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表題作恋人は、一人のはずですが。

マサト、稀有な才能を持つ謎の作家
森藤東護、文芸誌の編集者、28

同時収録作品恋人は、一人のはずですが。

柳瀬優、大ベストセラー作家
森藤東護、文芸誌の編集者、28

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

小説投稿サイトで、稀有な才能を持つ作家を発見!! 見つけたのは、文芸誌の編集者・森藤東護。この作者にもっと書かせたい――惚れ込む東護だが、著者のマサトは、心温まる作風とは違い横柄な態度で書く予定はないと告げる。どうにか口説き執筆を約束させるが、その直後、なぜか大ベストセラー作家・柳瀬優から担当編集の指名が!! 戸惑いつつ柳瀬を訪ねるが、その顔はマサトと瓜二つで!?

作品情報

作品名
恋人は、一人のはずですが。
著者
楠田雅紀 
イラスト
麻々原絵里依 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
発売日
ISBN
9784199009242
3.7

(62)

(13)

萌々

(33)

(9)

中立

(0)

趣味じゃない

(7)

レビュー数
16
得点
224
評価数
62
平均
3.7 / 5
神率
21%

レビュー投稿数16

ネタバレ厳禁

この本の結末については賛否あるのも頷けます。
私は東護の感情で読んでいたので、最後マサトを選んでくれて安心しました。優の苦悩も分かるけれど、東護にとってマサトがカッコよすぎます!
マサトと優の関係は早々に気付き、セオリー的には東護は優とくっつくのかな、と悔しく思っていたこともあって、東護がマサトを恋人に選んだときは嬉しかったです。
まぁ時間を置いて冷静になってた今、これで良かったのだろうか・・・という一抹の疑問は湧いているのですが。こういう設定のお話の場合、どう納まるのが一番いいんでしょうか。
機会があれば収録されていない同人誌のお話も読んでみようと思います。
それにしても作中マサトの書いた物語も、優の小説も面白そうで、こちらも読めるものなら読んでみたいですね。

2

この題材は好み。サスペンス調

タイトルからラブコメかな?と思いきや、サスペンスみが強い。
これはネタバレ無しで読むべき作品だと思います。

書ける範囲でざっと言ってみれば、「性格が正反対の双子との三角関係」的なストーリー。
ただ、よくある『2人ともそれぞれ魅力的で、受けはどちらかを選べずに悩む』という展開ではありません。

冒頭、いきなり小学生誘拐事件の衝撃的なシーンから始まり、甘い恋愛ものではないな…という事が示されます。
主人公は出版社の編集者・東護。
ある小説投稿サイトで心打たれる作品を読み、作者に連絡を取る…というところから物語が始まります。
双子の愛憎、自由を奪われている片方と、彼を潰そうとしている片方。
多分比較的すぐにそれがどういう意味で、どうしてそんな状態になってしまったのかはわかるとは思うけれど、それならこの後どういう解決になるのだろう?というのが次の読みどころになってくる。

私はこの結末はちょっと懐疑的…ほんとにこれでいいの?と感じてしまいました。
東護は「自由を奪われている方」と恋仲で、「潰そうとしている方」と対決するわけだけど、これを恋を貫く強さと取ってしまっていいのか、不自然な状態を相手に強いているだけなのではないか。
気持ちはわかるけれど東護のわがままを感じてしまった…

このテの題材は好みですので、結末はアレとしてもおおむね「萌」で。

1

自己中に思えた

すごく良かったんです。
マサトの気持ちを考えるととてもせつなかった。優が残ってマサトが消えたら悲しいって思いながらハラハラしてたんです。
でも途中から東護が余りにもマサト、マサトになってしまって違和感を感じてしまったんです。
あまりにも自己中だと思ってしまったんです。
そして2人の生活に満足してしまい、優が戻って来てるのかをフォローもしないで、他社編集者の電話で知るってどういう事だって、一気に覚めちゃたんです。
マサトが優に呼ばれて話し合ってくれたから良かったものの、あのままだったらどうしたんでしょう。
それに焦ってマサトを説得する様子も自己中のような感じがしました。

出来るならば、同人誌の内容までで一冊にして欲しかったです。

2

心情描写が良い

初読み作家さん。
試し読みをしたときに、冒頭(事件シーン)から作品世界に引き込まれたことと
麻々原絵里依さんファンということで購入。

頁数から予想していたよりもしっかりとした内容が良かった。
解離性人格障害をテーマにしたBL小説はいくつか読んだけれど
これはサスペンス的要素が薄めで話の先が直ぐに分かってしまう。
なのに、頁を繰る手は止まらないという読ませてくれる作品。

二次的人格であるマサトに焦点が当てられた内容展開は
途中からサスペンス色よりも心情描写に重きが置かれており
マサトの心情描写は切なくて何度もホロリとさせられる。
また、マサトと東護を応援する気持ちの果てに明らかとなる
基本人格である優の本音は意外なもので不意打ち食らって落涙。

優とマサトの人物像の対比には
彼らそれぞれの言動だけでなく、彼らが書いた作品をもってくるところが興味深い。
それらの作品タイトルがまた心惹かれるもので
特に優の作品のタイトルは秀逸で読書欲が刺激される。

物語の着地点は私的に好ましいものだったが
3人の関係性を考えるとスッキリした気持ちにはなれないため
先の方が書かれているように本編の続きとなっている同人誌の内容も収録して欲しかった。

今作を読んでいる途中で、何度も秀香穂里さん作品を思い出した。
こちらも二次的人格であるリョウは残る話なので、良ければ是非。
ちなみに、奈良千春さんの表紙イラストが全てを物語っていて
リョウが生きていることは秀さんご自身に確認済み。

ラヴァーズ文庫『ダークフェイス ~閉じ込められた素顔(上)~ 』
       『ディープフェイス ~閉じ込められた素顔(下)~』

5

ぐいぐい読ませる

ミステリー要素が絡んだ展開で、お話がどこに向かうのか予想もつかない面白さに夢中になり、一気に読んでしまいました。

ぐいぐい読ませる展開や切ない描写などにジーンときて、これは間違いなく神だな!と思っていたのだけど、終わり方が私としては尻つぼみというか、えぇぇ……それでいいの??とモヤモヤが残ってしまったために萌萌どまりです。
主役カプにとってはハッピーエンドだけど、個人的にはメリバっぽく感じてしまったので……。





ネタバレしてます。


まず終わり方。
そんな仲良く共存って可能なのか?!という点がいまいち腑に落ちなかった。

そして何よりも、優が可哀想すぎて落ち込んでしまいました。
これがただの当て馬だったら「彼も素敵な人を見つけて幸せになって欲しいです♪」みたいな感想を抱けるけれど、優の幸せって何なんだろう……優が幸せになる方法ってあるんだろうか?って思ってしまって。

東護の痴態を見ることはできるけど、味わうことができない状態が、一生続くというわけですよね。
忘れようにもその状況じゃ忘れることはできないだろうし……

なにその生き地獄……。

だからといって、他の人に恋をすることを東護は許してくれるんだろうか?

私としては精神的3Pというのかな、どっちにも愛されちゃって欲しかった……と思ってたら、同人の「恋人が、二人になりました。」とレビューが目に入りました。
どうやらまさに私が考えていたような続きになっているようなので、良かったぁ!と思いつつも、どうせならここまで収録して欲しかったなぁと。

そしたら文句なしに神でした。

4

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