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繋がれた絆を守るために

今回は兄王子の死で王太子となる第二王子と
義姉の死で隣国に嫁ぐ王太子のお話です。 

オメガとなったために攻様に嫁いだ受様が
攻様の隣に幸せを見出すまで。

この世界には男女の性ともう一つ
アルファ、ベータ、オメガの第二の性が存在します。

多くの民はベータ性で
アルファ性は王侯貴族でもほんの一握りしか存在せず
オメガ性は発情によって人々を肉欲に惑わす者として
迫害され、王家には存在したことが有りません。

受様はフロレンス国王と嫡男として生まれます。

アルファだった前国王は
目だった求心力の無いベータの現王の伴侶として
才気あるアルファの王女を選びますが

現王は王妃に嫉妬する荒唐ぶりで
王妃が姉姫を生み、受様を身籠る頃には
自分に媚びる愛妾をそばに置き、
王妃が亡くなるとすぐ彼女を王妃としたのです。

現王妃は受様より1つ下の第二王子を生みますが
前王妃の姉姫や受様ほど優秀ではない上に
母と父王に甘やかされ尊大で傲慢に育ちます。

王と王妃の贅沢三昧な暮らしは貴族達をも巻き込み
税率は跳ね上がり、民衆の不満は増すばかりです。

他国との交戦に備えて軍の増強を進言した受様に対して
王は優れた軍事力をもつエスパニル王国の王太子に
姉姫を嫁がせることでその力を得ようします。

受様は姉姫を迎えに訪れたエスパニル王国一団を
率いていた第二王子である攻様の誠実な人柄と
「兄は必ず王女を幸せにします」という言葉を信じ
受様は姉姫を見送るのですが

2年後、
姫君を得たばかりの王太子夫妻が事故で亡くなり
受様がオメガ性であるとわかった事で
父王は王太子となった攻様を差し出してまで
エスパニルとの同盟関係を持続しようとするです。

受様は憤慨しますが受様が嫁がねば
周辺国の侵略に怯える日々が待っているばかりか
父王が改心せず、異母弟が王位に就けば
遠くない将来、フロレンスは崩壊するでしょう。

果たしてエスパニルで受様を待つ未来とは!?

未来の王と目されていた受様と
第二王子として兄を支えるはずだった攻様の
王宮オメガバースになります♪

受様は姉の結婚で義兄弟となった攻様と
よき友人関係を築いていたのですが
攻様の妻となる事を余儀なくされます。

受様の生き方が変わったことはもちろんですが
攻様が子を孕むオメガではあるとはいえ
男の自分を娶る事になった事も痛々しく思え
この結婚は不遇でしかありません。

しかし、読者から見ると
攻様にとってはそうとばかりは言えないのが
そこはかとなく見えていてワクワク&ドキドキ、

他力本願で自分本位な異母弟に鉄槌を下して
2人が本当の夫婦になる大団円まで
とっても楽しく読ませて頂きました (^-^)/

フロレンス王国が隣国から戦線布告をされ
受様に取った行動、攻様が放った言葉が
すごくカッコよくて最高でした。

新たなシリーズの開幕か!?

今回は山狗の伴獣を持つセンチネルと
ガイドとして目覚めた美容師のお話です。 

受様が音信不通だった攻様と再会し
攻様と歩む未来を選ぶまで。

受様は春からスタイリストデビュー予定の美容師です。

受様が美容師となったのは今では音信不通となった
幼馴染の攻様の髪を切りたいと思ったからですが
その夢はある出来事で大きく変わる事となります。

それは3月下旬のある日、
営業後のカット練習を終えて退店した受様が
今朝から続く悪寒と頭痛に悩まされながら
自転車をこいで自宅に戻った夜に起こります。

受様がつけたテレビニュースでは
4件目となった連続強盗事件について流れます。

受様の部屋は1階でベランダ越しの塀は低く
誰でも乗り越えられそうで
受様は不安に駆られながらもベッドに入ります。

酷くなる頭痛に邪魔されてなかなか寝付けなかった受様は
パキという小さな音、カチャという不自然な音を拾い
"来る"というざわつきを感じてしまいます。

なぜそう思うのかもわからないまま
連続強盗犯だろう侵入者2人から逃れようとしますが

受様に気づいた強盗犯がサバイバルナイフを振りかざし
その瞬間、受様が助けを求めたのは攻様でした。

受様が心の中で攻様の名を叫ぶと轟音とともに
ガラス戸から躍り込んできたのは大きな銀の狼!?

