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表題作狂犬ドルチェ

ラウロ・コルソ、食品会社フードサービス事業部長
菊森玲央、パティシエ、25歳

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

パティシエの玲央は、突然現れたラウロに高級ホテルのパティスリーへ招かれた。その上、豪華な社宅で世話係として尽くされて……。

作品情報

作品名
狂犬ドルチェ
著者
宮緒葵 
イラスト
石田惠美 
媒体
小説
出版社
プランタン出版
レーベル
プラチナ文庫
発売日
ISBN
9784829626597
3.6

(104)

(28)

萌々

(44)

(15)

中立

(2)

趣味じゃない

(15)

レビュー数
15
得点
363
評価数
104
平均
3.6 / 5
神率
26.9%

レビュー投稿数15

我を忘れて貪る敬語攻め

作者様買いです。

さすが宮緒葵先生。期待を裏切らない忠犬……いや狂犬っぷりでした。

ガタイが良くてうやうやしく、礼儀をわきまえた敬語攻めが、情事の時は我を忘れて本能に従っちゃう姿、堪らないですね。。

イタリア男ってのがまた、本当にいい…良すぎて困る…

耳を甘噛みしながら"Sei tutto per me"(”あなたは私の全て”)とか囁いてきちゃうんですね。こんなの腰砕けになるに決まってるー!!

物語も二人の子供時代の出会いエピソード、そして徐々に明かされていく玲央の出自…と、甘さとハラハラのバランスが絶妙で、一気に読み切ってしまいました。
ドルチェの甘さの中にスパイスがピリッと効いてます・:*+.

宮緒先生のワンコ(狂犬)攻めといえば「渇仰」の達幸の印象がやはり一番強烈なんですが、こちらのラウロはより私好みの狂犬でした◎
(あっでも我を忘れていても解すのは忘れないで欲しいかな…玲央くんのお尻が心配になりました笑)

はあ‥しばらく宮緒先生の小説読み漁りは止められそうにありません。

2

黒い犬・・

2023/01 新書館ディアプラス文庫発刊の電子版を購入。【挿絵無し】

天使のような美貌と純真な心を持つレオが
外を観たくて家から抜け出て、貧民街へ紛れ込み、黒い犬に助けられた
黒い犬へご褒美として与えたのは、レオが手作りした星型のクッキー
・・と、レオの記憶に残っている。

美貌のレオは、日本で有名なケーキ職人になっていた。
そして、黒髪碧眼、イケメンのイタリア人がスカウトに来る。
伏線回収は、意外な展開で、面白かった。

2019年にプランタン文庫で発刊された作品に、番外編を追加した最新の電子版を購入。
狂犬の糖尿病を気にするレオが、抱き潰される番外編。
続きが出たら嬉しい。

1

ドルチェのように甘々のエリート警察犬!


も~~相変わらず冒頭からもう面白い!
イタリア人、褐色攻め×不憫美人で、今回も潔いくらいの犬っぷり。

幼い頃イタリアで出会い、日本で再会。
受けの玲央はその容姿の美しさから、いじめを受けていたりしていました。
そこへ、救世主のごとくラウロが登場。
出会った当時のラウロは孤児でボロボロだったのに、ミラクル変化を遂げて受けの前に現れたのです。

受けはパティシエで、ラウロは甘いものは苦手なのに受けの作ったお菓子だけを嗅ぎ分けて食べる臭覚は、もはや警察犬。
包み隠さない愛の表現に、最初から甘さ全開でした。

そして!見どころは何といっても完璧そうに見えるラウロが受けより先にイッちゃうところ!!
巨根でいい男で絶倫。
なのに我慢できずに粗相して、それでも犬として誇らしそうな姿だけで読んだ価値あったなぁと思いました。

また、一見するとラウロだけが受けスキスキーに見えますが、私は最初から両想いだと思います(笑)
後半では受けが大胆になっていきます。

最後の展開には攻めの高スペックさに少し笑ってしまいましたが、○○姿のイラストも見れて得した気分でした。
表紙と中のイラストに若干違和感があったものの、満足です!

