二時間サスペンス調 BL版推理小説
「サブリミナル効果」を仕込んだビオ・・と書いたらネタバレになりますね。
このシリーズ、1は、直球すぎてどんでん返が甘い。
3→2→1の順で読んじゃったからかな??
シリーズ3作目の半分ほどの面白さだった。
何故だろうと考えたのですが、
3巻は、柳さんという強烈な個性を持っているキャラのおかげで、読後の余韻があって深みがあった。
2巻は、ヒロインの冬樹の片思いが切なくて読後、可愛そうスギルと心が乱れた。
1巻は、才と愛が印象に残るだけ。ちっとも深みが無い、司会者的な二人。推理の謎解きが終わると、本の世界からすぐ抜けてしまう。
1巻と比較すると、二巻、三巻の当て馬の不幸度が段々増していくってことかなー。
電子版には挿絵が無いそうなので、紙本を購入。
財閥の御曹司の佑希哉は、ノンケ。
レストランでアルバイトをしていた女装の史宣(しのぶ)に佑希哉は一目ぼれ。
女装した史宣は優雅で純真無垢な美貌の、男にとって“理想の女“
私立探偵の雅孝はバイ、佑希哉の幼馴染で親友。遠縁でもある。
史宣の身上調査をして、実は女装の結婚詐欺の過去を知る。
化粧を落とした素顔の史宣は、独特の色香があるので、雅孝は男の史宣に惚れてしまう。
史宣と雅孝の間違いがあって、史宣が今度こそ別れて消えようとすると、
何故かノンケの佑希哉が3Pで恋愛続行を提案。
佑希哉は頭がおかしくなっちゃったんじゃないの???と思いながら
この話のハッピーエンドの結末まで読了。
無理やりな落着。この展開で一番まっとうな感性を持っているのは、史宣なのかもしれない。
雅孝も佑希哉も、ねじが数本飛んでいる。
それとも、この物語はコメディだったのかな?
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〖鼎〗
三者が向かいあった形。
古代中国で使われた、三本足の鉄の釜 三本足で両わきに耳がある。龍山文化期に登場し、漢代まで用いられた。
メモしながら読むので、1-3巻全部電子版購入。
粗筋は単純。半分ほどが、説明等の挿しこみ部分で膨らんでいます。
フィリオが聖歌隊の子供達と歌う場面が一番印象に残った。
新婚ほやほやのベルに、10日以上の長期視察遠征の指令が下る。
ベル不在中に、10年会わないベルの父と、第六皇子が訪問する。
第六皇子はベルの本国帰還を願うがベルに拒否られる。
本国に帰る父達 ベルは、父達を国境まで警護。でもベルの父を迎える部隊が襲撃されていた。
そして、帰宅途中のフィリオが、拉致される。
事件の報告を受け、一掃する好機だと怖い笑顔で討伐に出立する第三王子。
黒幕は、1巻登場のアンチ体制派の貴族に利用されたと、第六皇子はやっと気づく
・・この思い込み強い冴えない第六皇子は、超オバカで物語にいい味添えてます。
・・拉致の後、フィリオの父と姉、御者役の騎士のうろたえ振りがオモシロイ。フィリオはみんなに愛されている。
粛清後、フィリオはベルの父達を歌って見送る。
フィリオの国も、ベルの国も、未だ本当に内乱を平定しきっていない。
動乱を粛清した褒美に、長期休暇が許される。
次は、新婚旅行の巻。
キャメロンが語る「3才当時のベル」の短編がオマケでついてました。
☆昔の作品に加筆修正を加えて再刊されるなら、中古本を探して読む必要が無いので、楽。
同人誌の古い作品に手を入れて再刊したもの。
つい読んでしまう続きもの
内容自体は薄い。でも長くなるのは、説明を丁寧に入れて脇道に逸れる癖があるので、蛇行する展開。でも書き癖になれると、段々気にならなくなる。
表紙は丁寧に描かれていますが、中の挿絵が少し雑で、フィリオが子豚に見えるときがあって、困ってしまう。
フィリオを妬んで、森の屋敷にぼや騒動が起きる。どうやら放火。
放火犯は、ベルを失脚させたい貴族たち。
とりあえず、結婚式を終えるまでの巻。
幻獣のエメが森で見つけた捨て子だったらしい、ベル。
