あんバターパンさんのマイページ

神作品

エキスパートレビューアー2022

女性あんバターパンさん

レビュー数24

ポイント数176

今年度151位

通算--位

  • 絞り込み
条件

指定なし

  • レビューした作品
  • 神作品
  • 萌×2作品
  • 萌作品
  • 中立作品
  • しゅみじゃない作品
  • 出版社別
  • レーベル別
  • 作品詳細
  • レビューした著者別
  • レビューした作画別
  • レビューしたイラスト別
  • レビューした原作別
  • レビューした声優別
媒体

指定なし

  • 指定なし
  • コミック
  • 小説
  • CD
  • DVD
  • ゲーム
  • 特典
発売年月
月 ~
レビュー月
表示モード

説得力を感じる

高校時代にα同士で出会い、ひと目でライバル認定し、ライバル関係から親友になり、卒業式の後に告白され、αのはずなのに突然のヒート。ヒートに当てられラットになった攻めの映月も抗いようがなく、そのまま教室で致してしまう。気がついたら病室で後天性Ωと診断される朔。それから連絡を断ち7年後、仕事で再会する2人。

オメガバース作品なんだけど、その設定で強引に片付けないところがすごく良かったです。もちろんフェロモンに抗えないとかそういう描写もありますが、感情の動きを丁寧に書かれている印象でした。

負けず嫌いで努力家な朔が高校入学式で映月に出会ってライバル視し、試験の度に努力して、それでも適わなくて憧れから嫌悪するけど、先入観とは違う相手の一面を知って打ち解けるのもすごく分かる。

Ωのシンママを見て育ってるから自分がαであることにすごく誇りもこだわりもあって、だからこそ自分がΩと診断されたことに対しての落ち込みもあって…。やんわりと好意を持っていた親友から告白されたのも素直に喜べないし、Ωになったから付き合おう!ってならないのも、言い方はおかしいけどオメガバの世界観をもっと日常に寄せてあるからすごく感情移入して読みやすかったです。

オメガバの話で性が変わる展開、たまに見るけどこの本はご都合主義でハッピーエンド♡ってすぐに着地せず、そこに至るまでの経緯や葛藤がすごく丁寧に書かれている印象で、すごく好感が持てました。

後書きで先生が投稿作だと書かれていて、デビュー作だと知ってよりびっくりでした。

大好きな設定♡

これは…BL版「美女と野獣」ですね!美女じゃないから「美男と野獣」でしょうか…。私、不憫受けのお話が大大大好きなのですが、これはその逆で不憫攻めという、ちょっと初体験な設定でした。結果、不憫は受けでも攻めでも私には刺さりまくるということが判明した次第です…。

そもそも、普通の王子として誕生するはずだったダルガートが黒獅子頭になったのは彼の父王の尊大な振る舞いのせい。そのツケをなぜ息子が受けなければならないのか。そして自分のせいで王子が黒獅子頭になったことを父王は知っているのか、知らないのか。

一方、黒獅子頭のみならず、体も大きいダルガートの元へ嫁ぐことになった小人族のリラ。この話の光は彼です!ダルガートが黒獅子頭で恐れられていても、戦で自分たちの地域を守ってくれたダルガートのことを尊敬し、憧れていて、王宮で肩身の狭い思いをすることを覚悟の上で嫁いできてくれて、初めからキラキラとした眼差しでダルガートを見つめ、怖がらずに接してくれる。そしてダルガートを全肯定してくれる。王宮で人の温かさを知らずに育ったダルガートは始めリラとの距離感をつかめずにいたのだけど、徐々にリラに対する好意を愛情と意識して…。

そして読み終わってから気付きましたが挿絵が円陣闇丸先生ですね!そりゃあ人に戻った時のダルガートが麗しいはずです!ストーリーも挿絵も何もかも完璧に好みでした!

様々な愛の形

すみません、かなりネタバレになるかと思います!

