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萌×2作品

アドバンスドレビューアー

女性碧蓮さん

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シリーズの魅力と外伝らしさ

秀一が何故、あんなにも頑なだったのか。ずっと気になっていたので、理由を知ることができてよかったです。
過去、八尋と秀一が想いを伝え合う場面には感動しました。二人の懸命さが伝わってきます。
奪われた力が徐々に戻ってくるという事実、その方法にも温もりを感じました。十二支色シリーズは、どの巻も、どのお話も、あたたかさや思い遣りを感じられて癒されますが、それは外伝になっても変わっていません。様々な制約はあっても、優しい世界が広がっているところが好きです。
髪の長い八尋のインパクトが強かったです。どうしても外見上は幼いと感じていましたが、力を取り戻して成長した八尋は美しい……。

良アシストをしてくれる楠が頼もしかったです!昔も今も。今に関しては彼自身のためでもあるとは思いますが(気持ちに忠実)、八尋たちにとってのきっかけになったのは事実なので。
楠と清忠カプも少しずつ少しずつまた関係が変わってきているのかな、と感じられ、彼らの今後も楽しみです。
楠の切実な願いに清忠が応える日が来るのかどうか。
何気にこのカプも拗らせているというか、面倒ですよね。偏に清忠の信心深さによるものなので、そう簡単にはいかなさそうです。無理矢理考えを変えさせるのも違うと思うので、楠の忍耐強さが試されそう。

そして、相変わらずのエロエロさでした。ありがとうございます!
いつも不思議に思っていることですが、どうしてこんなにも愛らしい作風で、こんなにもエロさを表現できるのでしょうか。そうか、どんなに愛らしくても、エロいときはエロくていいのか、と謎の納得をさせられます(笑)
少しだけでしたが、こたたちも出てきてくれて嬉しかったです!
限定版の受談義も興味深かったです! 参考になるなら、と床事情をちょい暴露してしまう受たち……。恥じらいながら話す様子が可愛らしい。

外伝らしさがありつつ、シリーズの魅力をしっかり引き継いでくれている作品です。

感情移入できないのに違和感がない。

一巻からやばいと思っていたけど、二巻はもっとやばいことになってた。好みは分かれそうだし、私も本来は苦手な話だと思うけど、おもしろいと思ってしまった。登場人物の誰にも感情移入できないけど、違和感がない。ただただそこには、価値観や倫理観の違うキャラクターがいるだけ。
この流れでこれはこうなるだろう、という今までの経験から来るキャラクターの心情推測を何度も裏切られて、今では、こうなってるけど次にこうはならない、ほらやっぱり、と裏切られる瞬間はわかるけど、その後の展開は予想できないからおもしろい。
どう話が進んでいくんだろう、とわくわくする。続きを読むのが楽しみになる。感情移入できない彼らの選択や感情の機微も、彼らにとっては自然な流れだから強引さや違和感がなくて、話に集中できる。
いやほんと、友人に薦めたいかと問われたら逡巡してしまうけど、注釈付きで薦めてみたい気もする。いやほんと、いろいろ免疫がないと、ついていけない……てなるだろうし、薦めた自分のこともどう見られるだろうか…と不安だけれども。
様々な理由から平気で人を殺してしまうような、やばやばな人たちを相手に飄々と渡り合っている陽介くんまでも、まともそうに見えてやっぱりやばい人というのが絶妙。やばくなきゃ渡り合っていけるわけがないんだけど、基本的に弱い立場に置かれて、彼が怯える理由や不安は私も当たり前に感じるものだから、一般側に最も近いキャラではあるのかな、と思う。

え、それ受け入れるんや……、という三角関係(?)に突入した三人の今後がとても気になります。
玉森主席と陽介くんの関係が少しずつ変化しているような気がしなくもないので(とても曖昧)、わくわくが止まりません。とことんビジネスライクでドライな関係のはずだけど、玉森主席が情熱を注ぐ研究に関連した熱い執着を陽介くんに対して見せるから、勘違いしそうになる。そこを冷静に分析判断して対応する陽介くんのドライさがとてもいい。
そこに、東間主席から玉森主席に対するやば過ぎる執着が加わることで、更に熱が注がれて関係性はてんやわんや。そんな状況に至っても、変わらず冷静でドライな陽介くんがいいスパイスになる。内心、相手に引きながらも、宥める術を心得ているというか、弱い立場にいるはずなのに、相手を手玉に取っているように感じられるところがとてもいい。

