ミスTyさんのマイページ

萌×2作品

エキスパートレビューアー2023

女性ミスTyさん

レビュー数5

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今年度39位

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ちょっとイライラしたけれど続きが気になる

好きな作品なんですが、
今回は個人的に気になった点が多くてちょっと辛口です。

2巻になってHシーンで
ゴズが淫語を多用するようになり、ちょっと引きました…。
暴言淫語をSがMに吐き散らす作品は今までも読んで来たし、
どちらかと言えば好きな要素だと思います。
でもMが自主的に言うと自虐ネタみたいであまり良いと思えないのか…
乱されている割にそんな余裕かましてベラベラ喋れるのだろうか?と
わざとらしく聞こえるのもあり、
リアリティは求めないけれどやり過ぎかな。

イブは優しいのでそういうこと言わないでとゴズを尊重しますが、
それがちょっと勿体無くも感じます。
1巻で受けが終始笑っていてサイコー!と思っていた私も、
加虐心を煽られ過ぎてイブには段々その笑顔を破壊して欲しくなってきた。
1巻でドラゴンを瞬殺した時のような恐ろしい魔王としての側面を、
いつかはゴズに対してもぶつけて欲しいなぁ…なんて。

今回は新衣装がありますが、
イブはゴズの衣装が過激すぎて直視出来ず、
それが原因でギルドの話にもバトルにもなかなか集中出来ない。
本来はその恥じらう可愛らしさを楽しむものでしょうが、
散々抱き合ったのにこの程度の事で?と、
ちょっとイライラしてしまって…これで世界征服は先が思いやられます。

あくまで上記に挙げた点は私の主観ですので、
何言ってんだよそこが良いんだろ!
って言う読者さんの方が沢山いると思います。
RPGの設定部分あれこれはよく考えられており、
複雑な感情のやり取りを含むセリフが多い
ストーリー部分は読み応えがありました。

今回は防具屋のパノピアが登場しますが、彼もゴズとの出会いで、
今まで気にしなかった防具のデザイン性を考えさせられ、
「ちょっとたのしいかも」ってなる、
また一人、登場人物をプラスな方向に導いたのも良かったです。

勇者もチラっと姿を見せ彼らの仲間オディゴスも登場、
彼が今後二人にどのような影響を及ぼすのか?
そして二人は本当に世界を滅ぼす事になるのか?
続きと結末が予測不能で気になります、次巻にも期待!

Hの時に終始笑顔な受け、最っっ高!

下がった眉に叫ぶような口、しょげた瞳には涙が浮かぶ…
BLの受けってさぁ…Hの時楽しく無さそうな顔してる事が多いよね。
レイプとか愛の無いHまで笑えとは言わないけれど、
心も結ばれて合意の上でしている幸せなHくらいは笑顔を見せて欲しい。
楽しい事しているんだから笑えよ、
気持ちいい事しているんだから笑えよ、
好きな人と一つになれて嬉しいだろ?笑えよ!

その点ゴズは違う、
イブが好きすぎて何をされても幸せ!と言わんばかりに
ほとんどニコニコヘラヘラ笑っているのだ!
これこそが真の見ている方もハッピーになれるHシーンだと
私は思うんですけれどどうでしょう?

最近増えている異世界転生モノですが、
特にゴズのようなヤクザさんの起用をよく見かけます。
これ、理にかなった設定だと思うんですよ。
抗争などでお亡くなりになりやすいから飛ばされる率が高い、
家族や友人との関係に未練が無さそうで、
元の世界からすれば彼らは居ない方が良いでしょうし、
戦闘慣れしており心身ともにタフ→異世界で足を引っ張りにくい。

…と、一見正反対に見える極道と異世界のコラボレーションは、
良い事尽くめだと言うのが解ります。
ゴズも家族と縁を切っており、元の世界にも未練が無さそうなので、
異世界転生モノの気になるアレコレを気にせずに楽しむ事が出来ますね。

私のギャップ萌えは強面な男の可愛い一面よりも、
可愛い、優しい男が見せる強さの方にこそ惹かれます。
「消し炭にしてやる…!」
「この地ごと消し飛ばす」
「この羽虫が…ッ墜ちろ!!」
↑いつもは可愛いからこそイブのこういうのがやたらとカッコいい!
まだ幼くともやはり彼は魔王なのだと言う事を思い出させてくれます。

