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人を変えていくのは

今回は金狼族最強の国王代理と彼の番の元敵国の兵士のお話です。

攻様の恩師の頼みから巻込まれるリルニック領の騒動の顛末と
シリーズの幕間的な短編を収録。

受様は達悦した身体能力をもち
赤目赤毛が特徴的なアスリフ族出身の人間です。

彼らは特定の国に属さず
成長した受様は金狼族のウルカ国と敵対していた
人間の国のゴーネ帝国の狼狩りとなります。

受様は閨で王を暗殺するために身を任せますが
攻様は兄王の影武者を務めて受様と一夜を共にし
受様は攻様の子を身籠る事となります。

その後、受様はウルカ国の内紛に巻き込まれ
再会した攻様と心を寄せ合って番となり、
攻様を筆頭とした狼の群れで幸せに暮らしていました。

攻様は国王代理として忙しい日々を送っていましたが
晩春のある夜、恩師が危ないという一報を受け取ります。

その恩師とは攻様達兄弟に勉学を教えた人間の学者で
攻様が長男の王師にと考えていた人でした。

恩師の手紙には高齢ゆえに死期が見え始め
生きているうちに攻様達一家に会いたい、
頼み事がある事が記されていましたが
途中で筆を置いた様子が見て取れました。

手紙は1度は捨てられたようですが
恩師の世話人が拾い上げて
急報と共に攻様の手元に届いたのです。

恩師は湖水地方の小離宮で余生を送っていますが
今、恩師の客人と客人の護衛団が滞在していました。
攻様一家は身分を伏せて小離宮へと向かいます。

恩師の客人はリルニックを統治する宰相家の末娘で
死の床にある父から殉死を迫られており
恩師を頼って小離宮に匿われていたのです。

彼女は故郷では大の狼嫌いとして通っていて
父を欺くために狼族のウルカ国を選んだらしく、
恩師の頼み事とはまさに彼女に事だったのです。

末娘の殉死を望むリルニック宰相の真意とは!?
攻様達は彼女を守る事ができるのか!?

八十庭先生の既刊「はなれがたいけもの」
「はなれがたいけもの 恋を知る」に続く3冊目となります♪

今回は前巻の事後処理的な部分もあるので、
既刊を読了してからのほうがいいかと思います。

受様は攻様の深い愛と愛しい息子達と過ごす日々の中で
少しづつ"普通"の暮らしを身に着けていっていましたが
まだまだ受様の感覚も感情も一般的ではありません。

狼嫌いの恩師の客人は貴人の矜持から攻様達に対しますが、
身の回りに狼を近づける事を良しとせず、
恩師以外は狼しかいない生活に身も心も疲れていました。

そんな彼女の護衛役を務めていたのが
前巻で受様の暗殺の実行役となった若い狼だったりと
物語の序盤から危うい部分が満載なのですが

彼女が心を開き始めて状況が良くなってきたと思ったら
恩師と護衛と共に拉致され、
海路をリルニックへと連れ去れてしまうのですよ。

彼女が帰国して父親に捕まれば死は逃れられません。
果たして受様は、攻様は、彼女を救えるのか!?

死が迫るほどに高齢な恩師、
末娘の殉死を願うリルニック宰相と宰相の継承問題、
リルニックとウルカの国際問題、
複雑に絡まっていく人々の糸、
それそれの思惑と意図等々。

既刊では凄まじいほどの強さを見せた受様でしたが
双子を産んでまだ本調子からは程遠くても
自分より弱い者達を守るため
受様は手を緩める事はありません。

そんな受様の一挙手一投足から目が離せず
攻様一家が再びウルカに戻るまですハラハラ&ワクワク、
たいへん楽しく読ませて頂きました ヾ(≧▽≦)ノ

今回、受様は攻様以外の人と接することで
1人で生きてきた時には感じなかった不安や恐れに気付き
それを許し、受け入れる事でまた強くなっていきます。

それは攻様や息子達を想う事で生まれる強さであり、
そんな受様にとてもとても胸を打たれました。

そしてそんな受様を全力で守ろうとする攻様の愛は
深すぎるくらい深いのが萌ツボを押されまくりでした。
時には砂を吐くくらい盛大な惚気も尻尾による感情表現も
あっぱれとしか言いようがないですね♡

