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表題作旭光に抱かれて眠れ

旭匡尚, 陸自特殊任務隊の新人, 33歳
秋元菊雄, 陸自特殊任務隊のスカウトマン, 35歳

その他の収録作品

  • あとがき 水原とほる
  • あとがき 兼守美行

あらすじ

陸自の特殊任務隊に所属するストイックで秀麗な秋元。
数年前の実務任務の怪我で足を負傷し現役を退いて以来、才能ある人材のスカウトマンだ。
今度のスカウト対象は、総務大臣の私設秘書兼SPに就く旭。
旭に協力を頼むと、思いがけず入隊の条件として秋元の身体を求められた。
逸材を手に入れる条件として身体を差し出すことくらいなんでもないこと。
抱かれるのは一度きりのはずだったが、最初の任務ののち、ふたたび旭に身体を求められて――?

作品情報

作品名
旭光に抱かれて眠れ
著者
水原とほる 
イラスト
兼守美行 
媒体
小説
出版社
海王社
レーベル
ガッシュ文庫
発売日
ISBN
9784796410496
3.1

(16)

(4)

萌々

(4)

(2)

中立

(3)

趣味じゃない

(3)

レビュー数
5
得点
45
評価数
16
平均
3.1 / 5
神率
25%

レビュー投稿数5

甘くない!

こんなに甘さから遠いお話を読むのは久しぶりでした。
でも楽しかった~。
水原先生の作品ではお馴染みの流血ですが、流血というか、結構エグい拷問シーンがありますので、苦手な方はご注意を。

国防のための特殊部隊。隊員スカウトマンが受で、その受にスカウトされたうちの一人が攻となります。
彼らの暗躍が物語の軸となるのですから、甘くなるわけがありません。

ただ、BL作品としてはハードな内容ですが、読みやすいです。起こる事件が、あまり複雑ではないから、かな。
登場人物みんな、ひとクセもふたクセもある連中で、キャラが立っているからこそ、もったいないと思いました。
どうせならもっとその個性を活かすべく、事件に深みをもたせたほうが良かったのでは。
うーん、もったいない。

0

愛は「居場所」。護国の鬼としての場所で…

自衛隊内の特殊部隊のお話。
だから、ある意味ハードボイルドで硬派で、甘さよりももっと生に直結した欲求のような行為。

主人公は元特殊部隊員で、ある事故により負傷し後方支援に退いた秋元。
特殊部隊においての後方支援とはすなわち、より地下に潜る事。
「秋元」というのは偽名。
もはや元の名、生まれた時の自分は葬られている、ということ。
秋元が担当しているのは、特殊班のメンバーのスカウトと、メンバーになった後のフォローなど。
そして今回やっと眼鏡に叶った男が…
それが現職総理大臣の私設秘書である旭。
旭は、ごく真っ当で、正常な常識・正義感・愛国心・忠誠心を持つバランスの良い人材。
…という事でのスカウトだったのだが…
…と始まります。
クセモノ揃いの特殊班の中での重し、幹部候補としての採用ではあったのだけど、旭には旭のゆがみ、闇があって。

彼ら特殊班の初仕事は、テロ計画の事前壊滅。
特殊班ですからね。何をしても良い。殺人も。
というわけで、容疑者の拉致、拷問、抹殺、証拠隠滅…本当にやります。
拷問場面はすごい。
そして、本当にこういう部隊が日本に存在しているのかもしれない…と感じるようになってくる。

さて、カップリングは旭x秋元な訳ですが、旭は決して年下わんこではなく、部隊に入る条件として抱かせろ、と迫るような強気で狡い面も持ち合わせてる。
一方秋元は美しき上官ですが、彼は彼で世間一般の「愛」を知らず、旭との情事には意外と甘さは無いです。ただし秋元には知られざる「過去」があって。
ラスト、旭との時間に自分の戻らない過去、失くした名前、手の届かなかった愛のようなものを再び見出すような、そんな秋元の姿に重い読み応えを感じました。
ちょ〜っと右っぽいけど…おすすめです。「萌x2」。