3

なんか怖かった……

宮緒先生の作品を久し振りに読みましたが、初エッチの時の攻めがちょっと怖くて、そこからの展開に乗り切れなかったです。
攻めは安定の犬っぷり。初エロはマーキング、種付けとばかりにぶっかけ祭りになるんだけど、濃すぎて胸焼けがしてくるというか。巨根&絶倫でケダモノじみていて、一体何発出すつもりなんだよ、と思わずツッコミたくなるわけのわからなさが、なんか怖い。
受けはゲイってわけでもなく、しかもはじめてなのに、いきなり精液まみれにされるのって、どんな気分なんだろ…とつい冷静になってしまう。攻めの妄執じみた愛情は、生い立ちを考えると納得できなくはないのだけど、受けの方にはそこまでの強烈な愛情を受け入れるほどの切実さもない気がして、いつそんなに好きになった?というところで引っかかってしまう。

とにかく、攻め側の背景は丁寧に描かれているわりに、受け側がサラッとしすぎていて、あっさりほだされた感じ。番犬に守られて懐かれてるうちにカラダが…という流れにしか見えず、そのエロも後ろを解さないで突っ込んだりとか、受けがあんまり気持ちよさそうには思えなくて、好みじゃなかった。残念。

2

ロックオンされたら逃げれない

久しぶりの宮緒先生の犬攻めでした!
エロが濃かったです。赤ん坊の腕程もあるって表現が頭から離れなくなってしまいました。

忠犬振りがすざまじいです。玲央の作ったものを本能で嗅ぎ分けるとか超能力ばりでした。

村重さんがちょっと気の毒だったけど、ラウロの本気度と有能さが分かるエピソードになっていたと思います。

ラウロのスペックの高さがそのまま恐ろしさにつながっているんですが、受けの玲央がそれにゾクゾクしているので最高のカップルだと思いました。

宮尾葵先生の犬攻めが好きな方には外せない一冊だと思います。

1

まさに犬



宮緒さんらしい犬攻めでした。
すでにたくさんのレビューがあるので感想だけ。

今回はパティシエの玲央(受け)と玲央が雇われることになったパティスリーのオーナー・ラウロ(攻め)の力関係が私が今まで読んだ宮緒さんの話とはちょっと違ってたように感じました。
いつもなら「攻め→→→→→→→→→→←受け」くらいのバランスだったのが、
「攻め→→→→→→→→←←←←受け」くらいの感じで受けがかなり攻めのことを求めていました。
そして、玲央がラウロを好きになる過程がちょろすぎです。
私には優しく甘い言葉を言われ守ってもらったらあっさり落ちたように感じました。
やはり、犬にはちょっとは厳しくできる飼い主でいてほしかったな。
たとえいうことを聞かない狂犬だとしても、飼い主のためだけに動く犬として、最後の最後では飼い主の言うことを聞くラウロというのが見たかったです。

基本玲央視点で話が進みますが、2回ほど玲央の先輩シェフパティシエ視点の話があるのでラウルの執着具合がよく分かって良かったです。
ただそれもあるからこそ、最後まで読んで釈然としなかったのが、二人が出会う(再会)までの玲央が受けた理不尽な扱いに対してとか、ラウルが傍に居るようになってからの不審者からの色々に対して、最終目標の為には仕方ないと命を守るだけのラウルの態度です。
最後の直接対決は仕方ないとしてもそれ以外のあれ(特に辞めるはめになった店のやつ)を見ていて我慢できたんだと思ってちょっとガッカリしました。
狂犬というくらいなので、見ているだけにしなければならない所を裏からでも表からでも過剰に守ってしまうくらいの狂犬具合が、読みたかった。

ともかく、ラウロは賢い犬だし、これからは大っぴらにしていいので、玲央のために動いてくれることでしょう。

絡みは非常に濃厚です。
ただ、好みの問題だと思いますが、私はラウルが自分の精液を大量にかけてドロドロになった玲央の身体を舐め回すシーンだけはちょっと気持ち悪く思いました。

二人が幸せなら、どんな昏い結果でも構わないのですが、ただラウロの絶倫さに玲央がヤリ殺されるんじゃないかと心配です。
ラウロのためにも玲央には長生きしてもらいたいものです。

4

「犬攻め」苦手でもセーフ

宮緒さんお得意な執着犬攻め!