タイトルに書いた様々な愛の形というのはあとがきで伊達きよ先生が仰っているのですが、ホントにそんな内容です。愛って言うと恋愛だけに思えるけど、家族に対する愛、親友に対する愛、敬愛、などなど。

ルーシィとリカルドもお互いのことをとても大事に思ってはいるけど、それがどんな愛なのか自覚がないままルーシィが18歳になるまで暮らしてきて、ルーシィの発情とともに一気に自分の相手に対する愛は何なのか?を考えるようになって。

愛って言っても恋愛だけに縛られる必要は無いんだよな、ってことをしみじみ考えるお話でした。ホントに色んな愛が溢れていて、それで世界は成り立っていて。「愛してる」って言うだけが愛情表現じゃなくて、リカルドが言った「明日も、一緒にいてくれ」これに尽きるなぁってハッとした部分もありました。どんな愛って名前が必要なんじゃなく、相手に対してどう思っているのかが大事なことなんですよね。

言葉の内容よりも重さがあるなぁ、と。実際リカルドは(体を繋げてからは執着溺愛むき出しになりますが)スキンシップを重視する傾向にあるみたいだし、(もちろん異論はあるでしょうけど)言葉は嘘つけても態度は嘘つけないからこそ、リカルドのルーシィに対する愛情表現って言葉にしろ態度にしろ、重みがあっていいなぁと思いました。

ここまで読めて良かった

私は終わってからこのシリーズにハマってリアルタイムで新刊を追えてなかったので、こうやって掌編がまとめて読めるのはとても幸せだなと噛み締めながら読みました。

計と潮のそれぞれのご両親の馴れ初めが読めたのはとても興味深かったですし、幼少期から計は計で、潮は潮だったんだなーというのがしみじみと来ますね…。

潮の付き合いが減ってるのが自分のせいじゃないかと感じて自分を気にせず出かけろよと言う計と、それに対してアウトドアしようと自宅屋上でキャンプをする潮のやり取りなんて最高でした。付き合い始めてから2人の絆がより深まってるのもめちゃくちゃ伝わってきます!

好きなエピソードがありすぎて全部披露したいくらいですが、さすがに控えます。イエスかノーか半分かシリーズを完走出来た達成感と幸せと、ちょっとのロスで胸がいっぱいです。

最高です!

OFF AIR1巻ぼくの太陽のドラマCD付きです!読んだ時にぜひ音声で聞きたいと思っていた掌編なのでとても嬉しかったです。

本の内容は実は求めていたイエスノーシリーズの年表や、各キャラクターのプロフィールがまず載っていて嬉しくなりました。竜起が思っていたより高身長で、深が思ったより低くて身長差に萌えました~!

オリジナルストーリーとしては計と竜起が自局のクイズ番組に出るという話で、潮×計、竜起×深、設楽×栄それぞれのCPも上手い具合に絡んでかなりお得感溢れる読み応えです。特に潮×計の愛情の深さがかなり前面に出ている感じがして、最高でした。

シリーズ通して読んでおられる方はぜひ読んだ方がいい内容になっています!

読みたかった掌編ばかり

本編の合間の掌編がいくつも収録されていますが、2人の何気ない日常や本編で割愛されていたエピソードが読めてとても満足です!

特にお気に入りのところは潮と計の噛み合っているようで潮が計を軽くあしらう会話(うなぎの蒲焼というのに対しよしよし卵な、の流れ)や、付き合ってしばらく経つのに毛糸のパンツを恥ずかしがる計がとてもたまらなく可愛らしくて悶えました。

そして計の実家で年越しをする潮のエピソードも。母親の人となりや、計と母親の信頼関係に何故かグッとくるものがあって、こんな環境で「国江田計」は生まれたんだなぁと納得するものがありました。

本編を読んでハマった人なら絶対に読んだ方がいい内容ですね。

原作通り!

原作既読でこちらのコミカライズも読みました。原作の時と絵師さんが変わるので、イメージ的にどうなのかな?と思っていましたが、完全にイエスかノーか半分かの世界でした!

計は完全に計でしたね。国江田アナの顔(その割にしっかり内心毒舌)と、完全オフの気の抜けた計の顔、原作通りです。そして潮も計とは真逆で裏表のない真っ直ぐな感じが出ていて、こちらも原作通りのイメージでした。むしろ当たり前ですが原作より絵が多いので、なんとなく頭でイメージしていた家でのダルダルの計や潮の作業部屋、仕事の様子などがしっかり視覚化されて現実味を感じます。

まだ原作1巻の半分にもいってないくらいだと思いますので、これからの展開がとても楽しみです。これ、どこまでコミカライズされるのでしょう…。強欲なのでこのままユキムラ先生の絵柄で番外篇までコミカライズしてくれたらなぁと思ってしまいます。

唯一無二の関係性

前巻「ふさいで」で付き合うようになってからの今作。

表題は「つないで」ですが、中の構成は「ひらいて」からの「つないで」です。ふさいで→ひらいて→つないでの流れがとてもいいな、と思ったのが第一印象でしたが、中を読んでもそれは裏切られませんでした。

