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表題作青の淫影

篠宮柊士 大学1年 18歳
鳴沢由羽 16歳

あらすじ

孤独な日々を送っていた高校生の由羽は、六年ぶりに美貌の異母兄、英国帰りの大学生・柊士と再会する。甘い同居生活の中、奪われてしまう身体。ずっと想いを寄せてくれてきた教師の存在と、柊士が向けてきた獣のような欲情に、由羽の心は乱される。禁断の愛に溺れた異母兄弟が、その先に見るものは――!?

(出版社より)

作品情報

作品名
青の淫影
著者
沙野風結子 
イラスト
天城れの 
媒体
小説
出版社
笠倉出版社
レーベル
クロスノベルス
発売日
ISBN
9784773002942
3.1

(10)

(2)

萌々

(1)

(4)

中立

(2)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
3
得点
28
評価数
10
平均
3.1 / 5
神率
20%

レビュー投稿数3

異母兄弟

BLとしてはハピエン。

このお話、仄暗くてすごく好きだったんですけど、意外とラブラブしてんなこの兄弟…というのが再読後の印象。

兄の柊士はヤンデレです。弟の由羽が誘い系で、快楽に弱い。まだ高校生になったばかりなうえに、生育環境が複雑なので愛情表現や求め方がわからないといったところ。

柊士は思春期をイギリスで過ごし、大学進学とともに日本へ帰国。父親名義の高級マンションで、再会することとなった異母弟の由羽と同居生活を始めるのですが——

兄から弟への溺愛がたまらんのですよね…。
兄の隠れ矢印→→→の数がハンパない笑

弟側にヤバめな当て馬がいるのですが、最後の最後に理性を保ってくれたところが作者様の優しさかな。それより兄の方がヤバそうって思えてくるあたりからが闇がヒタヒタと迫ってきます。

ぶっちゃけ、この兄弟がねじれ愛に堕ちた元凶は彼らの父親です。自分のことにしか興味がないので、きっと物語のその後も二人の息子たちは放任のままでしょう。誰の介入もない二人だけの世界で、兄弟は幸せな日々を続けていくのだろうかと…。

柊士の住むマンションの部屋が青一色に染まっている描写が印象的です。その強烈で静謐な美しさが記憶に刻まれいて、忘れられない。同じく外側からしか鍵がかからない部屋の謎も、最後まで手に汗な緊張感を引っ張ってくれました。

世界観のスケールは控えめに感じられかもしれないけれど、兄弟萌えと後ろ暗さにブレはありません。むしろ、病み溺愛っぷりにニヨニヨ…。耽美の匂いがそこはかとなく漂います。

なので、美しい兄弟の頽廃美が後を引く貴重な兄弟ものとして、個人的に愛でさせていただいています。

0

ヤンデレガチ兄弟

2005年の作品。愛人の子の弟と、正妻の子の兄の腹違いガチ兄弟モノ。兄攻め。
二人は弟が10才の時に初めて出会い、実の弟とは知らなかったらしい兄が、弟に手を出してしまう。それから6年経って再会し、一緒に暮らすことになるのだが、弟には中学のときからつき合いのある教師がいた。それを知ると、兄は弟への執着がいっそう強くなり…。

兄の方が兄弟だと知らずに恋い焦がれてたという設定で、ガンガンいくのに対して、兄弟の自覚のあった弟が「俺達、兄弟なのにこんなこと…」とか悩んでるパターンなのがちょっと珍しい。
古い作品ながらプレイは濃厚で、ブルーベリーを中に入れられたり、ケーキ用のキャンドルを尿道に刺してみたりと結構激しいのはさすがの沙野先生。
兄のヤンホモっぷりはそこはかとない狂気を感じるし、クライマックスも、いつそれが爆発するのかとドキドキさせられた。が、案外オチが爽やかで、それまでの過程に比べたらあっさりしてるように思った。
両方とも10代のカップルというのは、最近の沙野先生の作品では見かけない気がして、結構楽しめました。

2

そうかこれがヤンデレか

たった一人孤独な生活を送る高校生の由羽の元に6年ぶりに異母兄の柊士が帰ってきた。
そして始まった甘い同居生活。
しかし由羽には柊士に言えない秘密があった。
高校の教師との関係、秘めた想い、そして。
一見甘やかな王子様のような柊士の見せた執着にとまどいを覚える由羽だったが……

そうかこれがヤンデレか。
思わずそうつぶやきたくなるお兄ちゃんの暴走っぷりでした。
兄弟の禁断愛と微妙な三角関係と壊れた父親。
色々フルコースにもかかわらずラストは思いの外さわやかで、もっとダークにもできただろうに踏みとどまった作者の優しさを感じました。

ここは素直に「よかった!!」と言うべき所な気がするんだけど、安心したような物足りないようなちょっと複雑な気分です。

二人きりの閉ざされた世界っていうのは永遠のドリームだよね。
だけど、そこに出口が用意されてしまったような気がして、ちょっとだけ肩すかしを食らったような気がします。

や、綺麗にハッピーエンドなんだけどさ。

2

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