本作の発売時には限定書店での特典の他に
連動フェアでの特典もあります。
せっかくなのでつく店舗での購入をお勧めします。

夫婦の絆、親子の思い

今回は国衆人の弱小国主の山吹と
大名子息ながらも出来損ないと言われる白銀のお話です。

受様を娶った事から大国の手足となっていた攻様が
椿木国主として新たな道を選ぶまでの本編と
本編裏事情を含んだ後日談2話を収録。

数百人に1人生まれる山吹色の瞳の「山吹(アルファ)」は
優れた英傑になる事が多く、戦国の武将は皆山吹です。

武将にとって繁殖能力に長け、同性が相手で妊娠出来、
山吹相手なら高確率でを産む白銀の髪の「白銀(オメガ)」を
とても重要な存在です。

受様は百万石大名を父と侍女の間に
白銀の双子の兄として生まれます。

受様の弟は白銀らしくたおやかに成長しますが
受様は白銀らしくなく雄々しさが目立ち
出来損ないの「はずれ殿」と呼ばれていました。

「あたり様」と呼ばれた弟は
生国・安住と長年敵対していた隣国・牟田に嫁ぎ
牟田を安住の同盟国に変えます。

そして「はずれ殿」の受様は
同盟国の1つではあるものの国人衆の弱小国・椿木の
国主の弟である攻様に嫁ぎます。

しかし、攻様は一時期、
受様の生国に人質として送られた事があり
2人は幼いながらも心惹かれていたのです。

受様の父の思惑で攻様に嫁いだ受様は
攻様と心を通じ合わせ、
攻様は病弱だった兄に代わって国主となります。

攻様は受様の父が恐れるほど戦の才があり
安住の宿敵・池神との戦の際には最前線にと駆り出され
駒として褒賞もなく、使われ続けていました。

それでも受様が山吹の息子を出産した事で
やっとその関係性も変っていくかと思われたのですが
攻様に届いた出陣を促す手紙は
受様の父の名を使った兄からのもので!?

夜月先生の既刊「新婚オメガの戦国初恋絵巻」の続編で、
男ながらも躍進目覚ましい新興国の武将に嫁いだ受様の
和風オメガバースになります♪

本作の巻頭部分で攻様の過去回想により
次男として生まれた攻様の過去から受様とのなれそめまで
触れられていますので単巻でも読めると思いますが
前巻既読だとより楽しいと思います。

本作では夫婦となった2人に子供が生まれ
やっと受様父が攻様を取り立てられると思った矢先に
戦上手だった受様父が亡くなった事で
攻様の立ち位置が更に微妙なものとなります。

攻様と受様をよく思わない受様の兄、
兄である受様を心配する双子の弟、
受様の兄に散々煮え湯を飲まされた攻様の兄、
攻様に従いながらも歪んだ性格の受様の弟

等々様々な人物がそれぞれの思惑と立場で動き出します。

そして安住にも椿木にも最大の脅威である池神は
攻様を取り込もうと手を伸ばしてくるのです。

果たして攻様が取る策とは!?
攻様は受様を、息子を、領民達を守る事ができるのか!?

読者はほぼ受様と同じ目線で
攻様の動向を追っていくこととなるのですが
攻様の洞察が深すぎて見ている未来が全く見えません。

群雄割拠する戦国時代の小国の主としては
相手の何手も先を読み、手を打っていくのでしようが
攻様の才は戦上手と言われた受様父をも恐れた程
天災的なので、読者が先読みするなんて無理 (>_<)

攻様が戦に勝利し、椿木の未来を決めるまで
ハラハラ&ワクワクで
たいへん楽しく読ませて頂きました。

虐げられた幼少期を過ごした攻様は
自身の言動が与える影響を最大限に活かす方法を
無意識に演じてもいてそんな自分を卑下しています。

でも受様は攻様が根底にもつ優しさや強さこそが
人々の心を打つのだとわかっています。

そんな攻様だから受様もまた攻様の妻として
相応しい己であろうとより努力を重ねていくのあり
それがま人々の心を掴んでいくのです。

戦国としいう一寸先は闇かもしれない時代を
懸命に生きる彼らの今後をもっと知りたいです。

神の真意とは

今回は絶滅したとされる聖獣と聖職者を偽称する青年のお話です。

踏みつけられる人生を逃れた受様が攻様を出会い、
歪んでしまった国の理に一石を投じるまで。

この国は神リエラを祀る王族を頂きますが
王都の聖殿が国の権威の象徴であることから
聖職者たちは神託により人々を支配しています。

受様は親を知らず貧民屈で生きてきますが
奴隷商人にさらわれ奴隷市の商品となります。

受様の額には4枚の花弁に似た傷があったことから
聖殿の司祭に「神の愛し子」として買われます。

「神の愛し子」とは生涯独身を守る聖職者が
「邪悪を追い出す」儀式で組み敷くための子で
貧民窟でも犯され続けた受様は無駄な抵抗もせず
彼らに従います。

しかし受様は不用品として「天に召される」事を
良しとせず、聖殿に通っていた薬師から知恵を学び
祝祭の夜に聖殿から逃げ出します。

受様はいずれ捕らわれて処刑される覚悟を秘め
聖殿での振舞や知識を生かして巡礼の聖者と偽り
聖堂の戸を叩いて司祭を誘惑した後は
司祭の代理を騙って有力者からの寄付を集い、
聖堂の金品や装飾品も奪い、次の地へと移り続けます。

