甘食さんのマイページ

萌×2作品

エキスパートレビューアー2022

女性甘食さん

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メス花シリーズの短編集

長ーく続いている同棲バカップルのお話。医者(消化器科外科)×医者(法医学室)なのでめちゃくちゃ頭良いですけど。2人でお弁当持ってお花見に行ったり、冬至のご馳走は何にしよう、とか昔ケンカした場所に出かけてリベンジしよう、とか平和な日常のお話ばかりで、漫画の「きのう何食べた?」みたいな雰囲気です。

2人の上司や担当部署の教授は部下の惚気を延々と聴いてあげる優しい人達です。もちろん休憩時間にだけど。篤臣は相変わらず自覚無しで周りに惚気まくってます。べらんめえ口調でクールに見えて情は厚い。言葉がキツくても行動が甘い。人はそれをツンデレと言う。「宇宙一愛してる」とかぬかす攻めの江南といつまでもラブラブバカップルでいてほしい。

楢崎先生の登場回数が多いです。知的なクールビューティーですが、篤臣にとってロクなことを言わない悪友というポジション。命の恩人だから逆らえない所もある。リンク作で天然年下ワンコ攻めのまんじ君にトロトロな感じにされてる楢崎先生も再読したいと思いました。家のどこかをひっくり返せば出てくるはず。

しかし時系列順がよくわからない。とてもスカした感じの楢崎先生、まだまんじ君には出会っていないように見えます。篤臣達カップルもまだ二十代のようなので同期の楢崎先生も運命の出会いの数年前と思われます。

Grab a Bite 小説

Sammon 

盛りだくさんで楽しい

「BITE ME」というタイBLドラマの原作らしいです。和訳された前作の医療ミステリー系BLとはガラッと変わって、料理系ロマンチック・ラブコメディーといった内容です。作者は現役医師の副業として作家をしているそうです。すごいなー。行為の時は必ずコンドーム使え!みたいな作中の会話は医師としては譲れない部分なんだろうな。フィクションとはいえ。

BLコーナーではなく一般書籍のコーナーにあり、中の挿し絵もないですが、表紙と帯の可愛らしいイラストがBL界でもお馴染みの鈴倉温先生なので、とてもBL感あります。生々しい行為の描写はないですが、前作よりはかなりイチャイチャしてるし萌えるシーンも多いです。別カプも出てくるしそっちが先にエッチしちゃうというちぇりまほ(ドラマしか見てないけど)パターンです。

料理対決番組がテーマで、有名店シェフにフードデリバリーバイト君が見そめられるシンデレラストーリーです。タイ料理の描写がたくさん出てくるし、タイの大学には制服があるとかその国の風習もわかって面白いです。料理対決は昔の「料理の鉄人」みたいな感じでライバルとか悪役キャラも出てきて陥れられそうになったりしてハラハラドキドキもあります。

少年・青年漫画のバトル料理ジャンルものみたいで、勝利も恋も手に入れてやる!みたいな感じがワクワクしました。手に取りやすい文庫サイズにも関わらず内容はギッチリ詰め込まれていて良かったです。

複雑にこじれた関係

菅野先生の小説を読んでいつも思う感想。話が面白くて小説のクオリティが高い。でもBLじゃなくて文学作品みたい。面白いけどBLとしてはいつもものすごく変化球だと思う。BLレーベル以外でも書かれてるようなのでいわゆるBL様式美とか萌えにこだわらないのかも。

今作の舞台は60年代のアメリカLA近くのチャイナタウン。日系人×中国系のカップルです。2人の出会いは幼少時に遡り、変態華僑の有力者に囲われていたシンをストリートチルドレンだったハルカが救い出すのですが、愛し合っているはずなのに2人の関係は近くにいても何年経ってもなかなか縮まらないというこじれまくったお話です。

シンを囲っていた男はその前に囲った少年も何人も殺していて間違いなく悪人なのに吊り橋効果なのか元々不幸な境遇だった事が後で明かされるシンが同情のような愛情をその男に持ってしまったのが厄介でした。自身も少年だったハルカも変態の所業を目の当たりにしてしまった事がトラウマになり大人になってもシンを抱く事ができなかったのだと思います。大切すぎて。

