3巻で空間演出や表情が美しくアップデートされていて感動したので、4巻も楽しみにしていました。
今巻もまた、考え方の違いとコミュニケーション不足からのめんどくさい拗れ、そしてスピンオフ勢(出過ぎて余り好きではない…)の登場そして和解。
二人の考え方の違いは丁寧に描かれていて成程と思う部分もあるのですが、絵もお話もパターン化されていて食傷気味でした。顔ばかりのページも多くなった気がします。
1ページ使った告白の1コマ、連続で使うほどの惹きつけられるパワーがなく感じるのは、もう二人が好き同士と知ってるからか、スマホで読んだからか。
それでもやっぱり鹿島の性癖とそれに翻弄されまくる真田のコンビは面白いし燃えるし、今回は笑顔も増えたし、恋人になって一緒にダラダラしてるの良かったです。
重厚で素敵な表紙。
体格の良い調教師が、心の内は愛されたいと密かに夢を持っているのが可愛いです。
表情のバリエーションは少な目ですが、裸体や体位、服装や小物、ワンコも妥協なく拘って描かれていて凄みがありました。
闇オークションの闇っぽさがなく、世界観はあっさり目。信頼できる客に孤児を売る…その後の様子も把握しているから、と社長から史也への安易な安心の言葉はあっても、養子ではなく性的な関係を含めているわけで、こちらは余計モヤモヤ。
買った主人に対して奴隷(?)が案外対等な態度を取るのは意外で、彼らがあの後一体どうしてるのか少し気になります。
史也は闇オクで働く割に擦れてないのが良い。その分後半は従順な普通の青年になってしまっているような。可愛くて犬グッズにもノリノリで楽しいのですが。
恭もキャラの薄いお金持ちにしか見えず、設定が余り活かしきれてないような…濃い目の絵で補填している感じがします。
エロは肉厚で汁多めで、個人的に若干男性向けに近い印象を受けました。エロ特化は間違いない。
でも史也の可愛げなところだったり、同時収録話の萌え箇所がかなりあってしっかりBL。寝バックが良かった...
「清純ダークサイド」
ヤンキーの襲い受け、強気に見えて「見んな」と言う受け、攻めの鼻血だったり、相手を気遣って止めてあげたいのに身体が言うこときかないところだったり、後処理途中で寝ちゃったり、普段の性格が明るかったりと、お話として読みやすくBLとしても魅力満載でした!!
これは作者の意図ではないでしょうが、スマホで読むとやたらトーン部分に模様が出来て集中出来ませんでした。購入した会社のデータが悪かったのか、よく分かりませんが。
あとは自分の調べ不足でしかないのですが、楽しみにしてた作品が1冊の半分しかないのが最近また多くてがっっかりしてしまいます…同時収録作品が良い悪いではなく、この風習やめて欲しい。
ブックパスの読み放題から。線の細さや顔は不安定だし、これを許していいのかと思う位コピペ上等な造りですが、それでも面白いです。
台詞の言葉と流れがスムーズで読みやすく、独特の雰囲気が癖になります。
お茶屋で気になった男が「面白いよ」と微笑むので、下心有りで将棋を始めたダニエル。教えてくれる男は将棋の元プロで、辞めた理由はーというお話です。
将棋をテーマにBL、というより同性愛の溶かし込み方が自然で良かったです。
外国の方が描かれているからか、主人公ダニエルの西欧人らしい仕草も自然で愛嬌があり、萌えというよりエロティックなムードも現実味があります。
私は詳しく分からないのですが、将棋シーンでの戦い方も拘って作られているようです。
小僧(幸田先生の親戚。仕草がかわいい)に負けてズンと落ち込むダニエルと、フォローする幸田先生の図は微笑ましいし。
アマチュア戦初戦での相手がイギリス人で、英語訛りだのカッペだの言い合いになったり笑。
ダニエルとお風呂に入った小僧の「だって叔父さんすっごく小さいもん」という言葉が聞こえてしまった幸田先生が謎の薬を即購入したり(話の真相がまた微笑ましいし懐かしい…)
この作品にしかない会話の空気感が面白く好きです。続き読みたい。
アニメの様なテンポの良さや絵柄で読みやすかったです。その流れでシリアスになっていくのが意外で、どんどん面白くなりました。
地味で真面目な医師が裏ではエロくて欲しがりで、という奏介の魅力は破壊的でした。
桔平の当り前の行動(一日家でしてるよりデートしよう、今日は抱いて寝るだけ)が、悩みを言い出せない奏介を切なくさせているのがたまりませんでした。
悩みを打ち明けられれば「えっ…⁉︎」と桔平と読者は驚きます。でもその次ページ、4話表紙の奏介の寝顔が可愛くて(笑)!まだそんなギャップを隠し持ってるなんて〜という感じでした。
桔平は意思表示をハッキリしてくれる愛嬌が好感持てます。
「いってらっしゃい 帰ったら気持ちいいこといっぱいしようね」なんて、奏介で無くても仕事行きたく無くなります。
治ったのかという結末がしっかり描かれてないのでは?ともう一度読み返したら、あぁ…ッ‼︎かなりポジティブなラストなんだなって目の前が明るくなりました。
でもちゃんとした治療なく癒せるものなのかな?
