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できなくてもただ一人の相手になり得るか

シリーズ4作目、今作も面白かった!読んでいる間ずっと楽しくて、寝食を忘れる大好きなシリーズ。

主人公は前作でマッドクリーク御一行に振り回されたラヴ。人間嫌いからころっと変化するのが早すぎて、とてもほのぼのした。登場時は消費する酸素に値するか、なんて目線で他人を評価していたのに、マッドクリークに来てからは常に笑みを噛み殺すキャラに。
もう一人のメインキャラはラブラドールのサミー。ちょうど保護犬動画を観た後だったので刺さるものがあった。純粋無垢でまっすぐな様子は穏やかな気持ちで見守れる。クイックになりたてのキャラの描写もこのシリーズの好きなところ。

ストーリーはサミーの癒しと成長と街の財政問題かな。
サミーがラブに懐いていくうちにBLになっていくが、そこに去勢を絡めていたのが面白かった。できなくても一生を共にするただ一人の相手に選べるか、これって大きなテーマだと思う。しっかり結論を出してから解決する流れも良い。そしてサミーの明るさが最高。
二人が恋人になるまでのあれこれがすっごく良かった!

で、シリーズのトラブルといえばリリー。ランスは相変わらず敵意むき出しで、最後に何か大きなことが起こるわくわくでいっぱいになる。
クライマックスは期待以上の晴れやかさで、タイトルへの納得もあり、街の発展を想って泣きそうになった。決意したラヴの心理描写は熱くて良かったし、楽しそうに夢を語り合うクイックたちの様子が目に浮かぶようで、とても幸せな気分になれた。

気になったのは、前作の謎が解明されず、次のシリーズ5作目でも触れられていないっぽいこと。また今作では月吠えの夜の集会シーンが無く、楽しみにしていたのでちょっと寂しかった。

リアルな犬が苦手な自分も大好きなシリーズ。犬の性質やら何やら詳しいことは分からないが、想像力を豊かにしてくれるような、ほどよい描写が良い。犬好きじゃないからとスルーするのはもったいない作品だと思う。
レーベルを信頼して読んで本当に良かった。次作もまた翻訳版で読めますように。

面白い!とてもタイムリーなお話

シリーズ三作目はまたも面白さが増していた。あっという間に一気読み、本当にすごい。

今作の視点主は街に戻ってきたクイックで、最初から秘密を知っている。このジェイソンの偏屈な人柄にはとっつきにくさを感じるが、危機的状況の中で感染症と闘う姿にぐいぐい引き込まれていった。
後にパートナーとなるマイロの純真なキャラも良い。

街に来たばかりのジェイソンは、研究者である自分のことしか見えていない。それも客観視点すら持ち合わせていない視野の狭いキャラ。それがマイロと出会い共に暮らすようになってから、ゆっくり変わっていくのが分かる。

やっと人間らしく……と思っていたら、一気に犬にまでなって自分の豊かな感情に振り回されるのがこのシリーズの楽しいところ。
屈辱を感じながらも、マイロのために必死に犬の姿で頑張るジェイソンに萌える。登場時はなんだこのキャラ?と思っていたのがウソのように愛しくなっている。

マイロは無垢な子供のような印象。現実の犬は苦手なので私は全然分からなかったが、犬を飼っていたりすると言動から犬っぽさを感じ取れたりするんだろうか。

主なストーリーは、クイックの脅威となるウィルスと闘うお話。なんだかとってもタイムリー。ジェイソンの解説は研究者らしくとてもしっかりしていて読み応えがあり、展開は手に汗握るスピード感で目が離せない。

もちろんBLも進行していて、ジェイソンとマイロが気持ちを自覚していったり誤解からのすれ違いで拗れたりが、綺麗にストーリーに絡まっていた。
仲間に見守られながらの告白は、ジェイソンの変わりっぷりに感動があった。

発端となるウィルスの感染源は分からず仕舞いだし、ジェイソンの前の職場の描写で立てたフラグもそのまんま。最後に怪しい匂わせだけを残して終わってしまい、続きは?という気持ち。次作はどういう形になるのか、とても楽しみ。

今作もびっくりするほど面白かった!