狼は容赦なく男達に噛みついて仕留めると
狼から魂が分化し、1人の若い男の姿に変化したのです!!

その男は7年前に別れた攻様その人で
現実離れしすぎた光景の連続に受様は眩暈がします。

混乱する受様に攻様は「受様を迎えに来た」
「伴獣が視える受様はガイドに覚醒した」と
耳慣れない言葉を発してきて!?

13才でセンチネルとして覚醒した攻様と
ガイドの異能に目覚めた受様のセンチネルバースです♪

鴇先生の初ダリア文庫は初センチネルバースで
現代を舞台に異能を持つセンチネルやガイドが
人では対処しえない事件や事故に挑むバトルアクションで
発売をとても楽しみにしていました♡

センチネルバースはあまり読んだことが有りませんが
異能を持つ者であるセンチネルとガイドの特殊性
社会との関りが不自然でない物語世界で

主役2人を中心としながらも彼らを取り巻く環境や
登場人物達の特性と相関性の複雑さが
より物語世界に深みを与えていて

もうコレは新シリーズ開幕の序章でしかない!!
と思わせる楽しい1冊でした (^o^)/

センチネルやガイドと呼ばれる異能者、
センチネルやガイドと伴獣との関係、
彼らを守るために設立されたPCBという謎の組織、

PCB東京は警察庁の外部組織として様々な案件を請け負い
発達した五感で様々な事件に当たるセンチネルを
バディとして支えるのがガイドなのです。

突然音信不通になって7年、
再会した攻様は13才でセンチネルとして覚醒しており
受様が必ずガイドとして覚醒すると信じて
受様との再会を待っていたと言います。

受様の知る攻様のままではありますが
自分に起こった事がなかなか受け止められないのですが
自分の"今"を受け入れていく事で攻様との関係を変化させ
唯一無二の関係を築くいく流れにワクワク&ハラハラ、
とっても面白かったです。

2人を取り巻く脇キャラも魅力的過ぎるので
ぜひ彼らの活躍をもっと読ませて欲しいです ヾ(≧▽≦)ノ

愛と執着と野望の行方とは

本シリーズは公家出身で裏の顔を持つ美貌の御台所と
文武に優れ清廉な名君である八代目将軍のお話です。

佐津間藩主と組む攻様の義兄の顛末と神との決戦直前までと
受様を慕う火消の矜持を描いた短編を収録。

受様は陽ノ本の八代目将軍です。
受様の父と異母兄達が凶悪な流行病で死去した事で
前将軍の7番目の男子ながら将軍の座に就きます。

そんな受様の正室は
公家出で男性ながらも美貌の麗人である攻様です。
秘かに受様を慕う攻様の画策による輿入れでしたが、
今や受様の最愛の人となります。

当初、
朝廷と幕府を取り次ぐ新たな武家伝奏の補佐役として
受様と攻様の前に現れた攻様の次兄は

人身売買や密輸にも手を染める西国大名と手を組み
武家伝奏一行の惨殺事件を起こします。

この事件は将軍付きの新番組の番士達によるものですが
武家伝奏の一行に藩佐津間主の妹姫を帯同することで
幕府にとって不利な事件を起こし

幕府に佐津間藩主の要求をのませようと企てた
攻様の次兄の計画なのです。

そして彼らの背後で次兄に力を貸していたのは
受様の祖父に執心していた神がである事は
現場に居合わせた受様と攻様しか知らず

そんな惨状に将軍と御台所がいるはずもなく
全ては次兄の計画通りに進んでしまいます。

佐津間が出した交渉条件は
どれをとっても幕府には看過できないばかりです。

事件の謝罪、新番頭の切腹、
旧饒肥藩の調査団の即時帰還と調査の黙秘、
佐津間藩主の妹姫の側室入り、
妹姫の子の時期将軍位の確約。

しかしながら表向きは幕府の不手際であり、
難しい交渉を強いられています。

受様に近い重臣たちは
佐津間藩主と攻様の兄の厚顔無恥さを罵りますが
攻様の次兄に潜む闇を垣間見た受様には
彼が立身出世のために佐津間と手を組んだようには
思えません。

受様は佐津間藩主の妹姫の側室とするしかないのか!?
攻様は次兄の暗躍を止めることができるのか!?