ゲームではイブに魔物を孕ませられ死ぬはずだった生贄の女性が、
ゴズが現れた事により自由に生きようとする展開に変わり、
自分達の為にドラゴンをやっつけた事が結果、
滅びるハズだった街を救いマキディーも笑顔!
ゲームの登場人物が辿るハズだった悲惨なシナリオを、
意図せずにハッピーな方向に書き換える展開も、
面白くて良く出来ていると思いました。
ゴズの登場により独りぼっちでは無くなったイブ自身もそうですよね。

子供の頃、親から理想を押し付けられ自分を封じ込めて、
つまらない世界を生きてきたゴズ。
ゲームの世界を舞台にしたからこそ許される、
「こんな世界ブッ壊せ!」的な
反骨精神の具現化が楽しめる作品にも思えました。
ゴズの介入により変わっていくこのゲームの世界が、
どんなエンディングへ向かうのか?続きが気になります。

童貞の初は消えてしまいました

最近は他レーベルに持って行かれがちですが、かつて
「レジに持っていけない」ランキングは、
uno!の為にある記事だったと思う。
その中でもこれはズバ抜けていると思います、
でっかく描かれた鮫島さんが、
美少女キャラにも負けないダイナマイトボディだから尚更。
買うのに少し勇気が居るけれど、その攻める姿勢が好きなんです。

こんな表紙ですから単純にエロを楽しむ本だと思ってしまいますが、
きちんと恋愛感情の部分に重点が置かれた上でのエロで、
意外にも暖かく癒されるお話ばかりでした。

表題作とスピンオフの関係にある「俺の痴態を~」シリーズは、
迷いや相手の事を思って最初は素直になれない受け達を、
年下攻め達が努力と一途な愛に絆され、両想いになる所が共通。
1話目で好き放題主導権を握っていた鮫島さんが、
2話目では夏樹君の頑張りに余裕が無くなり、
逆に三國さんは、2話目では年上の包容力とサービス精神を見せるように、
前半と後半の関係性の変化がHシーンにも表れていて、
その差が面白くて良かったです。

一般的な女子には夏樹君の方がモテそうですが、
私的には鮫島さんの方がイケメンなんですよね。
作者さんの好きな受けの要素を詰め込んで描いたんだとか、
ガチムチおっさん、ナルシスト・自信家、性に奔放、強い
→私もこれらの受けの全部好きです。

胸元開いたカフェでの仕事風景や、
過去の髪を下ろしているVer.も素敵です。
Hシーンの肉厚ボディも迫力と見応えあり、
ビッチな彼らしい嬉しそうに抱かれる表情も良かったです。
鮫島さんが素直に夏樹君の気持ちを受け入れられなかった要因の一つに、
誰かに幻滅された過去のトラウマ的シーンが一コマだけ描かれていますが、
この部分についてはもうちょっと詳しく知りたかったかも。

最後の「おおかみさんは~」は少しタイプが異なる獣人モノですが、
発情してしまったルーが望んで交尾を受け入れようとするのが可愛らしく、
喜んで抱かれる受けが好きな私は3作品とも楽しく読めました。

カバー下は3カップル総出演で楽しい!
谷口は美人だし鮫島さんのサングラス姿も拝め
狼のルーも一目散に逃げ出しそうな風貌の狩人コンビに笑っちゃいましたw

※注:浣腸目当てで買いました(2回目)

よいこのみんなも悪い大人諸君も真似しちゃダメ!
水鉄砲のオトナな使い方ここにあり!

