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表題作羽化

アルブレヒト(獣人),ボディーガード,α
新堂あさひ(人間),高校生,Ω

同時収録作品クレイジー・サマー・ウール

トカゲ,美容師
ヒツジ,バイト

その他の収録作品

  • 毛皮の中でおどる日々(描き下ろし)
  • あとがき(描き下ろし)
  • ー電子限定描き下ろしー1P

あらすじ

ごめんなさい―――好き。
自分をβだと思い込むあさひを守るために雇われた
大型獣人でαのボディガード・アル。
人間の中で奇異の目で見られながらも
静かに優しく自分を守るアルにあさひは次第に惹かれていくが、
アルには既に亡くなった「運命の番」がいた――!
人間と獣人という禁忌、
しかも平凡なβの自分にはどうしようもないと
あさひは必死で感情を抑え込もうとする。
しかし恋を知ったあさひの身体は
暴走していき――!?
描き下ろしはラブラブ後日談12ページ!

作品情報

作品名
羽化
著者
赤河左岸 
媒体
漫画(コミック)
出版社
リブレ
レーベル
ビーボーイオメガバースコミックス
発売日
ISBN
9784799740521
3.7

(69)

(19)

萌々

(23)

(18)

中立

(6)

趣味じゃない

(3)

レビュー数
13
得点
247
評価数
69
平均
3.7 / 5
神率
27.5%

レビュー投稿数13

めざめのとき

赤河左岸先生の2018年発表作品。
表題作と短編1作品収録。

「羽化[メタモル]」
獣人が共存している世界観の中での、オメガバース。
主人公は、病院の院長の一人息子の高校生・あさひ。
彼には獣人のボディガードが付きっきり。
あさひが病弱だから、と通院をさせ、生活の補助、危険から守る、一番大事な仕事は薬を飲むことの確認。
だって、あさひはβとされているけれど本当はΩ。生きづらいΩ。彼のお父さん(Ω)はあさひにヒートを起こさせたくない。βに変えたいのだ…
だけど…
…というストーリー。でもね?
あさひは優しくて強い獣人のアルブレヒトが好き。心が成長すればやはり身体だって。
もう薬では抑えられないんです。
そういうあさひの恋心の物語が骨子だけど、恋愛無し運命のみで繋がる獣人の家族、その番を失くした時の獣人の生き方、バースの運命のせいで家族が壊れることもある人間世界の残酷…友達に酷いこと言っちゃう思春期も。
赤河左岸先生が描くと、切なさも瑞々しい。

「クレイジー・サマー・ウール」
2017年発表のアンソロジー「獣・人外BL Special」に収録されていた作品で、そちらで一応レビュー済み。
世界は様々な種族に満ちていて、主人公は羊人間の男の子。
ニンゲンに冬に誘われて、夏が近づくと振られて。
だから暑苦しい自分の毛皮が大嫌い。
さて、アパートの隣人はトカゲ人間の美容師さん。
そのままの冬毛を部屋でカットしてくれるんだけど…
別にナニも起こりません。だけど露わになった毛の下の皮膚にひんやりとトカゲの手のひらが張り付いて、どことなく淫靡。

0

しっとりと獣人オメガ

お話が今いちよくわからんとか、リブレというのもあってどうかな?と思いながら読み始めましたが、なかなかよかったです。

獣人オメガバース。
アルファとして育てられる主人公、あさひ。そのボディーガードのアル(獣人アルファ)。
しかしあさひは実はオメガで。。

親の方針でアルファと教えられ、薬を飲み続けるあさひですが、思春期になると症状が抑えきれなくなります。
アルは、番をなくした獣人(もっふもふ)。ヒートにならないため優秀なボディガードとして雇い入れられます。

かっこよく優しいアルにこいするあさひ青年。一方のアルも、純粋なあさひを。。
今考えるとアルがあさひを好きになった理由が少し弱いかな?
傷心であったろうアルに名前をくれたあさひではありますが。

絵に雰囲気がある作家さん。
読後感は悪くなかったです。


2

澄み渡る、

アルとあさひの心の繋がりはとても美しかったなと思ったのだけど、あさひ父の言動が引っ掛かって複雑な気持ちにもなってしまうような…。
読み終えてほんのりモヤモヤが残っています。