しかしハルカはシンに触れられない代わりに街の男娼のセツを抱き続けハルカを愛してしまったセツはおかしくなってその後失踪してしまい、ますます本命カップルの関係はこじれていきます。というか攻めはこの男娼とのセックスシーンだけで本命の受けとは最後まで致してるシーンないから!そんなんありか。BLなのに。元々昔の作品なので昔は話が良ければそういうのも許されたんでしょうね。

最後の番外編の様子を読むとほのぼのとしてて2人は真の恋人同士にちゃんとなれたんだろうね、多分。と言った感じです。BLなのに匂わせ?!でも複雑極まりない愛の戯曲のようで面白かったです。「レベッカ・ストリート」という作品のリンク作でそういえばシンとハルカ出ていました。こんな重い過去を持った2人だとは思わなかった。

追記…あとがきによるとイラストレーターが同じの「レベッカ・ストリート」のシンとハルカは名前が同じだけど別次元の2人のようでした。時代と場所が違うので。

英田先生のスリリングもの

SHYノベルスの英田先生のスリリングものはエスとかデコイシリーズとか数々の名作があります。これもそんな雰囲気で32歳元刑事×ヤクザの企業舎弟の42歳という組み合わせ。年下ワンコ×他の男とも平気で寝るちょっと淫乱男でもあります。しかも受けには過去に攻めをレイプした経験ありというトンデモ設定。ちゃんと理由があったんですけどね。リバ要素ありになるのかな?
 
受けの日夏は美貌の40代って感じで金儲けの天才の所とか柴田よしきさんの「聖なる黒夜」の練ちゃんにちょっと似たキャラだと思いました。しかしBLなだけにビッチな日夏は口の中の性感帯に弱いという理由でキスをさせてくれないという甘エロな設定のある所が良かったと思います。

スリリングBLの時に私がよくやる癖ですが「これ最後まで死なないよね?大丈夫だよね?」と挿し絵だけを最後までチラ見して生存を確認します。

攻め受け共にトラウマ持ちの過去があり、苦しみもがいてたどり着いてお互いがお互いの岸辺のような存在になったといういい話だなあと思います。

人はなぜ探偵ものに惹かれるのか

昔「探偵物語」というカッコいいテレビドラマがあったからだ!と私は思います。刑事ものブーム、オカルトブームというのもあった。その流れを受け継ぐ雰囲気の名作BLがたくさんあるのは作者様がそれらの影響を受けている気がする。つい最近も草間さかえさんの素敵な探偵話を読んだけど窓の「〇〇探偵事務所」という大きな字が部屋から裏返しに見えるあの感じ、なんかいいよねー。

今作は2019年作なので作者はもっとお若い方だと思いますが、裏寂しい場末の探偵という雰囲気。人も街も素敵に描かれています。主役の渋い探偵和貴さんは悲しい過去を持ち、見た目に似合わず純粋な子供のままの所がある人。真っ直ぐに猛進する若者・理科に愛されて幸せになってほしい。

死者がたくさん登場するシックスセンス的な不気味さも大好物なのでアンニュイで素敵な雰囲気を楽しめる一冊でした。暗いお話ですが、思いのほかハッピーエンドです。

子育てBL

akabekoさんの子育てBL。シングルファザーが奮闘するストーリー自体は似たような設定の話が他にもありますが、他のと何が違うかというと受けがエロい。元ヤンパパが子供に乳首を吸われて開発済みというのが面白かった。

高校の元同級生同士が保育士と園児の保護者という立場で再会するけど体の関係を結ぶまでの展開が早い。本人達にも受けの母親にも男同士という葛藤が全くないのでこういうジャンルにしてはエロエロの方だと思います。

かと言ってエロだけじゃなく子供の心の成長話でも泣かせてくれます。コタの2歳から小学生までなので物語の中で5年以上は月日が経っています。小学校の友達にパパが2人なんておかしい!と言われ初めて男同士の壁にぶつかるのですが、その元凶となった男の子とコタの将来もフラグが立った感じでBLは続くよどこまでも、となる可能性ありです。

