• 電子書籍【PR】
  • 紙書籍【PR】

表題作たちまち、おちる

佐藤和志、元人気ネコ男優・通訳者、25
間野永路、性欲減退気味のAV監督、34

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

テレビ制作や舞台関係など幅広く活躍しているAV監督の間野は、ほぼ勃たなくなっていた。
とはいえ、当面使うアテもないし気にしてはいない。
そんな折、新しい舞台の仕事で、6年前にネコ男優として人気がありながら突然引退した佐藤と再会する。
小柄で可愛かった佐藤は長身イケメンに育ち、すっかり面変わりしていた!
しかも実はバリタチで、昔から間野が好きで押し倒したかったと告白され、
エロ技(テク)で懐柔されてしまい――!?

作品情報

作品名
たちまち、おちる
著者
栗城偲 
イラスト
街子マドカ 
媒体
小説
出版社
海王社
レーベル
ガッシュ文庫
シリーズ
stand up, please!
発売日
ISBN
9784796410762
3.3

(19)

(1)

萌々

(8)

(7)

中立

(3)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
6
得点
61
評価数
19
平均
3.3 / 5
神率
5.3%

レビュー投稿数6

再会もの 育ちすぎたプードル

「stand up, please!」「美味しいオカズをいただきます。」の関連と、あとがきに有ったので読んでみたい。

昔、食事を奢った元ネコ役アルバイト 叶夢・・と、数年後に舞台の仕事で再会。長身の美形の通訳になっていた。

間野は、佐藤の攻めを断り切れず、絆され落ちてしまう。
ノンケの筈が何故?、と自分の今に納得いかない間野の葛藤が面白かった。
悪党が登場しない、気持ちよく読めるラブコメ


間野永路:大学の演劇が切っ掛けで、制作や脚本、助演を手掛ける
副業のAV映画で、綺麗な撮影だと女性にも人気の監督

佐藤和志:叶夢(元ネコ役):素はタチ 
美形通訳 男優引退後20cm伸びた背、育ちすぎたプードル

晴海蒼空:AV界売れっ子、女性ファンもいる人気アイドル

新崎:M気質。キモくて素敵。
 

1

受けに弱い攻めがよかった

かわいかった年下攻めが数年後再会してかっこよくなっているという設定かすごく好みでした。
AV現場ということで撮影のシーンも詳細に描写されるのかなと思いましたが、そこは本筋じゃないからかそこまで触れられず…というのがメインカップルのベッドシーンを引き立てていたような気がします。
受けが売り言葉に買い言葉で自分が撮影に参加して他の男と寝る!と言ってしまい、攻めが落ち込むシーンが印象的でした。
街子先生の描く少年期と青年期の顔は同じだけど成長している描写もさすがでした。

2

不思議な雰囲気の受けさま

『stand up,please !』のスピンオフとのことで、遅まきながら読了。
軽いコメディで楽しく読めます。

しかし、こちらの受けさんであるAV監督の間野も勃起不全なのね。前作の『モザイク師』もそうでしたよね。2作とも丁寧に取材をしている様に感じるので「AV業界で働く人はみな性欲減退しているのかしら?」と、刷り込みされてしまいました。

しかも間野の場合『プライベートではダメだが仕事(AV出演)なら勃つ』って……どれだけ間野が『生活』より『作品制作』を重視した生き方をして来たのかと思うと、なんか虚空を見つめたくなっちゃいましたよ。

ただですね、間野っていわゆる熱血野郎とは違うんですよ。
ヒットを出すAV監督(それも割と『えげつなくない』感じの作風っぽい)だし、昔からやっている劇団はファンが付いていてメジャーとは言えないけれど『ハコは埋まる』様な匂いがします。
そう、割とスマートっぽいのです。
でも誘いをかけて来る相手に堂々と「勃たない」って言っちゃうんですよ。
枯れてるというよりは、恋愛が面倒くさいんだと思う。

いや、駄目でしょうこういう人……と思ったんですけれども。
過去、可愛がっていたネコ男優の佐藤に再開し、告白され、訳が分からないうちに気持ちの良いことをされてしまう風情が、なんか魅力的なんですよ。
『流され侍』って言っちゃえばそうなんですけれど。
でもね、脅迫されて佐藤や他の俳優にサービスをさせる様に要求されても「そんなら自分がそのサービスをします」と腹をくくっちゃう位は『責任感がある男』なのね、間野って。

このキャラクター造形が非常に不思議な感じでね。
こういうのが『草食男子系』なんでしょうか?
で、執着が薄そうなのに、愛撫でグズグズになっちゃうんだよねー。
私はそれほどでもありませんでしたが「間野みたいなのをすごく好きな方っているんじゃなかろうか」と、読んでいて何度も思いましたです。

2

残念ながら…

前作を未読でも問題無いと思います。
社長が強面でもとても良い人なのは今作でもわかりますので☆
業界って色々大変そうだなぁとか
好きだからやり続けられる仕事でもなさそうで
ちゃんと食べて寝て欲しいというおかん目線になってしまいました。

ネコ役だった叶夢(佐藤)との再会、そんなに違ってちゃそりゃわからん!!ww
もうすぐ成人あたりからそんなに身長が伸びるタイプもいるんですね…??
声まで変わるものかなと思ってしまいましたがまぁいいでしょう(偉そう)
芸名の叶夢、本当に夢を叶えていたのは偉いですね。
海外へ行きたい理由が英語を話せるようになりたいとは
あまりにも漠然としていますが一番の近道ではありそうです。
しかも意外にもしっかり大人になっていて安心しました。
ただ、回想中の昔の叶夢と再会後と佐藤の性格が違う気が…。
色々あったから大人になったと言われればそれまでですが
昔の叶夢は売れっ子の蒼空に似てて遠慮ない感じだったなーと。
個人的にこういう感じのコが苦手なので変わってくれてむしろ良かったんですけどね。
敬語になったというのも大きいのかな。

