特典

  • 「ラムスプリンガの情景」全員サービス 描き下ろしペーパー

「ラムスプリンガの情景」全員サービス 描き下ろしペーパー

rumspringa no jokei

商品説明

「ラムスプリンガの情景」全員サービス描き下ろしペーパー
A5サイズ(2つ折りリーフレット) 両面印刷 マンガ4ページ
アンケートハガキと82円切手付封筒で応募できたペーパー

ニューヨークで暮らす二人のその後の番外編。
ダンススクールの講師をしているオズを迎えにきたテオは
オズを慕う生徒とオズを取り合うケンカをして…

作品情報

作品名
「ラムスプリンガの情景」全員サービス 描き下ろしペーパー
著者
吾妻香夜 
媒体
特典
発売日
付いてきた作品(特典の場合)
「ラムスプリンガの情景」
4.8

(5)

(4)

萌々

(1)

(0)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
3
得点
24
評価数
5
平均
4.8 / 5
神率
80%

レビュー投稿数3

《ネタバレ有》達者で暮らせよ…(感涙

本編から少し経ったあとのオズ&テオの様子が描かれていました。

本編終盤でニールさんが持ちかけたオーディションは結果としては受からなかったようですが、その後もNYでバレエ教室の先生をしているオズの姿にホッとしました。自分のためだけでなく「誰かのため」に物事を考えられる、面倒見の良い優しい人なので、先生は良い選択だったのではないかと思います。

テオもニールさんの元で雑用係として元気にやっているみたいです。もともと器用で体格も良い彼に向いているお仕事だなと思いました。明るく愛嬌のある人柄なので、職場でもきっと良い人間関係を築けていそうな気がします。

ただ、ゲイカップルとしてNYで暮らすにあたっては厳しい現実もあるようで…。こればかりは色んな考え方の人が居るからな~致し方無い面もあるのかな~と悲しい気分になりますが、テオとオズの笑顔に救われました…。この場面のテオの優しさや考え方は私自身も見習いたいと思いました。

2

悔いのない二人が素敵

本編のラストでは、アーミッシュのテオがオズと生きる道を選び、家族とコミュニティと決別してしまうので、どうしても悲しさをぬぐえませんでした。二人はきっと大丈夫と思いながらも、その後がとても気になっていました。だから、この書下ろしペーパーは本当にありがたくて!

オズはテオと向かったニューヨークで、演出家のニールさんの口利きでオーディションを受けたはずですが、ブロードウェイには立てなかったようです。今はニューヨークでバレースクールの先生をしています。

テオはそのニールさんの演出助手をしているのだそう。ニールさんからは「名ばかりの雑用係」なんて言われてるようですが、きっと舞台装置作りで役に立っているにちがいありません。幼馴染のダニーも、テオは誰より器用だと言っていましたから。
ニールさん、文句をいいつつも面倒見がいいですよね。本編でも、オズの背中を押してくれましたし。実は物語の最大の立役者という気がします(笑)。

珍しくテオが早退してオズをバレースクールに迎えに来たので、二人の会話はニールさんのことになります。
オズはオーディションのことを思い出したのでしょうね。「何も後悔せずに済んでよかった」と言うのですが、私はこの言葉を聞けたことが一番嬉しかったです。テオに「俺と生きてくれないか」と言ったニューヨーク行きが、後悔のないもので本当に良かったと思うのです。

オズとテオは恋人であり、家族なんだなあと思いました。バレースクールの双子の生徒が喧嘩していて、テオが「家族は仲良くいてくれなきゃ僕悲しいよ」と言うのですが、テオが会えない家族の分もオズに愛情を注いでいるように感じられました。「僕の家族になってくれてありがとう」とオズの誕生日を祝うテオの嬉しそうなこと!もちろん後悔なんてあるはずありません。

誕生日のプレゼントは、オズのリクエストでライターなんだそう。お父さんの形見のライターは、以前はお父さんに託された夢を果たせなかった辛い象徴でしたが、それを引き出しにしまえるくらい、オズは気持ちに整理がついたのでしょうね。

オズと並んで歩くテオが、ロングコートにストール、ショルダーバッグがしっくりしていて、すっかりニューヨーカーなんだなと思いました。アーミッシュの服装が多かったので、新鮮でした。

4ページのショートストーリーなのに、いろいろな思いがあふれてしまいます。
幸せそうな二人のおかげで、本編を安心して読み返すことができます。
悔いのない二人が、とても素敵だと思いました。

9

「ラムスプリンガの情景」時代背景を無視しない完結編。

テオとオズのその後、ニューヨークでの番外編です。
吾妻先生のTwitterによると、このペーパー(4ページのリーフレット)でテオとオズの物語は完結のようです。
その後の二人を知るのは大好きだけど、この二人のその後を知るのは正直こわかったです…

というのも、二人が恋に落ちた1980年代はAIDSが発見され、ゲイはAIDSという奇病をもたらした元凶とみなされ、ホモフォビアが激しかった時代。
二人の未来はとても困難になると思ったから…


オズはダンスでは成功できなかったけど、教える才能には恵まれていて、ダンススクールの講師をしている。
テオはそこにわざわざ迎えにきて、オズを大好きな生徒の女の子とオズを取り合いのケンカをする。
子供みたいなテオのバカ騒ぎを、呆れながら見ているオズ、その二人の姿は想像していた通りの幸せな風景。

どれくらい後の話なのか具体的な記載はありませんが、オズはメガネをかけて落ち着いた雰囲気、テオも女の子を諭す姿が大人びて見えるので、数年は経っているように感じます。
そして、帰り道に手をつないでいると、ホモフォビアに心無い仕打ちをされてしまう。

それでもテオは明るくおどけて、オズを楽しませようとする。
テオだって、ホモフォビアからの仕打ちに傷つかないはずはない。
でもそれよりもオズのことを考えて明るくしているんだろうなぁと思えて、明るくホッコリしたシーンなのに、テオの優しい強さにジーンとしました。
逆境のなかでも、やっぱりテオは強くて優しくて、オズと一緒に幸せになっていくんだなとわかってひと安心です。


ホモフォビアの台詞はつぶれた筆記体で何を言っているのかわかりません。
でも身なりが良さそうな普通の紳士。良識がありそうな人までがホモフォビアになっていた時代、そんな中で二人がどんな風に生きていったかを描いてくれたことで、私の中でもテオとオズの物語に幸せなエンドマークをつけることができました。

11

この作品が収納されている本棚

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