5巻よりディアプラス文庫にてリスタートした
痛快時代劇的シリーズ第7弾となります♪

なんと次巻で終幕との事で
受様と縁のある人物達が次々と助太刀に現れます。

攻様は独占欲を抑えて受様の提案を受け入れ
受様の異母弟は大奥入りした佐津間の姫の密偵となり
受様の祖父と懇意の老中は攻様の長兄に芝居を打ち

最高の盛り上がりを見せてくれました ヾ(≧▽≦)ノ

前巻でやっと登場した攻様の次兄ですが
西国の外様大名と受様の祖父に執着する神の力で
尊大ながらも暗愚な長兄を手の平で転がしていますが
何をしたいのかがなかなか掴ませません。

そんな次兄の背景が見えてきた時には
攻様の母の悲しい過去までが詳らかとなり
胸が詰まりました。

でもそこで終わりではなく
それが最終決戦の火蓋を切る展開となり
ワクワクMAX状態で終わられてしまい
次巻が楽しみでたまりません!!

今回も受様が男前過ぎて
無意識に受様をノックアウトしているシーンに
とても萌えさせて頂きました。

小山田先生のイラストも最高です♡

願うのは貴方の幸せな未来

今回は七侯の末席メルシア家の三男と
正妃を母に持ち薔薇の印をもつ王太子のお話です。 

我儘に育った受様が覗いた不幸な未来を変えるために、
生き方を変え、攻様とともに国を変える王となるまで。

受様はルスキニア国王の第三子にして
七侯家の筆頭ゴドウィン公爵家出の正妃が産んだ
唯一の子でもあります。

この国では政治の決議は国と七つの公爵家による
「円卓会議」で決しますが、七侯は王よりも力を持ち、
受様の父王は傀儡に等しく、会議も欠席しがちです。

受様は母方の後ろ盾に加えて
伝説の建国王と同じ薔薇の形の痣があり
祖父の強力な後押しで王太子となります。

建国王には彼を宰相として支えた側近がおり
国に災いが訪れるた時、2人は蘇り
再びこの地に降り立つと伝えられています。

薔薇の痣をもつ受様は
受様の祖父の代からの不作や失政で貧しさに喘ぐ
民にとって心のよりどころとなっていました。

そして現世には建国王の側近と同じ
刺草の痣を持つ青年も存在していました。
その青年こそ今回の攻様になります♪

攻様は七侯メルシア侯爵の三男です。
6年前まで受様の小姓を務め、成人して後は
王より爵位を賜り、国政に参加していますが

年々我儘で自堕落になる受様は
今の攻様には立身出世のための道具でしか
なくなっていました。

しかし、第二妃のみを愛す父王にも
王の愛を求める母にも愛されない受様は
攻様をいつでも死文と共にある運命の相手だと
信じていました。

ところがそんな受様を変える出来事が起こるのです。

受様は偶然から王家の霊廟で第二妃と七侯の1人が
密会している場に遭遇するという窮地に陥りますが、
謎の老人に助けられます。

彼は受様を霊廟の奥へと誘い、
「肝が小さい上に頭も固い哀れな王子」である受様に
1枚の銅鏡を指し示すのです。

これからこの鏡が、あなたに真実をお見せします。

そこで受様が知った真実とは驚くべきもので!?

建国の祖である王とその宰相の生まれ変わりとされる
受様と攻様を巡る王宮ファンタジーになります。

まず文庫にあるまじき厚さにびっくりでしたが
読み始めたら止まりませんでした。

受様が老人に見せれらた真実とは
受様が気づけなかった過去、意図的に巡らされた悪意、
攻様の野望と偽り、貧窮する民の姿、

愚鈍なままに王となった受様の最後、
最後の王として暴挙と化した民の犠牲となった義弟、
そんな王を見捨てられない攻様、
そして国そのものが亡くなってしまう未来でした。

受様は不幸でしかない未来を
大切な攻様達が幸せに生きる未来にすべく
たった1人で茨の道を開く覚悟をするのです。

誰一人味方のいない状況から
受様が奔走する姿に胸がつまりました。

そして変っていく受様を信じられず
我が道を生きながらも受様に離れられる事を
良しとしない攻様のジレンマがたまりません。

変っていこうとする受様を信じないくせに
受様を支えようとする人にイライラな攻様が
すごくMYツボで萌えさせて頂きました。

そして攻様を従えての円卓会議は
主要人物達の様々な想いと駆け引きが混ざり合い、
息つく暇のないほど怒涛の展開だったのに
最後の最後にまたもや爆弾が!!

