kaya。さんのマイページ

神作品

エキスパートレビューアー2023 ソムリエ合格

女性kaya。さん

レビュー数9

ポイント数195

今年度12位

通算--位

  • 絞り込み
条件

指定なし

  • レビューした作品
  • 神作品
  • 萌×2作品
  • 萌作品
  • 中立作品
  • しゅみじゃない作品
  • 出版社別
  • レーベル別
  • 作品詳細
  • レビューした著者別
  • レビューした作画別
  • レビューしたイラスト別
  • レビューした原作別
  • レビューした声優別
媒体

指定なし

  • 指定なし
  • コミック
  • 小説
  • CD
  • DVD
  • ゲーム
  • 特典
発売年月
月 ~
レビュー月
表示モード

塩壺の中身は砂糖でした。

上巻から引き続き、こちらも読了。

人気アイドルにもかかわらず、マネージャーからのトンデモ命令により
ビジネスカップルをやることになり、以来相棒以上恋人未満という
微妙な関係が続いている累と響。

下巻は響の回想からスタートです。
まだ中学生だった響の視点で累との出会い、
累を特別に想うようになったきっかけが語られ、
当時の彼が累をどう思っていたかが明かされます。

累はやっぱり昔から天使だったんですね(๑ ˊ͈ ᐞ ˋ͈ )
響は反抗期真っ只中という感じで、累と出会って救われたんだなぁと。
今となってはその塩っぷりが逆に個性となってキャラが際立つ響ですが、
そんな個性も累がいなくては輝くことはなかったのかもしれません。

てっきりダウナー攻めかと思っていたら、とんだ執着溺愛攻めでした!
中学生の頃からずっと累だけを一途に想い、10年近くも片思いを秘めてきた
超が付くほどの健気さにときめかないはずがないじゃない!

もうね、どこが塩だよって…めちゃくちゃ甘々じゃんか///
塩対応をしていたあの響はいずこへ!?
塩壺だと思って手を突っ込んだら中身全部砂糖でした状態ですよ。
ただ累の傍にいたいがためにアイドルにまでなってしまい、
累のことが大好きすぎて嫉妬したり、臆病になってしまう響が
可愛く見えてきちゃいました。

一方、累はというと…
仕事のために付き合うことになったって、えっちをしたって、
これまでは累への恋を自覚することはありませんでした。
けれど、この下巻では…おや!?累のようすが…!

響と距離を置くようになって初めてその存在の重みに気付き、
自分以外の誰かが響の隣にいることに胸の痛みを覚える累。
ようやく…やっとかぁ…!

普段ならそんな累の鈍感さも可愛い要素の一つなんですが、
長い間累への片思いをこじらせてきた響の想いを知ってしまうと
今の状態がじれったくて仕方なかったので、無自覚ではあるけれど、
榛名と響の関係に嫉妬してくすぶる気持ちをバカ正直に吐き出す累に
テンションが上がりまくりでした。

そして、そこからの響の告白も!
もはやダウナーで塩対応と言われたクールさなんてどこへやら。
必死に追いすがったり、累の言葉を一つで真っ赤になったり、
こんなのキャラ崩壊もいいところなのに、響がこんな風に
一生懸命になってしまうのは累相手にだけなんだと思うと、
そのギャップがどうしようもなくいとおしくなってきてちゃって///
告白シーンはめちゃくちゃ胸熱でした。

響から想いを告げられた累の反応もまた期待以上で、
「俺もひびのこと好きって言ってもいい?」とかもう…天使かよー!
あ、天使でしたね、そういえば。

両想いになってからはタガが外れたみたいにイチャつく二人が
もう癒しすぎて、ありがたみしか感じませんでした ( ᴗ̤ .̮ ᴗ̤人) ♥
ほんと、尊いってこういうこと。
どうか、、二人が末永くバカップルでいられますように。

え、全部すき。

え…コレ、めっちゃ好き。全部好き。
『マッスルパダライス』を読んで名原先生の肉体美&エロに一目惚れして
以来追い続け、今回が初ファンタジー作品でしたがツボど真ん中でした。