あさひにはΩだということを隠し、万が一のために人のΩに反応しない獣人のボディガードをつけて。また本当にβにするために新薬を作り服用させている…息子にツラい思いをさせたくないあさひ父の気持ちはわかるけれど。
これは愛なのか?エゴではないの?と。
でもそんな父の考えによってふたりは出会えたわけなので、すべてを否定することはできないという葛藤にもモヤっ。

あさひは自分で自分の道を選択し信じることが出来る人で本当に良かったし、アルも自分の心に正しく向き合う人で良かったなと心から思いました。
ふたりの澄んだ心に救われていたお話だなと感じました。

2

同時収録短編が好き

「果ての荒野でバカンスを」が面白かったのでこちらも買ってみました。雰囲気は「ふたりぼっちのエバーアフター」に近いかな?しっとり人外もの。

こちらの表題は「Ωとαしかいない獣人」がいる世界観のオメガバースでした。友だちの、恋愛とも言い切れなさそうな感情がなかなか繊細で好きです。
世界観が強い先生はオメガバースに特殊要素を一個のせがちって自分内あるあるが誕生しつつある。そして世界観が作れる先生はオメガバースを使う必要あまりないとも思っている。演出は素敵でドラマチックだけど、お話自体は結構あっさり。

特に好みだったのは短い同時収録作!こちらは萌2!BLっぽくないお話でした。羊の獣人の男女も正直あまり明確ではないしね。一般の某人気漫画っぽいな〜という気がどうもしまうけど。
黒いビニール袋に散らばる白い毛が、美しく神聖な雰囲気もあって素敵。

0

苦手意識がなくなる不思議

ガチ獣人と人間の話はちょっと苦手だったのですが、先に読んだ『果ての荒野でバカンスを』がとてもよかったので、チャレンジ。

結果…獣人アルブレヒトに萌えました。
このアルブレヒトの描かれ方が、私の獣人苦手意識を変えたんだと思います。
紳士的な物腰、大人の対応もすてきなうえ、ちょいちょい垣間見れる可愛い反応、行動が堪らなかった。
でも、舌使いはエロイ…。

作品のテーマに、性別や種族を超えるがあるのですが、読者の私もその違い超えて、獣人と人間の物語を素直に楽しめました。

赤河先生のお話は、どのお話もちょっと不思議な世界感を美しく描かれていて、今までにない関係を見せてくださるので今後の作品も楽しみになりました。

5

羽化、新しいあなたと、私と

共に生きていこう。
たとえ運命じゃなくても。
ましてや人間でも何者でもなくても、
あなたが好きだ。


この本が好きだと心が震えています。赤河左岸先生のデビュー作ですが、私は『果ての荒野でバカンスを』を先に手にした口です。果ての〜があまりに良くすぐこちらも入手しました。
オメガバースのカテゴリーだと「運命の番」、α、β、Ωそれぞれの性の違いや壁などが題材に上がるかと思いますが、これまであまり私の中でしっくりきていませんでした。ですがこの作品を読んで目の前がひらけた感覚です。
「獣人でα」と「人間でΩ」の二人の恋の話ですが獣人だとかΩだとかはその人の個性である、というのが結論です。それがあったから、なかったらと考えることはとてもナンセンスなことなんですね。その人を構成する一部なわけですから。だからこの二人はそうして種族、第二の性全てひっくるめて惹かれあい恋をした、それだけの話です。ですがその個人を見て恋をするっていうところがオメガバースというだけでぼやけてしまう作品も多い中、こんなにもドラマティックに描いた赤河先生の力量には舌を巻きます。

もう一点この作品を読んでいて素敵だなと思ったところを紹介して終わりにします。

守っているようで守られてた。
強いから守るんじゃない、弱いから守られるんじゃない。
ただ大切にしたいから。

そんな互いにギュッと抱きしめ合うような恋を描いた傑作です。

5

羽化 副題「メタモル」

面白かった。
オメガバースのテーマが少しずつ変りつつあるけれど、でも、まだ既存のパターンを脱していない感。
実際にバースが変った時に起きる混乱を想定したシュミレーションがオメガバースというファンタジーだとしたら、まだ掘り下げが足らないような気がします。