圧巻の幕引きで最高に面白い1冊でした ヾ(≧▽≦)ノ

そして読み返してみると
さらっと読んだ台詞に伏線が隠れていたりと
さらに楽しませて頂きました。

愛し子に幸いがあるように

今回は前国王の息子で画家の黒狼と
界渡りした人間のパティシエのお話です。 

祖父も仕事も自信もなくした受様が
狼族の攻様の大切な家族になるまで。

受様は幼くして両親を亡くし
町の洋菓子店を営む祖父母に育てられます。

受様は祖父のようなパティシエを目指して
都心の人気店で修業に励みますが、
現実は受様の思う通りにはなりませんでした。

4年前に祖母を亡くしながらも
パティシエとしての成果をあげられない受様は
実家から足が遠のいたのですが

その間に生家近くは再開発計画がもちあがり
数年前から心臓を悪くしていた祖父は
店を閉める事を決意をしたものの心労が重なって
倒れてそのままなくなってしまうのです。

明日には実家兼店舗は引き渡すという夜、
受様は祖父の書きかけの手紙を何度も読み
祖父が受様に残した居間の「水槽」と「首飾り」を
見つめまていました。

そのままうたた寝した受様は
焦げた匂いと熱気で目を覚ます事になります。

受様は目のまえの水槽の水を被って逃げようとしますが
急激に息苦しさが増し、亡き両親の形見のお守りを掴んで
思わず「助けて」と呟くと

大きな水槽が突然ぐらりと揺れて
漆黒の美しい毛並みの狼が飛び出してきたのです!!

受様は「喰われる」と覚悟を決めますが
狼に「俺を喚んだのはお前か」と問いかけられ!?

果たして漆黒の狼は受様の救い手なのか!?

突然異世界に連れ出された受様と黒狼の攻様との
異世界トリップファンタジーになります。

受様が目覚めたのは狼族が暮らす世界で
火事の場から受様を連れてきたのが
巨大な黒狼の攻様だったのです。

人間と狼族の世界は何らかの条件下で次元が交錯し、
住人が引きずり込まれる現象が起こるそうで
攻様の祖父も狼族の世界に界渡りした人間だったのです。

祖父は保護して久たれ攻様の従兄弟と意気投合し
やがて祖父が受様に託した水槽と首飾りを利用して
2つの世界を行き来していたのだと言うのです。

ただ今や受様の祖父も攻様の従兄弟も亡くなり
受様が人間の世界へと確実に帰る術は
失われてしまいです。

しかも攻様は人間と狼族の間に生まれ禁忌とされる
白狼の子供達を秘かに育てていて
匿う事はしかたないとしても
子供達に危険が及ぶようなことは許さないと
受様を冷たく突き放すのです。

受様に冷たい攻様ですが
実はいろいろと複雑な事情を抱えていて

人間と好んで交流した攻様の従兄弟
攻様が匿いながら育てる白い毛の仔狼達
画家の攻様の元に出入りしている若い画商
攻様や仔狼達と親しい医師
攻様が大切にしている美貌の女性狼
現王の後見役で白狼を弾圧する叔父

受様は日本に帰るの? とドキドキし
攻様の大切な人とは誰なの? とワクワクし
王家簒奪騒動まで絡んできてハラハラMAX、
2人が家族になるまでとても楽しく読ませて頂きました。

三廼先生のイラストも物語世界にぴったりで
もふもふなチビッ子達はもちろんですが
皆のために頑張ると受様もとっても可愛い ヾ(≧▽≦)ノ

素敵な恋バナをありがとうございました♪

魔物達に何が起こったのか

今回は「迷宮都市の覇者」と呼ばれる探索者と
攻様のつがいで一児の母となった探索者のお話です。

受様の弟達の迷宮デビューから
大迷宮で起こった魔物達の暴走を終焉まで。

「始まりの街」という異名を持つアブーワは、
この世界に最初に生まれた迷宮を抱く迷宮都市です。

アブーワの大迷宮は
未だに成長し続けていて制覇した者はいませんが
大迷宮を制覇できるだろうと言われている探索者は
「迷宮都市の覇者」と呼ばれるトップランカーで
アルファの攻様しかいません。