1

自衛隊特殊部隊


国の防衛のために法に縛られない活動を行う自衛隊の特殊任務隊のスカウトマンと新たにスカウトされた政治家秘書の話を中心に特殊任務隊の活動を描いた話。

先の訓練における事故で一線を退かなければならなくなった秋元(受け)は除隊後、名を捨て再び自衛隊特任部隊のスカウトマン及び後方支援という仕事につきます。
今回のスカウト対象は政治家秘書の旭(攻め)です。
他に選択肢のなかった今までの人材と違い、一般に近い感覚を持ち、他の選択肢もある旭でしたが、長考の結果、秋元を「抱いてみたい」という条件でスカウトに応じるのでした。
初期訓練も終わりほかの隊員との合流を果たしたころ、過激派の不穏な動きを察知します。


繋がっているわけではないと思いますが、やはり国のために命をかける「ヘプタゴンは微笑む」に似た雰囲気の話です。ただ、こちらのほうが自衛隊の特殊任務隊ということで目的のためには何をやってもよいのでかなり血なまぐさいです。
所属する隊員たちも一般人とは一線を画す心に何かを持っている人たちばかりです。
刑務所に収監されていたハッカーの江島と元やくざで射撃が得意な周防。
自衛官で常に自分を追い詰めないと気が済まない草薙。
元傭兵で拷問が得意な伊井先。
今回スカウトされた元政治家秘書の旭。
そして、元秋元の直属の上司で秋元と同じく傷を負い一線を退かなければならなくなった特任部隊統括者の有馬(彼は過去秋元と関係がありました)

テロ犯との攻防が続く中、秋元と有馬が一線を退くことになった事故から3年。
ようやく前へ進もうとすることができるようになった二人。前へ進もうとする秋元と二人の関係を再構築しようとする有馬。
旭がこのタイミングで秋元の前に現れたのは運命でしょうか。

クライマックスでは本当に手に汗握り、引き込まれるように読みました。とても面白かったです。ただ、P270余とちょっとページ数が多くなってしまってからか最後が駆け足になってしまったような気がしました。
一般人に近い感覚を持っているため、非情な命令を即座に実行できないという弱点が見つかった旭でしたが、最後自分の行動についてちゃんと考えることができたのだろうか。これについての言及がなかったのがちょっと気になりました。
また、秋元の旭に対する気持ちもすっ飛んでしまったように感じました。初めは条件を飲む形で、2回目は交渉の結果ということになっていますがその部分は省略されているため嫌々ながらにしては理由が弱いように感じましたし、旭が部屋へ訪ねてきたときはそんな理由で部屋を教えたのかと驚きました。もう少しわかりやすかったらよかったのだすがちょっと秋元の複雑な心はちょっと理解しづらかったです。
心に傷を持ったもの同志な上、平和な日本の国防において一番汚いところを担当する二人にはちょっとでも甘い雰囲気は無理なんでしょうかね。

基本、やくざとか軍隊とかの暴力や薬などが日常化している世界の話は読まない
のですが、今回は自衛隊ということで薬や理不尽な暴力はないだろうと思い読みました。が、拷問は結構リアルでそこそこページを割いていました。私は主人公が傷つかないなら大体のことは許容範囲なので全然大丈夫でしたが、苦手な人もいらっしゃるではと思われます。

イラストはとても綺麗でした。ただ、秋元はとても美人でしたが、旭は大柄でがっしりした印象だったのに(たとえ着やせするタイプだとしても)思ったより貧弱に感じました。

2

ガッツリ陸自ものでも萌えることも出来るものなのね★

作家さんが好きで、衝動買い。
購入後にあらすじ読んで、自分の好きな自衛隊ものがきたので
やったー!と張り切って読みはじめ…。
気付いたら読み終わってるし、自分はまだこの本の世界観の中にいるし…
で、好きな人にとっては堪らない1冊だと思います。

