先輩を追うストーカー×先輩に変身できる不思議生物!?

  • 電子書籍【PR】
  • 紙書籍【PR】

表題作とろける恋人

小林景介、先輩をストーカーする青年
リク、自在に姿形を変えられる謎の生命体

同時収録作品天国の底

シルベーヌ、江崎に付きまとう天使
江崎、殺し屋

同時収録作品サーカスも夜半過ぎには 前編・後編

ヤン、獣使いの人狼
ルーチェ、サーカス団の新入り

同時収録作品noisy jungle

ユメオ、アンドロイドでポチの飼い主
ポチ、人間(ペット)

その他の収録作品

  • とろける恋人 その後(描き下ろし)

あらすじ

景介のもとに突然現れた、姿かたちを自由に変えられる"謎のブヨブヨ"。それを"リク"と名付け、「大好きな先輩」に変身させては抱く毎日。でも、景介の望みはやっぱり「本物の先輩」で…。
表題作のほか『サーカスも夜半過ぎには』『noisy jungle』『天国の底』描き下ろし『とろける恋人』後日談を収録。注目の大型新人、待望のデビュー作!!
――人ならざる者たちの、いびつな"愛"の讃歌。

作品情報

作品名
とろける恋人
著者
山田袋 
媒体
漫画(コミック)
出版社
双葉社
レーベル
マージナルコミックス
発売日
ISBN
9784575380286
3.8

(65)

(26)

萌々

(19)

(9)

中立

(3)

趣味じゃない

(8)

レビュー数
12
得点
236
評価数
65
平均
3.8 / 5
神率
40%

レビュー投稿数12

不思議な感覚

「この顔だったら愛してくれる?」
帯の不穏など執着な雰囲気に惹かれ、あ、マージナル…人外ファンタジー…と躊躇いながらも読んでみたら不思議な感性にどっと引き込まれました!!

先輩に固執して雁字搦めになってる景介の行動は行き過ぎて見てる方はしんどいんだけも、それを見守ってるリク(謎の生命体)の行動や2人の漫才みたいなやり取りがおかしくてユーモラス。リクの気持ちは真っ直ぐ健気で純愛でした!何にでも化けれるから、えぐいオナホにもなれるし、このままで平気な仕様だけど、オナホやないんやからって景介が言うのはリクを個として大事にしてるのが感じれて、気持ちの通わせ方が良かった~

他もちょっと不思議で毒もあり、でも愛が詰まったあと引くお話!ストーリー構成が面白かった!!

1

意外とそこまでぶっ飛んではない

◆とろける恋人(表題作)
 人間にも豆腐にも変身できるこのブヨブヨは一体どこで生まれて、どういう生き物なのか?という質問はとりあえず置いておくべきですね。なんとも不思議な受けでしたが、思ったよりは人間らしい物語だったかなと思います。リクは最後までほぼ景介が片想いしていた先輩の姿に擬態していましたが、先輩の姿のリクを好きになることこそが本気で先輩への失恋を乗り越えることになるのかもしれませんね。

◆サーカスも夜半過ぎには
 『残酷な神が支配する』を彷彿とさせる作品でした。優しく親身だと思っていた団長ですが、ルーチェには別の一面を見せ始めます。慕っていた人に裏切られ、心身が削られていくルーチェの表情の変化が悲しかったです。猛獣使いであるヤンとの交流によって、最後はルーチェが無理強いされない優しい愛に触れられたのでほっとしました。

1

相手は変わっても恋の形は同じ

人外にはまだこんなモノがあったのね… comic marginal か…と納得。攻めてるネ。
3作品収録。

「とろける恋人」
一種衝撃的でした。
豆腐、のくだりでハテナ〜?と驚いて、え?あ?そういう人外、アリなの?アリね…
これは言ってみればエイリアン系なのかな。
ブヨブヨに動じず、変幻自由に動じず、それなら大好きな先輩の姿になってくれ、という主人公・景介の頭の中がヤバい。
と感じたヤバさは本物だった。彼はストーカー。
満たされぬ一方的な恋心と自分の事しか考えない利己心。
ブヨブヨのリクが景介を救うけど、景介にそんな資格あるか?リクの健気が不憫だ。

「天国の底」
これがまた奇妙な話。
人外モノ的には「天使」だから無くはない設定ではあるけれど、彼は天使というよりはやはり「死神」的な存在だったのか?
なんというか…恋や愛というより死の印象が強い。これからの2人はどうなるんだろう?