宮緒さんの執着攻めがすごく好きで(掌の檻が本当に神)、作家買いくらい好きですが…
執着犬めはちょっと苦手です。
渇仰シリーズはあんまり好きではないだけど、愛犬シリーズは「愛犬調教」だけが萌えるという面倒くさい性質なので、今回も不安と期待いっぱいで読んでいます。

攻めのラウロがいい性格してるから、楽しく読みました。
スパダリと腹黒の具合が絶妙で、受けの玲央の可愛さと単純さ(ちょろすぎるだけど)もちょうどいいくらいで、よいカップルです。
コメディ調とはいえ、ラウロの絶倫度はやばくて、玲央の命が縮むじゃないかなと心配です。

脇役で輝いたキャラはやはり先輩パティシエの村瀬さんです。
ちょっと不憫なキャラが大好きなので、出番があるといつもウキウキ読んでいました。

後書きで書いてあった元設定は破天荒すぎて、ちょっとは読みたいかも(笑)

5

La dolce vita …それは度を越した甘さ。胸焼けする執着。

何ページあるんだろう。
初めて二人が睦み合う…というか、押し倒されるシーンのエロ長い表現。
ラウロが玲央を舐め始める所から、挿入に至るまで。
ゆうに10ページは軽く行く。日付けでいうと、最初は丸々4日間だという。
失神して眠るまで。或いは眠っている間までも。
彼らはその後も何度か抱き合う事になるのだが。
その逐一が詳細に描かれるので、後にはちょっとだれてくる…。
疲れるのだ。それは度を越した甘さとしつこさ。
ねちっこいエロス。La dolce vita…。甘い生活。

さて。
玲央がパティシエというので、彼が作る甘いお菓子になぞらえて、またはその菓子に掛けて。
作られたタイトルと物語なのだ。と、思う。
イタリア人と日本人の間に生まれた美しいハーフの玲央は、子供の頃、誘拐されそうになった
自分を助けてくれた、犬を朧げながらも憶えている。
読み手側としては、もうそれは出オチ的にラウロなのだと分かっているが、
玲央はなかなか思い出せない。
そして、数年後。色気を漂わせた素晴らしい肉体を持つ伊達男に成長したラウロがとても危険な雰囲気を纏って玲央の前に登場する。
少しだけ不穏なのは、玲央の尊敬する先輩パティシエ・村瀬さんが、ラウロにその命を脅かされるほど、脅されてラウロの言いなりになっていること。
ラウロ的には全ては玲央の為にしている事だが。
そもそも玲央の腕前と人柄を買っている村瀬さんに、失礼なまでの振る舞いじゃないのかと、
私は最後まで不満でした。なんなんだ、ラウロ。
しかも何となく説明があるけども。納得出来かねます。
まぁ、とにかく。貧しいストリートチルドレンだった子供の頃から玲央に異常な執着を持ち続けたラウロは、用意周到な計画で以って、玲央を絡め取っていく。
物語は、最初の幼ない玲央の誘拐未遂から、パティシエとして成長した現在。
その美しい外見が仇となり、ルックスだけ宣伝に利用されて、先輩たちに嫉妬され、いじめられ、
勤めていた菓子店を辞める事になった玲央に降って湧いた幸運。
世界的に有名なホテルの菓子店での働き口をラウロという男から紹介される。
憧れの先輩パティシエ・村瀬さんと働けるというので、喜んで玲央はその話を承諾する。
社宅だと言われたタワーマンションの豪華な部屋で、お世話係だというラウロに傅かれる生活。
貧しいストリートチルドレンだったラウロが、どうしてそんな人物になれたのかは、後半に怒涛の様な展開で明かされて行きます。
エチが延々と長かったので、後半の畳み込みが早い気がしました。
後半から謎の人物、謎に娘たちというかおばさん達がわさわさ出て来ますし、玲央の出自も明らかに。
そう、意外にも謎めいたミステリー展開。
近づくと火傷しそうな色気ムンムンのラウロを意識せざるを得ない玲央。
一応我慢してる風に振舞っていたラウロが、割と早めに爆発するのは、想像通り。
いや、玲央、絶対壊れてるよね。
しつこいエチからの介抱は、あるあるだけど。これもぅ病気になってると思われ。
その後の玲央がちと心配にもなります…。