攻めより明らかに小柄、丸っこくて童顔、
ショタまではいかないけれど歳の割にあどけない、
一昔前BLの受けと言えば、このシアンのようなタイプが多かったハズ…
今となってはこのテの受けを探す方が少し難しい時代になりましたね。

そんな受けと優しそうな攻めにピンクの背景、
甘いタイトルで可愛いお話が容易に想像出来ました。
ところが作者さんのインタビューを読むと
「浣腸プレイ」
と言うやけにマニアックな文字列があり衝撃を受けました。

ストーリーははっきり言って「ん?」ってなる所も多いんですよ、
世帯主・雇用主が子供って出来るのか?
光熱費とかお金はどうしているのか?
学校の先生が住み込みでハウスキーパー代わりだと?
設定にリアリティを考えてしまう人には向かないかもしれません、
私は楽しければ特に気にしないのでOKです。

漫画の表現方法も独特な感じがしました。
ナレーションやモノローグ的な口に出さない心情描写が少なく、
殆どキャラクターの会話のみでストーリーが進んでいく印象。
そのセリフも長ったらしく練られた複雑なものは無く、
シンプルで解りやすくハイテンション!
しっかりストーリーを読みたい時には物足りないかもしれませんが、
サクサク軽快に読めて元気をお裾分けして貰えます。

予想通り甘くて可愛いラブラブなお話で、浣腸なんて本当にあるのかな?
と半信半疑で読み進めたのですが、最後の方にありました。
1話で無邪気に遊んでいた水鉄砲を悪い事に使っちゃって…(^-^;
汚いものは出てこないのでご安心を、出てくるのは綺麗なお水です。
更にそのお水をお手伝いに活用!…よくこれを思い付いたなw

控えめではあるものの水を出す擬音描写は結構それっぽいと言うか、
我慢している描写や水を放出する描写はスカ好きの私も中々楽しめました♪

他、攻めフェラ、受け同士が仲良し、二組のCPが同じベッドで…etc
ピンポイントな嗜好性やフェチに刺さるような描写も多めで楽しい。
可愛い顔して全体的になかなかデカチンなのも驚きました、
珍しい黒塗りの修正がチン〇を更に立派に見せている気がする…。
マニアックな部分ばかり書きましたが、
ウブな受け達に最初はキスやお触りから始まり、
少しずつステップアップしていく優しさも良かったです。

意外にもH度高くてややマニアックな、
可愛い相思相愛カップル達を楽しめる作品だと思いました。

新人刑務官リアムのチュートリアル

刑務所内の様子と生活、囚人達の派閥、暗黙のルール、
見たり聞いたりこっそり教わったりしながら、
主人公リアムと共に読者もここの事を学んでいく、
まるで新しいゲームを始める時のような1巻でした。
二人の過去と関わり合い、敵か味方かサブキャラクターの登場、
情報量が多めでやや説明っぽさがありましたが、
物語はまだ始まったばかりと言った所ですね。

エロに関してはレーベルの仕様なのか、
局部描写は少な目で描かなくても良い体勢が多く、
境界線が解り難いタイプの白抜きなのが残念。
白抜き部分の無い挿入以外のシーンの方が逆にエロく感じましたね。
肉感的ボディとラフな感じの体毛の描き方で、
色気は十分に感じる事が出来ました、特に胸元&乳首が良し。

初っ端から看守ゴーマン(名前ピッタリ過ぎ)が、
ベルナルドに取り調べと言う名の陵辱をするシーンから始まります。
「ベルナルドが可哀想だ、酷い看守が許せない!」

……と、どうして素直に嫌悪感を示すことが出来ないのか?
イケメンですら無い悪役やモブによる陵辱シーンに、
不快にならず毎回普通に楽しめてしまう自分の人間性を危惧する日々…。
今回メインとなるリアムとのシーンは少なめでしたが、
陵辱シーンも含めて美味しく頂いてしまいました、ごめんなさい(>_<)
イケメン過ぎず気持ち悪過ぎない外見は陵辱要因として丁度良かったです。

このカッコいいタイトルはベルナルドの心境を表しているのかな?
派閥のバトルとか、ベルナルドの罪に対する処遇とか、
リカオン&クリスとの関わりとか…
お話はこれから盛り上がって行くと思うので
続きが気になるし2巻が楽しみです!

制服×筋肉BL コミック

私的、最高の布陣

ちょっと前のアンソロジーだけど好きなので感想。

筋肉BLのアンソロをシリーズ化し続けるシャルルさんありがたや~。
こういう本には画力が高くイケメンを描く作家さんが集合します。
今回、単行本を購入した事の無い作家さんが2名だけで驚きました。
筋肉以前に顔の描き方やキャラデザ、カップルの組み合わせ、
題材が好みに合う場合が多く安心です…何故なのでしょうね?