彼らの具体的なやばさは是非とも一度お読みになってご確認ください。
私はここまで思い切った設定の商業BLを初めて読んだので、衝撃的でした。思い切っているけれど、突拍子がなかったり、破綻していたりするわけではないので、変なツッコミを入れる必要がなく、ストレスなく読めました。
続きが楽しみです。電子購入したのですが、あまりにおもしろくて紙書籍も購入してしまいました。

可愛さ、ピュアさ、素直さに包まれる、心に優しいお話

手を繋ぎたいのになかなか繋げなくて、もじもじしている響と都石先輩が可愛い!
二人ともピュア! 素直!
そんな二人を応援する坂山くんと景さんも魅力的!
響くんたちの馴れ初めも、坂山くんたちの馴れ初めも、心がほんわかあたたかくなる。

響くんと都石先輩は、手を繋ぐことにもじもじしているかと思えば、別の進展があったり、また進めないでいるなぁと心配しかけると、とんとん拍子に進んだり。紆余曲折とまではいかないけれど、真っ直ぐにも進まない二人の様子がとても自然で、ずっと見守っていたくなります。
二人を応援したくなる坂山くんの気持ちがわかる!
遠藤先輩もいい人でよかったです。当て馬になってもおかしくない立ち位置ですが、仮にそうなっていたとしたら、こんなにも心地好い読後感にはなっていないと思います。
都石先輩と遠藤先輩が二人でいるところを坂山くんが目撃する場面も、そのこと自体を報告はせずに響くんの背中を押す坂山くんの伝え方も、わざとらしさや大げさな表現がないところがいいです。心に余計な波風を立てられることなく、二人を応援し、見守ることに集中できる。
刺激は少ないかもしれませんが、そういう心に優しいお話を読みたいときもあるのです!
ひたすら、優しさに包まれたいときもあるのです!
あと、ほんと響くんと都石先輩可愛い! 二人とも可愛い! めっちゃ可愛い!
二人の素直さやピュアさが眩しいです。輝いています。でも全然無理がなく、太陽のような光で、心地好い。

坂山くんは本当にいい子です。聡く、他者に対する思い遣りがある。坂山くんも素直。
響くんたちの関係に気付いたときは、目聡く暗躍するタイプなのか?と一瞬思いましたが、二人を応援しつつ、心配しつつ、助言しつつも出しゃばり過ぎない様子を見て、めっちゃええ子やん!と。
大切なところは共有し、理解しながらも、べたべたし過ぎない友人関係。程好い距離感が読んでいても心地好かったです。
そして、景さん。平喜多さんの既刊「ふつうにかわいい?」を思い出し、嬉しくなりました。
自分が着たい服を着ること。「ふつうにかわいい?」は、そのことに苦悩する子が出てくるお話でしたが、景さんはそれを当たり前のこととして実践している人でした。
どちらも好きです。自分の感情を自分のものとして大切にしていることが大事。
そんな景さんは坂山くんの一枚も二枚も上手という雰囲気なのですが、坂山くんも持ち前の聡さと素直さと思い遣りで、対等な関係を保っているように感じました。おそらくは、景さんが坂山くんを対等な相手としてちゃんと見ているからだと思います。
厄介な客にも、セクハラ店長にも、毅然と対応する景さん。かっこいいです。憧れます。
女性と間違われることに対する対応も、深慮の結果なのだろうと思えます。
その一方で、響くんたちに本当のことを打ち明けたがっている坂山くんの気持ちに気付き、あっさりと明かす潔さと覚悟。きっと、景さんは常に覚悟を持っているのだろうと思います。様々なことに対する覚悟。堂々とした態度はそういう信念のようなものに裏打ちされたものなのかな、と思いました。

もう本当にこの四人でWデートしてほしいです! 楽しく遊んでほしい!
いつまでも仲良く過ごしてほしい! 末長く幸せでいてください!
四人が楽しそうに笑っていてくれたら、もうそれだけで笑顔になれます。ありがとう。
いつまでも応援し、見守りたいです。

ちぐはぐ感とフィット感

恋イン10巻の個人的テーマは「春日さんの気持ち、本当に木菜さんに伝わった?」です。
読み終えて両想いになれたと知っている今でも、問いたくなってしまいます。
擦れ違いがもどかしい! でもそこが好き!

