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表題作恋する罪のつづき

英秋吾・会社員・28歳ぐらい
最上佑・大学助手・28歳ぐらい

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

山奥の廃校での同窓会でかつて片想いしていた秋吾と卒業以来10年ぶりに再会した佑。そんな中、元チームメイトの一人が殺され!?

作品情報

作品名
恋する罪のつづき
著者
いおかいつき 
イラスト
麻々原絵里依 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
幻冬舎ルチル文庫
発売日
ISBN
9784344842335
3.5

(8)

(1)

萌々

(3)

(3)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
6
得点
27
評価数
8
平均
3.5 / 5
神率
12.5%

レビュー投稿数6

本格ミステリー

しかし事件の発端はとてもBLっぽい理由。これぞBLミステリー小説。嵐で孤立した廃校に同窓会で集まった高校時代の仲間達の中で殺人事件が起こり犯人もその中にいるかも…というまるでアガサ・クリスティみたいな展開。面白いです。

ストーリーも楽しめますが、麻々原先生のイラストも凛々しい黒髪の短髪男前受け!いおか先生の書く男前受けは見た目だけでなく精神も男前なので本当に素敵です。受けの佑はバスケ部元部長でリーダーシップがあり、寡黙だけど元部員達からも絶大の信頼を受けている男が惚れる男という感じ。攻めの秋吾は副部長で部長よりは人当たりが良くソフトな雰囲気の人。髪もふんわり茶髪。2人とも180センチ台の大型カップル。

柔(コミュ力高い・器用タイプ)×剛(頑な・ストイック)のカップリング好きなんです。いおかさんは他作品でもそういう素敵なカップルが多い作家です。お気に入りのシーンは、事件解決後、互いの想いを確かめ合った2人がホテルに泊まるけど、疲れが溜まってた攻めは受けが入浴中にソファーで寝落ちしちゃうんです。受けは黙ってそんな攻めを抱き抱えてベッドに運び寝かせてあげてその日は結局致せず。攻めを姫抱きできる逞しい受けに萌えました。

その後本懐を遂げ、ちゃんとカップルになれた2人ですが、受け入れた後も精神的には最後まで男前な受けに惚れ惚れとした作品でした。

1

惜しい!

本格推理ものではないですが、犯人を特定する処に『謎解き』要素がありますので感想だけ書きます。

あらすじに『山奥の廃校での同窓会』とありますが、これ、バスケ部の同窓会なんですね。『山奥の廃校』って高校時代の合宿場所だったところで、今も貸出をしている場所なんです。
集まって皆でバスケをする和やかなシーンが最初にありまして、これがね、その後『起きた事件とその真相』を知った後では、かなり印象が変わるんです。
だからその寂寥感というか「うわーっ」ていう感じが結構ドスンと来ました。
この前半部分の終わり方は好き。

で、その後のエピソードが長いんですよ。
ここでお話のトーンがガラリと変わっちゃった様な気がしまして、ちょっと違和感がありました。
個人的には、前半の『とり返しがつかない感』を引きずったまま『希望はちょっとだけの光』的な終わり方の方が好みだったと思います。そんで、前半部分をもっとねちっこく、もう「主人公も含めて全員が犯人かも?」的にドロドロ、真っ暗に書いていただければもっと「好き~!」になったこと間違いないのですが。
「惜しい!」と思っちゃった1冊でした。

1

前半の爽やかムードから一変・・

ライトなミステリー小説のBL版です。続きが気になり一気に読み進めました。読みやすい文章なので、サクッと読めます。矛盾点や引っかかる所も特に無かったです。事件の進行に重点が置かれています。

高校の部活仲間の十年ぶりの同窓会を兼ねたお泊まり会を舞台に事件が起こります。部活が部活だけに仲間達も一変の闇も無く清爽なメンバー達と思っていると、意外にドロドロしてた・・・という感じでした。事件ものですが、トリック等がこってあるとか驚きの真相という訳でもなかったですが、高校時代の青春部活話が上手くストーリーに絡まっているので、なかなか心に響くものがありました。
少し残念だったのは、事件が開始されてから、解決までの時間が短かった事です。その分話もダレる部分がなく、内容が凝縮され、感情が揺さぶられるメリットはありましたが。。もう少し尺が欲しかったです。