攻様はアブーワを治めている公爵家の嫡男ですが
子供の頃から大迷宮の政略を夢見ており
父親である公爵に反対されながらも
迷宮に入り続けています。

受様はオメガながらも
亡き養父のような探索者を夢見て獣人の弟達と
アプーワにやってきます。

受様は迷宮探索中に発情期となり
攻様の子を孕んだことから紆余曲折を経て
攻様の大切なつがいとなります。

受様は男性オメガとして妊娠、出産を果したゆえか
産後の肥立ちが良くない上に
初めての子育てでいっぱいいっぱいです。

そんな中、攻様の父である公爵は
王都から主だった貴族を集めて
「攻様に公爵の座を譲る」と宣言するのです。

攻様の父は攻様が迷宮で命を落とす事を
何よりも危惧していて
伴侶と跡継ぎを得た攻様が落ち着くようにと
爵位の譲渡を思いつくのです。

しかし、攻様がそれくらいで
迷宮制覇の夢を諦めるはずはなく、

幼過ぎて迷宮の守護機関に門前祓いされていた
受様の弟達の迷宮デビューを計画し
迷宮に潜ってしまうのですよ♪

弟達はその外見を裏切る強者ぞろいで
共闘していたパーティメーンパー達にも
びっくりされてしまうほどでしたが

その時大迷宮の真相では魔物達の暴走が始まっていて!?

成瀬先生の既刊「獣人アルファと恋の迷宮」の続刊で
ダンジョン制覇に命を賭ける攻様と彼の番である受様の
獣人オメガバースになります♪

受様は攻様の運命のつがいですが
貴族社会では公爵家の嫡男である攻様の相手に
相応しくないと悪し様に言われています。

受様自身も出生と己の才覚から
最強のトップランカーである攻様の横に並ぶには
まだまだたと思っている事も有り
彼らの敵意に抗することができずにいたのです。

なので既刊よりもちょっと受様が弱々さんなのですが

弟達の迷宮入りを阻む守護機関の支部長の誤解
探索者デビューに張り切る受様の弟達の実力
受様に惚れ込む大国の第五公子の画策
受様に横恋慕された攻様の嫉妬

大迷宮の深層部から謎の暴走を始めた魔物達
とそれぞれの思惑や暴動が絡まり合う中で
次から次へと事件は続き、

攻様達が魔物を一掃してアブーワに平和をもたらすまで
ハラハラもドキドキもMAX状態で
最後までとっても楽しく読ませて頂きました♪

攻様と魔物達との戦いも良かったけど
攻様の施政者としての一面も存分に発揮されていて
公子との対決はかなり爽快でした。

そして受様は健気っぷりはもちろんだけど、
チビッ子たちが頑張りが微笑ましくて
端々でほっこりせて頂きました。

既刊の特典で成長した彼らがチラッと読めましたが
本編でももっと彼らの活躍が読みたいです (^O^)/

ただ生きていくのではなく

今回は領主の嫡男で跡取りと
山の本陣の元下働きのお話です。 

冷遇され続けた受様が攻様の大切な人になるまでと
攻様視点の回想を含む後日談を収録。

この世界のヒトにはアルファ、オメガ、ベータという
第二の分類が存在します。

アルファはベータやオメガよりも身体能力や才気に優れ
オメガは儚げで美しい容姿を持ち、
第一の分類が男性でも出産が可能という特性を持ちます。

そのため
アルファとオメガに限っては同性の婚姻が可能であり
オメガがアルファの子を孕みやすいとされる事から
同性婚を好む傾向すらありました。

受様は旅籠が立ち並ぶ山の宿場町で生まれたオメガです。

受様の両親は名主の友人で
両親の死後、受と弟は名主に引き取られ
受様は跡取り息子の婚約者として働いてきますが
跡取り息子が伴侶として選んだのは受様の弟でした。

彼は半年前に突然、
自分と受様の弟は運命の番だったと言い出して
受様との婚約を破棄したのです。

今日、腹に子を宿し
婚礼衣装に身を包んだ弟は綺麗に微笑んで受様に
「幸せになって」と花束を差し出しますが
花婿は弟を庇うように受様を睨みつけます。

婚約破棄され解雇された受様には幸せなど縁遠く、
今や明日の暮らしにも困っているのですが
そんな受様に救いの手を差し伸べてくれたのは
王都近くの大きな街の領主の嫡男である攻様でした。