そして4年、立ち寄った食堂で
世話をしてくれた娘から聖獣の里の存在を知ります。

その聖獣ドライトンは涙が万能薬となり、
鱗は宝石の美しさを持ちましたが、
凶暴性故に幼獣のうちから駆逐されるようになり
今では絶滅したとされているそう。

受様は町から離れる際にあやしい荷馬車に乗り
山中で夜盗に襲われてしまいます。

逃げるうちに崖を転げ落ち、
淡い光を漏らす不思議な洞穴に辿り着くのですが
光の溢れていた場所を掘り起こすと光を発する
大きな石と欠片と球状なものを発見します。

夜が更ける中、
いつの間にか眠っていた受様でしたが
膝と腹の間で何かが蠢く感覚で目覚めます。

球状のものが発光して表面が割れ始め
くうくうと悲しげに鳴いて出てきた黒い塊こそ
今回の攻様になります♪

攻様は動揺する受様の指ににじんだ血を舐め
受様は塊を手の中で包み、温め続けます。

果たして不思議な卵から生まれた攻様の正体とは!?
そして攻様に関わってしまった受様の未来とは!?

絶滅したと言われる聖獣の攻様と
過酷な生を独力で切り開いた受様との
種族を超えた恋物語となります♪

貧民窟で育ち、奴隷商人に売られてからは
聖職者の慰め者とされた理不尽な現実を直視し

自由を得るために知恵をつけ
隙のできる一瞬に賭けて聖殿を逃げ出し
ただ自由に生きる事を望んだ受様の物語は
物語の序盤からかなり悲惨です。

己の罪を自覚しながらも
自由に生きる道を選んだ受様でしたが
攻様との出会いがその生き方を変えていきます。

攻様を育てるために聖獣の里の
外れの小屋で薬師もどきを始める受様に
聖獣ドライトンである攻様は良く懐きますが
伝説の中でも人に害をなす狂暴な害獣とされていて
受様は攻様を失うかもしれないと恐怖します。

しかし攻様は受様に似た容姿の幼い子供へと変化し
受様は攻様を養い子として再び旅に出るのです。

そして旅の間に人ではありえない成長を見せた
攻様のために聖獣に関する知識を求めた事から
2人の未来は大きく変化していくのです。

丁寧に張られた伏線に隠された聖獣の謎と秘密、
受様に読み書きや薬の知識を与えた薬師との再会、
成獣への兆しを見せ始めた攻様の変化、
神の愛し子だっただろう少年の死、

そしてかつて受様を貪った聖職者達の変らない姿を
目にした受様は怒りを抑えられません。

受様がどうなるのか、攻様がどうするのか、
誰が味方なのか、敵なのか。

不穏さを増していく状況にハラハラし、
一途に受様を慕う攻様の恋の行方にドキドキしながら
たいへん楽しく読ませて頂きました。

誰かにも大切にさせずに孤独に生きてきた受様にとって
一途に受様を慕う攻様の想いは嬉しくあっても
同じ種でない受様には受け入れられません。

攻様と別れても正しい未来をと望み続ける
受様に胸が締め付けられました。
そして何よりも受様だけを慕い
守り続ける攻様にもすごく萌えました。

繊細で静謐な中に潜む暗い情感までもを
感じさせるyoco先生のイラストも物語の雰囲気に
とてもマッチしていて素敵でした (^-^)v

ここからが本番か!?

本シリーズは公家の出身で裏の顔を持つ美貌の御台所と
文武に優れ清廉な名君である八代目将軍のお話です。

武芸上覧を隠れ蓑にした受様の血の継承を願う神の暗躍と
受様の守護聖刀の剣精の決意を描いた短編を収録。

受様は陽ノ本の八代目将軍です。
受様は恵渡を襲った凶悪な流行病により、
前将軍の7番目の男子ながらも将軍の座に就きます。

そんな受様の正室は
公家の出で男性ながらも美貌の麗人である攻様です。
過去の邂逅により秘かに受様を慕う攻様の画策により
輿入れした攻様ですが、今では受様の最愛の妻となります。

受様は外様大名が糸を引いていた人身売買にて
幼い異母弟を失ってしまうのですが
その背景には受様を敵視する西国大名の存在が
見え隠れしていました。

事件に関する詮議を推し進める受様達でしたが
幕府の奏請を朝廷に取り次ぐ武家伝奏が改まり
就任と年賀の挨拶に登城してきます。

前任の武家伝奏は
余計な波風を立てずに職務を全うする人物でしたが
後任は不毛の棟梁たる将軍に膝まづく事に
忸怩たる思いを抱いている様子で

受様が話題を振っても短い応えを返すのみと
機転も利かず内心も隠せない男で
受様は内心苦笑してしまいます。

嫌が王にも緊張感が高まるその場を変えて見せたのが
補佐役として付き従っていた美貌の貴公子でした。

彼が顔を上げたとたん、
受様はなぜか補佐役に攻様の姿が重なって見え
その名を呼びそうになったほどです。

それもそのはず、補佐役は京の都でただ1人
攻様に優しくしてくれた異母兄だったのです!!

しかも彼は失踪してから今まで10年もの間、
攻様が頭を務める闇組織「八虹」の力をもってしても
見つけられずにいた人物であり、
受様の異母弟のご落胤騒動にも関与が疑われている
人物でもあるのです。

果たして攻様兄の目的とは!?