「サーカスも夜半過ぎには」
ボリューム的にはこの作品が一番長いかな。
舞台はサーカス。猛獣使いの男性が実は人狼。これはまあ見たことのある設定。
そして、新入りの少年が団長から性的に支配されて苦しむ…みたいなのも既視感があった。
苦しみを抱える2人が近づいて心寄せて…というお話。

「noisy jungle」
人外モノとして言うなら「アンドロイド」もの。
面白いのは、もはやアンドロイドの方が多数派になっていて、人間や性的な接触が希少なものになっている…という世界観。
それでも「恋」は同じなんだね…


やはり何と言っても個性的なのは表題作。
これに意表を突かれて、後の作品はこれ以上のナニカは感じられなかったのが残念。
相手が人間ではないことの驚きはそれとして、次は「見たことのない恋の形」を読んでみたい。

3

イマジネーションを刺激される

たまたま人外もののコミックを読むことが何冊も続いたのだが、その中で本作がダントツに面白かった。
中でも謎の生き物(ブヨブヨ)との日常を描いた表題作と、アンドロイドが人間に恋してしまう「noisy jungle」がお気に入り。

表題作の主人公(人間)は、ノンケの先輩に片思いしていて、過去にはっきり気持ちを拒絶されている。そんな彼の前に現れた謎の生物ブヨブヨは、どんな姿にも変幻自在。先輩の姿になったブヨブヨは、主人公に抱かれるうちに恋心を抱くように。
とにかく、ブヨブヨの一途さ、健気さが切なくてたまらない。
ブヨブヨが主人公の好きな人の外見になれたからいいけど、これ、ずっとブヨブヨのままだったらどうなってたんだろう…。
しかし相手がなんであれ、自分を情熱的に想ってくれるその気持ちを受け止めてやる、というところに深い情のようなものは感じられた。

「noisy Jungle」はちょっとブラックな世界観が面白い。アンドロイドが世界の中心で、人間はなぜか知能が退化していて下等な存在。
主人公のアンドロイドは人間の男の子「ポチ」をペットとして飼っているんだけど、ポチのことを可愛がるうちに、なぜだか性的な意味でも好きになっちゃう。
アンドロイドは生殖行為はしないが、進化の過程で、コミュニケーションとしてのセックスを機能としてあえて残しておいたらしく、主人公はある日とうとう感情の赴くまま、ポチを抱いてしまう。
人間と機械の恋愛はよく見るテーマだけど、愛に目覚めた機械の視点からそれを描いているのは珍しいのでは。
ポチが可愛いしほのぼのと終わってるけど、機械の命はきっと永遠で、人間だけが歳を取っていくんじゃ…と不穏なことをつい考えてしまった。テンポがよく、こちらもほのかな切なさが残る読後感がよかった。

2

個性的

表題作は、ぶよぶよの塊であり、何にでも変化できる生命体の話。大好きだけど見込みのない憧れの先輩の姿になって、自分の家にいついている。体を重ねる二人。
しかしぶよぶよくんには心があって、自分を愛して欲しいと思っている、というストーリー。出だしは面白いな、と思いましたが、最後は割と分かりやすくなってしまった。