笑いと萌えと感動と幸せがたっぷり

シリーズ一作目も良かったが、二作目のこちらはさらに面白さが増していた。くすくす笑えるシーンがたくさんあって萌えられて、山場は手に汗握る盛り上がり、最後はほろりと泣かせてくれて大満足。幸せな余韻に浸れる一冊だった。

大事な人との死別後にクイックとなったローマンと、DEAから派遣されてきた捜査官マットのお話。前作でカップルになった二人の出番もあって、楽しく読めた。

前作同様、序盤からぐいぐい引き込まれる。マットは完全に街の外部の人間で、そのマットを通した街の様子はあまりにおかしく面白い。より一層この世界が広がって見える気がして、魅力に取り込まれていくのを感じる。

クイックになってまだ二年のローマンは、真面目な言動の全てが微笑ましく、笑えて萌える。特にマットとの掛け合いが良い。あの堅物ランスを純粋無垢な質問で困らせる会話も最高。こんなのニヤニヤするしかない。

マットに出会って初めての恋に落ちたローマンは、他にもたくさんの初めてを経験する。その一つ一つに感動して興奮して喜ぶ様子は可愛すぎて悶える。心に犬の純真さを持つローマンを、気付けば全力で応援したくなっている。
傷つくシーンは犬とヒトの両方の悲しみ方が入り混じり、何倍もの辛さが伝わってくるようだった。

麻薬絡みの事件ももちろん素晴らしい。クライマックスの展開たるや!映像で見ると壮観だろうと思う。
全てが綺麗に納まって、マットの父問題だけは解決とは言えないが、それでも心が温かくなるような結末だった。エピローグですっかり地に足を付けた生活を送るカップルが安心させてくれるのも良い。終わり方はじんわり泣けた。

あのシーンは萌えの連続

びっくりするほど面白かった!これはシリーズ全部追いたい。
設定は犬に変身できるらしい、ということだけ分かっていれば問題なく読める。人と心を通わせ愛し愛されるとその能力?に目覚めるらしい、ということも頭に入れておくと切なさも楽しめるかも。序盤から物語に引き込まれ、あっという間に読了。

街と群れを守る保安官のランスと訳アリっぽい移住者ティムのお話。出会いから誤解が絡まりティムのコミュ障っぷりも加わって、物事の上手くいかなさが堪らなくもどかしい。

と、少々悶々としていたら、ニヤニヤが止まらない萌え展開に。犬姿のランスとティムのシーンは萌えの連続だった。堅物だったあのランスが……!とランスの元々のキャラが萌えを倍増させている。
ティムは犬の正体を知らないので本音しか話さない。これがまた良い。こういうシチュエーション大好き!犬の本能に抗おうと葛藤するランスの心理描写も読み応えがあって好き。

事件を含むストーリーもすごく面白かった。引き起こしたことは重大でも、リリーもランスも誰かを想って行動した結果が裏目に出たことなのが切ない。解決への流れもとても良かった。その後のランスの誠実さとエピローグの爽快感が嬉しい。

期待していたランスの正体がバレるシーンには驚いた。変身シーンがあんなに詳細に描写されるとは思わなかった。グロくはないが痛みが伝わってきそうでビクビクする。なんかすごい……と圧倒された。

犬に詳しくなく犬種ごとの性質はさっぱり知らないが、そこもキャラ設定に反映されてるんじゃないかな。犬好きだとさらに楽しみ方も増えそうだと思った。

哀しみと切なさを醸し出していたローマンは気になるキャラだったので、彼がメインらしい次作への期待が高まる。
現実の犬が苦手な私も大好きになれた作品。

読んでいてただただ楽しい

某所でよく見る“○○しないと出られない部屋”ネタのお話。投稿サイトにありそうな、書きたいものを好きに自由に書き、書き手の萌えが溢れたような同人誌らしい雰囲気がめちゃくちゃ好きだった。

内容はタイトル通りで設定はふわっと。仁田見と市谷が、節目節目で何度も不思議な部屋に閉じ込められる。仁田見の方は最初から気持ちがあるが、市谷は最初は状況に流されている感が強い。

前半は現実世界の様子はほぼ描かれず、二人の仲がおかしくなったタイミングで閉じ込められたところだけが描写されるという、面白い構成。真っ白な部屋で自分や相手と向き合い、問題を解決して現実世界に戻る。もちろんその過程にはエロもある。

後半は現実世界の描写も増えてくる。なんだかんだでカップルになっている二人。嫉妬深過ぎる執着攻めとふらふらした受けで組み合わせも良い。市谷は浮気を試みたりと、束縛し甲斐がありそうなとこが好き。