最近科学雑誌で話題の「蛹」の中で起きる化学変化がテーマのSFファンタジーかな?と期待して、購読。でも、少し違って、Ω⇒βへ性を変える新薬についてのSFファンタジーでした。
---
メタモル、変態を行うなら、昆虫のように一旦溶かして再形成する過程を踏むのかなと思ったら、この作品は、カプセルの服用だけでΩをβに作り替える内容でした。・・・それはかなり飛躍したSFファンタジー、多分無理。
お話も、やっぱり不完全な「新薬」という設定になっていて、薬が何故か効かず、獣人のアルには、あさひから花の香がしていた。

この物語で大事な部分は「番を選ぶのは、(ホルモンによる衝動)バースではない」という所で、そこは麻生ミツ晃先生の「リバース」と共通しています。
フェロモンの衝動で愛のない生殖活動をしていいのか?という問いへの問答のようなテーマ。
フェロモンやホルモンは感情で動く、感情が先かホルモンが先か、というと私にはよくわからない。

アルは、「Ωだからあさひに惹かれたのではなく、あさひを愛しているからΩのフェロモンを感じたのだ」、と語っています。

余り無いテーマの純愛のSFファンタジ―、神評価。
恋愛シーン多くない。バースをテーマにした作品でSFものです。
主人公は平凡な男子、富裕な家に生まれた子。

以下簡単なあらすじ、と思いましたが、先に分かりやすいレビューがあるので
私が印象強かった場面のメモ・・・・

巻頭の海辺のシーンは、結末のシーンにつながる。

少年、あさひは実は、Ω。バース検査はβの判定。
本人に内緒で父親は自分で治験した後、Ωがβになる新薬の投与をあさひに行っている。
入り婿のあさひの父はΩ、病院を継ぐはずだったαの母は、事故で死亡。
自分が味わったΩの苦しみを息子に体験させたくないと父は思っている。

あさひの父は、番を亡くした獣人のα-アル、アルブレヒト(光)-を護衛につける
一度番を解消した獣人のαは、他種族のΩフェロモンへの耐性がつくはずだが、アルは、何故かあさひから花の香を感じている。
あさひは、護衛の獣人に密かに恋心を抱く。息子の秘めた恋を父親は知らない。

海辺で発情したあさひを保護して外泊した後、アルとあさひは電車で帰途に就く。
「薬 飲もうと思うんだよね」というあさひにアルが、
「獣人でも 人間でも 何物でも あなたが好きだ」で、END。

---調べたもの:

蛹の中で起きる化学変化:内分泌系による脱皮と変態
チョウなどの「完全変態昆虫」では、幼虫と成虫の体つきが全く別の生き物かと思えるほど違っているけれど、サナギはそのような大変身をするための準備の時期
変態に作用するホルモンの解明も進んでいる。
   ・・・JSTバーチャル科学館「昆虫の不思議な世界」

▼メタモル=メタモルフォーゼ(ドイツ語: Metamorphose)
変化、変身の意。 ギリシア語のメタモルフォーシス(μεταμόρφωσις, metamórphōsis; metamorphṓseis)に由来する。

▼羽化/完全変態を行う蝶
蝶などの完全変態を行う昆虫は、変態を行う時に蛹になります。蛹の中は、エバンゲリオンのコックピット内でシンクロしたシンジ君のようにドロドロに溶けている、クリーム状から再び体を形成する。

▼ 恋愛ホルモンの代表と言われるのはフェニルエチルアミン(PEA)
「遺伝子宇宙飛来説」で考えるなら、体は遺伝子に乗っ取られたロボットのようなもの。恋愛などの欲望は、遺伝子情報由来の衝動、とするなら、遺伝子由来の衝動を制御する理性は、遺伝子情報を書き換えることにつながること。

2

種族を超えて

獣人×人間のオメガバースですが、少し変わった設定になっています。

獣人はαとΩしかおらず、全ては運命によって番が決められている。
番いをなくした獣人は「はぐれ」αとなり、他種族のΩフェロモンに耐性ができるという。
今作は、はぐれαの獣人・アルと人間のΩ・あさひ のお話です。
あさひはΩですが、治験薬によってファーストヒートを抑制しβとして生きてきた。