表題作が一番明るくて、他は割とダークテイスト。
殺しやと天使とか、人狼の猛獣使いとサーカスの新入りとか。でも最後はハッピーエンドかな。

お話の進め方が独特で面白いなと思いました。

1

劇的に恋に落ちる……萌

『この作品がBLアワードにノミネートされなきゃ死ぬ』で紹介された後、気になって気になって仕方なく「もうコミック作家の新規開拓は止めよう」と決意していたんですけれども(我が家の本棚が「やめて……もう、ムリ。あふれちゃう」って言っているんですよ)本日、ふらふらと購入してしまいました。

あー、買って良かったですよ。
短編が4作と表題作の後日談が入っている短編集なのですが、全て一筋縄ではいかない捩れぶり。
おまけに酷く拗くれているだけではなく、人の必死な想い、それも恋心を突き放す様な乾いた感じがある。
そのくせ、お話のラストには、人を好きになることの哀しさが滲み出てくる。急にウェットになるんですよ。さっきまでカラッカラに乾いていたのに。そんななお話のオンパレード。
こういうの大好き!

表題作のみ感想を。
すっごい昔の名作少女マンガ(実写ドラマになったこともある)の脇役が発する科白で「君が誰を好きでもそれは君の自由。僕も自由に君が好き」というのがありまして、私、これを読んだ時に「うっわー、良い科白じゃないかーっ」と感動したことがあるのですよ。
でも、大人になって疑問に思う様になったんです。
想いが通じない相手をずっと好きでいるのは良いけれど、段々と『その人』ってリアルから離れていかないか?どんどん頭の中で『その人』を作っていっていないか?って。

台風が過ぎた後に景介の家のベランダに落ちていたブヨブヨした謎の物体。
これが『何にでも姿を変えられる謎の生命体』なんですよ。
何かから逃げているその物体を家に棲まわせてやる見返りに、景介はそれに学生時代から片思いして失恋し、今はこっそりストーカーしている先輩の姿を取らせ、身代わりにします。
(ついに身代わりだけでは満足しきれなくなってしまったのか)先輩の留守を見込んで家を覗きに(?ドローンらしきものを買った描写あり)行った時、いないはずの先輩と鉢合わせしてしまうのです。
そこに登場する『ブヨブヨ』!

このラストで、景介は初めて『ブヨブヨ』が『都合の良い道具』ではなく『意志を持った他者』だと気づいたんじゃないのかな?
考えてみれば、景介がずっと頭の中でいじくり廻して、恋をした気になっていた『先輩』だって、実は『都合の良い道具』だったんじゃないかと思うのです。
だから、それまでの景介は、1人で、思念の中で遊んでいただけ。

よく解らない、それも「なんだ此奴、全く訳分かんない」っていう様な他者と出会って、訳が解らないなりに「相手の心に触れたんじゃないか」という一瞬があって(まぁ、それが錯覚だったっていうことも、ままあるのですが)それで、自分の心も大きく動いちゃう。
私は、恋に落ちるってそういうことだと思うんです。