物語は退魔師の匡臣と鬼の桜太郎の再会から始まります。
幼い頃に突然姿を消した桜太郎と10年ぶりの再会を果たした匡臣は
今度こそ彼を失わないために騙し討ちのような形で契りを交わし、
「番の式神」にしてしまいます。

契約関係で繋がる人と人外の主従(この二人の場合は形のみですが)で、
戦闘時においては互いに守り、守られるバディ的関係性。
そして、行動を共にするうちに深まる絆と高まる恋愛感情!
任務では息ぴったりの相棒・私生活ではイチャ甘恋人同士と、
二重の絆で結ばれる無敵の最強バカップル感がめちゃくちゃよかったです。
この互いに相手以外見えていない唯一無二の関係性がたまりません♡

長い間ずっと諦めることなく桜太郎を探し続けた匡臣と
会いにゆきたい気持ちを我慢して見守り続けた桜太郎の
10年愛がまたツボで…どちらも形は違えど一途の極みなんです…!

パっと見腹黒美人っぽい匡臣ですがその中身はピュアな溺愛受けで、
子供の頃から桜太郎への想いを隠しもせず好き好きオーラ全開で
まとわりつくワンコっぷりがもう可愛いのなんのって!

桜太郎もそんな匡臣に対してツンとした体を装ってはいるものの、
ふとした瞬間に無自覚な過保護がダダ漏れちゃっているんです♥
匡臣の誘いを受け容れながらも、それまではっきりと想いを口にしなかった
桜太郎が10年間、匡臣を忘れたことはなかったと漏らす場面ではレアなデレに
ニヤニヤが止まりませんでした。

エロは“精気の共有”なんて建前を使いながら、
1話に1エロで、頻度も濃度もエロエロでした。
魅惑の肉体美にプレイ内容と、これだけエロ多めなのにちっとも
マンネリにならず、毎回新鮮さがあって素晴らしかったです///

描き下ろしの桜太郎が“ばいぶ”に嫉妬するお話も
エロかつ愛が溢れていて、読み応え満点でした♪
なんだかんだ匡臣の初めてを奪った相手をずっと
気にしていたのかなぁと思うと桜太郎が可愛すぎました(๑´▿`๑)

この1冊でもきれいに完結していますが、ぜひ続きも読んでみたいです。
せっかく設定も魅力的で、戦闘シーンも格好良かったのにラスボスが
あまりにもあっさりと倒されてしまったのが少し物足りなかったので…。
イチャ甘しながら、退魔師バディとして事件を解決する二人がもっと見たい!
兄のバツイチ子持ち設定も今後のBL展開への布石?と密かに期待しております。

終わって また始まる物語。

上巻に続き。

真澄と律の再会から過去エピソードの挿入が多かった上巻に比べ、
下巻では一度は別れてしまった二人が旅の中で離れていた間の
空白を埋め、再び惹かれ合ってゆきます。

遊馬に引き続き、旅の途中で出会った・めぐるの存在によって
ストーリーはさらに深みを増し、時折暗い目を見せていた
律の内側に巣くう闇にも触れられてゆきます。

はじめは律が本当に救いようのないクズでちっとも好きになれなくて、
そのせいで彼が何をしても言っても響かず、どうしようかと思いました。

だけど、真澄が死の危険にさらされた時、
それまでの律のイメージが大きく覆されました。

まるで白状するかのように律の口から溢れだした本音。
実は真澄を傷つけたことを後悔していたこと。
伝手を辿って連絡を取ろうとしていたこと。
そして、ずっと会いたかったこと。

「もし、やり直せたら次は間違えない。」
それは一見浮気男の常套句のようにも聞こえるけれど、
今まで誰にも執着したことのなかった律の言葉だからこそ、
まぎれもない本音なのだとわかります。
真澄に見せたあの涙とみっともなく縋る姿だけは本物であってほしい。

そして、これ以降急速に闇化が深まってゆく律。
そもそも再会時から怪しい安楽死用の薬を所持していたり、
旅の途中にこっそり薬を服用しようとしていたり、病みっぷりがヤバい。

滅亡に向かう世界で成功者の皮は削ぎ落とされ、愛する人を失いかけた律は
弱くて根暗で、ヘタレたどうしようもなく不器用なただの男でした。
だけど、不思議とこちらの情けない律の方が好ましかったです。
勿論この一件でこれまでの諸々がチャラになるわけでもありませんが(#^ω^)