木菜さんをどうしても諦められない春日さん、めっちゃいいです!
木菜さんに袖にされて(木菜さんにそのつもりはない)じめじめ凹んでしまう姿に、頑張れ!と思わずにはいられない。木菜さんを好きな気持ちが本物だとわかっているから、それが伝わらないことがもどかしくて。
でも、嫌われたくないから強くは出られないところもいい。これ以上嫌われたくないから、と「友人関係に口出ししてほしくない」という木菜さんの希望をきちんと守る春日さん。悲しみと嫉妬が心の内で渦巻いているだろうに、それをぐっと抑えるところに好感が持てます。そういう気持ちを自分勝手に木菜さんにぶつけることはなく、木菜さんの負担にならないよう努め、木菜さんが健やかに過ごせることを第一に考えている。
自分が言っても聞かないから、と藍染さんに木菜さんを休ませるよう頼むところに、悲しみや思い遣りなどいろいろ詰まっているように感じました。

そんな形で過去の自分の行いを反省し、木菜さんに対してだけは誠実に向き合う春日さんですが、自分では努力して良い方向へ変わったと思っていても、木菜さんには「ずっと変わらない」と一刀両断されてしまう。
木菜さんは春日さんに救われた過去から、今でも同じように助けてくれる春日さんに対して「変わらない」と伝えたわけですが、過去の自分は酷い奴だと自覚している春日さんには大ダメージ。
この辺りの擦れ違いをどうすれば解決できるのか。
擦れ違いの原因はと言えば、春日さんの過去の態度なので、やはり自他共に認める自業自得なのでしょうが、唯一人、木菜さんだけが春日さんの過去の態度を酷いとは思っていないというのが何ともややこしい。
しかしながら、そこが救いであり、希望でもある。木菜さんだけが春日さんの奥底を見ているのかもしれません。春日さん自身も知らない奥底を。
ところが、その好意によって木菜さんが春日さんのことを崇めすぎて雲の上の人かのように思ってしまっている点も擦れ違いの原因になっていて……本当にどないしたらええんや!

春日さんが牛通堂さんに泣きついてしまうのもわかります。
諦められない上に強くも出られないから、とうとう「諦めるより、二番手でも三番手でもいいと思ってしまう」という域に達した春日さん。昔の春日さんは本当酷かったけど、ここまで気持ちが通じない、伝わらない、誠実さが空転しているようにしか感じられない様子が続くと、かわいそうになってしまう。木菜さんが春日さんを嫌っていないどころかむしろ好きだからこそ、余計に。

そして、どんなに袖にされても、落ち込んでも、押しつけがましくならずに決して諦めなかった春日さんの行動が一歩前進するきっかけとなったことは確かだと思います。
そんな春日さんがいる上で、木菜さんも遠慮の鎧を少し解いて歩み寄ってくれたから。
木登りをする二人の場面は本当にもう爽やかで明るくて、木菜さんが春日さんへの想いを再度実感する場面にもなっていて、きらきら輝いて見えました。
春日さんのかっこつけ(と失敗)が発動したおかげというのが、どこまでもこの二人らしくていいです。
どうあってもうまくはまらないのに、どうあってもうまくはまってしまう、ちぐはぐ感とフィット感。それが春日さんと木菜さんはお互いにお互いしかいないだろうな、と思わせてくれます。
春日さんは木菜さんにとって光(道標)で、木菜さんは春日さんにとって思い遣りの源、という印象です。

そうして漸くバディ訓練として肌を合わせるわけですが、積極的な木菜さんはやばいですね。春日さん、よかったですね。
でも、真面目な木菜さんはあくまで特訓としての言葉ばかりなので、本当に春日さんの気持ちは伝わったのか?という疑問が拭えない……。ちゃんと告白できてよかったぁと思ったけど、木菜さんの反応がいまいち心配というか。
と思っていたら、木菜さんが春日さんへの好意を表現している! 春日さんに伝えている! 一歩どころか、二歩も三歩も前進しているのでは!
と思いましたが、「なんでもしていい」とまで言われて許されているのに、春日さんの苦悩はまだまだ続きそうですね(笑)
同期たちの妨害を「俺の恋路を地盤沈下させる方向に動く」と表現しているのが気に入っています。感覚として、とてもしっくり来ました。
どうにかこうにか、木菜さんからの言葉を引き出そうと必死になる春日さんの余裕のなさっぷりが大変微笑ましかったです。告白するまでの抑え方が嘘のようですが、木菜さんに嫌われないことを第一にしているため、結局は自分の行動を抑える春日さんに好感を持ちました。やはり、応援したくなる。
それに、木菜さんも春日さんを他の人(姉)に取られないか、心配で不安だったのですね。似ていないのに似た者同士。

どうやら両想いにはなれたようなので、ラブラブな二人をもっと見たくてたまりません。キスできる日はいつ来るのか。
千散さんと牛通堂さんも拗れているようなので、今後が気になります。
新キャラ松枝くんの、針生たちに対する「正統派でかっこいい」評価がいつまで続くのか、そちらも気になります(笑)
春日さんと木菜さんの関係に一応の目途がついた10巻ですが、今後のお話がますます楽しみです。