電子限定SS付
今回は初恋大パニックの編集だった小宮山の担当する作家、音ノ瀬が前作にも出てきた鈴木に食われちゃうコメディですね(笑)
とは言え、この音ノ瀬の性格がややこしくて(そういや、前作の壮介もややこしかったですが)サラリーマン作家でヒット作はまだ無し。いつかは売れっ子になりたいと思いながらも才能が無いと思っていて。壮介と鈴木の二人をこっそりやっかんだりするんですが。
この音ノ瀬の発想が面白い!ゲイバーで誰でもいいから童貞を捨てようとしたりするとこなんて…鈴木が居てよかった。
ネタも鈴木が拾って広げると本当に面白いネタになっていて、、、、最後は共同作の漫画になってるし。
実際、ストーリーはコメディタッチなんですが、普段はおちゃらけていて、根っからの明るい奴風な鈴木の実は真面目に音ノ瀬のことを考えていたりするところは、グッと来ちゃいました。鈴木ってもっと今どきな適当に遊ぶ奴ってイメージが前作であったので。
しかし、ところ構わず書いちゃうところはどうなのか?!
小鳥の挿絵にはわらけました!
なんだかあっという間に読み進めてしまって、楽しめる作品でした。
「初恋大パニック」を読んで、スピンオフがある事に気づき、早速読みました。
前作に出てきた人気漫画家鈴木と、コンプレックス拗らせ作家正信のお話でした。
鈴木はチャラいバイセクシャル漫画家っていう印象でしたが、高身長でイケメン、売れっ子漫画家というかなりハイスペなキャラ設定に加えて作品のインスピレーションが降りてきたら、何処にでも漫画を描きまくるという風変わりなキャラクター。対する正信は被害妄想多めな面倒くさいキャラクターでした。
この2人がどうやって?この2人がくっついて萌えるのか?っていう不安もありましたが、完全に杞憂でした。
2人ともちょっと変人キャラなので「どーしてこーなった?」っていうすれ違いもありましたが、そこもまた愛嬌で面白かったです。
壮介と旭もしっかり作中に出てきますし、短編の「初恋バーニング」は2人のお話なので、前作から読んだ方が絶対楽しめると思います。
この作品も軽い読み応えというか、気軽に読めますが、濡れ場は割と濃い描写ですし、裸体にお絵描きなどといいう特殊プレイ(?)もあったりと淡白に収まらない作風が良かったです。
月村先生の過去作品探索中でこれは2018年刊。「初恋大パニック」に出てきた人気漫画家鈴木先生のお話です。月村先生のお話、好きなのが多いですが、これはなぜか読み返し回数が多いです。軽やかな人気漫画家さんと苦悩する小説家さんのコメディよりなお話、本編220P超+「初恋大パニック」のSS、19P+秋平先生のコミック2P。是非「初恋大パニック」とセットで。
会社勤めの傍ら、小説を書いている音ノ瀬(木村)。新しい担当とプロットの打ち合わせのために会社帰りに編集部を訪問したら、大好きなコミックを描いている漫画家鈴木と、驚異の小説を書いた藤原と新しい担当の小宮山が仲良さげにしていて・・・と続きます。
攻め受け以外の登場人物は
藤原(初恋大パニックの攻め)、小宮山(受けの担当、藤原の恋人)、ナナ(攻めの飼い猫)ぐらいかな。
++ 好きだったところ
前作から、攻めが軽いなあと思っていたのですが、今作もとっても軽やか、宇宙人レベル!今作で、色々経緯あって、そうなったんだというのが分かるのですが、最初からなぜか嫌味無くとても好きだったんです。アイディアが降りてきたら我を忘れて集中するところや、楽しんで描いている様子に「the プロ!」と感心するからかな。
受けは、最初悩める作家。ヒガミも入ってややこしそう・・と思っていたら!あることをきっかけに「うわあああああん」と泣いてしまって、そこを攻めがナチュラルに慰めてあげて、「可愛い!!!!」とツボってしまいました。しくしく泣く受けは得意じゃないのですが、鬱屈としていたものが吹っ切れた様子だったからかな。良い泣きっぷりで、とても好きでした。
吹っ切れた受けの小説は売れそうだし、攻めと受けのコラボ本も売れそうだし、創作活動、楽しんで頑張っていってほしいな・・攻め受けのコンビ感、前作のカプとも合わせて4人で、とっても良い感じでした!軽やかで良い!