そんな律の過去の愚かさも現在の弱さもひっくるめて、
受け止める真澄がもはや聖母かよ、と。
上巻では過去のトラウマのせいで卑屈な印象でしたが、
本当の真澄はこんなに情が深くて可愛い子だったんですね。

読み始めは最高の攻めザマァを心から願い、
真澄にはこんなクズに二度も落ちてくれるなよ…と祈ったものですが、
今の真澄なしでは生きていけないレベルにまで弱った律なら
今度こそ幸せにしてくれるのかも、と信じたい気持ちになりました。

再会した時に律が図書館を訪れたのも偶然ではなく、
真澄に会うためだったというのも個人的にはかなりぐっとくる
真相だったので、この感動を裏切らないで欲しいなぁ。

一方、新ヒロイン(?)めぐるの登場によって、主人公たちの横で
若者たちのもう一つの物語が始まっておりました。

ボーイミーツガールならぬ、ボーイミーツボーイ。
当初は真澄たちの恋を見守るフォロー役かと思われた遊馬ですが、
正義感があってポジティブでヒロイン一筋、とやたら主人公色が強く、
どこぞの根暗ヘタレヤリチンよりも余程攻めらしかったです(笑)
少年漫画だったら、絶対ヒーローに抜擢されていると思う。

そして、最後の結末をもっていったのもこの遊馬でした。
確かに今までも伏線は十分にチラつかされていたわけですが、
全てはこのためだったのか、と納得できちゃうような、できないような。

ご都合主義と言ってしまえばそうかもしれないけれど、
朝焼けを二人で迎えた真澄と律のラストに泣きそうになっちゃったので、
遊馬がいてくれてよかったなって。

予想外のラストで結末も読み手の解釈による部分があるかもしれませんが、
この物語はこの形で終えるのが一番美しく、彼らの最高潮なのでしょう。

正直、地球滅亡という特殊な環境下での吊り橋効果感は拭えないし、
普通の日常が戻ってきたとして、律のヤリチンが再発しないかは
疑わしいですが、今度こそ間違わないで欲しい。それだけです。

真澄が言っていたように生き残ったとしてもろくでもないことが
待ち受けているのかもしれないけれど、それでも二人でいればきっと楽しいよ。

個人的には彼らの“その後”があると信じていて、律と真澄の蜜月や
4人が再会して賑やかにしている日々も覗いてみたい気もします♪

塩と見せかけて砂糖男

前作があまりハマらなかったので今回はどうしよう…と
ちょっと迷いもしたけれど結果的にめちゃくちゃよかったです!

設定が斬新とか絵が好みとか、そういう一部が突出してよかった
とかではなく、もう全部が、全体が総じて好きでした!
ストーリーもキャラクターも、読後感も全部ひっくるめての神評価でした。

主人公のたくみが失恋のショックでヤケ酒をしていると、
幼馴染みで親友の廉から突然「俺たち付き合ってみるか?」と提案され、
ヤケクソ半分その場のノリ半分でお付き合いを即決してしまう、
というBLなら一度は聞いたことのあるようなスタートですが…。

なんか…思ってたのと違ったんですよね。
実はずっと幼馴染みに密かに片思いをしてきて…なんて、
切ないのを想像していたのに、本当にその場のノリだったなんて!
「いっか!!じゃあ付き合っちゃお!!」って軽すぎでしょー(笑)

だけど、それは酔っ払いの戯言で終わらず、
後日律儀にお付き合いを開始するたくみと廉でしたが…。

同性の親友となんて無理!急に意識しちゃって緊張する!とか、
色々と障壁もありそうなものですが、付き合いの長さゆえか、
あるいはあまり細かいことは気にならない性分のお陰か、
恋人だとか、友達だとか、そんな小さいことにこだわらず、
とりあえずデートしてみよう!とまさにタイトル通り、
トライの精神でデートを重ね、お付き合いを続行してゆきます。