最後のオチは仁田見のヤンデレっぷりが発揮されていて最高だった。

人物描写が薄く最初から出来上がったキャラを使った二次創作っぽくもあったが、そこも含めて作品の雰囲気を楽しめた。完全にネタとして部屋の秘密が明かされることもない。同人誌でしか味わえない萌えがたっぷり詰まっていたと思う。ハマった、大好き。

二人の二十年の物語にじわっとくる

どうしようもない子供二人が別々の道を歩み、お互いを精神的な支えにしてどうにか生き抜き、最終的に……というお話。1993年から始まった物語は2013年にエンディングを迎える。二人の二十年の結末がこうなってくれて本当に良かった。

幼少期を共に過ごしたスコットとマルコは、その後クリスマスに二度会っただけ。ふらっと現れた一度目と、偶然出会った二度目と。マルコの生活は常に家族を養うためだけに消費され、スコットは家もなくさらに酷そう。

やっと二人が本当の意味で向き合うのは、最初に別れてから二十年後。スコットのセリフに全てが詰め込まれてて、こんなのもう泣くしかない。唯一もらったクリスマスプレゼントを大切にするマルコも良い。

無力な子供が大人になって自分の足で立てるようになり、再生の精神的支えだった相手と今度は二人で幸せになろうという、お互いを救済し合うようなお話。泣ける短編。

幸せな気持ちで泣ける作品

めちゃくちゃ良かった!ドラマが素晴らしく感動的。舞台は大恐慌のNY、明日が見えない荒廃した空気感があり、真に迫るものがある。そんな中で一夜で終わるかと思われた二人がお互いの救いとなり、他の失業者たちに希望を与え、温かな輪を広げる。
たくさんの無償の愛の尊さを感じ取り、幸せな気持ちで泣けた。

序盤は穏やかで静かな会話劇。新聞記者のウィットと謎の男ピーターが出会い、一夜を共にする。家なしのウィットと豪邸からの立ち退きが決まっているピーターの会話は、謎かけをしても思わせぶりなセリフも軽いジョークにも、どこか哀愁が漂う。

一転、静から動へ。ピーターが、記者のウィットにとって美味しいネタであると発覚する。ここからの全てがもう本当に良くて、全てをネタバレしてしまいたいくらい。あらすじからは何も伝わらないのが悔しい!

二人は自分たちの未来も危うい中で、困っている人々に施しを与える。そこから少しずつ光が差すように、世界が明るく回り始める。人が希望を取り戻す描写は読んでいるこちらも元気をもらえる気がした。

ラストはピーターの涙にもらい泣きしながら、心が晴れるような爽やかな感動を覚える。ピーターとウィットの、信頼し合う甘々な日々が続くと思わせるエンディングも最高。

日々、君 1 コミック

小池定路 

ふわっと匂ってほんのり萌える

大学の元先輩後輩関係の二人が、お手伝いさんなバイトを通じて仲良くなっていく4コマ漫画。

もともとお互いにお互いがちょっと気になる存在だったので、最初はずっとそわそわしてて微笑ましい。そんな二人のよそよそしさが少しずつ取れていき、距離が近づいていくのがすごく良い!
本当にゆっくりだけど、確実に一歩ずつ前進してるのが分かるので、温かい気持ちで見守れた。

雇い主である蓮野は小劇団の脚本家。穏やかな性格だけど、内心ではわりと嫉妬したり独占欲を見せたりしてる。まだ無自覚なうちからこんな状態で、ほんのり萌える。
見た目とのギャップがすごくて料理が得意な日暮は、蓮野の脚本に惚れこみ、演劇の道に進みそうな雰囲気。大学生の大事な時期、人生の岐路で関わるのが蓮野っていうのがなんかたまらない気がする。

ふわっと匂いをさせながらも、まだこの巻ではBL未満。表紙と裏表紙がそんな二人をよく表していると思った。

依存してしまったのか依存できたのか

盛りだくさんな内容で面白かった!連載漫画を読んでいるようなワクワク感。今作はメイン二人の背景や内面にも切り込んでいて、より一層キャラに愛着が湧く。期待を煽り、萌えでいっぱいにしてくれる終わり方も最高だった。

始まりは匿名のヒーローが活躍し、壮大なストーリーを期待させる。が、このプロローグの意味は最後の最後で明かされるまで分からず、メインはトムの故郷の小さな街が舞台だった。トムの過去や背景が語られ、心の闇も見えてくる。