『初恋大パニック』に続けて読みました。めちゃくちゃ楽しい時間でした。こちらがより好きです。スピンオフというか、わりとがっつり続編だと思います。前作を読んでたからこその面白さなんですけども、こちらがよりより好きです。
受のまーくんは自分も社交辞令を上手に繰りつつ相手の真意をうがって捉えるので、社交辞令は通じて本気が伝わらない。鈴木先生とまーくんのズレっぷりはアンジャ●シュかてほど。まーくん的にはぐるぐる悪く悪く捉えてしまってるのに、悪い方向が明後日過ぎて笑ってしまいます。物語の根っこが明るくて、切なすぎる方向へ行きません。まーくんと鈴木先生の性格によるものなんでしょうねぇ。
恋によって創作のモチベーション上がってる二人なのもとても、読んでいて気持ちよかった。
そしてそんな二人のえっちはゆるゆる甘くてとろとろですごいえっちでした。ボディペインティングなランジェリープレイあり、鏡プレイあり、鈴木先生のペン先に感じるまーくんにのたうち回りました。えろい!!可愛い!!
秋平先生のオマケ漫画でも亀甲ペイントされていて、鈴木先生イロイロ楽しんでるなぁて垣間見えます。肌に入った油性ほんとに落ちないので水性にしてあげてください。
そして、前作が好きな方にも、壮介くんと旭さんがお話にもかなりしっかり関わってくるのですごくおすすめです。
旭さんの編集社交辞令や大人な対応がまーくんにはすごく効くことや、旭さんのソツのない敏腕ぶりが本編よりずっとよくわかります。ご飯食べ損ねた表現、アレどこでも使ってるのはよくないなあ!ww
そして壮介くん、相変わらず誤解を招く言動だけど、スーツに社員証のまーくんが眩しかったり、褒め言葉で「美人」と「名刺交換が上手」が同等だったり、一般サラリーマンへの憧れがダダ漏れていて可愛さが爆発していました。
さらに、壮介&旭で本編よりえろえろなワンコえっち短編が入っているので、やっぱり続編だよなあて思います。
この、前作の続編を別の書籍に入れるっていうの、手法なんでしょうねえ。このお話はかなり続編だから抵抗もなくお得感のみでしたが、いつも、ズルいなあて思っています。
買いますけど。カモな読者なので。
こんなの入れましょう、とか、編集部での打ち合わせ想像してしまう。
秋平先生の、漫画のラフのような扉絵が、それぞれのCPともほんっっとに可愛く幸せな顔をしていてずーっと見てられます!まーくんたち猫CPと壮介くんたち犬CP、わかる!!
楽しい続編で何度も読み返してます。
電子化を待っていまして、やっと読めました。
『初恋大パニック』のスピンオフ。
またしても『才能への嫉妬』が書かれています。
いや、これが面白くも恥ずかしい。
自分のことを書かれている様で、いやー恥ずかしい、恥ずかしい。
「才能ってエキセントリックなもの」と思い込んで「平凡じゃダメだ」って思っていたことはありませんか?
このお話の主人公の木村正信くんは当にそれ!
小説家としてデビューしているということは、ちゃーんと力があるはずなのに、その思い込みのせいでわざと明後日の方向に物語を進めてしまうんです。
自分が好きなのは一般受けするお話なのに、その事も大っぴらに言えなくて、昔から大ファンだった鈴木一太郎くんにも「大ファンです」と言えない……くだらない自尊心だって分かっているのにですよ。
この辺がね、まるで自分の事の様で恥ずかしいんです。
でも、笑えるの。あまりにも、良く解るから。
月村さんはコンプレックスを抱える登場人物を書いてきた作家さんだと思いますけれど、ある時期から、そのコンプレックスの『痛さ』の質が変わって来たような気がするんですよ。
私は月村さんが「それでも大丈夫」と言ってくれている様に思えるのです。
優しい!
今回、特にそう感じました。
ものを作る姐さま方に是非読んでいただきたい一冊です。