攻様はかなり居丈高な人物でしたが
受様の町でのオメガの扱いと受様の事情を知ると
「仕事歩紹介してやろうか」と言うのです。

受様の知る一般的なオメガ事情は
どうやら攻様の住む土地では人権侵害にあたり
放っておけなくなったようです。

もちろん受様にとっては願ったり叶ったり
攻様の愛馬に乗せられて故郷を離れる事となります。

果たして受様を待ち受ける未来とは!?

弟と番った元婚約者に町を追い出された受様と
王都近くの大きな街の領主の嫡男である攻様の
オメガバースになります♪

受様は攻様の屋敷で雇われる事となりますが
屋敷にはオメガ専用の寮まであり
受様の知るオメガ事情とは何もかもが違いました。

受様が故郷にいた時同様の働きをすれば
同僚から"働き過ぎだ"と言われて心配されるほどで
受様は少しづつ認識を変えていくのです。

これは薄幸な受様が攻様に大事にされて
幸せになる流ね♡ と思ったらさにあらず!!

受様を変えていく筆頭が攻様なので
受様は攻様に惹かれていくのですが

攻様が受様との出会いとなった遠駆けしたのは
攻様の兄が幼馴染と婚約したからだったので
攻様にとって兄はとても特別な存在だったです。

しかも攻様兄は攻様が受様を連れ帰ったのは
受様を気に入ったからだと思っていたので
受様達は恋人を装う事にもなり
どうなっていくのかハラハラ&ワクワク、

微妙にすれ違う攻様と受様が想いを重ねるまで
とても楽しかったです。

読んでいる中でムムッ!? と思ったところが
実は・・・っていう伏線がとても巧みで
ハラハラ&ワクワクさせて頂きました (^-^)v

野木先生のイラストも物語の雰囲気にぴったりで
とても良かったです。

相手を正しく"知る"ために

今回はベルクトの騎士と新内務官のお話です。 

新たな内務官となった受様が
攻様の助力を得て騎士団を立て直すまで。

受様は伯爵家の第三子ですが、母親は高級娼婦です。
病に侵さた母の懇願で伯爵家に引き取られますが
使用人と同じ扱いしかされませんでした。

受様は母を疎んじた父と
母の死を笑った異母兄を見返すべく励み
父の領地の貧しい土地の収益を改善していきます。

受様の努力は実を結び、大公から
ベルクト騎士団の拠点・空の砦の内務官に抜擢されます。

有翼種のベルクトは1人で騎兵30人分の戦力とされ
騎士団をつくって各国と契約して駐留しています。
但、人の3、4倍以上の食糧や羽根の手入れの設備など
彼らには多額の費用がかかります。

それでも各国が騎士団を駐留させるのは
君主への彼らの信頼の証であり
彼らを養えるだけの国力の証明であり
他国への牽制でもあるのです。

しかしながらこの国の騎士団は
長く務めた司教が6年前に高齢で辞職してからは
着任する内務官は悉く短期で離職していたのです。

受様は風紀の乱れた騎士団を管理して維持費を減らし、
1年後の大公の即位5周年の式典で公開演技をさせる事を
使命として空の砦にやってきたのですが
麓での迎えすらないのです。

しかも受様がやっとの思いで空の砦に辿り着くと
真昼間から広間では騎士達が飲み食いしたり、
ゲームに興じていたのです。

受様は怒りで彼らを叱責しますが
母親似の女顔を馬鹿にされて耳さえ貸されず
悔しさと恥ずかしさで黒髪の騎士を睨みつけるのみ。

その上、両脇をベルクト2人に脇をとられて
空の砦を上空から旋回させられた挙句、
空中で腕を放されたのです!!

凄まじい風圧の中、落下する受様の運命とは!?

