甘食さんのマイページ

神作品

エキスパートレビューアー2022

女性甘食さん

レビュー数0

ポイント数6

今年度233位

通算--位

  • 神0
  • 萌×20
  • 萌0
  • 中立0
  • しゅみじゃない0
  • 絞り込み
条件

指定なし

  • レビューした作品
  • 神作品
  • 萌×2作品
  • 萌作品
  • 中立作品
  • しゅみじゃない作品
  • 出版社別
  • レーベル別
  • 作品詳細
  • レビューした著者別
  • レビューした作画別
  • レビューしたイラスト別
  • レビューした原作別
  • レビューした声優別
媒体

指定なし

  • 指定なし
  • コミック
  • 小説
  • CD
  • DVD
  • ゲーム
  • 特典
発売年月
月 ~
レビュー月
表示モード

警察BL漫画!

私はBLの中で警察ものジャンルが大好きで、小説では好きな作品がたくさんありますが、漫画ではなかなかお目にかかれない。このシリーズはTVの刑事ドラマみたいにしっかり事件も描かれるし、嬉しいことにエロもガッツリ。千葉リョウコさんの描かれる男性の体、美しいです。しっかり絡み合ってます。

ストイックな男達の攻防が素敵です。前作の表紙とアングルが受け攻め逆になっているのも洒落ています。リンク作の美人刑事受けもその攻めも登場していてサービス満点。前作で攻めのお陰でトラウマから立ち直った受けの成長物語。攻めを精神的に支えようとする聖母受け、好きだなあ。

攻めの元カレが登場して辛い思いもしましたが、受けは最後までよく耐えて頑張りました。バディものだけどエロいのが読みたい方にピッタリの作品です。

ページを開けばすぐにユギさんワールドへ

山田ユギさんの描く男性は受けも攻めも色っぽい。セクシーなシーンじゃなくてもキャラに独特の色気があるのです。商業BL漫画にハマり始めた初期に好きになった作家さんなので特別の思いがあります。絵柄もストーリーもちょっと笑かす小ネタも皆最高。皆好き。

今作も片想いを長くこじらせた素敵なお話で切なくほろ苦かったです。そして最後の大ハッピーエンド。数年先の幸せも描いてくれるのがユギさん流。アラカンどころかアラ古希をすぎてもラブラブな作品も描いておられます。

今回1番テンション上がったのはあの角刈りのゲイバーママが登場した時。彼も元気そうで良かった。愛すべきユギ作品の名バイプレーヤーですから。仕事が大好きないい大人なのに恋愛面では不器用すぎて素直になれない受けとそんな受けを根気よく暖かく見守り続ける攻め。お二方共素敵でした。

やっぱりこういうのが好き

上下巻一気読みでした。読み出したら止まらなかったです。私がBL小説を読み始めた頃に好きだった世界がここにある。スピンオフ作も含め事件の事や警察組織についてまでこんなに細かく書いてくれる作家さんは、最近ではなかなかいらっしゃらないから貴重な存在。かわいさん、仕事をセーブされてたみたいですが、これからもついていきます。

ストーリーはズバリ、トラウマからの再生。受けの篠口は前作で変態に監禁され心身共に痛めつけられ本当に恐ろしい目に遭いました。いくらエリート刑事とはいえなかなか立ち直れなくて当然です。それに心優しく、焦らせずに傷が癒えるまで誠実に寄り添う攻めの黒澤。篠口がフラッシュバックを起こして弱って電話してきた時、「そこを動くな。今すぐ行くから待ってろ。」ってシビれる。スパダリのお手本です。共にエリートでカッコいい。下巻では篠口も少しだけ元気になってきて無事にお清めエッチもできました。良かった!

円陣さんのイラストの篠口がまた天使のように美しくてうっとりです。髪や瞳の色素が薄くて色白で背が高くて痩せ型で名前が雪巳。素敵な受けの条件を全て満たしてます。最後の方に短編がいくつかあって犬の前では黒澤が「雪巳さん」って呼んでたのめちゃ萌えた。犬も美しい男達のカップルの家族になれて幸せそうで良かった。

今市子さんの漫画が読めるだけで幸せ

今月は「百鬼夜行抄」の文庫版19巻も買えて幸せでした。今市子月間。こちらの作品はオカルトミステリーのBL版という感じでもう6巻。今までの単行本の表紙を並べて見てみるだけでもう画集レベル。現代ものでも素敵だけど昭和レトロで攻め×受けが背広(あえてスーツと言わない)×着物というシーンが多いのもこのシリーズならでは。

若旦那(攻め)は頼りない所もあるけど何事にも動じなくてどっしりしている所がカッコいいです。幇間の方は「若旦那は大事な金づる」とふざけているけど本当はあんなに想われて嬉しいし自分もベタ惚れなんだと思う。

エロっちいシーンは皆無なシリーズですが、画力があるので接吻とか後ろから抱きしめる(あえてハグとは言わない。昭和だから)とかだけでもため息ものの美しさです。あっでも欲を言わせてもらえばいつかは朝チュンとか2人で同衾してたりのシーンもぜひ見たいです。生々しくなくて耽美な感じでいいので。バックに花とか飛んでてもいいんで!