どちらか一方だけが頑張るではなく、二人ともが、寄り添うように
恋人になっていこうとする二人のお付き合いの形がすごく理想的でした。

お試しの恋人という形から始まった関係でしたが、
ドキドキしたり、いとおしさを感じたり、隣にいることで
友達から恋人になってゆく二人の気持ちの変化も自然体で馴染みが良いのです。

特に変化を感じられたのが廉でした。
寡黙なクール攻めなのかと思っていたのに、予想外にデレるなこの子!!
真面目で誠実で、誰よりもたくみを理解し、大切にできる、よき男前でした。

はじめこそクールな雰囲気でしたが、初めてのキスでスイッチが
入ってしまったのか、それ以降はひたすら甘々オンリー…(♥´□`♥)
かわいい、好き、と甘く愛を囁く廉の豹変っぷりに戸惑うたくみをよそに
溢れんばかりに溺愛しまくり、塩と見せかけて砂糖並みなデレ甘攻めでした♡

そんな廉にたくみも絆されてゆき、3話にしてハッピーエンドじゃん!
と思っていたら…やっぱりあるよね、一波乱。
誤解からすれ違ってしまうものの、仲直りの場面では二人の築いてきた絆や
寡黙な廉が秘めていたたくみへの想いが明かされ、ぐっときちゃいました。
性格も考え方も違うけれど、互いの人生に良い形で影響しあって、
今の二人があるってなんかもう一緒にいる運命だったんだなって。

その後、お試しではない本当の恋人同士になった二人が甘ったるくて、
可愛くて、もういとおしいが炸裂しておりました♡
きっと5年、10年先もこの二人は変わらずこんな感じなんだろうなぁ。

そして、意外にもにエチありでした。
この二人ならお手手つないでハグ&キス止まりで、
エチなしハッピーエンドも全然アリと思っていたくらいなので、
予想外に色っぽい二人にドキドキしてしまいました///

しかも、描き下ろしでは丸ごとおエロだと?
朝っぱらから廉を襲っちゃうたくみの表情がそりゃもういやらしくて、
廉の台詞じゃないですがたくみってこんなにエロエロな子だったのね///
廉もえっちなたくみに驚きつつも、結局煽られまくっておりました♥

愛し、愛され、甘々に。

上巻から引き続き。

すったもんだの末に想いを通じ合えた理一と橘。
やっと正式に恋人に昇格したことで糖度もエロも濃密さが増し、
ラストまでキュンキュン&ニヤニヤしっぱなしでした。
晴れて恋人同士ということで下巻では早速エロも解禁です♥

隙あらばベタベタし、ぐいぐい迫ってくる橘は相変わらずですが、
今巻ではなんと理一からの甘いおねだりも見れてしまうのです(๑´ლ`๑)♡
あの堅物クールビューティーだった理一が甘々で…恋人って…すごい!!

しかも、初めてだらけなのにエロ方面の順応性まで高いときた。
恥じらい上手のおねだり上手って最強すぎん?
快楽に蕩けた理一の表情や反応、そのどれもが可愛い&色っぽく、
いつもは余裕綽々な橘も煽られっぱなしでした///

今巻では恋人としての二人のお話に焦点が当てられていくので、
バディ萌え要素は上巻に比べると若干薄めになっております。
彼氏(橘)の家族との初対面イベントや橘の浮気疑惑が浮上したり、
ラスボス(社長/父)との対決など、最後の最後までドタバタし通しでした。

途中すれ違いからのお別れ危機も到来しますが、言葉足らずで
理一の気持ちも聞かずに自己完結させてしまうのは橘の悪い癖ですね。
屈強な外見に反して、メンタルは意外にもヘタレなのかも。

逆に理一は今まで橘に翻弄されて流されるだけだったのが、この下巻では
自分の意志で橘との関係に向き合ってゆき、著しい成長が感じられました。
かつては“氷の男”なんて呼ばれていたのに、いざ恋をするとこんなにも
情熱的に愛せる人だったんだなぁとその豹変っぷりと重量級の愛に
びっくりさせられました。

理一の幸せを願って身を引こうとする橘に帰ってこないなら
自分が追いかけるという決断をした理一がほんと男前で。
わがままなんて言いたくない!と可愛らしく泣きすがっていた子が
いつの間にかこんなに逞しくなっちゃって…(´⌒`。)
愛の力は人を強くするってこういうことなのね。