公国と契約した騎士団に所属する攻様と
騎士団の内務官として着任した受様の
人外ファンタジーになります♪

本作は佐竹先生の4作目となりますが前作同様、
今回もあらすじからは想像できないような展開で
たいへん楽しく読ませて頂きました ヾ(≧▽≦)ノ

高空から落とされた受様は一際背の高いベルクトに
空中で抱き留められて事なきを得ます。
このベルクトが今回の攻様になります♪

攻様は気の強い受様を大いに気に入り
受様の仕事がうまくいくように
他のベルクト達との仲介を買って出てくれますが
彼もまた一筋縄でいく人物ではないのです。

それでも少しづつベルクト達や騎士団の事を知る中で
麓の村人たちとの関係性から過去の内務官の言動等
騎士団の過去と実情が見えてくると

今まで見えてきた"実態"が正しくない事がわかってきて
受様は不正を糺すために奔走することになり
期待通りにハラハラ&ワクワク満載でした。

今回何より絶品だったのは受様の性格です♡

受様は初日にベルクトによって空中ダイブさせられ
失禁しちゃうのですが、それを揶揄ったベルクトに
汚れたズボンと下着を脱ぎ捨いで叩きつけるのですよ!!

下半身丸出しでも堂々とした態度だった事が
攻様のツボを突きまくるのですが
MYツボも押されまくりでした (^○^)/

そして空の砦で不正を働いた黒幕の動向が
受様達を追い詰めていく様が巧妙であるが故に
受様達が勝利した時の爽快さは格別でした。

悪は滅し、受様の父へのリベンジも叶う幕引きは
実に見事で今回も「神」とさせて頂きます。

大切な貴方の幸せのために

今回は狼獣人の第二王子と異世界トリップした青年のお話です。 

受視点で召喚された受様が攻様の傍で幸せ見つけるまでと
攻視点で過去回想を含む続編後日談を収録。

受様は母子家庭で苦労して高校へ進学しますが
母が重病が侵されている事がわかり、
退学して必死に治療費を稼ぎます。

しかしながら3年の闘病生活を経て母は亡くなり、
受様には1冊の絵本が残されますが
その絵本は幼い受様が母の懇願によって捨てた
イマジナリーフレンドとの物語でした。

彼を否定し続けた母の思いが分からず混乱した受様が
壁に投げつけた絵本のページが開かれた瞬間、
雷のよう閃光が走り・・・

次に受様が目を開くと
豪華絢爛な大広間で狼の顔面をもち
西洋甲冑を身にまとう男達に囲まれていたのです!!

受様は幼い頃のように現実逃避して
絵本の世界に逃げ込んでしまったのかと
パニック状態になりますが

実は受様は獣人世界のメルキア王国の第一王子に
幸せをもたらす力を持った英傑として召喚され
異世界トリップしていたのです。

なのに第一王子は
前回の王国に不幸をもたらした魔導士と
受様が同じヒトだという事で
彼の仲間だから罪人と決めつけようとします。

そんな第一王子の暴挙を止めたのが
弟である第二王子で、今回の攻様その人です♪

攻様は受様と魔導士の容姿や服装、言葉や違いを指摘し
受様を攫って大広間からの逃亡するのです。

果たして攻様は受様の味方なの!?

受様を召喚した第一王子の弟の攻様と
獣人達の王国に召喚されてしまった受様の
異世界トリップファンタジーです♪

雨月先生のお話は最初に読み始めた印象と
読み終えた時の印象が全く一致しない事が多くて
いつもワクワク読み始める作家さんです。

今回もロマンテックなタイトルなので
強引な召喚で獣人世界に呼ばれたた受様が
受様を守り通してくれる攻様と結ばれるまで
ほのぼの甘系な展開なのかな!?と思って読み始めたら

受様事情がかなり辛いのは定番としても
攻様事情もかなり込み入っている時点で
ほのぼのだけではないぞ!?と気持ちを改めました。

受様と攻様の過去の交錯、
不仲だという攻様と兄との確執と真意、
攻様の右手を奪った魔導士の死の真相とその狙い、
受様が召還された理由、
そして受様を帰そうする攻様の想い。