ベルの本当の素性に興味津々、普通の人間とは思えない。
電子版が公開されたので、読みました。
感想。
秋成が男性として、祖父母の安否確認の為、国に戻るの巻。
秋成は、軍から冤罪を着せられて犯罪者として国外追放扱いのまま。
祖父母と生き別れになり、秋成は他国で結婚。
1巻で起きた件の着地点を4巻で作られていた。
でも祖父母に秋成の体の秘密は未だ明かしていない。
あとがきを読むと、著者は、両性具有とBLの扱いに未だ悩んでいるようです。
秋成がイズディハールを愛して、女性として生きることを選ぶと、
男女の恋愛になって男性同士の愛を描くBLとして成り立たない・・と悩む著者。
ならば、非BLにしたらよいのでは? 秋成が、どう感じて、どう振舞うか?秋成の選択肢を狭くする必要は無いと思う。
そして著者は「秋成は、自分の中の男性性を大切にする」と考えて、
4巻は、男性の姿で活躍するオスカル中東版を選んでます。
ハミードが味わう辛苦。
秋成に振られて、更に愛する女性が追えない所に去ってしまう不幸。
あとがきによると、次巻は、気の毒なハミードの生き方の着地点に触れるようです。
この兄弟は、吉凶禍福の上下がシーソーのよう、二人一緒に幸せになれないのかな?
秋成の為にそうなっちゃったのかもしれない?(養子?)
両性具有の秋成が幸せになるラブロマンスに期待をして、シリーズを追って読んだのですが、
実際にこの世に存在するし、表現を間違うと人権問題が絡むので、扱いが難しいかもしれません。
秋成の幸せって、どうなることなんでしょうね?
冒頭のキャラ説明の部分が凄く面白い。
どうして恋人になれたのかホントに不思議な二人。
志方:銀行マン 強面・運動神経抜群・現実主義。
年中怒り顔で威圧感高。表情はほぼ3つ。
顔に出さないが、穂木のことはいつも気にかけている。
穂木:編集者 志方に片思いだった、今も好きで好きでたまらない。
外観華やかで目立つ人、でも中身は単純で、一途で可愛い。モテる。
二人が交際して10年。志方の未来を慮り、身を引こうか迷う穂木。
志方に想いを寄せているらしい同僚の女性が出現。
穂木にも、誘いをかける仕事相手が出現。
志方は好きと言えず「馬鹿」という人だから、会話が成立しない。志方は行動で意思表示する人。
お互いに仕事が忙しくなり、会う時間が取れなくなる。
同級生の結婚式の日、独りで色々悩む穂木は別れようと切り出す。志方は希望を受け入れる。
会場で、高校時代に流行っていた曲「好きで好きで・・」の曲が流れている。
帰り道の駅で志方と遭遇。穂木が欲しかった言葉「惚れている」と志方に言われて大喜び。
何度喧嘩したり、すれ違いがあっても、穂木の想定以上に志方は色々考えていた♥。
志方は、武骨で不器用だけど、情に厚い人。穂木は何度も惚れ直す。
・・粗筋を要約すると、穂木の独り相撲みたいで、志方が大人すぎる。
すれ違う心理描写による細かい焦れも、ほとんど穂木の空回り。
片思いで悩む人が思い当たる部分多いなどで、高評価を博しているのかな?
私は、読み進むことにかなりの忍耐を要しました。
面白かったけれど、
テンポよい展開ではないので、焦れものが嫌いな人には向かないと思う。
焦れ焦れジワジワ。
どうして、あの破天荒な里村靖祐の下に、怜悧で有能な青柳美紀が就いているのか、その訳が書かれている巻でした。
母親ソックリな里村の容貌。里村の親は強盗に殺されてしまった。
引きこもりの帰国子女で、親が離婚して子を顧みない人だった青柳。
二人は幼少期近くに住んで居た。
人の縁は、異なものと言うけれど、他生の縁が有ったかもしれない深い縁が二人にはあったようです。
恩返しのつもりで面倒を見ているなら、青柳はとても情が深い優しい人なのだと思う。
慎重派の野上と青柳が、里村の計らいでやっと意思疎通できた後半。
間に誰か入らなければ、きっと縁がつながることはなかったんじゃないのかな。
関連本が、もう一つあるようなので、読んでみます。
「夜間飛行」