詳細が出るまでは制服=学生服の事だったら萌えないかも…
と不安に思っていたのですが、お仕事の制服が中心でしたね。
ただ、中には学生服モノを描かれている方もいまして、
結局はそれらも問題なく楽しめたのですが(^^♪

今回は出来上がっているカップルや、ほのぼの、
甘々ハッピーの癒されるお話がかなり多くて意外でした。
何故か後半に漫画を掲載されている作家さん数名は、
若干ページ数が少なめに感じましたね…。

表紙の警備員さんは鬼嶋兵伍さんの作品ですね、ちなみに彼は「攻」。
単行本を出された後も引き続きこちらで執筆されているようで嬉しいです。
ただ、このお話自体はあまり好みでは無かったですね。
よく解らない自意識過剰な理由で気分を害し、
器物破損までしに行こうとする受けがやり過ぎで違和感が…。

私は「セーラー服とメイド服」がお気に入りです。
受けのメイド服姿にはきちんと理由があるのが良かったのと、
攻めの秘密の性癖を目の当たりにしても包み込むような受けの優しさ、
攻め受け両方可愛らしく癒されるお話でした。
Hシーンではコマをダイナミックに使った、
女性下着と巨尻のコラボレーションでインパクトがありました。

「デリバリーピザとろとろトッピング」も良かったです。
ポジティブで一人で舞い上がっちゃうくらいの受けが好感。
しかしある時から距離を置かれ、
攻めが女性と居る所を見て誤解し傷つく姿が切なくなる…。
だからこそ逆転ハッピーエンドは幸せいっぱいで、
攻めがピザを頼まなくなった理由も納得でした。

初読みの方ですが「揉んでほぐして愛してる!」も面白かった。
マッサージから始まって互いを意識するようになってしまい、
ちょっとエスカレートしてしまう攻めと、
嫌じゃないからこそまたマッサージされに来る受け。
隠していたお互いの同じ気持ちが発覚して、
両想いになる展開も好みで良かったです。

某バスガイドBLが好きな私は、
コラムのバスガイドさんも面白そうだなぁと思いました。
殆どが好みの作品で、作家コメントも皆さん自由で楽しく良かったです。

清々しい!

失礼かもしれませんがかなりのエロ本です。
「メス堕ち短篇集」なんてはっきり書かれると、
下手な煽り文タイトルなんかよりよっぽど手が伸びちゃいます。
カバーデザインもお洒落。

エロばかりだと飽きて流し読みする場合もありますが、
高い画力で描かれた色っぽい人物とエグい断面図や内部の様子、
そしてえげつない淫語&言葉責め!
これが単純な罵倒やエロワードのみにあらず、
こういう考え方や例えもあるのか!と、退屈しませんでした。
強烈なルビ振りのセリフもインパクトがあります。

合間のキャラクター解説も、
快感に溺れメス堕ちした旨のはっきりな表現が気に入りました、
みんなメス堕ちライフを楽しんでいるようで何よりです。

読書開始2ページ目からいきなりハードな緊縛挿入シーン!
この「褐色ヤクザ 恥辱のケジメ」は表題の前日譚的なせいか、
数ページで直ぐに終わってしまうのが残念、
もっとハードな責めの苦楽を長く見たかった。

最初に↑のようなのを見せられちゃったら、
メイン「視線部屋」のいちゃいちゃHが物足りなく感じてしまいます。
申し訳無いが、個人的には最初の利賀とのカップリングが見たかった。
しかし様々なフェチを刺激するような波純のデザインは素晴らしい。

「狐琉皇」はせっかくのガーター、付けたままのHシーンも見たかった。
フザけたあだ名、いかがわしい荷物、広範囲過ぎる性感帯は笑いました。
いきなり現代パロや赤ん坊になったのは正直ちょっと解りにくかった…。

「男にだけ咲くメスの花」女装同士が意外にも良かった。
エロ配信だからオーバー表現なのかもしれませんが、
可愛い顔して暴言吐き散らしながらデカ〇ンで容赦なく攻めまくる、
紅雄の黒目の中がハートなのが可愛くて好きです!
(チン〇がデカくて視聴者減るって?ギャップ萌えの解らん奴らめ)
戸惑いながらも受け入れメスとしての喜びに開花していく、
育緒が色っぽく美しかったです、熟れた32歳だし。