たった42ページのこの短編のラストで、恋に落ちる音が確かに、私の耳に聞こえました。
本棚には怒られると思いますが、この作家さんを追っかけようっと。

5

カタチないモノを愛せるか

人外と人間というちょっと変わった4つの短編集。
読んでいる側にいろんな問いかけをしてくる不思議な作品です。

1【とろける恋人】
とろける程甘い恋人…というわけではなく、物理的にとろける物体が登場します。
台風の後、自室のベランダに転がっていたナゾのブヨブヨ。こいつは人間やら豆腐やら自由に姿を変えられる謎の生命体。
先輩に片思いし、ほぼストーカーもどきの景介はナゾのブヨブヨ(リク)を先輩の姿に変えさせセックスするのですが、見ていてコレ、非常に切ない。
景介は先輩の形をしたリクを抱いているだけなので、結局何も報われない。所詮自己満足。思いが強くなる分逆に辛いんじゃなかろうかと。
前から準備していた道具がそろった景介は、先輩が留守にしている間、先輩の家に隠しカメラ?を仕掛けるため、業者に変装して先輩の住む場所へ(犯罪なので絶対真似しちゃ駄目なんですが)。ところが留守のはずの先輩にバッタリ出会い、話しかけられ喜んだのも束の間。なんと、先輩の奥さんと赤ちゃんが合流。(あれだけストーカーしてたのに知らなかったのか?)
景介は涙を浮かべ去ろうとしますが、そこへ先輩の形をしたリクが。
「…俺?」と驚く先輩に対し
「ちゃいます!俺は俺です。あんたやない」と。
ちゃんとブヨブヨのリクにも自我があるところが切ないんですよ。
失恋した景介に
『ほんとは俺が景介のそばにいてあげたいねん』と打ち明けるリク。
でも景介は先輩のことが好きだから先輩の見た目じゃないとダメ。
景介は先輩の姿の自分といる時嬉しそうだけど、おんなじくらい悲しそうで、それがずっと悔しいと。
ちゃんと景介の心を見てあげているんですよね、このブヨブヨ。
最後は、抱きしめたリクに対して『ブヨブヨでええ』と言い、キスする景介。
絵でみるとシュールで、なんとも言えない気持ちになります。

景介は、ブヨブヨそのものを愛せるんだろうか。
「先輩の形をしたリク」を「好き」だと思っていたのだろうか。
それとも完全に先輩の変わりでしかなかったのか。
もしこのブヨブヨが人の形をとれなくなり、ただの丸い物体になったら捨ててしまうんだろうか。
そもそも人の形をしていない物体を愛するなんて出来るんだろうか。
もはやどこまでもどこまでも考え込んでしまい、最終的に哲学みたいになってきたので止めました(笑)

2【天国の庭】
にこやかでかわいいけれど冷徹で快楽主義の天使シルベーヌと寡黙な殺し屋江崎のお話。
途中かなり衝撃的な展開になります。
天使の輪が消え、翼が黒く染まったシルベーヌ。堕天したのでしょうか…?

3【サーカスも夜半過ぎには】
人狼・ヤンとサーカスの踊り子・ルーチェのお話。
人外モノでもわりと受け入れ易かったです。
一番BLっぽい内容だったかも。
とある事が原因で目の光をなくしていくルーチェが見ていて辛かったですがハピエン。

4【noisy jungle】
アンドロイドのユメオとペットのポチ(人間)のお話。
このお話が一番好きでした。
アンドロイドが大多数を占める近未来。
ホログラムペット専門店で働くアンドロイドのユメオは周りに内緒で人間のペット・ポチを飼っています。
人間は今では知能が低下し、2,3歳の子供、もしくは本当に犬や猫ぐらいの状態。
無邪気にじゃれてくるポチに対し性的な感情を抱いてしまうユメオ。
この世界では、してはダメなことをすると警告が鳴るのですが、ポチは人間なので、キスしても警告が鳴らない。
いけない事と思いつつ、ポチと性行してしまうユメオ。
気持ち良さそうにしてはいるけれど、そもそもちゃんと言葉もしゃべれないし、恐らく自分が何をされているのかも理解していないポチ。
対等に愛し合うことは不可能だけど、自分と同じ形をした人間・ポチをこれからもユメオは抱いてしまうんでしょう。
ほのぼのする中にやるせなさが残る物語でした。

BLというか、もっと深い何かをずっと問いかけられている気がして、ひたすらぐるぐると考えてしまう。
この不思議な状況を体験してみたい方にはオススメな作品かもしれません。

2

デビュー作なので....?

