甘食さんのマイページ

萌作品

エキスパートレビューアー2022

女性甘食さん

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まどろっこしい

前回から間があいたので話を忘れかけていた上に、ファンタジーの色々な難解設定のため中々このボリュームを読み進められずちょっとストレスでした。

リオ、ユリヤ、ルスト、フェルナン、アランが最初とてもチームワークが悪く、皆意見がバラバラで仲の悪いパーティーで旅をするRPGみたいな感じは面白かったです。魔法の力で過去に当事者が訪れた場所で気配から映像再生して皆で見られる、みたいなのも楽しかった。

今回、主役で受けのリオのしつこいくらいの自己犠牲精神も読んでいて疲れました。ルストと愛し合ってるのは間違いないのに「自分は死んだ方がいいから心臓をユリヤにあげる」みたいなことをずっと言ってて攻めのルストが気の毒でした。周りを敵に回しても2人で生き抜く方法を探せばいいのに。樋口先生はこういう卑屈なくらい健気というキャラが多いのはわかってるんですが。

次回は皆がスッキリするような素敵なクライマックスを読ませてもらいたいです。あまり間が開かないといいな。

ノワール小説

まさに闇。まさに暗黒。スリリングなBL小説が好きなので最初はワクワクしてたんですが、登場人物がワルすぎてさすがに萌えられなかった。

終盤では確かに切ないBL展開っぽくはなってきます。美貌の殺し屋に惚れる元悪徳警官・滝沢。その殺し屋・秋生は中華ヤクザの情婦に夢中。しかしその女はとんでもない悪女で秋生のことを全く愛していなくてただ都合よく利用しているだけ。それを知った滝沢は何ともやりきれない思いでいる…といった感じです。

しかし滝沢と秋生にしても、前作の主役で今作ではとんでもないワルに育って2人の事をかき回す健一にしても、主要人物全員に殺人・強姦経験があり、全く恋を応援したいと思えるようなキャラじゃないんです。フィクションだし殺さなければ殺されるという状況だったとはいえやり過ぎ感がすごい。まあそういうジャンルの話なんだろうけどBL面を楽しむにはキャラ達が性悪過ぎて私は乗りきれませんでした。小説としては裏切り、どんでん返しの連続で面白いですが。

警察学校のお話!

BLとしては珍しい題材でとても興味深く読ませて頂きました。「警察学校24時」どこかで聞いたような(笑)警察BL大好きな私としてはワクワク感しかありません。麻々原さんの描くカッコいい制服姿の2人の表紙も眼福でした。

警察学校では教室の事を教場というとか学生ではなくてもう巡査という階級であり警察手帳も持っていて学校というより訓練所的な場所だそうです。勉強になりました。少し前にTVドラマでもありましたが、なかなか厳しい世界で適性がない者をふるい落とす、という面もあります。

とはいえ学校ものは色んなキャラがいて面白い。私のイチオシは花岡君。優秀だけど万年2位でプライドが高い。かませ犬感もありますが好きなタイプです。良い受けの素質があると思う。脇役だけど。いつも成績1位の攻め、天羽君も優秀でストイックでイケメンの堅物で将来素敵な刑事になる素質充分の人です。しかし過去の同級生の行方不明事件で重いものを背負ってしまいある種のトラウマになっています。

過去の事件のミステリー部分とか警察学校の訓練の日々の様子は面白かったのですが、残念なことに受けの朝陽にあまり魅力を感じませんでした。警察官志望のわりに考えが甘いし勘も鈍いし魅力的な攻めの相手役としては物足りない。警察なのに「人を疑うのが苦手」とかぬるい事言ってんなあ!と感じます。警察に入ったら階級社会なので犯人どころか同僚同士でも手柄を奪いあったりしそうなのに大丈夫か?と思います。