男を食わず嫌い、というところの“にゅうめん”の例えは
そこで元カノ出さなくてもいいような……
気を逸らす為とはいえwhy??になってしまってすみません。

佐藤のテクで残った精○を吸い取られた時の「吸っちゃやだ…!」が
「吸うなよ…!」だと好ましかったです(知らんがな)
佐藤は「可愛い」って喜んでいましたが間野のキャラじゃない…。
ギャップ萌え出来きませんでした。

間野も疑問に思っていましたが、
なぜ仕事だったら間野が他の誰かとするのを了承出来るのか「??」。
ずっと好きだったよね、仕事なら仕方ないってわりきれるものなんだ??
いくらまだ付き合ってないにしても
「俺が好きかどうかって間野さんに関係あります?」なんて怒るの
ちょっと意味がわからない…。
更に、終盤の間野のピンチのオチにぽかーんとしてしまいました。
えー…これは引…………。
いえ、ここが面白かったとおっしゃる方もいらっしゃるでしょうけど
意外性を通り越してしまいました。

なぜこんなに腑に落ちないのか自分でもわかりませんが
いちいち引っかかってしまってごめんなさい。
前作は楽しかったのになぁ……。
絆される間野の情は結構好きでした。

4

ネコだと思ったらタチだった


「stand up,please」のスピンオフです。
前作に続き今回も駄洒落のきいたタイトルです。
前作主役二人は名前すら出てきませんので今作だけでも全く問題ないと思います。
ただ、前作でも結構出番のあったネコ男優の蒼空と社長の和田は結構がっつり出ていました。

全編受け視点。
映像制作や舞台脚本などをしながらAV監督をしている間野(受け)は2.5次元の舞台の脚本を手がけることになります。
日本語での上演に加えて英語での上演もあるということで、翻訳家として紹介されたのが、6年ぶりに再会した過去少し一緒に仕事をした佐藤(攻め)でした。

間野はノンケで、劇団に所属し映画なども撮っていたですが、それだけでは食っていけないこともありAV監督になったのですが、何故かそちらのほうで成功しています。
かわいい系ネコ男優だったのに、巨大化し全く雰囲気が変わっていて全く気が付かず、佐藤に自己申告されとても驚きます。
彼女と別れた5年ほど前から勃たなくなっており(仕事でのハメ撮りならできる)、
そのことを知った佐藤にネコなら勃たなくても大丈夫と告白と同時に押し倒されるのです。

前の彼女に泣かれたショックで無自覚に勃たなくなったということがあとがきで書かれていたのですが、あとがきではなく本編に本人がそれをちゃんと自覚するエピソードが欲しかったと思いました。


佐藤はバリタチなのですが、当時はかわいい容姿のせいかネコ男優として売れっ子でした。そのため、ゲイビでは珍しく「挿入なし」で出演している稀有なネコ男優でした。ゲイビを引退した後留学し、アメリカの会社に就職して今回、日本の舞台の翻訳とうい形で日本に帰国したのです。
「好きだ」といって押し倒し、会うたびに肌を合わせますが、最後まですることはありません。

間野は佐藤の告白に返事することもなくずるずる関係を続けます。間野は男相手が初めてで「好き」と自覚できなくて戸惑ってるし、佐藤は間野がノンケだと知っているためか怖くて確認できないしで膠着状態が続くのです。
結局、他人からちょっかい出されそうになった間野がやっと素直になれるのですが、佐藤がやっぱり忘れられなくてと告白したあと多少強引だったので、もっとぐいぐい迫るのかと思ったらけっこうヘタレてしまい、最初の勢いはどこ行ったといった感じでちょっと拍子抜けでした。
そして、佐藤がヘタレたせいか存在感が少し薄かったように感じました。どちらかというと撮影後の蒼空との会話のほうが印象に残りました。もう少し佐藤が大っぴらに嫉妬したり、ぐいぐいいったりと頑張ったらよかったんじゃないかと思います。

それと、間野が抜擢された理由が間野の大ファンだという今回の舞台の漫画家・戸川の大プッシュだというので、戸川がもっともっと間野に絡んで来るのかと思ったら、ただの飲み友達になってしまってこれも拍子抜けでした。初対面のときからテンションアゲアゲだったのでもっとアプローチあるのかと思ったのに。

間野視点だったのもあってよくわからなかったのですが、客観的な間野の評価が知りたかったです。蒼空が間野は人気があると言ってたし、ADの言動からも結構その界隈の人には人気があるのかなと思うのですが、皆すぐ話を濁すのでよくわかりませんでした。SSででも佐藤視点で読みたかったです。間野がどんなふうに人気があるのか気になります。

そして、これが一番気になったのですが、佐藤との再会は本当に偶然だったんでしょうか?偶然再会したから昔の想いが再燃したよう感じだったのですが。だったら再会しなければCPは成り立たなかった?私的には一途な攻めが好みなので、忘れられずに戻ってきたと主張してくれたほうがもっと萌えたなぁ。

鈍感な天然さんなので間野の言動はデリカシーがなかったり、的外れだったりしますが、基本34歳とは思えないかわいい受けだったと思いました。

蒼空の出演している作品が前作受けのモザイク職人が担当していた作品と同じ内容なので、前作とほぼほぼ同じ時系列だと思うのですが、蒼空は期せずして二組のカップルと絡んでいたと思うと、蒼空のプライベートがちょっと気になりました。

1

この作品が収納されている本棚

マンスリーレビューランキング(小説)一覧を見る>>

PAGE TOP