オメガバースを土台にした神話ファンタジー。
獣人と神子が存在する世界
男でも子を卵で産むことができる神子族
神子の族長に降りた神託により、蘭千隼は、王の嫁に決まる。
候補の王子から皇太子を選び、その子をなすために、皇都へ向かうことになる
道中の護衛をするのは、幼い頃に千隼との結婚の誓を破った白虎の親王・紫凰だった。
紫凰は、不完全体の獣人、黒虎より格下の白虎で、生母は罪人。おまけに婚約者が居る。
宮中の時渡りの池から、白虎の子供が現れる。
母の千隼の匂いを辿って時渡りをした、という白虎の子に白蓮という名を付ける。
色々あって、紫凰が婚約を解消。 千隼に神子の翅が備わる。
白蓮が父上と呼ぶ紫凰を、千隼は皇太子に選ぶ。
紫凰が選ばれると、「千早と紫凰は偽証」だと怒り、他の皇子達が挙兵
追い詰められた時、時渡りの池から、伝説の白虎王と王妃が登場
皇太子は、紫凰に定める事と、
池から出てきた白虎の子、白蓮は、伝説の王の幼少期で、過去から時渡りしている、
白蓮を、紫凰と千早がこれから産むのだと言う。
伝説の王と王妃が、白蓮を元の時代に連れ帰る。
・・・ここ、少しややこしくて、ちょっと理解しにくい設定だった。
白蓮を、伝説の王が連れ去った後、白蓮が千早に贈った蝉の抜け殻が残される。
白蓮の存在が少し腑に落ちない設定だったので、萌切れず。
初読み作家。
黒毛、黒い瞳のオメガ、先祖返りした双子がガードナー家に生まれる。
ナツキとハルトは二卵性双生児で、似ていない。
王族の姻戚、ロックハート財団の後継者、グレイクから見合いの申し込みが来る。
縁談の間を取り持つ、王族のキャサリン。
理由は、ガートナー家の双子が“繁栄を約束する象徴"だから。昔、先祖と国を救った双子への恩賞。
双子の弟、ナツキとグレイクの件
双子の兄、ハルトとグレイクの件、
キャサリンが調べた「先祖と国難を救った黒髪の双子」の伝承の件、
キャサリンの隠し子=娘の孫の件。
これらが、同じ比重で盛り込まれているけど、
キャサリンの娘については、無くても話の筋に支障ない。
もっとスッキリさせて、ハルトとグレイクのその後についてを重点に詰めたほうが、読者としは嬉しいし、楽しめる。
著者が絞り切れず、アレコレ盛り込みすぎて、構成が不自然になっている感が否めない。
どうしてキャサリンの娘に拘ったのか、分からないけど、
無くちゃいけない部分であるとしたら、頁数の割り振りが上手くなかったかも。
小山田あみ さんの絵師買いして、中身にも期待したけど、なんだかなー・・・。
勝手に期待しただけなんですけど、ね。
・・・と私は、感じた。 辛口で申し訳ないけど本音です。
皆さん、どうでしたか?