あと、犬は「鼻が利く」と掛けて、ラウロが玲央の作った菓子しか食べない。
どんなに他の人が作ったものと混ぜていても、それを選り分けて食べるという、特技。
その執着の理由は明かされないまま終わるのですが、
ラウロが寝物語的に、ハァハァしながら「玲央の身体はどこもかしこも甘い…。」的なことを言っていて。空恐ろしいです。笑うとこですが。

0

予想以上に濃くてぶっ飛んでて笑えた

初・宮緒葵さん作品です。

ちるちるの作家さんプロフィールにある「受けに異常に執着する、ワンコならぬ「犬」攻めが定番」というのを読んで、ワンコ攻め大好き人間としてはワンコと犬の違いを知りたくてたまらなかったんだけど、「渇仰」などのレビューを読むと「こわ‥‥」と思うものがありビビってました。
うっかり飛びつくと火傷しそう感満載というか。

そんな中、この新刊が電子でも発売されレビューをチェックしていたところ、fandesuさんの「宮緒さん初心者にも安心してお薦め出来る『犬攻め』です」という一文が目に飛び込んできまして、よし!これだっ!!!と飛びつくことにしました。

電子版には、挿絵ありと挿絵なしの二つがあって(170円の差)、挿絵ありVer.の試し読みでも口絵カラーが確認できず迷ったのですが、とりあえず挿絵ありにしました。
わくわくしながら開くと……
受けの指を舐る攻めと思わしき人物がねっとりこちら見つめてて、「せっかく、貴方がこの愛らしい御手でお作りになったものを、僅かでも無駄にしたくありません。……全て、私の中に取り込んでしまいたい。」という一文が……

なんだ、なんだ……
初っ端から濃い〜のがきたぞ。
というか、狂気すら感じる……
と思って、もう一回タイトル見直したら「狂犬ドルチェ」とあって、あ、ほんとに狂ってる!とえらく納得しちゃいました。
なんだかそこからすっかり楽しくなってしまい、わくわくしたまま本編を読みましたが、犬っぷりがぶっ飛んでて面白かったです。

雪の中で一晩中寝ないで家の外で勝手に受けを見守っていたり、製菓の専門学校に忍び込んで受けのお菓子を盗み食いしたり、受けお手製のものだけを正確に嗅ぎ分ける事ができる異様な嗅覚を持っていたり。
大真面目に書いてるけど、これってギャグだよね?みたいな犬っぷりが散りばめられてて、何度も声出して笑ってしまいました。

初めて受けに身体を預けてもらえることになるも挿入せずに何度もぶっかける理由、明かした欲望の凄まじさにこれまた笑ってしまったし、受け様の甘い蜜を〜!!と求めるエッチの様子にも笑ってしまった。(笑うところなんだろか?)
それにしてもすっごいぶっかけるんですね。
防水おねしょパッドの類を敷いておかないと、マットレスが一晩でダメになりそうだなと思った。
そしてエロ描写がエロいというよりも、凄まじいな……というか、人間離れしてた。

いつもはご主人様の言う事絶対!なのに、エッチになるとちょっとタガが外れて言う事が聞けなくなっちゃうワンコ攻めってかわいいなって思ってたんだけど、このラウロはいくら何でもやり過ぎというか、受けの括約筋が数年でダメになりそうな予感大。
おまけに四日間もぶっ続けで抱き潰されて挿入されたままご飯とかされてるのに、こんなの二度とごめんだ!とは思わず、それが愛の証だと歓喜に打ち震えてる受けも重症というか大概だなって思いました。ほんと大概。

ラウロに出会ってしまったのが運の尽きとしかいえない受けの先輩のお気の毒っぷりに笑った。

どなたかのレビューで「操縦桿を握っての‥‥感動した」というのが記憶に残ってて、操縦桿というのはラウロの暴れん棒のことなんだろうなぁと思ってたんです。
なるほどーエッチの際にあそこ握って何か感動的なことをするのかと。
そしたら、本当に操縦桿握ってるじゃないですか!パイロットとして!
ラウロどんだけよ、あんたすごいわって恐れ入った。