前巻よりディアプラス文庫にてリスタートした
痛快時代劇的シリーズ第6弾となります♪

前巻は2人のなれそめや現状を説明しつつ
主キャラ達を上手く絡めて登場させていましたが

本作ではいよいよシリーズ当初に張られた伏線、
重要な役どころながらも相見える事はなかった
噂の攻様の兄が登場と相成りました♪

攻様に多大な影響を与えた人物であり
心に秘めた目的のためなら
他人を全て駒と化せる人物であり
ラスボス感満載な御仁ですよ ヾ(≧▽≦)ノ

今回も新たに就任した武家伝奏の補佐役として
受様の前に現れるとともに
野心かな西国大名にその身を預けながら
妹を受様の側室とする計画を巡らせていたのです。

攻様だけを愛する受様は
そんな縁談は初手で断るのですが

攻様兄にとって受様の初手は計画の内で
新任の武家伝奏と大名の妹を利用して
受様を追い込むまでの続く策略も練っていたのです。

受様が追い詰められたと思ったら
今度は攻様が危機一髪と波瀾続きな上に

攻様兄の背後には西国大名だけでなく
受様の祖父に執着して受様に子供をと望む
神までもが絡んでいてハラハラエンドレス!!

側室を断れなくされられた受様はどうする!?
受様を守る力を欲する守護聖刀の剣精はどうなる!?
そして受様を守るために攻様が打つ手とは!?

今まで張られた伏線を回収しながら
次巻へと続く布石を打っていくストーリー展開は
見事としか言いようがないです。

南町奉行と町火消の頭の活躍にも期待しつつ
次巻を待ちたいと思います (^O^)/

忘れえぬ面影と秘めた想い

今回は「空の魔王」と称される鷹匠喰いの鷹族と
誰からも選ばれない鷹匠のお話です。

鷹匠喰いの攻様の番となった受様が戦いを通じて
鷹族の鷹匠の未来を変える一歩を踏み出すまで。

受様の国は涸れないオアシスを持つ城塞都市で
普通の人間と猛禽類の血が流れる
鷹族と呼ばれる2種類の人間が暮らしています。

鷹族は鳥の足と翼を持ち民を守る高貴な存在と
人に崇められていますが

鷹族と番う鷹匠に彼らを使って鷹狩りと称する
戦いに出向かせてこの国の安全を
手にしてきたのです。

鷹族だけが感じるフェロモンを持つ鷹匠は
ほとんどが男性で鷹族は彼らの体液で力を得ます。

しかし、それは
鷹族に組み敷かれる事を意味し、
鷹狩りで激しく消耗する鷹族を癒すには
激しい情交が必須なため、
鷹匠は不浄の者と蔑まれていたのです。

受様は子供の頃からフェロモンが多く、
鷹匠として生きる運命だと決まっていましたが
それが不満で家出をした事があります。

しかし
城壁の先の砂原は子供か生きられる世界ではなく
意識の朦朧とした受様は伝説のルフ鳥に助けられ、
受様はその出来事をきっかけに
鷹匠として生きる決意をします。

鷹匠は通常
18くらいで鷹族と番契約してデビューしますが
受様は21を過ぎても番として選ばれませんでした。

そんな受様に番契約の話が上がるのは
自分の国を持たず毒蛇を使って資源を食い尽くす
蛇使い達の攻撃が激化してきたからでした。

半年前には大型の毒蛇が確認されており、
それは鷹匠を連れ去り、彼は2度と戻らなかったばかりか
新しく番を得た鷹族もなぜか1部の毒蛇を攻撃できなくなり
毒牙にかかって命を落とす事態となったのです。

これまでにない強敵により
受様は自分の鷹匠を喰った罪で10年もの間
幽閉されていた鷹族に鷹狩りをさせるために
番として選ばれたのです。
この鷹族こそ今回の攻様です♪

攻様は「空の魔王」と呼ばれる鷹族最強の男で
受様は攻様を目にした瞬間心を奪われます。

人肉を喰らった鷹族は
もう存在しない喰らった相手を欲して飢え続け
狂暴化すると言われています。

誰にも選ばれなかった自分に彼を御せるのか
受には不安しかありません。

果たして受様は攻様を御することができるのか!?
そして蛇使いとの戦いを制することができるのか!?

国を守るために戦う鷹族の中でも最強と言われる攻様と
フェロモンは多いのに誰にも選ばれない受様の
鳥人ファンタジーになります♪

新刊の予告でタイトルを見た時から
アラブの鳥人もふもふってどんななの!?と
ワクワクで読み始めました。

鷹族と鷹匠は14日間の鷹狩り前に
7日間の僅かな食事と水だけで飢餓状態を作り上げ
狩猟本能を最大に高めます。

受様は攻様の番として鷹狩りにできますが
受様には何もかも初めて上手く攻様を使う事も
激しく戦う攻様を存分に癒す事も出来ません。

攻様と共に戦い、共に過ごす中で
受様は徐々に攻様に惹かれていくのですが
自分の気持ちを上手く伝える事ができません。

攻様に求められないのは信頼されていないから?
喰ってしまった前の鷹匠を忘れられないから?