任務で足を負傷した事で、特殊任務隊のスカウトマンとして生きることになった
秋元(受)。
この秋元、受けさんなのにかっこいい。綺麗なんだけどかっこいい。
本当に国の為にを信条にしていて、名前を捨て偽名で働くほどに。
そんな自分にも厳しい秋元が見出したのが後々攻めさんとなる旭、
年下の割に落ち着いていて求める素材としては申し分ない、陰もない、SP。
他のメンバーである、元ヤクザ・元ハッキング犯罪者・癖のある自衛官2人
と、普通じゃない何かを背負ってる人達ばかりの中に入り
ガッツリ訓練・実践を繰り返し、国の存亡に関わるある事件に
立ち向かうことになるのですが…。

と、一見まともな旭が訓練やらをしていく中で受けさんを好きになるお話
にも思えますが、旭も今は陰がないだけで結構な変わり者。
むしろ終わってみれば、人として1番厄介な性格をしてるかも。
あとは、描写としては2度ある被疑者の拷問シーン。
本当にエグい。グロい。想像してしまうから更に怖い。
でも読まなゃ良かった…とは後悔しないほど、話の内容として必要な要素なんですよね。

水原とほる先生の作品は、本当に独特ですよね。
後味が怖いものが多く、下調べが凄いされてるんだろうな…と、分かるほどの
しっかりした内容で。
例に漏れずこの本も、読まなければ分からない世界観なので
是非読んでみてほしいな…と思います。
甘くはないです。甘々は露ほどもありません。
ですが、リアルなBLってこんなかな?と思えるものだったので、
現実的なお話を好まれる方にはぴったりかと思います(^^)★

7

ハード

表紙買い。SPという言葉があらすじにあったので、わくわくしたのですが、普段甘いものを読むことが多い私には想定以上にハードでした。日本舞台であることで余計リアルに感じられ、ちょっと怖かった為、先生申し訳ありません、中立です。本編270Pほど+水原先生のあとがき+兼守先生のあとがき1Pです。
日本舞台のめっちゃハードなお話を求めている方にはオススメできます。

お話は陸上自衛隊の特殊任務を行う部隊のチーム編成まで110Pほどと、ある任務遂行のお話となっています。その部隊の構成要員として受けにスカウトされたのが総務大臣私設秘書をしていた攻め。攻めはそのスカウトに応じたのですが入隊にあたって出した1つの条件が、受けを抱いてみたい ということで、受けは攻めが部隊に必要だと考え、合意にいたり・・・と進む、めっちゃ硬派に感じるお話です。くすっと笑う所も泣く所もなかったです。

挿絵情報:カラー口絵なし、モノクロ7枚(何回も数えたんだけど)、濡れ場は1枚のみ。戦闘服っぽいものはほぼ無く、スーツが多めでした。受けがスカウトする側だからかな。

攻め受け以外の登場人物
部隊は5人で攻め以外の4人は、元ヤクザな犯罪者1(狙撃の腕がいい)、ITオタクでハッキング行為により犯罪者となったもの1、自衛官2名(うち1名は元傭兵、拷問得意)という特殊任務のために一芸(?)に秀でた人間を集めています。

********************* 以下は より内容に触れてしまう感想

元ヤクザ、ITオタクまでは許容範囲でしたが、元傭兵が拷問系でコワレていて、許容不可でした(泣)。先生、なんかの信念を持ってお書きになったのか と錯覚してしまうほど、怖かったというか、真剣に考えちゃいました、安全はタダではないということについて。そのため萌は減ってます。
攻め受けですが、受け視点のため、受けは印象に残るのですが、攻めが今一つ印象弱く(ワンコっぽいのですが)、元カレ?な上官(渋めおっさん)が印象残りました。このおっさんと一杯呑みたい。

外国舞台や時代が違っていたなら、まだ受け入れられたと思いますが、最近の情勢を鑑みるとリアルに感じられすぎて怖かった1冊でした。

6

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