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表題作花盗人のくちづけ

鷹司宗敬・男爵家当主
花房夏彦・伯爵家次男

その他の収録作品

  • あとがき
  • 表紙カバーラフ図

あらすじ

達きたいなら、私に請いなさい

没落の一途を辿る花房伯爵家の次男・夏彦は、成り上がりと噂の絶えない男爵・鷹司宗敬から援助を代償に「書生」にと望まれるが…。電子書籍限定配信!

華族衰勢の代。花房伯爵家次男・夏彦は、傾く家のために政略結婚を期待されていた。そんなある日、成り上がりと噂の男爵・鷹司宗敬から、家の援助と引き換えに「書生」にと望まれる。政略結婚でのし上がり、実業家として成功した男からの突然の申し出。夏彦の脳裏に、宗敬の理知的かつ鋭い眼差しが蘇る。単なる善意か、はたまた――。伯爵家としてのプライドを疼かせながらも、自暴自棄に承諾する夏彦だったが…。

作品情報

作品名
花盗人のくちづけ
著者
ゆりの菜櫻 
イラスト
赤木作次 
媒体
小説
出版社
二見書房
レーベル
シャレード文庫
電子発売日
3

(3)

(1)

萌々

(0)

(0)

中立

(2)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
3
得点
7
評価数
3
平均
3 / 5
神率
33.3%

レビュー投稿数3

大正風ロマン

2006年に掲載した作品の再編版。
起承転結が組まれた、あっさり目のロマンス。

この作品がデビュー作という絵師、赤木作次 さんの絵が凄く綺麗。
夏彦の容姿について、特に説明がないけれど、
挿絵のように優しい綺麗な男子なのだとおもう。

起の場面は、金平糖。
軽井沢で療養する夏彦は、斜陽な伯爵家の次男。
幼い頃に、木の麓で泣いていたお兄さんに金平糖を渡して、泣かないでと笑いかける。
この日少年夏彦からもらった金平糖、
そしてお兄さんは夏彦のことを忘れられない存在になっていた。

承の場面は、男爵の住み込み書生に夏彦がなる。
・・書生というか、身の回りのお世話=囲われ者になる。

転で、夏彦はコッソリ軽井沢へ戻る。
そして、家族と会い、昔の恋人とも会い、自分の気持ちに気付く。

結で、夏彦は男爵の妻に会いに行く。
・・夏彦が抱いていた誤解が解ける

物語は、二人の想いがつながる所で終わりだけど、この二人のその後はどうなったんだろう?
この後訪れる大きな長い戦争をどうしたんだろう?とか色々考えてしまった。
日本が世界大戦に突入する前の、紡績業が盛んになったころの大正時代の話でした。

1

短い……

作家さん買い。

冒頭は、道端で泣いている青年を慰めるために自分の金平糖をあげたという幼い受けとの微笑ましいエピソードから始まります。
なので、あぁこれが攻めと受けの出会いのきっかけなんだなとわかるんですね。

で、月日は流れ、今や没落寸前の伯爵家を救うために、成り上がり男爵と言われている男のもとへ書生としてもらわれていく受けの姿が。

男爵=かつての青年だと誰でもわかるので、ここから元青年・現男爵によるあの日の恩返しが始まるのかと思いきや、受けは手酷い言葉で辱められ無理やり抱かれてしまうんです……。

はっ!?と目を疑いましたよ。

まるで恩を仇で返すような仕打ちすぎないか?
ちょっとした手違いで、受けが自分の元から逃げ出そうとしてると勘違いして逆上したとはいえ、レイプ?!と。

この無理やり感とかレイプ始まりとか、決定的に言葉足りないゆえのすれ違いとかが、どことなく古くさいなぁと思ってたら、あとがきによると2006年に雑誌掲載された作品とのことでなんか納得しました。

短いので、受けの幼馴染であり元恋人である当て馬の存在の描き方が微妙でした。

受けとは恋人同士だったのに、幼馴染も没落寸前の華族ゆえに家のために金持ちの娘と結婚させられることになり別れる事になる。

しかし、後日幼馴染はこっそりと受けの元を訪れ「駆け落ちしよう!」と言うんだけど、それを聞いた受けは「え……なんか違う‥‥」と困惑するんですね。

おまけに「お前を手放したく無いんだ!!」と熱く語る幼馴染の姿に、こいつはこんな男だったか?知らない男みたいだ……と戸惑うんだけど、え〜……?そりゃないよ……元恋人(幼馴染)可哀想……となんか同情しちゃいました。

元恋人への想いは泡のようにさっさと消えていく一方で、何を考えてるのかわからないレイプ野郎(攻めのことです)への想いは着々と増していく…というところも、お約束とはいえ強引だなと。

イラストが赤木作次さんという方で、あとがきによると「今回初めてのお仕事」とのことですが、どっからどう見ても葛西リカコさんの絵にしか見えないのですが(中のモノクロも)どうしてなんでしょう……?





1

大正時代もの

ゆりの先生買い。「2006年に雑誌に掲載した作品を電子化」とのことで、時代は大正です。イラストは赤木作次先生で、なんと今回初めてのお仕事とのこと、すごく綺麗な絵でうっとりでした。re〇taさんによると全86ページ、本編+ゆりの先生のあとがき+赤木先生の表紙イラストラフ図(別パターン)が入ってます。短めで読みやすく、小説初めてという方でも大丈夫だと思いました。最初だけ無理やりがありますので、お伝えしておきます。

お話は、三直侯爵の還暦祝いの夜会のシーンから始まります。夏彦は没落の一途を辿る伯爵家の次男で、父も兄も金策に走り回っている中、久しぶりにこのような夜会に顔を出したのです。幼馴染の大河内子爵嫡男の康成と会っていたところ、事業好調な鷹司男爵が顔を出してきたところに出くわし・・と続きます。

登場人物は
夏彦の幼馴染である康成、鷹司男爵の嫁、男爵家に仕える方々少々です。

***以下は内容に触れる感想


腹黒でもなく、コメディタッチでもなく、切なめストレートなお話。これが先生があとがきに書いておられる「昔のゆりの菜櫻先生」なのかなと思いました。
攻めさんは「すごく隠れて執着している方」、受けさんは「健気なまっすぐな方」という印象です。攻めさんが隠れて執着していて、ばれた時に少し慌てていて可愛いなと思ったら、終わっちゃう。うーん短い。ゆりの先生の作品でお見掛けする腹黒、意地悪系な攻めさんの片鱗を窺えたと思ったら、終わる・・・ちょっと残念でした。
短いので、小説デビューを考えてる方には良いかもです。

3

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