いや〜色々面白かったです。

不満点は受け様が、チョロすぎてご主人様感が皆無だったこと。
抵抗もなくベルトコンベアーに乗せられたかのように着々と恋に向かっていった点もそうだし、安易にご褒美与え過ぎてる感がある。
飼い慣されてしまったのはどっちだろう?と思ってしまうというか、犬に振り回されてどっちが散歩されてるのわからない……みたいな感じなので、犬の好き放題にはさせずビシッと手綱引いてて欲しかったけど、この受け様には無理そう……。
ラウロは忠犬だし超優秀な軍用犬なんだけど、一回りまわって壮大な駄犬に思えてくるというか。

予想以上に濃くて、萌えというより、もはやギャグにしか思えない濃さで吹き出す事、多々だったんだけど、そういう読み方で良かったんだろうか……と一抹の不安が……。

1

胸焼けするほど濃厚なドルチェ

イタリアのエロい獰猛な軍用犬。

ワンコ・・・・いやいや狂犬・・・・いやいやまるで軍用犬のようです。
麻薬捜査犬のような玲央の匂いの探査能力。
傭兵にスカウトされるほどの戦闘能力。
エロにはもう生命体とは思えぬほどの精力絶倫、体力絶倫。
こえーーーよ。
これに狙われたら仕方ありませんよね。
逃げようものなら共に死ぬよりほかなさそうです。

それにしても玲央さんのお体を心配します。
寝てる間に匂いづけって・・・・
これは本当にヤリ殺されそうです。
ラウロは絶対に後を追うのでしょうけど。

玲央さんお体ご自愛くださいね。

幸せそうで何よりですし面白かったんですけど、何事もほどほどが良い私にはちょっと濃厚すぎたようで、読み終えた時になんだか胸焼けを感じました。

0

狂犬とともにどこまでも

宮緒さんのデビュー作を連想させるお話でした。つい比べてしまいます。

こちらは腹に一物ある狂犬。20年近く待てをし、玲央を見守り、玲央を守る為だけに生きてきた。
玲央を守る為なら玲央を狙う恩人の娘でさえ、恩人でさえ騙したり、要求を通します。

主人公は玲央よりラウルかな?玲央の存在感がどんどん薄くなっていきました。

玲央もラウルにときめいて、奉仕され守られるうちに心を奪われ割りと早目にエッチに到達し、犬発言にお腹に孕ませるなど宮緒さんらしい展開に。

玲央の出生の秘密やゴタゴタなど予想外でしたが何故かそこまでハラハラせず。やはり狂犬ラウルが助けに来ないわけがないと予想できてしまったからかな?

玲央がとってもいい子なのですが狂犬相手にチョロいというか、もっと何とか粘るというか手応えを示してほしかったな。あっさり抱き潰されて体を許して。

サラサラっと読めてそこそこ盛り上がりもありましたがあまり萌えやトキメキは無かったな。

相変わらず執着犬が健在ですね。

1

ワンコが唯一求める甘いモノ

今回は食品会社の日本支社事業部長と
見習い修行中のパティシエのお話です。

受様の襲撃事件を絡めながら
攻様が恋した受様を絡めとるまで。

受様の母親は声楽を学ぶために
ナポリに留学して現地の男性と恋に落ち
受様をもうけます。

母は受様の父と正式な結婚をしておらず
母子は囲われたような暮らしぶりで
受様が6才の頃に日本に帰国します。

受様はナポリで迷子になった時、
助けてくれた大きな黒い犬が
ド下手な手作りクッキーを美味しそうに
食べられた事からパティシエを目指します。

専門学校卒業後は知る人ぞ知る
名店パティスリーに就職、
パティシエ見習いとして働きますが

先代オーナーが急逝して店を引継いだ1人娘は
ハーフで見目の良い受様を見て
店の看板パティシエと売り出すのです。

見習い受様が日の当たる取材に追われる様に
先輩パティシエは反感と嫌がらせに向かい
受様は残念な思いで辞表を提出しました。

狭い世界で次の就職もまた悩みの種と
店から近いアパートに帰った受様でしたが
郵便受けには管理会社から
「出没している変質者に注意」との
お知らせがあってますます滅入ります。