最初はワガママ暴君だった信康もこの下巻では理一の背中を
押してくれるまでに成長を遂げていてプチ感動しちゃいました。
これで理一も安心してお嫁?にいけますね♪

理一の奮闘もあり、最後はなんとか大団円を迎えますが、
ラストの指輪のプレゼントシーンではちょっぴりぐっときちゃいました。
今までどこか根無し草のようだった橘ですが、理一という最愛の人と
出会い、ようやく自分の居場所を見つけることができて本当によかった。
どうか、末永くお幸せに…!

ちなみにweb連載では非情にも丸々カットされていたエロシーンですが、
書籍化に際して描き下ろされたとのことでテンション爆上がりでした٩(ˊᗜˋ*)و*。
決してエロ必須ではありませんが、やっぱり最後まで結ばれた二人を
見られると嬉しいもので、感無量でした。

描き下ろしは本編ではぐらかされていた二人の初めての出会いについて
種明かしがされています。
真相を知った理一の嬉しそうな反応にニマニマが止まりませんでした。
目の前の恋人が実は何年も前に出会っていて、ずっと自分を思い続けて
地球の裏から会いに来てくれたなんて…ドラマチックですよね♡

お話自体はこれで綺麗に完結してしまったけれど、
またいつかこの大好きな二人のお話が読めますように♪

付き合ってない…だと?

なんだこれ。
やたらと壁になって見守りたい欲を掻き立てまくられてしまう…。
めちゃくちゃ好きだーーー:*:・(*´∀`*)・:*:・

どこからどうみてもお付き合いしているようにしか見えない
幼馴染みの高校生男子二人の無自覚イチャ甘日常譚でした♡

1話1話は長いものもあれば10ページ程度の短いものもあり、
何気ない日常や特別な日など、二人の日々を切り取った
連作ショートストーリーを読んでいるような感じでした。

「おっぱいがもみたい」「…俺のがあるじゃん」
ある日、おっぱい大好きな高校生・正宗の切実な願望に
幼馴染みのはじめが自分のお(雄)っぱいを差し出してきて…。

いやいや、はじめくん!真顔で何言ってるのー!笑
というか、正宗もそれでいいの!?

けれど、読者のそんなツッコミをよそに正宗は
この日を境に雄っぱいの素晴らしさに目覚めてしまうのです。
そして、はじめの胸をやらしい目で見てしまうようになってしまい…。


おバカ担当の正宗は年齢の割に無邪気かつアホっ子ですが、
あざとすぎず、とにかく健やかでいい子で癒し系キャラでした(´-`).。oO
あと、基本はおバカなのにはじめのことになると
嫌われたくないと泣いてしまったり、臆病になったり、
メンタルがか弱くなってしまうところも可愛らしかったです♡

そんな正宗を過保護に見守るクールなはじめはというと…
一見冷めていそうですが、読み進める程に正宗への無自覚デレが
じわじわと滲み出るタイプの無自覚溺愛攻めでした。

そして、特筆すべきはやはりその魅惑の雄っぱい…!!
なんでしょう、まだ男子高校生なのにこのムワっと漂う色香と
それとは対照的な溢れんばかりの母性は…。
本来女子が好きな正宗がこの胸板に夢中になったのもわかるというものです。

もうね、この二人のアホとイチャの塩梅が絶妙なのです!
二人揃うとそこが教室であろうと電車内であろうとお家であろうと、
周囲の視線などお構いなしに自然と寄り添い、髪や顔に触れ、
無自覚にベタベタしだすの最高すぎません?
しかも、彼らにはイチャついている自覚は全くないので
公然の場で堂々とイチャイチャしやがっておるのです♥
そりゃ、周りから付き合ってるの?と聞かれても仕方ないわー。
なんとも拝み伏したい気持ちになり、“尊い”ってこういうことなんだな、と。

とはいえ、いざ恋愛となるとトントン拍子にはいかず、
イチャついている割に二人とも自分の気持ちには無自覚で
しばらくの間はじれもだのターンが続きます。

ただ、恋に至るまでの心理描写は順を追って丁寧に描かれており、
それまで二人が紡いできた時間や思い出の積み重ねもちゃんとあるので、
その分の“好き”の重みがぐっと感じられてとてもよかったです。