しかし、受様は思い悩むだけでなく
1歩を踏み出す強さも持っていて
はたから見れば十分に受様を気に入っている攻様が
攻様がなぜ受様に手を出さないのかが
気になって頁を繰る手は止まりません!!

巨大毒蛇を操る蛇使い達の巧妙な罠、
思いもかけない人物の憎悪、
受様の過去と交錯する攻様の過去、

秘されていた真相と
隠されていた想いに辿り着くまで
ドキドキとハラハラが止まらず、
奈良先生のイラストでさらに萌え増し♡

伏線も丁寧に張られていて
登場人物も皆、一癖二癖ある魅力的な人ばかりで
たいへん楽しく読ませて頂きました ヾ(≧▽≦)ノ

他の鷹族達の物語もぜひ読んでみたいです。

己が目指す正しい世界のために

本シリーズは世界最強の魔物ドラゴンとバトラーのお話です。

ドラゴンギルト筆頭バトラーとその相方風竜を中心とした
新世界創造を企む魔狼とドラゴンギルドの最終決戦と
後日談を収録。

魔物を狩り続けたアルカナ帝国を倒し
魔物の為の新世界創造を創ろうとする魔狼は

愛する風流とともにドラゴンギルドのバトラーとして
生きる事を選んだ鴉の魔物の意思を無視して
魅了の力で取り込んだ魔物を使って拉致、
自分のテリトリー内に監禁します。

そして鴉の魔物にまでも魅了の力を使い
自分と共に生きる道を選択させようとしますが
鴉の魔物は大切な風竜を強く想う事で拒絶、
魅了されたかのように装うのです。

鴉の魔物はドラゴンギルドを率いる
筆頭バトラーや愛する風竜の助けを信じて
なんとか魔狼の計画を探り出そうとしますが

なんと彼が捕らわれていたのは
アルカナ大帝の住まう大宮殿群の一角
32もある尖塔のうちのひとつだったのです!!

鴉の魔物は必死に魔狼の意図を探り始めますが
魔狼の部屋で見つけたのは
宮殿軍の全体図、尖塔の内部の詳細なスケッチ、
謁見の大広間のある宮殿の見取り図と警備配置図等々、
魔狼の計画の綿密性を感じさせるものばかり。

そして自らが魔狼のために作成した
門外不出のドラゴンギルドの配置図とともに
帝国の技術革新と経済発展の象徴であり
帝国人の誇りである時計塔の設計図を目にします。

人間世界の崩壊の象徴として破壊するだろう
時計塔の設計図があるのはなぜなのか、
魔狼の残忍性を知る鴉の魔物は気が気ではありません。

一方、鴉の魔物を拉致られたドラゴンギルドでは
筆頭バトラーをはじめとするバトラー達も
魔物の守護者たるドラゴン達も
魔狼に対する怒りを抑えきれずにいました。

果たしてドラゴンギルドのバトラーとドラゴンは
魔狼の計画を食い止め、鴉のの魔物を取り戻せるのか!?

本作は前作に続きシリーズ最大の敵である
魔狼のアルファとドラゴンギルドと最終戦となります。

筆頭バトラーと彼の愛する風竜をはじめ、
既刊で主役となったバトラーと彼らの愛する
ドラゴンや魔物達が総出演の超豪華な最終戦では
息つく間もなく襲い掛かる魔狼の策略に
ギルドの面々は奔走させられます。

魔狼はドラゴン達の成人式典警護の隙をつき、
ドラゴンの幼生体を攫さらい
王都中に自身の魅了の力を流布します。

魔物達が入り込んだ式典は血の海となり
ドラコンギルドの面々とまだ正気の近衛達は
アルカナ帝国の大帝や成人を迎える王女を守りつつ
魔狼に魅了された魔物や人間達との戦いを
強いられる事となるのです。

ドンドン追い込まれていくギルドの面々が
どうやったらこの局面を逆転するのか、

巧みに隠されていた伏線が全て詳らかになり
ギルドの活躍と共に綺麗に回収されていき、
ハラハラもドキドキもワクワクも最高潮です!!

