。
CDの数も多く凄い人気ですね。
最後に大好きな「パブリックスクール」です。
ギル視点のお話でしたが読んでいるうちにギルが過去にしでかした事を思い出しながら、あの時そんな事を思っていたのかとしみじみ感じてしまいました。
礼がイギリスに来なかったらエドと自分はどうなってたんだろと考えるギルの思いにウルっと来ました。礼に出会うことによって人間が好きだと気付けたギル、ここにも礼によって人生が変わった人物がいました。
この番外編ではまだ礼はイギリスに行く前のお話で、エドと礼は遠距離恋愛中です。
ギル視点でエドがどんなに孤独の中を頑張って来たのかが語られていて、そしてエドと礼の唯一無二の愛がギルによって語られているのに感動しました。
樋口先生すごいなぁと思いました。
「パブリックスクール」って番外編でも良いからずっと続いて欲しい作品のひとつです。
作品の内容は他の方々へお任せして…
Flesh&Bloodの扉イラスト 本当に彩先生???
23巻位から あれれって感じでしたが
今回のは ひどい…
顔からして 全く違うし
衣装も初期の頃の丁寧に描かれたものとは
比べ物にならないくらい 素人レベル
洋服の書き方がこんなに劣化するなんて
この扉は他のイラストレーターに頼みましたって
言われた方が 納得するほどの仕上がりです
表紙の円陣先生が素晴らしいので
なんだったら全ての扉を円陣先生にお任せしても
良かったのではないでしょうか?
(たまに円陣先生もやっつけ仕事?ってときありますが)
表紙が素敵すぎて…イラストはもちろんデザインも素敵です。
買って損はない一冊だと思います。
内容は他の方が書かれているので感想を…。
樋口さんと松岡さん目当てで買いましたがどちらもよかったです。
そしてやはり英田先生がお上手でした。ラストがじんわり。やっぱりいい!
どなたかの作品を読んだことがないという方にもオススメします。
こちらから入るのもアリかと。
アンソロジーらしいアンソロジーで大満足でした。
ありがとうございます。
アンソロジーと言うと、幾人かの人気作家さんで釣るパターンが多いと思います。蓋を開けて見ると、お目当ての漫画家さんは2ページしか無かったと言う悲劇も、(私の)過去にはございました。
しかし、こちらは錚々たるメンバーが並んでいます。作家さんも豪華なら、イラストレーターさんも豪華。それぞれ、60P~70Pくらいと、ページ数もちゃんととられてます。
また、B6判に凝った装丁と、出版社さんの本気度が分かる丁寧な作り。企画段階から、かなりの力が入ってるんじゃないでしょうか。
以下、個人的に既読で好きな作品のレビューです。
『Starry night in Arizona』「DEADLOCK」番外編
ユウトがロブに背中を押され、義母であるレティシアにディックを紹介するため、アリゾナを訪れるお話です。
同性の恋人を家族に会わせるという、ややもすればセンシティブになってしまう内容です。
しかし、しかしですね、ディックの愛が深い!ディックの愛が深いのです・・・!!
この二人の場合、どちらの愛情がより深いと言う事は無いと思うのです。二人とも、それぞれ深い愛で互いを想いあっている・・・。
しかし今回は、ディックの愛の深さに感動する事になります。
愛情深いレティは戸惑いながらも受け入れてくれますが、お兄ちゃん大好きなルピータは結構な反発。そんなルピータに対して、ディックの告げる真摯なセリフがもう良すぎる・・・!これまでの二人の軌跡なんかもありありと思い出されて、思わず涙が出てしまいます。
恋人が好きすぎてヘタレ気味なのに、決める所ではバシッと決めてくれる男・ディック。その深い愛にうっとりします。
その後は、星空の下でのロマンティックなエッチ。ユウトもなかなか大胆になったものです。
短編であるのに、しっかりとした読み応えに大満足な作品でした。
『コペンハーゲンから愛をこめて』「パブリックスクール」番外編
ギルバート視点でのお話になります。
現在のエドと礼の関係や、ギルの秘めた片思い。礼と出会った当初からを振り返ったりしながら、彼の気持ちが語られます。
こちら、萌えの宝庫となってます。過去の話にはしんみりさせられたりするんですが、彼から見た現在のエドがかなりの色ボケっぷり。礼に対しては冷静な判断がつかず、アホな事をしては礼を怒らせたりしてるんですね。過保護もここに極まれり、て感じでしょうか。エドをここまでアホにしてしまうのだから、「本気の恋」と言うのは恐ろしいものでございます。
ほんと、恋人の機嫌が心配で仕方ないエドには笑わせてもらいました。礼の怒りも分かるのですが、恋する男はバカだと言う事を踏まえて、早く許してやって欲しいものです。
あと、ギルの「想い」にはしんみり。彼も幼かったのですね。「あの時こうしていれば・・・」という過去の後悔が痛いです。でも彼もまた、深い愛情の持ち主なんだなと思わせる、ちょっぴり胸が疼くようなラストでした。
『赤毛の預言者』「FLESH&BLOOD」番外編
どうでもいい話ですが、「B」を打ち込むとすぐ「BL」と出てくる私のスマホ。私のスマホの予測変換はかなり危険な事になってます。
こちら、ロバート・セシル視点での、カイトが牢獄に入れられた前後での話になります。ジェフリーやナイジェルがカイトを助ける為に奔走し、釈放されたカイトとロバートが顔を会わせ-・・・といった内容になります。
第三者の目で見た三人は、こんな感じなのねと言う新鮮さはあるものの、あくまで第三者視点なので萌えは少な目。
ただ、ロバートに対しては聡明で少し神秘的ですらあるカイトが、ジェフリーの前では途端に恋する少年になっているのが可愛いです。
あと、ナイジェルのヤキモチ焼きぶりにも萌えました。カイトに対しては、彼も形無し(笑)
個人的に、ジェフリーとカイトが結ばれて良かったと思うのと同じくらいの強さで、ナイジェルとくっついて欲しいと思ったりもしてるのです。
お値段はちょっとお高めですが、個人的にはその価値が十分あると思えるアンソロジーでした。最後になっちゃいましたが、創刊20周年おめでとうございます!!