会社で謝ってばかりの育緒がエロ配信によって、
視聴者達に褒めて貰う事が出来て夢中になれる事を見つけた。
見方によっては救済BLとも言えると思います。
結間育緒だしケツでイく為に生まれて来たんだ。

「エリートサラリーマン枕営業~」も良かったですね。
一見仄暗そうで、フィニッシュに取引成立とか見積りとかアホエロ系。
後輩の阿久須が居るのに…と枕営業に躊躇うリーマン有馬。
しかしこの阿久須がノリノリでチン〇出してスタンバイ!いいヤツ。

そんな阿久須と有馬が致している所も見たかったのですが、
続編の「ある尻軽ビッチ営業マン」では相手が矢野という別なキャラ。
色っぽく矢野を誘う有馬は、
悪い事教えるメスお兄さんって感じで良かったです。
初めは有馬を嫌悪していた矢野もその魅力に堕ち…
こちらの方は比較的ラブ度高めに感じました。

甘めの表題作や、ややストーリー比率高めの狐琉皇やビッチ営業マンは、
まだBLらしさがあるような気がしますが、
その他の作品は始まって2~3ページ目から最後まで終始エロ尽くし。

でもおかしいな…?
どんなエロでもラブありきだからこそ好きなハズなのに、
この本に関しては、それらエロ本寄りの作品が好みだったと言う謎です。
淫乱美人受け勢揃いで目の保養&性癖にぶっ刺さる一冊でした!

立派な胸板の下には一途な心がある

なかなか濃い顔のイラストが目を引きます。
胸元が強調された表紙&タイトルですが、
内容はエロメインという感じでは無く、
二人の距離を縮めていく恋愛の部分が、きちんとメインになっています。

基本、攻め・山崎の視点で描かれていますが、
心の声、心のツッコミが多くて面白かったです。
二人は最後の方までお互い~です、~ます口調での会話なのですが、
ここは教師同士って感じが出ていて好きなポイントでした。
時々出るデフォルメ顔や、
立派な胸を活かした、胸にうずまるラッキースケベも見所ですね。

文化祭・後夜祭の用意では、ノリノリの女装コスプレが色々拝めて楽しい♪
ただ、実際の後夜祭のシーンは無く、結局どの服に決まったのかなぁ?
是非そこまで描いて欲しかったな…何ならノリノリで歌っている所も!
他にも、テストやプール清掃がありますが、
せっかく下見に行った修学旅行本番の回は無く、
学園特有のイベントであまり盛り上がらなかったのが、少し残念でした。

サブキャラクター達も嫌な人が居なくて好感が持てました。
(悪い人が出てくる作品もそれはそれで好きですが)
当て馬のように不穏な登場をする謎の生徒…
正体は渋川の弟・政隆なのですが、
渋川の魅力をよく理解している山崎と政隆の、和解の仕方が良かったです。

Hシーンは1つの行動にコマを複数使って、
丁寧に動きが描かれていますね。
立派なお胸を堪能できる乳首責めが多め。
一方的で無いお互い求めあう感じが良く、
擬音などの描き込みは、小綺麗過ぎず、下品過ぎず、丁度良かったです。

私の勝手なイメージかもしれませんが、
ガチムチ系によくありがちなタイプとは、少し違うように感じました。
暑苦しさや激しさがあまり無く、ほのぼのしくて暖かい。
何故かガチムチ系ではあまり見ないような気がする、
イケメンで包容力のある年上攻め×健気で素直な年下受けという、
王道寄りの組み合わせなので、需要性は高いと思います。

今時のクセが強いBL界の中では、少々パンチが足りないかもしれませんが、
コミカル&平和で安心の萌えを楽しむ事が出来ました。

二人で勝ち取った未来

戦車内セックスから関係が動き出すのかと思いきや、
それが終着点だった事にまず驚かされました。

私は帯に「生還保証」って書いたのが、少し勿体無く感じました。
バッドエンドを匂わせると避ける読者も居るので、どっちもどっちですが、
結末が解らないまま読んだ方が、よりスリルを味わえたと思うのです。