表紙イラスト、帯に惹かれて購入。デビュー作という事でしたので新しいお気に入り作家様との出会い?を期待し購入!!率直な感想ストーリー、イラスト共に分かりずらい。イラストから現在のシーン、ストーリーが全く読み解けない。終始「?」でした。

表題作の人外モノ+ストーカー気質でシチュ的には大好物でしたが......うーーーん。他作品も含め独特な世界観がありますね。この世界観に入り込める方なら気に入るのかな?好みの分かれる作家さんですね。

2

独特の感性

短編集です。

・人間×溶けたり好きなものに変身できる謎の生命体
・天使×殺し屋
・人狼×サーカスの踊り子
・アンドロイド×人間のペット
という四つの組み合わせの短編集で人外ばっかりだったなぁと思ったけど、そりゃそうか。
レーベルが人外BLのcomic marginalだもんね。読み終わってレーベルに気づいた時に、自分の感想の間抜けさに気づきました。

どれもちょっと一筋縄ではいかないというか、若干狂った世界観みたいな中で人と人外が寄り添っていくようになるお話ばかり。

そしてどのお話も今まであまり読んだことがないというのかな、作家さんの発想力、アイデアすごいなぁって思いました。

四つのうちの表題作が一番好きだったのでこちらのレビューを。
【とろける恋人】
人間×謎の生命体
台風の翌日、ベランダで発見したブヨブヨとした謎の物体。
その物体は何にでも変身可能なので、大好きな先輩に姿を変えて過ごすことを条件に家に置いてやることにします。
そしてブヨブヨにリクと名付け、先輩の姿に変身したリクを毎晩抱く景介だけど、それはあくまで代用品。
どうしても本物がほしい景介は犯罪覚悟で先輩の家に侵入しようと向かったところ…。

景介を悲しませるやつの方が謎の生き物だというケイの言葉。
謎の生き物にこのセリフを言わせる作家さんに物凄いセンスを感じました。
そしてブヨブヨでええで、と言って先輩でも人間でもない元の姿に戻ってのキスシーン。
絵面として美しいとは言い難いけど、だからこそその気持ちのやり取りが意味を持っててジーンときます。

7

フランク

キャラの名前間違えた!
レビューを読んでくださった方、ごめんなさい!

「景介を悲しませるやつの方が謎の生き物だというケイの言葉。」
という箇所のケイは間違えで、正しくはリクです。
ケイって誰よ…

斬新な人外もの

全て人外物の4つのお話の短編集でした。
ざっくりいうと、①人間×謎のぶよぶよ・②天使×人間・③獣人×人間・④アンドロイド×人間。
先の方が詳しくレビューされてますので、個人的に好みだった一作目(人間×ぶよぶよ)の思いつくままの感想で失礼します。

攻めの前に突然現れた謎なぶよぶよ。
ぶよぶよは何でも変形できるので、攻めはぶよぶよを好きな先輩の姿形にさせ、そのままの姿のぶよぶよを抱きます。
このぶよぶよが何だかいじらしくて可愛いんです。
勝手な事をしたら罰として豆腐の姿にさせられるって…(笑)
本当の先輩は結婚もし子供もいるから報われないというのは分かっている攻めなんですが、それでも足掻こうとする攻めが悲しい。
結局ぶよぶよは一体何なのかは分かりません。
ぶよぶよの実態は分からないんだけど、ぶよぶよの攻めを想う姿にキュンときました。
最後のぶよぶよ状態でのキスシーンが、ぶよぶよが決して「先輩の代用品」じゃないという事の表れのようで胸に沁みます。

他3作品もとても読み応えがありました。
どれも面白かったけど、ぶよぶよのお話を一冊丸ごと読みたかったかな。
次作も楽しみな初読み作家様でした。

2

切なくて歪だけど純愛

どんなアブノーマルなお話かとドキドキしていましたが、どのお話も純愛でした。
やり過ぎちゃっているけれどそれも愛ゆえに。。歪だけれど純愛で、だから切ない。
特に表題作のブヨブヨがとても可愛かった!!
そのままでいいよって言ったブヨブヨとの抱擁シーンには思わず胸がジーン。
謎の生命体の謎は全く解明されないまま終わるのですが、ブヨブヨのご主人様愛が凄くて!
豆腐になって反省には吹きました!
作者様も最初攻受逆にしようかと思っていたとおっしゃっていましたが、受けのブヨブヨの方が精神的に攻めっぽかったのも良かったです。
他の作品はどこかデジャブ感がありました。
天使のお話の展開にはビックリしましたが。
どこかダークで癖になるファンタジー作品達でした。

