おまけ漫画付きRenta!限定版
こんな恋、もうできないと思っていた――。
2作品が収録されていますが、個人的には表題作が好みでした。
【ブルーノート】
ピアノを通じた恋物語は、先生の絵柄と物語の雰囲気がぴったりとマッチしていて、ロマンティックさを増してくれます。
とても綺麗なお話だったのですが、1つだけ気になったのがピアノの上でやっちゃうシーン。
2人を繋げてくれたピアノであり、奏にとっては商売道具なのにその上でしてしまうのが違和感でした。
物語としては幸せで、甘いシンデレラストーリーを楽しむことができました。
1つのお話が短いのでどうしても物足りなさは感じてしまいましたが...
絵柄と物語がぴったりとはまっていて、目で見て楽しむこともでき、大満足でした。
お名前は前から知っているのですが、
購入したのは初めての作家様でした。
バイトと身体を売ることで生計をたてている奏(受け)と
奏のピアノの演奏に惹かれるミステリアスな男の人(戈木さん)のお話です。
戈木さんが一体何者なのか謎だったのですが、
読みすすめるとなるほどなぁと思いました。
どん底にいた奏を間接的に救ってくれたんですね。
恋愛の進み方が大人って感じでした。
そうさせるのは戈木さんがスマートな男だからかなぁと思いながら読み終えました。
表題作以外にもう1つお話がありました。
そっちの攻めもスパダリですごくかっこよかったです。
ただ、個人的にはどちらもあっさりとしているように感じ、
もうひと悶着というか、波がほしいなぁと思ってしまいました。
ピアニストを諦めた2人が偶然にも出会ってしまいます...
美しいピアノの音色が聞こえてくるような、終始美しい作品です。
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ピアニストを諦めたピアノ弾き: 奏(受)
×
元ジャズピアニスト: 眞琴(攻)
身体を売って、時々ピアノを弾いて、なんとか生活している奏でしたが、奏の演奏をたまたま聴いた眞琴は奏が気に入り、専属のピアニストとして雇います。
ピアノに苦しまれつつも死ぬほどピアノを愛しているふたりの美しい作品です。
ピアノをあきらめた主人公が、自分のピアノを気に入った大富豪に買われる、というシンデレラストーリー。まさに少女漫画設定で、あまりに都合がよすぎてなかなかお話に入り込めなかった。
コンクールで優勝するために弾くことに疲れ、今は体を売って暮らしている受け。ふとしたきっかけで彼のピアノを聞いたイケメン社長、しかも昔ジャズピアノをやっていたという(そんな都合よすぎる王子様が自分を好きになるという。。)人物に目をかけられ、いやどうも一目惚れっぽいのです。
それが実は、昔受けさんが憧れたジャズピアニストだというのも、え~という感じでなんだかあまりの非現実設定に引いてしまいました。
絵がきれいなだけにお話の方が少し残念。
手に取って表紙を見た時点で、完全に心を奪われていました。
作画が美しいのはもちろんのこと、装丁も素晴らしい。
作品を生み出すのは作家さんですが、それを世に出すべく飛び回っている編集者がいて、コミックスが人目を引くようにデザインするデザイナーがいて、いくつもの手が加わって、1冊の本としてわたしたちに届いているんだなあと改めて感動。
【ブルーノート】萌2
かつて恋をしたピアノ講師に捨てられて、人前でピアノを弾けなくなった奏。
そんな彼を見つけてくれたのは造船の大企業を経営する戈木(さいき)で…。
音楽業界という狭い世界からドロップアウトした奏が、収入で足りない分を身体を売って生計を立てているというのが何とも…。
一握りの人間しか立てないスポットライトの下で光を浴びていたのに、一歩外れたら潰しが効かない分、落ちるだけなんだな…。どの業界でも言えることですが。
奏がもう一度ピアノを弾きたいと思ったきっかけを作ったジャズピアニストの存在や、そのピアニストが演奏していた曲のタイトル、それに奏が元恋人のために作った曲のタイトルも含めて、一本の線の上を流れるようにストーリーが展開していきます。
お互いの奥に隠した傷を理解して、癒やし合える関係っていいですよね。
ある意味シンデレラストーリーなので結構ベタだし、ラストの船上パーティで昔の客にばったりなんていうくだりは「詰め込んじゃったな」感があるのですが、作画の美しさで全く気になりませんでした。「あばたもえくぼ」状態。
小綺麗な作画はあまり…という方には、あばたはあばたのままなので、ご都合主義な展開に気になるところがいくつかあるかもしれません。
【初恋リフレイン】萌
大学時代に付き合っていた先輩との再会。
みんなの憧れで、常にひとに囲まれていた先輩に好かれていることへの自信のなさで失ってしまった過去の関係と、現在の対比がわたしにはあまり響きませんでした。
現在は仕事面で支えられるから、堂々と隣に立てる!という終わり方だったけれど、そこに至るまでもう一捻り欲しかったです。
先輩は昔のまま、誰からも愛される人で、前の秘書さんとお似合いとかいうネタ振りがありつつも、都合良くレストランで居合わせた前秘書は社長の未練を受けにお知らせする係でしかなくて、受けが自信のなさの壁を乗り越えたのもお酒の力を借りて、だったので、「え…、これで終わり…?」という物足りなさが残ってしまいました。
描き下ろしでは本編の2人が、懐かしいジャズバーへ。
4年前に戈木が奏に残したメモの英文、ブレイクですね。
“If the Sun and Moon should ever doubt, they immediately go out.”
「太陽と月が自らの存在を疑うなら、その瞬間に光を失ってしまうだろう」(拙訳)
自分に自信をなくして、何もできない人間だと思えば、何もできなくなる。でも自分を信じて進めば、自ずと光は見える、みたいな、深い言葉です。