個人的にどうも桔平が某アニメの主人公に髪型が似ていてフラットに作品を見られず…桔平が髪を短く切ったの最高だったので(それにそそられる奏介も)もっと早めに切って欲しかった(笑)
kindle unlimitedにて
絵の綺麗さセクシーさと顔の良さ、読みやすさとエロ展開の早さ、簡単なストーリーという点でBLらしい良作かもしれません。
光の感情豊かな表情が可愛い。受けが味を知ってしまってから物足りなくなって、相手が欲しいのにもだもだする展開も大好きです。今作は特にそれが長くて最高でした。
ですが、1話から相手の人間性を決めつけて、美味しい展開に持っていき過ぎています。狡猾と勘違いしてるハル語り、そしてまんまと流される可愛い受け。
それがラストのすれ違いになる訳ですが、そこまでが繋がっていたとしても、心理描写の展開が楽観的で浅いです。本当に好きな子にこんな言動とれるかな。
ハルは陰湿そう設定で他人に全然興味無さそうなのに「気持ちいい(上手い)らしい」し、光は社交性があってノンケなのに大学生まで性的なことにうとくて、裏付けが足りず読者受けしそうな設定だなぁと思いました。「SIDE攻・受」という題名もげんなり。それでも楽しく読み終えました。
あと「朝食買ってきた」なのに凄い出来栄えのお皿なの、あれは一体。
ずっと気になっていて、BLアワードにノミネートされたのを機に読んでみました。
表紙の圧倒的な立体感の筋肉ですが、いざサムネではなく拡大したイラストを見てみると淡めで優しい色合いでした。
ムキンムキンな体格と素朴な性格のメグのギャップ、そして受けというのはツボな方には堪らないと思います。
お話自体は3話であっさりしているため、cpやエロを求める方向けだと思います。私は騎乗位好きですがちょっと好みとは違いました。
どうしても気になったのが、黒パンツ。ジッパー仕様は大変カッコいい、のですが開けたらビロンて広がらないんですか…?
書き下ろしでメグが好みそうな格好(眼鏡とセーター)着たのにぼんやりしたリアクションをされる光臣微笑ましいです。
「不思議やなぁ。七ヶ月近う、殆ど話とらんかったのに、あんたの言葉も、思い出も六月で止まってんのに、俺の気持ちは増えてんねん。あんたのことかわいいかわいい思うねん。愛しい愛しい思うねん。なんでやろうなぁ」
久々に木原さんの作品を新規で読みました。
前情報なく読み始めたので戸惑いましたが、表題作の「あいの、うた」よりも「end of youth」が頁数が多く、2つのお話でcpも違うのですね。久保山達がもっと読みたい〜〜〜と未練タラタラで読み始めたので、なかなか田頭と力に集中出来ませんでした。
登場人物それぞれのドン底が描かれています。死に直結するものではなくとも人生でかけてきたものの価値を無くし、これからの生活と行先を困らすものとして。
end of〜では田頭が細々と続けられていた音楽の道をとうとう断ち、力にボロクソになじられる場面。力は力で、大好きで夢中だった田頭に昔プッツリ断たれました。底の種類は違えど漸く立ち位置が同じになった、人間になれた感じもあり、可哀想もざまあみろも分かるし、ドラマチックでもありました。
また「あいの、うた」では売れないバンドマンの久保山に光明が差しかけたところで小菅の雑誌は廃刊、そして頼みの綱のボクサーは引退…と目まぐるしく天国と地獄が入れ替わります。ここが面白くて、また田頭の力のエゴと創作物の考え方も、BL小説としてさらりと終わらせない読み応えがありました。
この木原さんの一冊では、バンドマンやアイドルとしての表面のキラキラした部分を描かないところ、また序盤の、小菅が理解できない久保山のバンドの音楽を理解しようと行動するところ、好きだなぁと思いました。
小日向力の執着愛の重さ。
自分が好きな気持ちと、相手の気持ちが全然釣り合ってない、と感じる辛さ切なさは誰でも持ったことがあるもので(恐らく)、共感できる〜つら…とは思うのです。上記の台詞も切実さが伝わります。それでも重い。こんなに重いと、やっぱり最後はどうしてもハッピーエンドを望んでしまう、こちらまで絆されてしまいます。
あとがきの「次にお会いするのは『箱の中』だと思います」に、おおおおおーーー!!!と何やら熱くなりました(笑)
歳の差と健気が好きで、『しあわせ片恋暮らし』のあまあま感がとても良かったのでこちらを読みました。
自他認める容姿というのはげんなりしました。もう女の子でいいじゃん…な典型的美少女特徴。“ぴるっ”(ウサギの耳の表現、分かるけどさ…)等オトマトペ多用、キラフワ10代視点を良い歳した大人が読むにはキツかったです。
同性というハードルがあるからどれだけ見た目が良くても悩んだり、でもそれを飛び越えていくというのがBLというか恋愛ものの醍醐味だと思うのですが。家族公認だし、葛藤も殆ど無く、兄ちゃんがOKだせば即ハッピーエンドのお話でした。伏線も予想できないところもない。
歳の差も、活かし切れてないような。
あき兄の元カノとか出て来ていいよ?もっと悶えるとこ欲しかったよ…
それでも「好き」禁止令にはときめきました。言葉で言わなくても彰芳に伝わってるの良いです。
揶揄うのが楽しい彰芳と、キスに少しだけ慣れはじめた百瀬
「最近おれ、赤くなれないときもあってごめんね…」
これ最高でしょう…!
そしてテイソー守ってからのシャワーと初夜堪りませんでした。間之さんの描き方って、最初から最後までじっっっくりあるのにドエロと言うよりとろけーる甘さなのがやみつきになります。
今回も、「しあわせ片恋…」と同じくなかなか全部はすぐ入らないのが壺中の壺でした。
二人が両思いになって終了♪でなく、日常のやり取りやタジタジになる百瀬まで描かれて幕引きなのも良かったです。