魔狼が新世界創造のために描いた綿密な計画も
互いを信じ、支え合い、状況を打破した
ギルドの面々によって打ち砕かれいき
魔狼は倒される事となるのですが

最後に筆頭バトラーの見せた想いが
とても胸を打ちました ๐·°(৹˃ᗝ˂৹)°·๐

ストーリー的に筆頭バトラーカプと
鴉の魔物のカプが中心となって活躍するのですが

シリーズ最初のカプである雷竜と魔女のカプが
かなり成長していて活躍をしたり
ドラゴンを護る為にドラゴンギルトを結成した
最後の魔女のその後も描かれていて

物語がくるっと美しい円を描くような
綺麗な結末でとても気持ちよく
本を閉じる事ができました♪

大好きなシリーズに幕が引かれた事は残念ですが
大満足な幕引きでした (^O^)/

沖先生の挿絵もこの上なく美しく
バトラーは可愛く、ドラゴン達は魅惑的でりりしく
誰もかれもとても素敵でイラストも楽しみにしていました。

前巻はバトラー大集合、本作はドラゴン大集合なんて
素敵過ぎです♡

オメガにケモ耳がある世界

今回はアパレルメーカーのデザイナーと広報担当者のお話です。 

受様が転職先で攻様と関わる事で恋を知り、過去を乗り越えるまで。

この世界には男女という性別の他に、
アルファ、ベータ、オメガという3つのバース性があります。

世界の大部分はベータで構成され、
外見の性別通り、男性が孕ませる側で女性が孕む側ですが
アルファとオメガは別なのです。

アルファは男性のみならず女性にも精巣と男性器があり、
女性を孕ませることができます。
逆にオメガは女性だけでなく男性にも子宮が存在するために
子を孕む事ができるのです。

更にオメガにはヒートと呼ばれる発情期が存在し、
その間はアルファを誘うフェロモンが放出されてしまいます。
そしてフェロモンやヒートに次ぐオメガの特徴が獣の耳です。

オメガの頭には生まれた時から獣の耳があり
ネコやイヌやウサギ、ヒョウやライオンなど多種多様、
色や大きさも千差万別で紙に隠れて見えない場合もあります。

しかしながらオメガの特徴として目立つケモミミは
手術で切除される場合も多いのです。
実は受様はうさぎの耳を持って生まれたオメガでしたが
幼い頃に切除手術を受け、最低限の告知義務以外では
オメガである事を秘して生活していました。

受様は大手広告代理店に勤務していましたが
一身上の都合で退職し、オメガ向けの服を作る会社への
転職を希望します。

その会社には受のスキルを活かせる広報部も無ければ
従業員の募集すらかかったのですが
受様の熱意に負けて面接までこぎつけます。

しかしながら面接当日、
受様は最近ろくにに眠れていなかったせいか、
はたまた緊張からか電車に酔ってしまいます。

何とか最寄り駅には辿り着き
駅前のベンチに腰を下ろしますが
面接時間までにこの吐き気と眩暈が収まるかは
神のみぞ知ると言ったところです。

面接時間を確かめるために腕時計に目を落とすと
ふっと背筋の産毛が立ち上がる気配がします。
なんとアルファの気配を漂わせる大柄な男性が
まっすぐにこちらに向かって歩いてきました。
この男性こそが今回の攻様です♪

攻様は会社員にしてはラフな雰囲気で
少し日本人離れした華やかな容姿でしたが
ゆったりとした口調で気遣う声を掛けてくれるのです。

攻様は買ったばかりだとペットボトルの水と
大袋に入った黒飴を鷲掴みにして受様に渡してきて
受様が「美味い」と呟くと攻様は嬉しそうに笑い
そうすると威圧感が急速に薄れます。

そして受様の今後の予定を聞き
中途採用の面接を受けに来たと知ると
約束の時間が過ぎてからでも頭を下げろと
半ば諦めていた受様の背中を押してくれました。

そして向かった会社で人事部長に頭を下げて
営業部長も加わっての面接にこぎつけるのですが
本人の希望で同席したいと現れたデザイナーこそが
攻様だったのです!!

攻様の後押しもあり受様の採用が決まり、
採用の決まった受様はスキルを活かして仕事に励み
攻様とも仕事仲間として忌憚のない関係を
築いていく事になります。

しかし、1年後、受様の部下として
アパレルメーカーのプレス担当していたという
社会人3年目の青年が中途採用されるのですが
彼は頭上に黒いウサギ耳をもつオメガでした。