ともあれこういうBLジャンルは大好きなので、警察BLがこれからバンバン増えるといいなあと思いました。

わりとあっさりめ

最近英田サキ先生の作品に再ハマりして創作の原点みたいなの知りたいな、と思って購入。前半がエッセイで後半が中編小説という構成で高階佑先生のイラストも多々あります。

特筆すべきは英田先生のお姉様。先生が中1の時にJUNEを与えたそうで、それがなければあのDEADLOCKもダブル・バインドも生まれなかったのかと思うとお姉様に感謝です。あとリボンの騎士のサファイアの女装は笑いました。元々女の子なのになんかわかる。オスカル様とかも女性だけど普段男性なので女装って言っちゃう。あとLaLaと花ゆめの漫画は全部わかりました。あの頃の白泉社は未来の腐女子を育てる漫画がたくさんあった。少女漫画なのに少女が出てこないのばっかりだったから(笑)

他のレビュアー様もおっしゃる通りエッセイ部分はわりとあっさりな感じだったけど後半の小説になったとたん、たちまち面白くなったので英田先生はやっぱり物語を作る方がお得意なんだと思いました。

高階先生の描く正統派美青年の数々も素敵でした。

今までの謎の解決編

最終巻は事の発端となる旭の母親の殺人事件の解決編。謎は解けてスッキリするのですが、痛い展開だなあと思いました。特にミツルにとっては数年後にすごく尾を引く、いや一生尾を引く展開だなあと。まあフィクションなので別に心配することはないんですが。

旭の愚かさに結構イライラさせられました。たとえまだ21歳で可哀想な目に合った未熟な子だとしても、もう少し早めに渋澤先生や編集の荻野さんに相談すべき事は相談しようよ、と思いました。結局自分で解決できないんだからさあ。

誰もあくせくしていないのにたくさんの住人が贅沢に暮らしているお伽話みたいなシリーズでした。旭は完全に庶民の家から高貴なお屋敷に入ったシンデレラ。自分で飲み物も入れないような生活によくすんなり馴染めたもんだなと思いました。あまり魅力がないのに薫みたいないい男にも依然としてモテ続けてるのも少女漫画のヒロイン風で、英田作品の受けにしては珍しく好感が持てない受けでした。

ネタバレになるので深くは触れませんが事の発端の発端になった出来事。関係者3人とも私には理解し難い人達です。浮気のお膳立てをしてやる方もちゃっかりそれに乗る人達の方も。周りの迷惑を考えろ!つくづくミツルが可哀想でなりません。人の人生何だと思ってんだ。

まあフィクションなので気にする事もないんですがね(2回目)。なんかやりきれないラストだなあと。最終巻は今までのホラー成分もちょっと少なめでした。

ニューヨーク探偵物語

大好きなニューヨークが舞台のBL。時は90年代。ニューヨークやその近郊都市の描写は雰囲気が出てて良かったです。

しかし冒頭部分で大手興信所から独立したての探偵事務所で初めてのお客さんの前でカップル経営者らしき2人が痴話喧嘩して客が逃げ出すって所で独立初日でこんなプロ意識に欠けてて大丈夫?とドン引きしました。

ストーリー運びもわざともったいぶった遠回りで核心に触れないような書き方で進み、最後の方でやっと受けの生い立ちとか色々わかるのですが、そこに行き着くまでがわかりにくくて疲れてしまいました。受けが日系人だけど金髪で欧米人っぽい容姿というのはもっと最初の方に書いててくれた方が絶対良かったと思います。

同じニューヨークの探偵が攻めで、助手の受けの方がトラウマ持ちでかなり年下というのが柏枝真郷さんのデスペラードシリーズにとても似ている設定ですが、あちらの方がストーリーもBL部分も正直だいぶ面白かったです。ずいぶん前に書かれた作品の新装版という事なので菅野先生もだいぶお若かったのだと思いますが。
 
とにかく受けのユキが最後まで不機嫌でアンニュイすぎる奴であまり好きになれなかったので乗り切れなくて残念です。彼視点の部分がなかったので余計に。海外が舞台のBLのお話の雰囲気はとても素敵だったのですが。