丁寧な描写の挿絵がとても綺麗だった 眼福。
宮廷一の美貌の文官、母似の持ち主メル。
美丈夫の騎士、ゲイリー(ジェラード)は二歳年下。
・・二人ともドム。
メルは、より強い属性のドム・他国の王のグレアに屈服してしまう。
メルは、ドムではなく、ドムとサブの両性を持つ「スイッチ」だった。
葛藤して混乱するメルを助けたのは、ジェラードだった。
それ以後、サブとしての欲求を解消するために公娼のドムを買って試すが、どの人もダメで本能が受け付けない。
結局メルは幼馴染のドム、騎士のジェラードの助けを請う事になる。
・・・私にはダメだった。楽しめない。
Dom/Subユニバースは、ドムが指示を出し、サブがそれに従う、の繰り返し。
楽しいのは、小説を書く本人だけじゃないのかな?・・
ドムが指示を出し、サブがそれに従う、の繰り返しの展開は、
gameなら、プレイヤーに展開の選択権があって、面白いと思う。
でも小説だと、物語の進行は著者任せ
美貌のキャラが登場して葛藤したり色々肉付けしても、
Dom/Subユニバースは、単調な「命令と従う」の反復行為で
面白みがないルールだと思った。
初読み作家。
表紙の絵、挿絵が綺麗だった。
題名でネタバレしている物語。そのまますんなり、読みやすかった。
今増えているらしい、親の虐待を扱う物語。ネグレクトされた少年の物語。
ネグレクトは、愛の真逆な行動。愛の反義は無関心、
ネグレクトは、大きな心傷を与えるので後遺症も深いそう。
主人公の望は、実母を失くした後、義母と、無関心な実父にネグレクトされて育つ。
遠い親戚宅に突然訪問して、義母は、借金の担保として15才になった望を押しつけ、無心する。
元政治家の千影の父は交渉に応じて、金を義母に渡して望を保護する。
一部始終を陰から見た千影が、望を引き取り扶養する。
怯えてばかりの望は、段々と普通の生活ができるようになる。
通信制の高校を卒業後千影から離れたい、千影の負担にこれ以上なりたくないと考えている。
望みは救ってくれた千影に感謝する。
徐々に有能な千影への憧れは、愛に変わっていく。
でも千影は異性愛者。千影の結婚の邪魔になることを悩む望。
望は誕生日のクリスマスに告白をして、千影に振られることで未練を絶ち、自分から千影を解放したいと思う。
でもクリスマスが近づくにつれ、体調不良になっていく望。
・・・という冒頭。千影の気持ちは、望には伝わっていない。
色々起きても、タイトル通りの展開で、望は独りぼっちにはならない。
伏線回収の結末部分があっけないかも。
紙版購入。紹介文をよく読んで購入するべきでした、残念。
絵師買い。でもyoco先生の絵は、表紙だけ。挿絵無し。あとがきなし。
「タクミくんシリーズ Sincerely…」で登場したタケルのその後編だと、購入してから分かった。本編を読んでいないからさっぱりわからない。
永遠に近い時を生き続けるタケル。
伝説のモノノケ、タケルと出会った人達の回想録のような短編集。
一応、ギイが登場するので、たくみくんシリーズの中に入る一冊。
目次は、二つ。
「曼殊沙華」
・・50代になった玄馬真司は、夕暮れに赤く光る眼の少年の姿のままのタケルと再会する。タケルは真司に「よう、チビ」と声をかける。
「闇にあかく点るのは、鬼の灯か君の瞳。」
・・木更津という男と組んで、指示を受けて動くタケル。
タケルは不死、人ではない存在。
木更津は、電気や電流を自在に操るタケルに放火を依頼。
不死のタケルはずっと想い人の生まれ変わりを探している。
今、想い人の生まれ変わりは、雨月。でも雨月は隼斗の恋人。
タケルの想い人は再生する都度、心臓病でいつも早逝。
・・「闇にあかく・・」は、小タイトルを付けた複数の短編集の集合体で、巻末部分に、たくみくんシリーズのギイが登場する。
ギイは、タケルの忘却術が効かず、昔タケルと出会ったことを覚えていた。
あとがきもなく、作品の最後尾は、「終わりとはじまり」。
続きがあるような、ないような、〆で、タケルを高校に行かせる話題で終わりで、
曖昧な結末。
ヒストリカルロマンス
絵画に宿った魂。
随分、美術館の展示興行について、つっこんだマニアックな内容だった。
著者が、美術関係の資格取得の際に知った「キュレーター」の仕事。
これをどうしても書きたくなったのが執筆の動機。
架空の国、人物、建物には、モデルが存在。
それを踏まえて読むと、空想世界に広がりが増します。
学芸員の三倉歩は念願の企画展のサブ担当になる
架空の帝国「ルーシュ」の旧城の美術館に収められている絵画の展示を三倉が企画。
ルーシュの城で、前世の自分を知る帝王の亡霊と遭遇、200年前に遂げられなかった恋愛の成就を体験する。
帝王の妃が生んだ不義の子も、三倉の傍に再生して妨害する。
無事イベントを終えて、三倉はルーシュに移住する。
不死不滅の亡霊と化した帝王が望む夢が本当に叶うのか??