ちなみにタイトルで期待してしまいそうですが、
エロは最終話と描き下ろしでちょっとだけでそこまで多くありません。

描き下ろしでは本編後の二人が描かれますが、20歳になっても
相変わらずアホ&イチャ甘な二人にニマニマしてしまいました。
きっとこの二人はいくつになってもこんな感じなんでしょうね~( *´艸`)

この1冊でも十分きれいに完結しておりますが、
できるならこの二人のお話も読んでみたい!!
どうか、いつの日か続編が見られますように。。。

基本的に家族や友人、周りからもほぼ公認の仲なので、
ひたすら甘々・ほのぼの・コミカルの癒し3拍子な1冊でした。
ぜひ、疲弊した夜にどうぞ♪

雪の妖精 コミック

芹澤知 

きっと冬がくる度読み返したくなる…

真っ白で寒々しい雪景色の中、手を繋いで寄り添う二人に
読み手の心だけはじんわりと温められる優しい読後感でした。

北海道の田舎町に住む孤独な青年・春樹はある日、
都会からやってきた動物カメラマンの成美と出会います。
ひょんなことから成美は冬の間、春樹の家に居候することになり…。

人見知りな春樹と誰とでもすぐに打ち解けられるコミュ力おばけの成美。
自分とは真逆の成美にはじめこそ野生動物の如く警戒する春樹でしたが、
いっしょに暮らす中で成美の見せてくれる新しい世界や優しさに触れ、
少しずつ惹かれてゆきます。

特別な事は起こらず、描かれるのは冬限定の二人の穏やかな同居生活のみ。
文章にしてしまえばとてもシンプルなストーリーにも感じられますが、
その分二人の気持ちの揺れや変わりゆくさまが丁寧に描かれており、
読み手の心にも沁みるのです。

冬が終われば離れるとわかっているからこそ、深入りしちゃだめなのに。
だけど、気付けば既にどうしようもないくらいに惹かれてしまっていて…。
もはや引き返せないくらいに育ってしまった恋心と臆病が拮抗する二人に
切なさがこみあげてきました。

成美がカメラマンということもあり、キーアイテムとして
カメラを使う場面が頻繁に出てくるのですが、レンズを通して
相手を見ることで気持ちを自覚したり、シャッターを押す度に
気持ちが募っていったり、と作中でのカメラの使われ方が
とてもロマンチックで素敵でした。

ストーリーやキャラクターの他、絵も素晴らしかったです。
雪一つとっても荒れた吹雪、空から舞い落ちる柔らか雪、と
どれも一粒一粒が違っていて、その精緻さに驚かされました。
物語の舞台自体も架空の街でしたが、景色や積雪量、そこに出没する
動物の顔ぶれから、道民であれば、あの辺りかな…と具体的な土地が
思い浮かんでしまう程のリアルさでした。

最後に明かされた“雪の妖精”の意外なオチにはくすりと笑ってしまいました。
一体どんな幻の動物かと思っていたら…なんだ、あの子だったの( *´艸`)
そして、タイトルが示すもう一つの“雪の妖精”の正体にもぐっとくるものが。
ここでタイトル回収されるんだ…とその秀逸さったらもう!

描き下ろしでは本編のその後の甘々な二人が少しだけ垣間見れますが、
出来るならさらにその先が見てみたかったです…!

ただ、本編では恋人になった後も冬しか会えず、離れている時間の方が長い
二人に寂しさを感じていたので、この描き下ろしが見られて本当によかったです。
想いが通じても尚、片田舎で成美の訪れを心待ちにする日々を送る春樹に
胸が締め付けられていましたがこれでもう寂しいことなんかないねっ( ノД`)

最後までキス止まりの二人でしたが、離れていてもいつも互いを想い合う
二人のラブが溢れていたので、エロなしでも十分すぎるくらい満ち足りた
愛を感じられました。
完全にプラトニックというわけでもなく、その後の進展をやんわりと
匂わせる発言もありましたしね…!
そこは妄想で補うことと致します♪

