うーん、難しかった!というのが
正直なところ一番はじめに出てきた感想です。
最後のマツリの言葉でいくと
死んで生まれ変わってまた出会う、というよりは
表向き「死んだことになっている」というだけで
魂はとどまって彷徨うことになり、気付くとまた違う誰かになっているということなのでしょうか。
なり替わるとは生まれ変わるとはまた違うこと。
この辺が絡まって、理解するのに何度も読み返しました。
皐月の名前にはいつも「伴」があるように、マツリの名前にはいつも「比」がある。
この「比」の意味についても色々と考え、調べてずいぶんと頭をつかいました(笑)
こうして読み解く楽しさもあった作品でした。
一度自分なりに噛み砕き、また読み返すとまた印象が違ってきそうです。
αの弘とΩの真生、その子供の輝。
3人のあたたかい家族のお話。
人気シリーズもの、今回初読みでした。
弘たちが生きるオメガバースの世界は同種間で婚姻するのが一般的とされていて、Ωの真生は色々と苦労してきたようです。
自分に自信が持てないままでいた真生は
弘と出会って輝が生まれて、変わっていったんだなというのがよくわかります。
輝の存在も大きかったと思うし、弘の愛情をたくさん受け取っていることもやっぱり大きい。
こんな素敵な家族もののオメガバースがあったなんて…!と衝撃をうけました。
輝の天使っぷりにメロメロでした(笑)
続きも楽しみに読みたいと思います。
そして、出会った頃や結婚する前のお話も読んでみたいなと思いました。
オメガバース作品のようにストーリーに入る前にBOBについての説明があり世界観を詳しく解説してくれています。
細かな設定があるのでさらりと読める作品ではないかもしれませんが、複雑に感じる部分こそが活きるお話となっています。
春雷の父の再婚相手・乾隆はBOBで新しくできる3人の兄弟もBOB、というところから始まっていくお話。
3人それぞれの恋が描かれています。
特殊設定な物語でも感情は共感できるものばかり。すべての恋にキュンがつまってました。
オメガバースの前日譚という位置付けで描かれているだけあってそれに通ずる部分が多く、展開自体難しいことはないです。
一度読んで理解した上でまた読み返したい思える作品でした。
何より星名先生の描く人物が花が咲くようなキレイさがあり、この設定にすごくあっているなと思いました。
週刊誌の記者になって2年余り、スキャンダルを掴んだことがない犬丸は人気急上昇アイドル黒瀬が芸能界の裏パーティーに出入りしているという情報を得て潜入調査していた。
絶対に逃せない大きなネタだったのだがスクープを撮るつもりが逆に脅しのネタを撮られてしまって…
まず裏パーティーが何の目的で開かれているのか調べないで潜入するあたり、絶対に記者は向いてないですよね(笑)
それでもなんだか憎めないキャラの犬丸でした。
黒瀬はSっ気のある意地悪なアイドルくんかと思いきや、アイドルをやっていること自体が本人の意思ではないしトラウマも抱えているし、読み進めるほどに印象が変わっていく子だなと思いました。
結構あっさりと犬丸はほだされますが、心を開いた黒瀬の雰囲気の柔らかさにはそうなっちゃう気持ちわかるな、と共感。
やや展開は早いかな?という感じでしたが、無理矢理なえっちからラブラブになるまでが見られて良かったです。
一流の男に憧れる葉山とその理想の男とも言うべき三枝とのお話。
自他共に認める顔がいい男、葉山。お顔はとっても綺麗なのに、中身はちょっと抜けていてギャップにコロッとやられました。
一流の男への憧れは強すぎるほどですが、背伸びせず身の丈にあった暮らしをしているし、しかもそれを全然苦としていないところにすごく好感が持てました。そしてぽわ~んとしている感じが可愛くて萌えました…!
見た目は完璧、中身はピュアな三枝。あんなにバリーっ!としてるのに恋愛経験ないとかなんなの…もう、萌えすぎてツラい…
ギャップ萌えなふたりの恋愛が萌えないはずがない!すれ違いはあったけど通じあってくれてよかったです。
真行寺とマークも気になる存在でした。
続編も楽しみです。
塚田はその見た目から周囲に恐がられ、狂犬なんていうあだ名までつけられている。
でも実は全然悪い子じゃないし、むしろ良い子なのに!
なんでもすぐ口に出してしまうので誤解されやすいし、歩いていても絡まれてしまうので結果喧嘩ばっかりしてるイメージを持たれてしまうという…
でもいい意味でなーんにも気にしていない感じの塚田がすごく良かったです。
逆に藤野がヤキモキしている様子もなんだか微笑ましく可愛かった。
塚田の鈍感そうに見えて意外と人の本心を見抜くところはちょっとときめきました。
そういうのを感じ取れるのっていいですよね~
彼の根っこのいいところが見れた気がします。
そして大学生になったふたりも良かったですが、モブAモブBはかなりいい仕事してくれたなと思いました。
蒼太のような表情と考えていること真逆、っていうの大好きです。本人はいたって真剣。ですがそのギャップに笑わずにはいられないんですよね~
光希も頭のなかで色々考えてたけど、可愛い系だと表情に滲む気がしてそれはそれで萌えて良かったです。
蒼太×光希はお互いが気持ちに気付いていないだけでくっつく未来がみえていたカップルという感じ。
なのでどちらかというと吉田兄弟のお話の方が萌え度は高めでした。
血の繋がらない兄弟の両片想いとか、王道といえば王道。
でも和眞は今までも諦めようとして彼女がいたこともあったし、執着し過ぎないところが逆に良かったなと思いました。
二組の両片想いが読めて大満足でした~!