人気シリーズということでとりあえず1作目から読んでみました。結論からいうと残念ながら合わず。評価を下げて申し訳ないです。
だいぶ辛口なので、作品ファンの方は注意して下さいね。
いきなりですが、烏丸の魅力が最後まで分からず。
まず、高羽との初対面でいきなり高圧的な発言で煙草の煙を相手に吹きかける序盤から「んん?」でした。
あそこまで枕営業しまくりでしかも社内でも公言してそれが許容されてるってどんな会社なんだ。ギョーカイ界隈の広告代理店だからOKなの?
しかも普通に考えてセクハラパワハラしまくってるし、Ωとかどうとか以前に常識的に考えて社会人として軽蔑されて当たり前の言動だと思うんだが…。
本来なら違和感覚えるべきそうした所にトラウマをぶっこんでΩというフィルターで相殺させて、強引に切ない方向へ舵取りしてるように見えました。
そのトラウマに関して。
二人ともバース性によるトラウマを抱えてるんだけど、分かりやすく台詞で教えてくれるんですよね。打ち明け合って理解し合っちゃう。そこはエピソードで昇華させてくれよ~と。その安易な回収の仕方も萌えない要因でした。
恋愛面でも、トラウマが共鳴し合った以外に、高羽はいったい烏丸のどこに惹かれたんだろう。毛嫌いしていた上司に恋愛感情を寄せるまでの高羽の心理の変化についていけるだけの説得力が足りないように思いました。
全体的に感じたのが、主役二人を始め登場人物皆があまりにもバース性に促われすぎてないかい?と。そりゃあオメガバースが題材なんだからある程度は理解できるし、実社会に潜む偏見や障害とかなら共感できる。でもここまでくると、人権とか社会問題のレベルなんじゃないの?と野暮な突っ込みをしたくなってしまった。
作品の根底に流れる価値観として、バース性への差別や偏見を描いているのか、バース性による明確な能力差による不均等で歪な社会構造への鬱屈を描いてるのかがちょっと分からなかったです。
個人的にビッチ受けは嫌いじゃないので、ここまで仕事を絡めてなかったら、あるいは体使う以外のお仕事描写や烏丸の魅力を伝えてくれるエピソードがもう少しあればなぁと。
描きたい切ない雰囲気は十分伝わってくるんだけど、全体的に掘り下げ不足な印象でした。