真相を知ってから、高校時代の彼らや今の彼らを改めて省みると、最初に抱いた印象と変わってしまって切ないですね。人間だから、聖濁併せ持って当然なんですが・・。事件後それぞれのメンバーが「あの時に○○しなければこういう悲劇は起こらなかったのでは」と後悔する所は物哀しかったです。

今回嬉しい誤算だったのは、カップリングに非常に萌えた事です。小説は、漫画やアニメ、ゲーム等に比べて、ビジュアルで補えず、文章から想像しないといけないため、萌えがヒートアップするのが難しく感じるのですが、両方とも体格良く男性的という好きなカップリングであり、BLもライトでしたが、好みに合うものであり満足しました。イラストもイメージに合ってて良かったです。佑が○だったのは驚きでした。この二人のコンビでこういった事件ものの企画をまたやって欲しいなーと思いました。


4

冷やかし禁止の同窓会事件

高校時代のバスケ部員が集まっての同窓会は単に昔を懐かしむものではなく、意図的に集められた顔ぶれから、とある真相を探る為のものだった。

最初はいおか版サスペンス劇場かと思っていたら、いざ読みだすと真面目なミステリー仕立てとして舞台の状況説明がじっくりと書かれていたのには内心頭を抱えてしまい、この部分を読むのに難儀した。
実はミステリーものでも主人公や登場人物の心情を追って読むタイプで、建物・屋敷とかの脳内設計図が必要な部分を読むのにはいつも苦戦しているので。
中盤、佑自身が考えを巡らせるようになった部分になってようやく掴み処を得た状態だったので、犯人を考える余裕がなかった。

正直、謎解きとしての精度はいまいち詰めが甘いのかも知れないが、バスケ部での思い出がうら寂しいものにすり変わってしまった儚さや、事件後に浮かれる訳にはいかない空気の中での告白してからのムードは良かったと思う。
ガタイのいい男同志が自然に並ぶ、高校時代に抑えていた恋愛感情、それが事件があっただけに気持ちを伝える後押しになった…など、萌え要素も感じる事もできたがエッチ度のほうは低めだ。
しかし、『眠れる森の博士』に次いで一風変わった切り口、というか、恋愛絡みでありながら間接的にBL要素とは別の部分での切なさを開拓しようとする?いおかさんの姿勢は好きだ。

3

ふたを開けてみれば…

とても悲しいお話でした。
なんとなく不穏な空気感が漂う麻々原さんのクールなカバーイラスト。直感そのままのイメージどおり、甘々やほのぼのとはほど遠い、ミステリー要素の強いストーリーです。

はじまりは同窓会の通知。
高校時代バスケ部主将だった最上佑は地元の千葉を離れ、京都にある大学で日本史学の第一人者に師事し助手として働いている。

同じバスケ部同期だった橋爪も佑と同じ大学に進学し、卒業後はそのまま京都に残って就職したため、同窓会の件で久しぶりに連絡を取って共に出席する約束を交わした。

佑が進学を目指していた東京の大学をやめて京都の大学を選んだのには理由があって、密かに片思いしていたバスケ部副主将・英秋吾への思いを断ち切るためでした。高校卒業後十年目にして初めて開催される部活メンバー限定の同窓会は唐突な感が否めないものの、乗り気な橋爪に強引に誘われたということにして、秋吾にまた会える喜びを隠せない佑でしたが…

同窓会の会場は山奥の廃校。そこで参加者の一人が突然謎の死を遂げます。事故か?事件か?

ストーリーの大半はメンバーが遂げた不審死の原因究明に割かれていきますが、同時に佑と秋吾の過去と再会後の展開にも小出しに焦点が当てられます。

佑は彼自身の物語の主人公であることはもちろん、とある人物が胸に秘めていた物語を明るみにしていく役目も果たすことになるのです。

乾いた文体とまではいかなくとも、表面をさらりとなでるような、抑制のきいた文章が作家様の味です。秀逸なのは廃校で繰り広げられるシーン。その独特な雰囲気がよく伝わってくるとともに、建物の配置や見取り図がすぐに頭に思い浮かぶように過不足なく描写されています。文章が上手で本当に尊敬します。

淡々とした筆致で解き明かされていく謎の真相は悲劇としかいいようがありませんが、その見届人である佑たちの未来に救いが託されているのかもしれません。

4

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