♡変装デート編♡

アニメイト購入特典の描き下ろし4Pリーフレットは
本誌と同様のカラー表紙・裏表紙+モノクロ漫画が2Pでした。

内容は二人の変装デートのお話♪
デート中、トッピング盛りもりのクレープを食べる和倉。
じっと自分を見つめる山代の視線を感じて「食べます?」と聞くと…
和倉の口元についたクリームを山代がペロリ。

………Σ( ゚Д゚)

いやいやいや!
変装しているとはいえ、往来でそんなことしていいの!?
私としては最高でしかないけれど!なんならもっと見たいけど!!
しかも、変装も虚しく即効周囲の人たちにバレてしまっていた二人でした(笑)
本誌では山代の面倒くさい性格にイラっとすることもあったけれど、
こういうデレを出し惜しみしないところは大好きです♡

救われたのは神様の方でした。

初読み作家様で試し読みだけではコミカルなのか、
ほのぼのなのか、はたまたダークなのか、いまいち掴み切れず、
でも猛烈に先が気になってしまい、結局購入に踏み切りました。

結果としては通読してみて良かった。
しかも、電子で購入したものの思いの外ぐっさり突き刺さってしまい、
ぜひ手元に置いておきたいのと特典も欲しくなってしまったので、
改めて紙本まで購入してしまいました。

物語は学校の人気者で親友の真心に片思いする慧の視点で始まります。
中学時代から真心に秘かに想いを寄せてきた慧は
高校の卒業式の日、勇気を出して真心に想いを伝えることに。
すると、真心も慧と同じ気持ちだったことがわかり、晴れて両想い♡
長年の恋が実り幸せ絶頂の慧でしたが、
真心が「じつは俺 かみさま なんだ」と言い出して…。

か み さ ま とは?
何それ?と慧同様に、ポカンとしてしまった。
まさかの人外ファンタジー?と思いきや、そうではなく、
ただただその言葉通り「かみさま」なのです。
そう、職業が「神様」。自営業「神様」。
つまり、実家が宗教。

本人が望む・望まないにかかわらず、昔から他者を惹きつけてしまう
性質の真心は気がつけばいつも誰かの心の拠り所となっていて、
自然と宗教の教祖のように崇められるようになっていました。
そして、人々は彼を「かみさま」と呼び、心の穴を埋めてもらうために
彼に悲しみを、孤独を吐き出し続け、救われようとするのでした。

ピュアな恋のお話かと思っていたら、突然のシリアス展開に衝撃でした。
無垢でちょっぴり天然な美少年に思えていた真心が
途端に偽善的で胡散臭さく見えてきてしまう…。

だけど、実際は真心は何も悪くないんですよね。
むしろ彼も周囲の大人たちから「かみさま」で
あることを強いられてきた被害者だったのではないかと。
本当はエッチなことに興味津々で、恋人とイチャつきたいだけの、
年相応な恋心と性欲を持て余す普通の男の子なのに。

ただ、真心にとっての救いはいつも隣に慧がいてくれたことでした。
彼の抱える事情を知っても引いたりせず、その想いが変わることもなく、
何のこともないように、ただありのままの真心を受け容れ続けてくれた慧。
どちらかといえば平凡だし、イケメン枠でもないけれど、
真心への想いだけは誰よりも一途でまっすぐでした。
いつも真心の心に誠実に寄り添い、見守っていてくれて
人として、恋人として男前すぎて惚れそうになりました。

ラストで涙を流す真心に向けた慧の台詞もじんときました。
「なんとかなるかもしれないしどうにもならないかもしれない
…でも一緒にいるよ」
なんだろう、達観しすぎというか…この懐の深さ!
とても10代とは思えない、未来のスパダリを予感させました。

かみさまの自分と、慧に恋する自分との間で揺れ動き、
真っ暗な穴から抜け出せずにいた真心を救い出してくれたのは
間違いなく慧で、どんな自分でも決して見捨てることなく、
ただ純粋に愛してくれた慧の存在はまさに真心にとっての
“かみさま”のようなものだったのかもしれません。
一言でいうならこれはきっと愛による救済の物語で、
救われたのは神様の方でした。

本編後の高校時代の二人の描き下ろしもじんわりと沁みるお話でした。
同級生の“天使ちゃん”、描き下ろしのみの登場でしたが、
この短いお話の中でも人柄の良さが伝わってきて、
すごく魅力的な女の子でした。
二人の思い出を残してくれてありがとう…(ノ´ω`・。)

どいつもこいつも魅力的!