驚いたというか笑いそうになったというか、トムは自分の前から消えたプロフィットに百通以上ものメールを送りつけていた。返信はなく届いているかも分からないのに。しかもたまにポエミーな内容を(笑)
前作では確かに不安定で恋愛脳な印象があったトムだが、まさかこんなキャラだったとは……。スケッチを添付したとあったので、あのイラストはトムの手描きってことだったのかな。なんか後からじわじわくるタイプの萌えだった。

殺人事件に巻き込まれながら語られるトムの事情は、精神的にキツい。自分で自分を痛めつけているところもあり、トムの心の中に明るい出口があるのか心配に。
今はプロフィットに依存していると言われたトムだが、それはトムにとってどっちなんだろうと思った。依存してしまっているのか、やっと依存できたのか。

プロフィットはずっと自由に動き過ぎていて仕事が謎だと思っていたら、かなり焦らして終盤でやっと種明かし。これがまたすごく良かったんだけど、今後背後にどんな組織があり、何をもってプロフィットがその任務に就いているかまで書かれるのかな。
二巻までの印象だと、ちゃんと読もうとするとそうした説得力の地盤となる描写が不足していると思う。BLに求めるのが間違いなのかなあ。

二人ともまだ自分の中の闇に縛られてはいても、欲しいものははっきり口にしていてほっとする。相変わらず喧嘩腰の言い合いで、決裂して次作への流れかと思っていたら全然で。占いと運命なんて妙に可愛らしいことで笑う二人に癒やされた。
決意を固めてさあ次へ!というエピローグも良かった。

全体を通して見れば余剰といえるエピソードもありそうだが、楽しいから全て良し。早く最終巻まで出ないかな。まとめ読みできる日が楽しみ。

壊されたいか包まれたいか

面白かった!主にBL以外の部分が!(笑)
人間関係は近いところでつながり絡まり合っていったが、世界の狭さがマイナスにならないストーリー。やっとメインキャラ3人全員分の背景が描かれ、場が整う。シリーズ3冊分が収束していく食事シーンは圧巻だった。

冒頭は久我のフランス時代のお話。今の久我ができあがる過程が、異国の空気を感じる描写とともに語られる。まるで同じ景色を見ているような、同じ匂いをかいでいるような、その場所にいる気分を味わえる。このシーンだけでも高遠さんのファンになる。

現在軸に戻ると、今度は社内でのいわゆる内ゲバ、しかもそこにメインカプの攻めが絡んでいないというBL小説らしからぬ方向に。これがしっかり書き手の中に一度落とし込まれた後に出てきた文章で綴られていたことに驚いた。
はっきり言ってBL小説で専門用語を書き手が理解していると感じることは少ない。作者が元々詳しいことと、書くために調べたことでは、明らかな違いが出る。それを取り繕うのが上手い作者はいても、ここまで一定の安定感を保っているのは希少。料理・企業・異国の描写がどれも地に足が付いている。

肝心の恋愛に関しては、叶が家族愛を超えた恋情を持っていたという嬉しい誤算(?)。久我とは正反対の男で、この三角関係には懐かしさがある。
久我と叶、刺激的な恋か安定した結婚か、点滅する青信号を手を引いて走って渡るか立ち止まって一緒に待ってくれるか、そういう太古の話を思い出した。理人にとっては自分を壊す男と包んでくれる男。

この作品の始まりがレストランの再建であることを考えれば、そこに関わってきた理人が選ぶ相手は久我しかいないのは分かる。作品の流れに沿った自然な選択。
だが叶の想いの長さを考えたら辛すぎて、心情的には叶に一番幸せになって欲しかった。「横顔が寂しそうな人」って表現がたまらなくきゅんとくる。当て馬に肩入れしたくなる作品というのも好みなので、とても良かった。

シリーズの締めとなるラスト付近の理人の食事シーンは、贅沢にたっぷりページを割いていて、丁寧に3巻分をまとめてくれて泣けた。ちょっと走馬灯のような雰囲気もあったり。
直接的に久我の魅力は分からなくとも、理人を通した久我の存在の大きさはよく分かる。共感や萌えとは違うが、作中キャラの内面を理解する形で納得していく。これはこれでとても楽しかった。

あらゆる点で刺さった作品。理人が逃げ過ぎだったりクサい表現があったりするのは、書かれた時代のせいかな?高遠さんの新しい作品も読んでみたくなった。