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表題作ランドリーランドリー

上杉亮志,29歳,ゲーム制作会社ディレクター
吉富那智,27歳,自営業,文筆業

あらすじ

小説家の吉富が、憧れの先輩だった上杉と偶然再会したのは雨の日のコインランドリーだった。
吉富の片思いで終えた初恋だったが、臆病だった過去の自分に決別し、声を掛けるけれど……。
再会した二人の切ないラブストーリー。

作品情報

作品名
ランドリーランドリー
著者
火崎勇 
イラスト
有馬かつみ 
媒体
小説
出版社
Jパブリッシング(ジュリアンパブリッシング)
レーベル
カクテルキス文庫
発売日
ISBN
9784866691176
3

(17)

(0)

萌々

(3)

(11)

中立

(3)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
2
得点
48
評価数
17
平均
3 / 5
神率
0%

レビュー投稿数2

忘れられない恋の成就

今回はゲーム制作会社のディレクターと
初恋を忘れられない小説家のお話です。

受様が再会した初恋の人との恋を実らせるまで。

受様は小説家ですが
生活のために仕事を選べるほどではなく
色々な仕事を引受けています。

長雨が続く中、
先月洗濯機をご臨終させた受様は
一度原稿に入るとのめり込む性格がたたって
一週間以上も洗濯物を溜め込んでいます。

雨が止むことを期待して待ちますが
気づけはもう夜の十時過ぎになり
意を決して出かけた近所のコインランドリーで
受様は思いがけない人と再会します。

その人は雨宿りのために
電車に傘を置き忘れた為にずぶ濡れで
雨の激しさに寒さと痛さで思わず
コインランドリーに飛び込んだのだそう。

その人こそ今回の攻様です♪

あまり人付き合いが得手では無い受様ですが
攻様にはコーヒー缶で暖を取らせたり
お気に入りのバスタオルをさしだしたりと
おせっかいを焼きまくります。

とりとめのない会話を交わしつつも
お互いに名乗りもせずに別れます。

それでも受様はそれを後悔はしませんでした。

なぜなら攻様は中学で出会って以来
忘れられずにいる先輩で
当時の受様が一番好きな人だったのです。

受様は再びの偶然を狙って
夜中のコインランドリーに行きますが
彼の姿を見る事は叶いません。

受様が再び攻様と顔を合わせたのは
初冬近くでクリスマス色が漂う夜でした。

その時の攻様は乾燥機に
半ば埋もれるようにして寝ていて
受様をすわ殺人か!?と慄かせます。

攻様的には暖を求めただけらしく
フレンドリーな様子で礼をされた受様は
昔は声さえかけられなかった攻様と
今なら知り合い程度にはなれるかもと
新たな関係を築こうと決意します。

幸い攻様は勤め人ながら、
ゲーム会社のディレクターは不規則勤務で
なかなか他人と時間が合わないらしく
受様と一緒に過ごす時が増えていきます。

そしてそんな攻様との付き合いを
小説の中で昇華していく受様ですが

受様宅で夜酔っぱらった攻様が
受様に手を出した際に抵抗しなかったために
受様身体を欲されたと思い、
攻様には倫理観が薄い男だと思われます。

その為に受様は攻様に
更に酷い誤解をされてしまうのです。

果たして受様の恋は実るのか?!

旧レーベル版に加筆を加えての
文庫化になります。

火崎先生の本は
かなりリメイク版が出ているので
今回も続編が付いての文庫だよね♪
ととても楽しみに待っていましたが

恋愛部分に多少の加筆をしただけで
イラストはカバー含めて
全く変更がありませんでした上、

旧版で既にレビューしていて
印象もそう変りなかったので
あまり参考にならなかったら
申し訳ありません m(_"_)m

本作では攻様との恋とともに
受様のお仕事事情もかなりな
割合でお話に絡みます。

最終的な山場のために
それは必要な展開でもありますが

受様は攻様には
好意が先に立ちすぎていて
攻様の都合に合わせ過ぎというか
かなり押しに弱い面ばかりが
クローズアップされていますが

仕事面で担当編集者と対する場面では
できる事とできない事を判断し
貸し借りもキチンと清算しているので
流される人ではないことが判ります。

受様の公私での違いを出しながら
コインランドリーでの出来事が
2人の関係の進展に上手く絡められていて
楽しくよめるお話だと思います♪

旧版をお持ちでも買おうと思っている方は
ぜひ初版ペーパーが付くうちに
コミコミ特典ペーパーが付くうちに
お求めされることを強くおススメします。

やつぱり受様の担当氏の
恋の話はとっても気になるぞ (^-^;

今回は本作に似た再会モノで
榛名悠さん『失恋花嫁の10年恋』を
おススメ作とします。
こちらの受様はツンデレさんです(笑)

2

甘酸っぱい

2009年に出された本の文庫化で、前のを読んでいないので比較できていません、すいません。本編のみ230P超+先生のあとがき。なんか可愛くて自分の中学時代を懐かしく思ったので萌です。控えめな受けさんが最後まで控えめなんだけど、さりげない尽くし系でした。途中で急遽押し倒しっぽいところがあるのですが、本人嫌がって無いので、あんまり気にしなくても大丈夫かなと思いました。

1週間前に洗濯機がご臨終してしまい洗濯物をため込んでいた那智。雨降りの夜、徒歩3分のコインランドリーに行かなきゃなあ・・・としぶしぶ出かけ、洗濯終わるまでの間、丸椅子に座っていたら、びしょ濡れのスーツ姿の男が「もう駄目だー」と駆け込んできて、なりゆきで乾いたばかりのバスタオルを貸してあげ・・・とお話は始まります。

登場人物は攻め受け以外は、受けの担当編集者さんぐらいで、二人の関係や心情をゆっくり書いているように思います。

*****以下はより内容に触れる感想

受けさんは攻めさんを、中学時代の1つ上の先輩だと最初から気付いていて、初恋だったんでしょうね、自分の恋心を思い出して、攻めさんの中学時代の写真を引っ張り出し、ついには写真立てに入れてしまう。そうなんだよー見ているだけで幸せだった時代ってあったよなーと懐かしく思い出す方は多いのではないでしょうか。
徐々に近づき、攻めさんが受けさんの家にちょくちょく来るようになってからのエピソードで、一番くーーーーっと思ったのが、料理。攻めさんが「今日どうよ」と連絡してくると、いそいそ料理を作る(執筆業なので真昼間から家にいて料理する!)。そして攻めさんが夜に来たら、「余りものあるよ」とレンチンして出す・・・・お前はどんだけ健気だーーーーーーーーと一人悶絶。(決して女々しいという感じではない)
途中から攻めさん(バイ)にちょっかい出されるようになり、誤解があったりしても、最後はなんとか収まるところに収まって、やれやれ♡という気持ちです。
もうとうに忘れていた初恋がふつっと蘇って、大人なりの形で成就するなんて、なんだか甘酸っぱいなあと思ってくすぐったかった一冊でした。

7

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