受様の過去や攻様の現状が巧みな伏線になっていて
予想外の展開が待っていてハラハラ&ワクワク、
たいへん楽しく読めました (^-^)v

人を疑う事は信じることを揺るがします。
人は今の自分に都合の良い言葉、
都合の良い言葉に耳を傾けがちです。

本作はそんな心理を巧みに利用される展開ですが
信頼という強固な絆が明るい未来を引き寄せていて
とても素敵な物語でした。

珠玉♡

本作は「美しい彼」シリーズの短編集になります。

本シリーズは将来を有望視されるカメラマンと
本格的な俳優業を目指す若手俳優お話です。

本作は既刊の特典類やCDブックレット収録作を再録、
書き下ろし新作が2本収録されています。

私は初期からの読者なので
電子特典と書店限定特典以外は既読でしたが
既出短編に続く者として書かれた特典もあり
一気に読むとまた格別でした ヾ(≧▽≦)ノ

本シリーズは
言動がきつく鬼メンタルと呼ばれる受様が
才能に奢らず努力を怠らずに上を目指す様子と
吃音持ちで引きこもりな攻様が
受様という神の近くでその才能を開花される様子が
イイ感じに絡み合って展開していますが

本作はそんな2人の私生活を中心とした小話的な短編で
受様を神と奉る攻様を彼氏として持った受様と
受様の恋人となってもファンを辞められない攻様の
微妙にすれ違う言動と思い込みによる惚気などが
ふんだんに散りばめられていて実に楽しいです♡

今回は私の一押し短編で
「悩ましい彼」の幕間となる「エターナル」を
ちょっとご紹介しますね♪

受様の舞台の為にと別居し
入れ替わりにスタートした師匠との生活は
攻様がコツがわかり始めると
スムーズに進んでいくようになります。

飲みに出かけた師匠が午前となる事にも慣れ
べろんべろんな師匠を担いで寝室かみそ汁かコースを訊ね
みそ汁を所望されれば作って飲ませ、
満足した師匠を再び担ぎ上げて寝室に放り込めば
ミッションコンプリートです。

しかし攻様は師匠宅では受様トーク禁止、
受様本人から受様に関する検索を禁止されていて
受様に飢えていました。

そこで攻様は師匠に無理難題を吹っ掛けられて
それをクリアしたら受様検索をしてもいいという
ルールを作ります。

受様検索のためには
師匠に許しを請うほどの難題をもらうことが必要で
もっと傍若無人に振舞って欲しいと懇願します。

攻様のマイルールを知った師匠は
「既に受様の言いつけを破っている」と反論しますが
攻様には馬耳東風、暖簾に腕押しでしかありません♪

師匠にしてみれば今の攻様の状況は
既に攻様にかなりの苦労していると思えてしまい
自分のスマートフォンを操作して
最新の受様の画像を見せてくれ

これが攻様によって
受様の出演するチャリティイベントに
こっそりと顔を出す事になり・・・と続きます。

こちらの顛末は本編でもしっかり読めますが
裏事情を描いた本作でも素敵な邂逅へと繋がっていて
もう絶品としか言いようのない短編です。

攻様と受様の会話もズレズレで楽しいのですが
攻様と師匠の会話も噛み合っていないのに
ショートカットがうまく聞いていて
とっても楽しいです (^O^)/

他の収録作の初出は下記の通りとなります。
どのお話も美味しい最高の1冊でした。

<ドラマCD関連>
「素晴らしき世界」攻視点(高校時代)
 「美しい彼」ブックレット収録作
「キングのお料理」受視点
 「美しい彼」店舗特典ペーパー

<文庫、アンソロジー>
「CRAZY FOR YOU」攻視点
 「美しい彼」店舗限定ペーパー
「熱烈な告白のようなもの」受視点
 「憎らしい彼」店舗限定ペーパー
「安息はどこにある」受視点
 「憎らしい彼」電子特典
「KISS ME」受視点
 「キャラ文庫アンソロジーⅡ翡翠」収録

<フェア関連>
「裏・月齢14」受視点
  キャラバースデイフェア小冊子
「Cacao 99.9」受視点
  キャラバースデイフェア小冊子
「50/50」攻視点
   キャラバースデイフェア小冊子
「彼と彼の良くある出来事」攻視点
  キャラバースデイフェア小冊子
「エターナル 」攻視点
      キャラフェア全員サービス小冊子
「日々是災難」両視点
  作家生活10周年記念全員サービス小冊子

<ちるちるBLアワード関連>
「幻想の彼」受視点
  BLアワード限定小冊子

<描き下ろし>
「あるふたつの視点から探る、愛と青春の逆走について」
「社長日記」