・・無事に魂の融合が出来たらいいなと思うお話。
結末が曖昧な思わせぶりな〆だったので、萌。
ツボにはまらない展開でした。
主人公と恋人は天命の番
主人公の夏芽を、玩具として買い取った実父の魔手から守り、
ずっと庇護者として見守って、食べさせ、教育して、
自分から巣立って欲しいと留学をさせ、
身籠って帰国した後、襲われて記憶喪失になっても看病して、
子供の為に婚姻までして主人公を守ろうとした幸徳さん。
婚姻した後、天命の片割れが登場
・・幸徳さんがどんな気持ちになったのか、余り触れない著者。
夏芽が幸徳を優先して、ハリードと永遠の別れになるところを、主人公の背中を押す。そして、二人が帰宅したら、詩人を庭でブランコに乗せて子守をしていた
・・どんだけお人よしなんだ。
そして著者は、当て馬にした幸徳さんのその後には、ちっとも触れていない。
自分と番しか見えない天命の番の二人。
幸徳さんの葛藤を軸にした展開のほうが、よかったんじゃないの?
天命の二人が出会った世界を作った陰の功労者なのに、扱いが粗末。
・・番外編、期待。
電子版に挿絵が無くて、がっかり。
好き好きなので、多分これはよそ様にとって参考にならない感想です。
人柄重視で選ぶ恋なら、オメガバース設定は必要なかったのではないかと思った。
運命の番というけれど、一音は鈍くて運命にあまり縛られてはいないし。
オメガバースのマイナス面を活かした展開で、ゲーム性を感じない作品に感じました。
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インテリア小売店に勤務するオメガの一音は二十六歳。
両親のように仲睦ましい夫婦になりたいとずっと思っていた一音は、マッチングサイトに登録する。
最初にマッチングしたのは、三十歳・商社勤務の超エリート、賢悟はベータ。
ベータであることに抵抗を感じながらも、惹かれる一音、一晩共に過ごす。でも以後、一音は再会を断る。
次に念願のアルファ男性、安斉からマッチングの希望を受ける。
一度会っただけで、安斉は運命を感じて結婚を要望してくるが、一音は踏み切れない。
安斉のフェロモンの強い誘惑に恐怖する一音。
悩みながら、一音が選んだのは・・
予想通りの展開。
これは、怖いBL。
最初と最後だけ読了。
元々は、ウジンがサンウに助けてもらった事から片思いして、ウジンがサンウをストーキングしたことが切っ掛け。
粘着質のウジンは、ピッキングをしてサンウの自宅に忍び込み、とんでもないものをみつけてしまって、サンウに幽閉される。
・・ウジンの共依存は深くて、やっと解放されたのに、
サンウに一言告げたくて、サンウの入院先に訪れ、遺骨を預かることになる。
サンウの最期は、あっけない。
サンウがウジンの名を呼び続けていたと知り、事件現場に戻り幻影を見るウジン・・・
この展開で思うのは、サイコパスが絡んだ事件の被害者のメンタルケアを故意に温めている。
ウジンの重度の共依存に気づいた警察官、ヤン。でも、信号機の点滅に間に合わないと思う。
共依存と愛は、違うもの。
サンウの異常は、寂しさが因。ウジンの粘着質も孤独が因。
似たもの同士の共依存。 巻末の著者QAを読むと、結局ウジンとサンウはすれ違ったまま終わったのか、と寂しくなってしまった。