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昔「探偵物語」というカッコいいテレビドラマがあったからだ!と私は思います。刑事ものブーム、オカルトブームというのもあった。その流れを受け継ぐ雰囲気の名作BLがたくさんあるのは作者様がそれらの影響を受けている気がする。つい最近も草間さかえさんの素敵な探偵話を読んだけど窓の「〇〇探偵事務所」という大きな字が部屋から裏返しに見えるあの感じ、なんかいいよねー。
今作は2019年作なので作者はもっとお若い方だと思いますが、裏寂しい場末の探偵という雰囲気。人も街も素敵に描かれています。主役の渋い探偵和貴さんは悲しい過去を持ち、見た目に似合わず純粋な子供のままの所がある人。真っ直ぐに猛進する若者・理科に愛されて幸せになってほしい。
死者がたくさん登場するシックスセンス的な不気味さも大好物なのでアンニュイで素敵な雰囲気を楽しめる一冊でした。暗いお話ですが、思いのほかハッピーエンドです。
舞台は猫探しからユーレイ退治までなんでも扱う探偵事務所
母親と父親を亡くし施設で育った 和貴
職を捨て探偵事務所を持った 東雲
ゲイを告白し親の反応から家出した 理科
死の臭いについてきたと言う不思議な青年 星彦
扱う仕事の途中途中で明かされていく4人の過去
怪奇モノとも 探偵ものとも BLにも振り切れない中途半端さはあるものの お話のつづられ方は仄暗い人間ドラマを見ているようで面白い 特にそれまで謎の多かった星彦の前日譚での恋の話は不憫にも美しいような 物哀しいような
ただ 1巻完結にしようとしたためか取ってつけたようなハピエンがどうにももったいない どうせなら続きをじっくり描いて本当のハピエンに繋いでほしかった
って言う「欲」が自然とでてきた作品でした
探偵事務所ってワケありの依頼人が殆どだろうなぁと購入させていただいたら
探偵自身も暗い過去がありそう…と冒頭から雰囲気が好ましかったです。
全体的にはジメッとした薄暗さもありながら、バイトの理科は素直で可愛らしい年下くんで
喜怒哀楽が激しくなさそうな和貴とは真逆ですがそういうコの方が合いそうですね。
事件そのものは派手ではありませんでしたが今の世の中に溢れていそうな事柄で
特に孤独死はもっと増えるんだろうな…。
所長が結構なお年を召していらっしゃるんですが
なんかもう凄く渋くて……しかも人情に厚くてこんな人の下だったらずっと働きたいと思えるだろうな。
和貴が恩を感じて傍にいながら力になっていたのが沁みました。
そんな和貴を闇から連れ戻してくれた理科、
それまで凹んでいたのもわかりますし勇気を出せなかったのも共感出来ましたが
星彦の一言で動けて良かった…。
星彦は不思議な青年でしたが純愛話もじーんときましたねぇ。
描き下ろしで更にこの作品が好きになりました。
1冊だけじゃもったいないくらい素敵なお話で
昔のことでもこれからのことでも、色んなエピソードや事件を読みたくなりました。
神寄りの萌×2です。
こういう陰湿で皆が救いを求めて足掻いているような雰囲気の作品、大好きです。表紙の人物でもある和貴は絶妙に哀愁漂っている男で、不思議と周りの同情を誘うんですよね。そんな彼を取り巻く人間模様がちょっぴり複雑で、でも面白い。和貴はやはり東雲に対して慕う以上の感情を持っていたんでしょうか。そこも読者によって自由に解釈していいのかもしれませんね。
個人的には青さの目立つキャラはけっして苦手ではないのだけど、他に大人なキャラが登場する場合どうしてもそっちの方が気になってしまうため、東雲と和貴、星彦と和貴、森下と星彦の関係性をもっと読みたかったなぁと思い、萌評価になりました。ただ、結局和貴のように周りの温度に引っ張られてずるずると堕ちていってしまうような人間には、理科のような周りに左右されず確固たる芯を持っている人間が必要なんだろうなと思います。読後は爽やかな印象の残る作品でした。
ちょっと妖しい探偵事務所のお話。
この、カバーイラストのこ汚い微妙なお年頃の男性に、何かピンとくるものを感じたら、狭いツボにヒットする可能性、大!
っていうか、私は好き!
この、堂珍和貴、特殊な生い立ちのせいで、なんというか、引き寄せがち。
前半は、そんなオカルトっぽいミステリー色の方が強めで、和貴が好きでアルバイトしている大学生の理科くんとの恋愛が、どうやったら成立するのかしらと、まあ、無いなら無いでも私的にはかまわないかと読んでいたら、、、
理科くん、がんばったじゃないか。
前日譚と後日譚、揃ってのハッピーエンド。
絵もうまいし、エッジコミックに外れ無し(私限定)の1冊でした。