あくまで個人的感想として、はっきり言います。
これは号泣する話でもないし、ミステリーでもない。
1人の自死に直面した人達の話です。
残念ながら私には、萌も全く感じませんでした。
なので、初めて中立にしました。
まりぱか先生が初読みだったので、こういう感想になったのかもしれません。他の作品を知っていたら、もっと先生の意図が汲み取れたのかもしれませんが…、ただただこの2人が、今後も一緒にいる事が、幸せでも良いことだとも思えませんでした。
ストーリー的には、2人が一緒にいることを、亡くなった友人が望んでるように描かれていますが、果たしてそれは2人の為になるのでしょうか。疑問が残りました。
友人が亡くなった直後はお互い支えになったと思います。実は特に、昌典の存在を知って「会ってみたい」と思い、自殺する気がない事に気がついた。それはとても大きい。でもこの先も、もしかしたら昌典があの時電話に出ていたら、友人の自殺を止められたかもしれないと言う事を、一生隠して生きていかなければいけない。友人の母に言われたように背負わなくてもいいかもしれない、その事実を、昌典と一緒にいれば忘れられないかもしれない。
ただただ辛い関係だと思いました。
そんな事実をつゆ知らず、昌典は実と前に進もうとする。地獄だな、って思ってしまいました。
たらればの話で、もちろん誰も悪くない。実の話に「誰も悪者は出てこない」と昌典が言ったように、誰も悪くないから、余計に辛くて苦しくなりました。
もちろん、それでも2人が幸せになろうとするなら応援するしかありませんが、それが救いには思えなかったのが、残念でした。