設楽さん40代、栄さん30代だし、キャラクター的にもイチャイチャ甘々な展開になりにくい2人ですが、仕事柄ライバルが現れたり事故に巻き込まれたりしながら2人が2人なりの絆をしっかりを結んでいく様子がとてもいいです。

あとがきに変えての「あずけて」にあるエピソードですが、寝る時に抱き合って寝たりしないんですよね、この2人。お互いに背中を預けあって背中を1ヶ所合わせて寝るんだそうです。まさに二人の関係性だな~と思いました。栄の才能に嫉妬を覚えながらも見守りたい設楽さん、設楽さんの言葉が道標(半分呪縛?)になってがむしゃらに働いた栄さん。お互いに依存せず、でも2人でいることが当たり前のような、この空気感は唯一無二だなと思っていて、そこがとても好きです。

相馬栄という人の裏側

番外篇1、2で名和田深くんがテレビ業界に飛び込むほど憧れ、子分として必死に食らいついていた相馬栄が主役でビックリでした。なぜってパワハラ発言当たり前の独裁者のイメージだったから。何となく「悪人」みたいなイメージでした。

そんな栄の新人時代から、ゴーゴーダッシュが終了するまで、そしてそれからのお話…。とても興味深く読みました。

本編でも一穂ミチ先生は「悪人」を作らないなと思っていたのですが(潮父がその例で)、やはり今回もそうでしたね。

栄が何故他人を信用して人に仕事を振らないのか、もちろん性格によるものが大きいのですが、新人時代に仲の良かった奥睦人の存在がとても大きいように思います。信用していた人間に本人は思いやりのつもりだったかもしれないけど、裏切られる。そのつらさを知っているから他人を信じない、そして呪いのようにテレビの仕事を辞めるなと設楽さんに言われたことがきっと本人に自覚は無いけど仕事をする原動力になっていたと思うんです。

ゴーゴーダッシュで体を壊すまで走り続けた栄にはそれだけの過去があり、ワンマンで仕事をしていたことにもちゃんと理由があって、でもそれをちゃんと距離はあっても見守り続けてくれていた存在があったことに正直とてもホットしています。

そして設楽さんという人はほんとにすごい人ですね。相手の言葉や態度だけではなく、仕事ぶりをきちんと正当に公平に評価してくれる、そんな上司が日本中にいたらと思いますが…。栄のことを後輩として可愛がるだけではなく、嫉妬も抱えて見守っていたなんて…。実際にこんな腹の見えない人がいたら怖いと思うんでしょうが(笑)、口の悪い、そして素直になれない栄にはピッタリの御相手です。

この本で設楽さんが栄に言ったセリフで凄くいいなと思ったのがあって、「お前の悪いところなら俺は50個くらいすぐ言えるけど~」のところですが、こんな告白されたらそりゃ白旗あげるに決まってます!(?)いい所も悪いところも含めてちゃんと好きだってすごい告白だなと思ったんですよね。恋愛っていい面だけを見せれる訳では無いから。そんな告白をBL小説で拝めてとても幸せな、満たされた気持ちになりました。

竜起の真っ直ぐさにやられる♡

番外篇1ですでに付き合い始めた竜起と深のその後です。

竜起と高校の同級生で竜起のことをライバル視してくる恵小太郎が中途採用で入社し、現場を覚えるために深の下で研修を重ねるうちに深に好意を抱いていって…という、当て馬登場かぁ~となる展開なのですが。小太郎が竜起を意識しまくっていてこじらせてる感じが可愛らしい。憧れとライバルが入り交じるとこんな風になっちゃうのかぁ~とニヤニヤしてしまいました。

恋愛に奥手な深が必死で竜起と付き合っていることを隠そうとしたり小太郎に断ろうとしているシーンもすごく可愛らしい。そして何より深の関西弁がえろ可愛い!普段の話し方も可愛らしいし、致している間の声も当然ながら関西弁なのですっごく可愛らしく感じました。女々しいとかではなく。

そして小太郎に対しては一切の容赦のない竜起も清々しかったですね。竜起は深を疑ってないし、深に対する愛情にも一切ブレがなくて…。ホントに竜起~、いつの間にそんないい男になったんだよ~!ってウザ絡みしてあげたいくらいでした(迷惑行為)。

そんな小太郎くん騒動の後の富久男エピソードも深に対して真っ直ぐな竜起の愛情表現にひたすら感謝の連続でした。そして最後はご褒美とでも言うように潮計も登場してくれて、とっても楽しい大阪エピソードでずーっとニヤニヤしながら読んでいたように思います。改めて潮の懐の広さ、そして計の優しさも沁みました。