戦う男達の世界が甘くて楽しいBLな訳が無い。
孤児院出身の二人、厳しい訓練に不良兵士達からの性的暴力、
死と隣り合わせの戦場で見た地獄絵図…。

主人公達の苦しみ、悲しみ、葛藤、試練…
シリアスな作品はそのような描写があればあるほど燃え上がる私は、
5話までは重めのストーリー展開がメインで面白かったです。
特に同じ孤児院から来たメルンの処遇が印象的でした。
善意的なキャラクターを敢えてこういう結末にしたのが、
戦争の残酷さを伝えてきます。

それらの反動か、6話は殆どHシーンと言った感じで、
あまりそればかりだとちょっと飽きちゃうんだよな…。
私は戦車の内部がよく解らないので何とも言えないのですが、
あまり戦車内特有の有難味を感じる事は出来なかったかな。
一方的に攻める感じでは無く、双方が互いに求めあうような
対等を感じさせる行為なのは良かったです。

困っている仲間を放っておけない、仲間の為に身を穢し、
仲間達の死に自分を責め、大切な人の為に命すら投げ出そうとする…
アンバーはまるでヒーローのような人間の理想像。

しかしレイヴンの方は、大切なアンバー以外の人間は、
どうでもいいかのような発言、態度、心情描写が目立ちました。
私はレイヴンがあまり好きになれなかったです。
でも殆どの人がきっと同様で、
レイヴンは人間の現実像寄りなのかもしれない。
こんな二人はよく言われる
「月と太陽」のような、真逆のCPにも見えました。

正直、ご都合主義のように突然終戦したのが物足り無いとか、
やっぱり私は「もっと戦闘シーンが見たいー!」ってなっちゃうけれども、
終始、高い画力のイケメンで描かれた命懸けの軍人BL、
この作品が出た事自体が良かったと思いますし、目の保養にもなりました。

描き下ろしの見せ方、ページの使い方が上手く、
二人の未来をここまで見せてくれたのにもちょっと驚きました。
あとがきの「一緒になれて良かったね」に同意し、
ほっこり暖かい気持ちになれるラストも良かったです。

自分勝手な本当の自分

どうしてこんな尻丸出しの表紙にしてしまったんだろう?
エロエロな本と勘違いしそうですが、ストーリー重視の良いお話でした。

小説の表紙では多種多様な獣人をお見掛けしますが、
コミックの方はまだ体の一部のみが多く、全身獣タイプは少ないようです。
そんな中の黒豹攻めはインパクトがありますが、
それ以外の部分はまぁ…割とよくありそうな内容、と言った印象。

「獣人」を人種の一つのように、人同類として見るか、
怪物や獣の類として見るかちょっと考えさせられました。
私は後者かもしれません、やっぱり普通の人間とは考えや感覚が違う、
そう考えると序盤の暴力シーンは、私はあまり気にならなかったかな。
むしろここで性的な方向に行く事にちょっと違和感がしたけれど…。

京が医者になった本当の理由にとても好感が持てました。
自分の意志で何かをしたり決めたりする時、
「誰かの為」だけにそれをする人なんて、本当は居ないと思う、
そこには必ず「自分の為」に繋がる理由がある。
綺麗事じゃない、人間として当たり前の感情だから。

クルイークのケガが治ると再び旅立つ事になりますが、
二人が現実的に、それぞれ自分のやるべき事、あるべき場所を弁え、
敢えて遠距離恋愛を選んだのが、公私混同していなくて良かったです。

Hシーンは全体的に、入り方が若干唐突に感じたかな。
ストーリー重視の本を愛読する人なら丁度良いか、ややエロめ?
逆にエロエロばっかり読んでいる人には、少し物足りないかも?

サブキャラクターも数名出てきて、南樹と北斎はCP要素あり。
おまけの1話ぐらいでいいから、彼らが主人公の回もあったら
もっと良かったかな、と思います。
子供やお年寄りなど、町人の獣人たちもちらほら…
京の天然さや北斎の豊かな表情も含めて、切なくも可愛らしい作品でした。