2

歪んでいて、どこか哀しい

なんとも強烈な表紙ですが、内容も負けず劣らず強烈でした。
短編4作+表題作のその後を描き下ろしです。

全て人外と人間と言うカップリングで、どの作品もどこか歪んでいてシュールです。
ある意味とても純粋で悲しい人外達。そして歪な人間。で、ホッコリさせてくれるラスト。
内容の割に読後感が良いのは、このラストでの絶妙なハズシがあるからだと思います。
イラストも可愛い系で好みでした。


「とろける恋人」
好きな先輩をストーカーしている景介。
台風一過の一ヶ月前、ベランダに謎のブヨブヨが現れます。
自在に姿を変えられる「ブヨブヨ」にリクと名付け、大好きな先輩に変身させては抱く日々。
そんなある日、本物の先輩に再会しー・・・というものです。

景介はかなり歪んでいて、実の所、何故リクが景介を慕うのか良く分かりません。
なのですが、リクと景介の奇妙な同居生活が、シュールでありながらどこか愛を感じさせるものなんですね。
そしてエロがページ数自体は少ないのに、なんだか凄くエロい。
抱いてるのは景介なのですが、リクが「抱いてあげてる」と言う印象を受けます。

最後は景介が本当に大切なものに気付いてと言った所ですが、ここまで掴み所の無かったリクの本音の部分に凄く胸を打たれます。
描き下ろしの「その後」では超甘々エッチを読めますが、気持ち良すぎて溶けちゃうリクがエロい・・・!
この二人は、ずっとこんな風に過ごしてくんじゃ無いかと思わせてくれる、なんとも不思議な読後感でした。

「天国の底」
無邪気な顔の裏に、冷酷な一面を持つ天使のシルベーヌと、心を殺しているような殺し屋・江崎。
江崎の殺した人間を天国に導く為、二人は行動を共にしていますがー・・・。
天使×殺し屋です。

こちらも何とも不思議な雰囲気。
起承転結で言う「転」の部分がかなり衝撃的です。二人の関係に萌えただけに、この「転」では強いショックを受けました。
こちらもラストがとても意味深。
黒くなってしまったシルベーヌの翼は、何を意味してるのかー。
ただ、江崎がここで初めて見せる笑顔に、ハッと引きつけられました。

「サーカスも夜半過ぎには」
サーカス団に入ったばかりの新入り・ルーチェと、無口な猛獣使いのヤン。二人は徐々に打ち解けますが、団長の部屋にルーチェが呼ばれ、踊り子デビューした時から、ルーチェの表情に影が差しー・・・というものです。
こちらは人狼×踊り子です。

実はこの作品が、一番正統派とも言えるものでした。
追い詰められていくルーチェがかなり痛々しいです。そして、ヤンがちょっと情けない・・・(´・_・`)
ただ、希望に満ちた素敵なラストです。

「noisy jungle」
アンドロイドが人間に取って代わり、人間が「ペット」として飼われる世界。
主人であるアンドロイドのユメオと、ペットの人間・ポチ。
禁忌と知りつつ、ユメオはポチを抱いていてー・・・というものです。

設定自体はかなりシュールながら、とてもほのぼの甘々な作品です。
アンドロイドであるユメオが、ポチを抱きながら「生きている」反応を愛しく思っている所が、妙にエロい。
ペットにお金をかけ過ぎて、自分のメンテナンス代にお金を回せないユメオが、ダメダメながらホンワカしました。


正統派とはズレている作品ばかりで、好き嫌いは分かれるかもしれません。
ただ、どんな感情であれ、読み終えた後は心に「何か」が強く残ると思います。
凄く独特の感性を持たれている作家さんみたいなので、ぜひ丸々一冊長編で読んでみたいと感じさせられました。

4

この作品が収納されている本棚

マンスリーレビューランキング(コミック)一覧を見る>>

PAGE TOP