ちるちるでの先行レビューが見当たらず購入を迷いましたが、
結果的に読んでよかった!と思える今年1発目の神評価作品でした。

内容はお笑い芸人の先輩と後輩の恋愛を描いた物語です。
芸人ということでコミカルなノリを想像していましたが、
意外にもぐずぐずな恋模様にキュンとしたり、もだもだしたり。

芸歴4年目にして未だに売れない芸人の和倉は先輩芸人である山代を
崇拝していました。
けれど、山代への尊敬と同時に誰にも言えない想いも抱いていて…。

そんな和倉の切ない恋心を描き、恋人になるまでが主軸かと思いきや、
1話目ですんなり恋人同士に、メインストーリーはその後の二人でした。

忙しい山代の仕事の合間を見つけては連絡を取り、会う度に身体を重ね、
順調かに見えた交際でしたが、会えない時間や言葉の足りなさによって、
和倉と山代は少しずつすれ違いだし…。

山代に誰よりも憧れる和倉と、和倉を誰よりも可愛がる山代。
会えなければ愛おしさは募るし、会えば求めずにはいられず、癒し合い、
互いを好きなのはこんなにも伝わってくるのに、すれ違ってしまう二人。

というのも、8割方は山代のせい。
爽やかで穏やかそうな見た目に反して意外にも曲者なこの男。
その本性は愛されたがりの臆病者でした。
劣等感に苛まれる自分を救いだしてくれた和倉に依存し、失う怖さから
和倉を突き放し、かと思えば突然甘やかしたり、執着したりを繰り返し、
その度に振り回され、不安になってしまう和倉が不憫でした。
蓋を開けてみれば自分勝手で、結構なヘタレ攻めだった山代。
唯一、どんなにモテようが和倉一筋なところだけは好感でした。
一途な(執着)溺愛攻めが大好物なので♡

そして、そんな山代を健気に思い続ける和倉は天使でした。
基本的に振り回され役で、脇まで個性的な面々だらけということもあり、
「まっさら」で「まっすぐ」という以外は正直インパクトに欠けもしますが、
その素直さで周囲の心を解してくれる癒し系ワンコもとい、セラピー犬の
ような存在でした。

個人的には和倉の相方の黒川がメイン攻めを差し置いて格好良かったです!
若干当て馬っぽさもありますが、作中ではあくまでも和倉との熱い友情と
相方愛を貫き、山代との関係に思い悩む和倉のために行動を起こしたり、
最後まで男前でした。
あまりにも和倉を悲しませる山代に途中、もう黒川×和倉でもありかも、と
妄想が捗ってしまう程には大好きなキャラでした♡

山代の相方・川治も見た目は中々のキモかわですが、さりげない一言に
相方への思いやりや人情味が滲んでいて、素敵でした。

全体的に同性同士の恋愛への葛藤はそこまで感じられませんでした。
一応伏せてはいるものの、互いの相方たちにはバレバレですし。
だからこそ、男女に置き換わっても違和感のないストーリーではあるし、
展開自体はそこまで劇的ではありませんが、それでもこんなにも
面白かったのは登場人物たちの感情の動きが丁寧に描かれていたから
なのだと思います。

一言でいえば面倒くさいバカップルのお話ではありますが、
和倉の一途な想い、山代の拗れた愛情、黒川の熱い友情、と
それぞれに感情があり、その行動にはきちんと理由があって、
キャラクターたち一人一人に生が感じられたからこそ、切なくても、
腹立たしくても、重苦しくても、最後の最後まで目が離せませんでした。

二人のとびきりの笑顔で締め括られるラストもとても良かったです。
読了後には感動がぶわっと押し寄せました。
あと、描き下ろしも。甘くて笑えて、最高でした( *´艸`)
願わくば、どうか黒川にも幸せを!