2階の自室に続く外階段をあがっていくと
受様の部屋の前には黒いコートの男が
佇んでいてびっくりしてしまいます。

まさか変質者!?と受様が踵を返そうすると
気配に振り返ったのはラテン系と思しき
黒髪に青い双眸の美丈夫だったのです。

この迫力ある美丈夫こそ今回の攻様です♪

攻様はナポリ有数の食品会社であり
業界では有名な多国籍企業の日本支社の
フードサービス事業部長でした。

攻様の会社は飲食店経営に乗り出し
東京丸の内にある高級シティホテルに
パティスリーを出店計画中だそうで
そのパティシエとして受様を迎えたい
と言うのです。

ホテル出店に当たり選出した
最有力候補のシェフパティシエが
スタッフを自薦したいと言ったそうで
推薦を受けて受様に会いに来たのです。

そのシェフパティシエは受様を
気に入ってくれている製菓専門学校の
先輩でパティシエの世界大会でも
優秀な成績を収めた人でした。

受様は先輩の勧めも有って
新店で働く話を受ける事となりますが
受様の部屋の窓ガラスが投石で割られ
直後に受様のスマホに見知らぬアドレスから
脅迫じみたメールが届きます。

恐怖に震える受様を
攻様は社宅(と称する自分の所有物件)へと
連れ込んで同居に持ち込んだ上で
甲斐甲斐しいお世話を開始します。

変質者とは受様を狙った人物なのか!?
そして攻様が受様に執心する目的とは!?

孤児でマフィアの下っ端だった攻様が
受様を傍で守るワンコとなるべく
いろいろと頑張るお話です♪

タイトルの「ドルチェ」が示す通り
宮緒さんには珍しい甘々な王道路線です。

但、
底辺の暮らしだった攻様が陰で頑張って
受様を支えられる地位を築いて
スパダリになっていたとしても
純愛攻になったとしても

そこは宮緒作品ゆえ
甘々だけでは終わらない執着系な
エロエロ「ワンコ」でございました♡

受様視点が主軸ですが
受様の先輩パティシエ絡み等
攻様側の事情説明がチョコチョコ入る上

2人の出会いは攻様視点なので
読者にとって攻様の恋と執着の高さは
暗黙の了解事項として進み

受様が見ている攻様と
先輩パティシエの知る攻様との
ギャップがとても面白いです♪

そんな攻様に受様は
徐々に絆されていくのですが

受様の父親の正妻やその娘達と
攻様との繋がりが見えてきた時に
ついに受様は命まで狙われるのですよ!!

でも、攻様の受様ラブが強すぎるので
一見受様への裏切りっぽい事情も
何か絶対裏があるはずと(決めつけて)
攻様がどういう結末をつれるのか
ハラハラ&ワクワクが止まらず
たいへん楽しく読めました (^_^)v

攻様の能力がハイスペ過ぎですが
そんな攻様に溺愛される受様は
ふわふわな天然系で優しいだけじゃなく
芯の強さがところどころで発揮されていて
お話を引っ張っていたのも良かったです。

恋人同士になった2人は
ラブラブで幸せいっぱいでのラストですが
攻様にいろいろと根回しを強要されている
先輩パティシエは今後も苦労しそうです。

今回は宮緒さんの既刊から下剋上ワンコで
『堕つればもろとも』を押し作とします。
こちらの攻様も受様の盲信者です。

7

the宮緒犬

これぞ宮緒先生の犬!と言いたいお話。イタリア男で犬です。最高です。もう舐めまくるしかありませんという状態の雄犬に、なんとかついていくパティシエのお話、本編270P+あとがき。ベッド等で頑張っておられるシーンが多く感じられて少し飽きちゃったところもあったため萌2です。ああ犬だー。

日伊ハーフで王子様ルックスの玲央。真面目にパティシエを勤めていたのですが、店のオーナー交代直後から広告塔のようにテレビに引っ張り出されることが増え、店の同僚とも上手くいかなくなり、店を辞めることに。その日家の前で待っていたラウロという男(=のちの犬)は、高級ホテルに出店するパティスリーで働いてほしいと申し出て・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
村重(受けの製菓学校時代の先輩)、後半、イタリア関係者複数。