表紙の雰囲気が素敵

あらすじから高校の時の友人と大人になって恋人になる、という好きなパターンっぽくて表紙や絵も綺麗だったので購入。

最後のえっちもがっつり最後まで行ってたし、全体的に良かったんですが、ちょっと説明が足りない所がちらほらあったのが気になってしまいました。受けの境遇は恵まれてたみたいなのになぜ両親と不和で姉とだけ仲が良かったのか、受けの弟分の人が急に登場したけどどういう出会いだったのか、そもそも攻め受け2人ともノンケだったのかバイだったのか、など。何かのスピンオフで他の作品を読めばわかるのかな?とも思いましたが。

攻めがコミュ力高くて受けがツンデレ美人な所や受けの方がモデル体型で背が少し高い所はすごく良かったと思います。

個性的な2人

麻々原さんのイラストも素敵な小説家×校正者カップルのシリーズです。不器用で頑なでわりと面倒くさい性格の受けの正祐とそんな彼を愛する尊大な性格の小説家の攻め、大吾。2人の小難しい文学談議を絡めながらの痴話喧嘩とそれをいつも側で見ている百田さんといつも巻き込まれる篠田さん。テンポ良くクスッと笑える箇所のある文章です。あまりBLっぽさはないけど。

作家としての大吾を尊敬する正祐と校正者の仕事をしている正祐を尊重している大吾。お互いをリスペクトしているからこそ同居が難しい、というお話でした。図書館みたいな書庫のあるお家、素敵ですけどそれを管理するのは大変ですからね。

色っぽいシーンは少なめでした。そういう雰囲気になったと思ったらいつのまにか朝になっているという朝チュンの術を多用されてました。BLとしてはかなり個性的な作風だけど、流行りに迎合せず好きな物を書き続けるというスタンスは素敵だと思います。

ライトな読み心地

ミステリー・コメディーっぽいみずかねさんの素敵な表紙につられて購入。確かに内容は軽ーく楽しめる夏のミステリーって感じでした。

途中で話が思ってもみなかった方向へ進み、オカルトファンタジー&ミステリーという感じになりました。ある意味これも夏っぽい。全然怖くはなかったけど。

受けは結構苦労人だけどいつも健気で明るい性格。攻めは仕事もできるが情も厚いタイプで好感が持てました。ラブの部分よりタイトルの通り謎解きがメインのストーリーなのでそんなにキュンキュンはしませんでした。

しかし攻めの父親は少ししか出てこなかったけどあまりの身勝手さとストーカーっぷりにドン引きでした。

設定はとても魅力的

高校生の主人公・桜蔵は男同士の逢瀬に使われる宿を営んでいる家の息子で、自身も死者や妖の雄を呼び寄せ毎度体を奪われてしまうという体質。

純日本風の旅館の淫靡な雰囲気や、大好きなホラー要素も満載だったけどいまいち乗りきれなかったのは、ちょくちょく出てくる桜蔵の彼女の存在。ノンケなのに父やその友人から「お前の本質は女だ」と事あるごとに言われて可哀想でした。あと妖に犯されても記憶も感触も残っておらず…というのはBLファンからしたら物足りない。一般作とはいえいかにもホラーBLという設定は揃っているだけに不完全燃焼です。

本人は無防備というか学習能力がないというか、何度も妖の男を拾ってきては騙され、唇を奪われ裸に剥かれて記憶を失い、目覚めると何事もなかったように元通りというのを何度も繰り返します。本人も全く快感が無いわけでもないようでしたが。やはり受けは最初はその気じゃなくとも体は快感に身を任せ最後はノリノリな感じじゃないと性的虐待なだけになってしまうので。

この子も将来的には父と同じく女性を妻にしつつ男遊びは続けていく、という未来もなんとなく見えてしまうのでそれもなんだかなーと思う所がありました。設定や雰囲気はかなり素敵でしたけども。