性別、運命、種族をも超えて結ばれるアルとあさひ。
いつでも自分の意思で選びたいという あさひ は、治験薬を飲み続けることを決める。

獣人・アルと人間・あさひ のHは、体格差に萌え!モフモフ感に萌え!です。
ちょっと変わったオメガバースでしたが、楽しく読むことができました。

2

おもしろい世界観

リブレの出版物はどちらかと言えば一般受けするレーベルを出しているイメージがあったのですが、オメガバースについてはonBLUEみたいに作者の描きたいを応援している感じがします。

この作品は獣人×人間なのですが獣人の名前であるアルブレヒトの正確な発音が最後まで分からないところや、獣人は番をなくすと他種族のΩホルモンに反応しなくなるからΩの要人のボディガードに最適と言う事など。ファンタジーとリアリティのバランスが絶妙に良かったです。

また、最後の読み切りも、ファンタジーをナチュラルに表現されていて、行間も濃いな~と、思いました。注目の作家さんとなりました。

5

体格差が凄すぎて

まず、獣人のボディーガードのアルブレヒトとあさひの体格差に度肝ぬかれました。体格差が好きと言っても凄すぎます。というか、程よい時と差があり過ぎる時があったように思いました。
北海道の伝説の殺人ヒグマ並みにアルブレヒトがデカイ時がありました。笑。
それから、絵が不安定だと思います。
狼の獣人は他の作家さんも良く描かれているので、比べてしまいます。可愛い狼です。馬にも見えて肉食獣には見えません。
あさひの最初のヒートの時にアルブレヒトに抱かれますが、次の日にはあさひが普通に戻ってて、2人で電車で帰宅します。
ヒートってそんなに簡単に終わるっけ?って思いました。
それからあさひの父親がΩで亡くなった母親がαだったのですが、父親の首の後ろに噛み跡がありました。運命の番らしいんですが、女性αは男性Ωを妊娠させられるはずなんですけど、この作品では違うらしいんですよね。ちょっとモヤモヤしました。
また、同時収録作品はもうちょっと読みたかったです。

2

あっさり

オメガバースものとしては、少し変わった設定ですね。
種族、性別、色んな障害があろうと、自分の意思で相手を愛する。
それを描くための設定なのでしょうが。

ただ設定が凝っている割に、ストーリーはあっさりと進みあっさりと終わるので、ちょっと物足りないかなぁ…。

受・あさひが、自分がΩだと知らずβだと思い込まされていること。
Ωである父親がそれを望んでいること。
攻・アルは、運命の番を亡くしていること。
相手に恋愛感情は無くとも、大切に思っていたこと。
獣人の種族のルールで、他種族と結ばれてはいけないこと。
あさひの友人・たけるが、父親のせいでΩを嫌悪し、運命の番というものに拒否感を持っていること。

様々な不安要素が描かれているのに、特に波乱も無く、むしろ順調にあさひとアルが結ばれて、父もあっさりそれを認めて(その辺は描かれてなかったけど、反対されたという描写も無かった)、たけるとの仲もあっさり元通り。

私はシリアスや悲恋は苦手なので、幸せなのは良いのですが。
ただこの作品に関しては、あっさり幸せな終わり方にするのなら、ここまで不安要素を盛り込まなくても良かったのではないかと思ってしまいます。

嫌いではありませんが、また読み返したいとか、続編が読みたいとか思える作品ではありませんでした。

2

運命か。恋か。その両方か。抗うのか、受け入れるのか、選び取るのか。

とても優しい水色と白の表紙から一変して、冒頭にはいきなりクライマックスが⁈
オメガバース × 獣人 という世界観と、その切なさを遺憾なく発揮された良作だと思います。
…ですが。獣人には αとΩ しかいない、そして獣の様に「本能」で番う、という
特殊設定と。他種族間で番うことは禁忌とされている…、という「何故」どうして⁇ は、
ぼんやりとして行きます。
平たく言うと、獣人間では恋愛などの感情で、相手を見つける事は無いが、人間にはそれがある。
対比として、クラスメイトのたける(β)の母親の話が描かれています。
たけるの母(β)はα性の男性と恋愛の後、結婚したが、「運命の番い」(Ω)が現れて、
捨てられてしまう。不幸なオメガバースあるあるです。
なので、たけるは Ω性を憎んでいる。「気持ち悪い」とさえ、言う。
母親はすっかり憔悴して、狂っているようにも見えて、臥せっているのだが。
この母親のラスト周辺のセリフがいい。とてもいい。彼女の人としての矜持が見られて。
それは、この世界の中で、一つの救いとなっている、と思うのだ。