**安心の犬犬犬っぷりについて

忠犬。精液で臭い付けしておかないと気が済まないのはデフォルトとして、上手くすれば尻の下に敷く事は可能ではと少し思えるレベルです(除くベッド内)。パティシエとしてきちんと道を究めたいという受けの意向を一応理解し、汲み取り、その通りになるように誠心誠意働いています!エライ!頭わしゃわしゃなでまわしてあげると、さぞ喜ぶことでしょう。前半は忠犬っぷりが笑えて、後半はエロエロ忠犬っぷりにおなかいっぱいwでした。

受けさんは、パティシエ頑張りたい真面目ちゃんで、王子様ルックスなのに歪まずまっすぐ育ってエライ。犬を自分の飼い犬にするべく、ちゃんと頑張るところは大変よくできました!です。ああ、楽しかった。

最後に。石田先生のカラー口絵が神絵です。指だけでいいから、私もなめられたい・・・♡

10

宮緒さん初心者にも安心してお薦め出来る『犬攻め』です

あっまーい!
流石『ドルチェ』と言うだけあって、私が読んだ宮緒作品の中では一番の甘さなんではないかと。
そればかりではなくラウロの『犬』ぶりも素晴らしい!
宮尾さんと言えば『執着攻め』なんですけれども(だから『犬』と『蛇』なんでしょうけれども)ラウロの怜央に対する執着は『執着』と言うより『盲信』と言った方が近いんではないかと思いました。
あとね、このお話の『犬』って比喩じゃないんですよ。
ある意味「ホントに犬だった」と言っても差し支えないんじゃないかな?
愛犬家の姐さま方、主人を神の様に慕う犬がここにいますよー。

また「宮緒作品のドロドロした所はちょっと苦手」という方でも、今作はたいへん面白く読めるのではないかと思います。
このお話には『勢い余ってムリヤリ』がありません。
おまけにラウロはイタリア人ですからね。
自分の全てをかけて恋に狂う男の姿が堪能出来ます。
これがね、とても美味しかったんですよ。

パティシエの怜央は能力があるにも関わらず、見目が良いばかりに経営者から人寄せパンダ的な扱いを受けて、先輩パティシエからいじめに遭ったため不本意なまま退職します。
そこにラウロが現れ、新しくオープンするホテルに附属するパティスリーに務めて欲しいと言われます。
怜央が慕う有名パティシエがチーフを務め、販売は別スタッフが担当し菓子作りに専念できるという、以前の職場とは天と地ほどの開きがある好条件。
一晩考えた上で、ラウロに了承の電話をかけると、彼はすぐに怜央の下に訪れるんです。聞けば不審者が現れるという怜央の家の近辺を警備していたとのこと。

私はここでかなり笑っちゃいまして。
ラウロって、ラテン系のとんでもない『美しい男』で、ナポリ有数の食品会社の部長という『若くしてデキる男』でもあるんです。そんな人が自分の不寝の番をやっていたと聞いた時の怜央の狼狽を考えると……やっぱり笑っちゃう。

ここから、宮尾さんお得意のジェットコースターに乗せられちゃう様な大展開が始まります。
怜央を「天使」と呼び、用意した朝食を宝物の様に、しかし、あっという間に平らげ、作り置きのクッキー(これが伏線というか、結構大切なアイテムなんですけれど)を全て口にする。で、口をつく言葉は全て愛の言葉にしか聞こえないという……
これ、完璧な男性ですよ。
守ってくれて、崇拝してくれて、そして何より、自分が作ったものを大切に食べてくれるなんて!
でも、こんな男性が突然出現したら動揺しません?ごめん、やっぱり笑える。

そこから急展開。
怜央の部屋に石が投げつけられ怪我をしそうになったり、スマホに脅迫めいたメールが来たりと不穏な事件が起きます。
怜央は幼い頃、イタリアで暮らしていた過去がありますが、父のことは何も知りません。
その関係を匂わせつつ、お話は進みます。

宮尾さんのお話ですもの。
相変わらず『ぶっかけ』たり『腹いっぱいに』させたりという文章は出てくるのですが、このお話は、いつもの様な怖さは全くありません。
だって怜央が早い段階でラウロへの恋を自覚し、受け入れているから。
どんなに怖そうに見える犬でも、自分に忠実で決して牙を剝かないと解っているんです。
この『安心して読める感』があるので、宮尾さんの本をまだお読みでない方にお薦めするのには最適な一冊だと思いました。