彼の入社以来、
受様は様々な感情に振り回される事になり・・・

幼い頃の事故が元でバース性を隠して生きてきた受様と
オメガの為の服を作り続ける攻様とオメガバースとなります♪

最近のオメガバースは基礎設定すらも
先生によって取捨選択の幅が大きくなってきたように思いますが
本作の最大の特徴はオメガのケモミミ設定となります。

うさぎの耳を持ちながらも失はざるをえなかった受様は
それがとても大きな心の傷となっています。

うさ耳を付けたまま堂々と生きる後輩が入社した事で
受様は今まで諦めてきた様々な事に目が向く事となり

自分がオメガである事を隠しているというか
隠さなくてはならなくなった哀しみと痛みと苦しみが
受様の言動の端々に見えていてとても切なかったです。

そしてアルファとオメガの間に生まれた攻様にも
複雑な事情があります。
それが受様とのすれ違いや誤解を生み、
なかなかお互いの想いが通じずません。

ハピエンなのはもう大前提だと読んでいましたが
すれ違っていく2人の恋が実るまでハラハラしながら
たいへん楽しく読ませて頂きました。

まさかの終着点に驚きましたが
ちゃんと伏線は張られているのが海野マジック♪
文句なく「神」評価とさせて頂きます ヾ(≧▽≦)ノ

これからの受様に沢山の幸せが訪れますように♡

ほのぼの路線かと思いきや

今回はと大名家の次男坊と尼寺で育った青年のお話です。

訳ありな受様が出生の秘密を抱える攻様の伴侶となるまでと
本編後のとある日を描いた続編を収録。

時は江戸時代。
二百以上の藩をかくかくの大名が統治し、
国全体を征夷大将軍を頂点とする徳川幕府がおさめています。

攻様は20万国の大名である一式家の次男です。
受様の父は老中までつとめた男で当主の座を長男に譲り、
引退した今でも将軍にあつい信頼を受けています。

本来であれば次男である攻様は
江戸城への登城も留まれない身なのですが
今現在、中奥の将軍の私室に通されて身を伏せていました。

そして現れた将軍は攻様に親し気に声を掛けてきます。
というのも攻様は一式の父の妹が産んだ
将軍の落とし胤なのです。

攻様の出生は公然の秘密、暗黙の了解ですが
攻様はいつも将軍との間を測りかねていました。

将軍の正室の産んだ男子はまだ12であり、
26である攻様が正式な跡継ぎと認められれば
江戸城内が真っ二つにわかれる事は目に見えています。

かと言って正式に後継者から除くならば
国持ち大名でなければ体裁が整いませんが
それ相応の領地を誰かから取り上げる事になりかねず
攻様の立場はとても微妙なものなのです。

そんなある日、
攻様は一式の父から知り合いから頼まれたとある人物を
一月ほど面倒を見て欲しいと頼まれます。
この人物こそ今回の受様になります♪

受様は山奥に庵を構える尼僧の孫息子です。
数か月後に治水工事の無事を祈る「橋姫の儀」を行う事を
工事を担っているある公家から打診されています。

受様は自分にできる事ならばと引受けるのですが
祖母は受様を公家から遠ざけるべく
人出不足な一色家への手伝いと言う名目で
江戸へと送り出すのです。

受様は攻様の暮らす蓮華屋敷の預かりとなりますが
何やら心に秘密を抱えているようで・・・

出生の秘密を抱えて目立たないように生きている攻様に
尼僧に育てられた受様が預けられる事で始まる恋物語です♪

複雑な出生故に自分を抑えて生きる事を強いられる攻様が
世間知らずながらも素直でまっすぐな心根をもつ受様と
接するうちに徐々に惹かれ合っていくのほのぼのとした
お話かと思ったのですが

受様もまた人にも言えない秘密を抱えており
それ故に「橋姫の儀」を行う事を決意していたのです。

「橋姫の儀」とはどういう儀式なのかは
読者にはなかなか明かされませんが
治水工事の無事を祈るための儀式と言われれば
そう難しくなくどのような儀式かは想像がつきますよね。

2人は徐々に惹かれ合っていきますが
受様の担う「橋姫の儀」の決行日も近づいてきて
儀式を主宰する公家の手が受様に迫ってきます。

攻様の抱える複雑な背景と
受様が隠し続ける過去の事件の真相が絡まり合い、

ハラハラ&ドキドキが最高潮に達した時に明かされた
受様を苦しませ続けた事件の真相には
まさにヤラレタ!! しか言いようがなく、

膠着していた攻様の御落胤と言う立場までも
キチンとした落ち処を見せての大団円で
たいへん楽しく読ませて頂きました ヾ(≧▽≦)ノ

攻様や受様に絡む脇役たちも個性派揃いで
攻様碁会所仲間達のチャチャや賑やかしに
ニマニマしちゃいました♡

誰よりも大切な貴方のために

今回は受様の従兄の後輩と難病で入院中の青年のお話です。

受様が攻様と出会う事で2人で歩む未来という希望を掴むまでと
恋人になってからの後日談続編を収録。

受様は中学の時に体調不良で受けた検診で
呼吸器けての難病が見つかります。
その難病は現代の医学では治療法がない病で
両親は受様が成人式を迎えられないだろうと言われます。

受様は入退院を繰り返しながら根気よく治療を続けますが
病は一向によくなる気配を見せられず都内の大学病院から
地方の専門病院への転院を勧められます。

しかしこそは治る見込みのない難病患者を受け入れる
ホスピスのような役割の施設でもあったのです。

おりしも受様の父の転勤が決まり、
受様は単身その地方病院に残ることを望みます。
受様の意思の固さと近くに住む伯父夫婦が
快く受様の世話を引受けてくれた事で
両親も弟妹達を連れて赴任先へと旅立ちました。

受様は病態さえ安定していれば入院生活は快適で
日々を大切にしながら好きな手芸をしたり
本を読んだりと変化のない穏やかな毎日を送っていました。

そんな毎日に変化が起きたのは
伯父夫婦の息子である従兄が後輩だと言って
連れてきた1人の青年との出会いでした。
この青年が今回の攻様です♪

攻様は弟を亡くしていて従兄から受様の事を聞き、
力になりたいと思ってやって来たと言いますが
受様は攻様を見た瞬間、奇妙な衝撃に襲われます。

攻様が視界に入った瞬間、
柔らかな陽だまりの中に彼と2人だけでいるように感じ
心穏やかなのに胸が高鳴り、目頭を熱くされたのです。

しかもおかしいのは受様だけではなく、
攻様も不躾なくらいまじまじと受様を見つめて
何か短い言葉をつぶやいたと思ったら
大股で距離を詰め、受様を抱きしめてきたのです!!