笑いあり涙ありエッチありで楽しく読める一冊でした。

日本の古典怪談BL

純和風ホラーにBLはよく似合う。オカルト好き且つBL好きの私みたいな人間にはぴったりの企画。ついでに江戸時代BLもロマンがあって大好き。しかし男色大鑑漫画版もそうだったけど悲恋が多い。花の命の若衆は使い捨てられる感じで可哀想。

しかし今作はホラーなのでやられっぱなしではない。霊となって恐ろしい復讐を遂げる話もある。亡くなってからも愛し続ける話もある。中村明日美子さんの表紙絵の雪女ならぬ雪男(美青年)とか耳なし芳一のほんのりBL版とかもっとドロドロした男同士の恋愛話が全部で9編。

有名な古典をBL風に書き直したといった感じの作品。文章も読みやすくスラスラ読めます。雨月物語のBL臭を濃くした小説も読んだ事があるけどあの時代はしっとりと「まぐわう」とか「睦みあう」とかの表現がしっくりくるなあと思います。日本人がまだまだ奥ゆかしいイメージだった時代のお話です。

主従もの

戸田さんはブラジル在住のBL小説家です。前回のアーティスト×ディーラー(車の)のお話がとても良かったので、いつか南米の異国情緒あふれるリアルな作品を書いて頂きたいなと勝手に思ってます。

今回はガラリと変わって、獣人の王族×近衛騎士の話。ファンタジーで主従関係+幼馴染みでもあったということで様々な萌えが詰まってます。現王の第二位継承者の攻めが性悪な第一位継承者の兄サイドからたびたび命を狙われる設定で兄の回し者の裏切り者は誰か?というのがファンタジーだけど途中からのサスペンス要素になります。

人狼ものは妊娠設定がなければ嫌いではないですが、今回はラスト以外ではあまり設定が生かされてないというか人狼である必要性をあまり感じなかったので、もう少しシンプルに受けの切ない片想い+中世欧風ファンタジー&ミステリーでもよかったかな?と思います。

受けは挿絵も美しくエロく、攻めに守られるより攻めを守りたいという強い美形タイプなのが良かったです。攻めはカッコいいですが、最初は予言?に従って女性の番と生活を共にして(体の関係はない)受けを傷つけていたのが罪だなあと思いました。

まだ作品数は少ないのでこれからが楽しみな作家様です。

えろい!楽しい!

転生ものでなんとヤクザが森蘭丸に転生してしまったお話。タイトルのまんまでわかりやすいです。本物の歴女には許せん設定かもしれないけど、誰もが知ってる有名人物がたくさん出てきて楽しいです。光秀だって利家だって皆イケメン仕様です。

信長様はさすが手が早くてのっけからエロいです。快感に弱い蘭丸(元ヤクザ)可愛いです。このレーベルは江戸川乱歩先生の作品のキャラが出てくる漫画も出版されてて自由度が高いなと思いました。

本能寺の変までやるのか?漫画のラストはどうなるのか?本作では未完なので気になるところです。

BLっぽくはない

正月から切なくて辛くて可哀想なお話読んでしまいました。冒頭部分いきなりタイムスリップのような状況から物語がはじまり、だんだんその理由がわかっていくというスタイルです。

交通事故で記憶障害を起こし、毎日14時間分しか新しい記憶を上書きすることができず(事故前の事は憶えている)日々絶望を繰り返している患者と患者に誠意を込めて寄り添う介護士のお話。この中盤の病院での部分がリアリティがあって丁寧に描かれていて涙を誘います。ここまで1人の患者にのめり込むのはどうなの?とはちょっと思いましたが。この脳障害、一般作の映画や他のBLでもロマンチックに取り上げられていますが実際になったとしたらかなりハードで辛いなと思います。

中盤だけリアルで冒頭とエンディングはSF的でファンタジックな感じになりますが、BL作品として成立させるには仕方がないのかなとも思いました。患者と介護士として出会っていつのまにか恋に落ちていたという設定はロマンチックでした。
 
体が結ばれるまでには至ってないので受け攻め断定はできませんが、雰囲気的に介護士の方が攻め。しかしBL設定なくても読み応えあるストーリーだと思います。もしBL要素がなかったとしたら暗いだけで救いのない話になってしまいそうですが。