いやー、大型犬の相手をするのは疲れるもの。
怜央くん、これからが(色んな意味で)大変だろうな。

蛇足
最後のイラストで怜央の首筋や胸回りのあらぬ所に散らばるトーンが……!
嫌だ、久しぶりにイラスト萌えしちゃいました。
石田画伯に感謝。

14

ナイスなわんこ攻めがここにいます

作家買い。

宮緒作品である事、そして、このタイトル。
という事で、はい、大方の腐姐さまが予想されるとおりのわんこを通り越しての執着攻めのお話でした。

ネタバレ含んでいます。ご注意を。





主人公はパティシエの玲央。
勤勉で優秀な彼は有名菓子店で働いていたが、職場のごたごたに巻き込まれる形で退職。今後を憂いていた玲央のもとに、ラウロと名乗る男が訪れ、オープン予定のホテルのパスティリーにパティシエとして採用したいと告げられます。

退職した職場でのトラブルのこともあり始めは悩む玲央ですが、信頼している先輩からの推薦を受けてラウロが引き抜きに来たという事を聞き、そこで働くことを決意するがー。

というお話。

ラウロと玲央が子ども時代に出会っていた時のエピソードからスタートすることもあって、ラウロが並々ならぬ執着心をもって玲央に近づいてきたのだろうという事は序盤から透けて見えています。

が、この作品は、単なる執着攻めのストーリーに非ず。
玲央が、たびたび何者かに襲撃されるという事件が起こるのです。

誰が、何のために玲央を襲うのか。

そこを軸にストーリーは展開していきます。

初めて玲央が襲われたとき、玲央を取り込もうとしたラウロの画策なのかな、と思ったんです。
が、この「玲央襲撃事件」が、予想をはるかに超える展開を見せます。それが凄く面白い。

そして、この作品のもう一つの大きな柱である「執着攻め」。

キタキタコレ!
宮緒さんの描かれる執着攻めがお好きな方にはたまらない、まさにわんこちゃんの姿が描かれています。

子どもの時から玲央一筋。
玲央のためなら何でもできる。
玲央のために、ラウロの全ては存在しています。

序盤に出てくるラウロと玲央の出会いのエピソード。
そのエピソードで、ラウロの過酷な幼少期が描かれていますが、この出会いがあったからこそラウロは生きてこれたんだな、としみじみ。玲央を「私の天使」と言ってはばからないラウロですが、大げさでもなんでもなく、玲央の存在がラウロを生かした。
孤児だったラウロが、あそこまで上り詰めるためには相当な努力があったんだろうな、と。

宮緒作品は時にわんこを通り越したオオカミ攻めも出てきますが、この作品のわんこちゃんは程よい感じ。個人的にめっちゃツボに入るナイスなわんこ攻めでした。

色々な要素が絡み合った作品ですが、そのどれもが少しずつ繋がっていて、読み進めるうちにだんだん繋がってくる。その過程に圧倒されました。

そして挿絵を描かれた石田さん。
石田さんにしてはマイルドな表紙…、と思いきや、いやいや、二人とも全裸です。リアル書店で買うにはちと勇気がいります。

が、麗しい絵柄はさすが。

滴るような色香を漂わせるラウロも、美しいビジュアルを持つ玲央も、イメージにぴったりでした。
宮緒作品のわんこ攻め、という事で、濡れ場はかなり多いです。そして、どの濡れ場ももれなくエロい。そんなエロ度の高いシーンのイラストも、がっつりエロく、そして綺麗でした。

あとあと、子ども時代に出会うラウロと玲央のイラストが、これまた良い…!

宮緒作品の、策を練り、執着しまくるわんこがお好き、という方にはめっちゃお勧めな作品です。シリアスな展開になることはほぼなく、優しく、温かいお話で、ドツボに入る作品でした。

あ、そうそう。
玲央は優秀なパティシエという事もあって、美味しそうなスイーツがたくさん登場します。
飯テロです。
空腹時に読まない方が良いかも。です☆

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