平凡なβとして生きられればと、番いである妻を亡くした父が息子のあさひを抑制剤漬けに
するのもまた愛情の為せるところで、病院を経営する父は高校生の息子を案じて、
獣人のボディガードを雇っている。皆んな何かを背負っていて、愛情を掛けていて。
それを守ろうと必死なのだ。…なので、禁忌の筈の獣人と番う息子をこの父はどう思っているのか?
少し心配だし。物語が肝心のそれに触れて来ないで、めでたし‼︎
そして、あまあまの後日談‼︎ と、いきなり終わるので。
作中の切なさと、シリアスな感情を宙ぶらりんに持て余してしまう。という読後感です。
いや、ハッピーエンドじゃ無かったら嫌ですけどね。回収して欲しかったです。

エチは体格差ともふもふで、予想通り。長い爪はあさひくんを傷つけてしまうので…
長い舌を…っていうのが、とってもエロいです♡ あさひくんも恥ずかしいやら、
感じ過ぎるやらで、大変なことに‼︎そして、獣人のアレは大き過ぎて、ヒートの時じゃ無いと
入らないそうです‼︎ うわぁ。

同時収録もまた、爬虫類系獣人ともふもふ羊獣人の恋未満。
どういうわけか、毛のない爬虫類系獣人が美容師で、羊獣人の毛を刈るという、
ちょっぴりシュールな短編です。

4

納得のタイトル

獣人α×人間Ωな帯に惹かれて購入しました。獣人オメガバース良いですね...
獣人に関しては少し設定がついていますが、王道路線なオメガバースだと思います。
読んだ後、タイトルに納得しました。

同時収録も獣人の話なのですが、こちらも良かったです。

ーーーーーーー感想とネタバレーーーーーーー

番を亡くしたアルブレヒトはあさひのボディーガードをしています。
どこかへ行く道中はもちろん送り迎えをします。恐らく一緒に住んでいるのだと思います。

獣人の番はいわゆる”運命の番”とは違う、出会うと生涯一緒にいる鎖のようなものですが、一緒にいるうちに情が湧いてくる関係と解釈をしました。番を解消した獣人は他種のフェロモンに対して耐性がつくとかで、人間の要人警護の仕事につくことが多いようです。

あさひにボディーガードがついている理由は、彼の父親が関係しています。
彼にはΩの苦しみを味わって欲しくないという親心からくる行動に、最初はん?と思いましたが、後々に父親自身の気持ちの描写があり納得できました。

あさひはアルブレヒトのことが好きだけれど、彼の尊厳を傷つけてはいけないと考えてその気持ちを抑えています。これが彼の仕事だから..と思う苦しみは切なかったです。

アルブレヒトは逆に、あさひから良い匂いがすることに戸惑いつつ徐々に惹かれているのかな...?

2人の関係を先に進めた重要な役割をしたあさひの友人がいるのですが、彼のエピソードも切なかったです。オメガバースならではな感じでした。

もちろん最後はハッピーエンドなのですが、アルブレヒトがなぜあさひを好きになったのかはちょっとわかりにくかったです。ただ、ほんとうの意味で2人は”運命の番”だったのだろうと思っています。

アルブレヒトとあさひの体格差は最高でした...大きい獣人最高です...

静かにじっくりとした話の雰囲気なので甘すぎない読後感でした。
個人的に獣人のもふもふ体験エピソードが描き下ろしにあったのが、とても嬉しかったです。

同時収録の話も、獣人の物語なのですがとても素敵なお話でした。
身体が毛で覆われているタイプの獣人って良いですね....
獣が好きなかたはきっと楽しめると思うので、オメガバースが大丈夫な方はぜひ読んでみてください。

3

この作品が収納されている本棚

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