従兄が苦笑しながら攻様を引き話すまで
受様は呆然としたまま身動き一つできませんでした。

改めて自己紹介をした受様でしたが
攻様の「覚えていないんだな」と言う呟きが
聞こえた様な気がします。

攻様との出会いは受様に何をもたらすのか!?
そして病に侵される受様に待ち受ける未来とは!?

死という理を受け入れながら縁をつなぎ続けた2人が
幸せを掴むまでの輪廻転生ファンタジーです♪

伊勢原さんのファンタジックな恋物語が激ツボです。

既刊でも散々泣かされたのですが、
本作は2人の前世での優しい触れ合いから始まります。
再会しては別れを繰り返す2人の物語を読み進むには
ハンカチが手放せませんでした ๐·°(৹˃ᗝ˂৹)°·๐

今回、ミツバチだった彼はワンコとなり、人となります。
たんぽぽだった彼はそんな彼との再会を夢見て人となり、
今世での2人の恋物語がリスタートします。

輪廻転生モノとしてはそれほど凝っているとか
奇をてらったモノではなく、わりと鉄板な流れだと思います。

どちらかに記憶が無いと言うのも王道なので
どうしたら記憶の無い彼が思い出すのか、
どうやって彼らが今世で幸せになるのか、
その過程でどけだけハラハラ&ワクワクさせて頂けるか
というのが物語の鍵になるのですが

本作は過去世で受様と攻様を結び付けたスズメと
人となった受様と攻様を引き合わせた受様の従兄の
存在が秀逸でした。

何度もの再会と別れを繰り返してきた2人が
幸せを掴むために足りなかったモノとは何なのか、
2人の未来にドキドキしながら読み進める
私達読者への問いかけでもあると思いました。

とてもとても素敵なラブストーリーでした。
できたらこれから手にされる方には
コミコミ特典も合わせてお読み頂きたいです♡

貴方だから恋しい

今回は肉食キメラのモデルと草食キメラのモデルのお話です。

因縁の種族と言う垣根を超えて2人が結ばれるまでと
本編のラブイチャを描いた短編を収録。

受様は"ウサギ"の性欲とオスのみで生まれる"クマノミ"の
妊娠能力を混ぜた海兎族です。

基本は男女で交配しますが
種の特性によっては男同士でも子供を作る事が可能です。

海兎族は大昔、
獅子族のフェロモンに当てられ酷い目に遭ったとされ
海兎族だけで長く繁殖していましたが
そんな一族との生き方を危惧したされた事で
良好な関係のある馬族との婚姻関係も進んでいました。

受様は繁殖に特化した海兎族としての体質を
抑えながらモデルとして活動していたものの
一流モデルとして活躍する獅子族の攻様と
出会った事で彼に惹かれていきます。

そして2人は想いのままに身体を重ねる事となり
受様は攻様とタイアップした雑誌で
モデルとして注目を浴び始めます。

しかし、件の雑誌を見た
一族の監査役は受様と攻様との関係を訝しみ
受様と馬族の婚約を強行に進めるようとします。

そして監査役の目を攻様から逸らそうとした受様は
自分が攻様と正式には付き合っていない状態な事に
気付く事になります。

果たして受様と攻様の恋の行方とは!?

前巻「フェロモホリック(1)」続編にして完結巻です♪

前巻で攻様と再会した途端に
ロックオンされた受様は当初こそ
海兎族と因縁のある獅子族である攻様を避け続けますが
そのフェロモンとモデルとしても煌く攻様に
身体ばかりか心までも惹かれていきます。

しかし、そんな2人の関係は
獅子族をタブー視する一族にはよく思われず
海兎族の監査役は2人を引き離すべく画策、

攻様の仕事にまで影響を与えられそうになった受様は
一族の望む相手との婚姻を決意するのですが
受様に執着する攻様が黙っているはずはありません。

受様が攻様の手を取り
正式にお付き合いをする事となる幕引きまで
ハラハラ&ドキドキ、楽しく読ませて頂きました♪

受様が兎の臆病さを見せながらも
恋した攻様を守るために頑張る姿は
健気で弱者である受様の頑張りは認めますが
恋した人を守るために離れるなんてダメだよ (>_<)

だから最後の最後で攻様を求め、
受様に求められた攻様が乱入した時には
お約束展開だけどすっごく萌えました♡

攻様が受様を馬族の婚約者から
かっ攫って自分のモノだと主張するだけはなく
自分との関係を一族に認めさせるために
奔走していたのがすごく格好良かったです。

エロも濃ゆくておいしく堪能させて頂きました♡

受様が馬族と婚姻する事となったのには
受様兄か関係しているようでしたが
そんなこんなも絡めた彼の恋バナもぜひ読みたいです♪