お堅くて有能なのにウブな天使受け

受けの理一が可愛いー!企業専属のボディガード。私の大好きなストイック受けです。仕事は優秀で強くて美形で、でも恋愛経験は全くなくてとってもウブ。色恋方面でわからない事は何でも携帯で検索して調べます。こんな可愛いキャラは漫画の世界にしか住んでいないので多いに萌えさせてもらいました。

年下攻めのマリオもガッシリ体型で強い男で飄々としててカッコいい。攻めと受けのセオリーをしっかり押さえているカップルです。2人の雇用主側である信康坊ちゃんもタダのわがままじゃなくて良いキャラ。理一との信頼ある主従関係も素敵でした。

こんなに絵が上手くてキャラクターも良くてストーリーも面白くてデビュー作って…嘘だろ?!という感想です。読み応えたっぷりの上下巻だけど一気読みでした。古き良き白泉社の少女マンガみたいな雰囲気もあり(ドタバタしてるけどテンポ良くてアクションあり男同士のラブあり、みたいな感じ。絵は今風ですよ。)好きでした。もちろん受けの理一のドキドキ初体験的なのも全部読めるのでBL的萌えも楽しめます。可愛いぞ!

これからの作品も楽しみな作家さんです。

繊細でナイーブでやるせない話

近代日本文学の父と言っても良いような方がこんなBLっぽいニュアンスを含む作品を書かれたなんて!端正で美しい文章で綴られる物語は悲しい結末だけど神としか言いようがない。名作なので様々な考察文献がネット上にもあり、色々見入ってしまいました。私個人的な意見だとBLではない、しかし限りなく匂っているという印象です。

巷で言われる「先生」と「K」には私はあまりBL臭は感じないんです。愛憎渦巻く複雑な友情、生涯忘れられない存在…とか書くとそれっぽくもありますが。前半部分の「先生」と「私」の方に、より匂いを感じます。先生妻帯者ですが。

まず夏の鎌倉の海で雑踏の中から運命的に先生を見つけ出した「私」。声をかけるきっかけを探して何日間も同じ場所に通いつめやっと年の離れた友人のような関係になれる。イメージ的には私(20歳)×先生(32歳)の年下ワンコ攻め。「私」はアンニュイで大人の雰囲気を持つ先生に夢中になり家にも通いつめます。先生の奥さんもいるのでもちろんプラトニック。でも精神的には同じ帝国大学卒という事もあり深く繋がっている。

「…しかし君、恋は罪悪ですよ。」は名言ですね。先生は「私」の気持をお見通し、みたいな。その後の2人のやりとりも何だか高尚な恋の駆け引きみたいでドキドキしました。

後半のKと先生の過去編は悲しい結末です。2人の死の理由は色々考察されてますが、Kの場合は失恋が、先生の場合は乃木大将の死のニュースがトリガーになったとは言え、死の理由は複雑でたくさんあって一言では言い表せないと思います。しかし2人共繊細すぎる。

「私」は先生の影響を強く受けていますが、高等遊民にはならず、負の連鎖に巻き込まれないでいてほしいです。私は文藝春秋文庫で読んだので最後に夏目漱石伝もついていました。8人兄弟の末っ子で幼い頃養子に出されて苦労したけど兄弟の誰よりもエリートになり後世に名を残しているって運命とは皮肉だなと思いました。



追記… 文藝春秋文庫版に同時収録されてた「坊ちゃん」も読みました(海王社版のページなのに紛らわしくて申し訳ありません)。真っ直ぐな坊ちゃんのピュアさに萌え。「こころ」に比べたら痛快で明るい話だけど大人になってから読むとちょっと違う感想が。正義と言いつつ当事者達の問題に首突っ込み過ぎとかうらなりは大人だなとか。清(ばあや)は坊ちゃんガチ勢。相思相愛ってほど大事に思われて良かったね。

犬シリーズ第4巻

犬好きの皆さんのためのシリーズ、最新巻です。今回は髭面・タトゥーでいかついワイルド男×褐色でチョコレート色の髪の純情ボーイ(犬の姿の時は焦茶のラブラドール)というカップルです。犬の保護シェルターを運営しているラヴは保護した後に失踪したラブラドールのサミーが人間に変身したという事実を知り、サミーを追いかけて犬と人の両方の姿になれるクイック達の住む町、マッドクリークへたどり着きます。

人間の世界に疲れていたラヴは元々犬が大好きなのでクイック達の事も好きになりやがてサミーと恋に落ちます。今回は気持ちの面では惹かれ合う2人が体を繋げるようになるまでに大きな試練が。元飼犬ならではの理由でセックスがすんなりできないのです。さあどうする?!

最終的にはなんとシリーズ初のリバありなのですが、そこはイラストの麻々原先生マジック。ワイルドな男がちゃんと可愛い男になっておりあまり違和感ありませんでした。今までのカップルもたくさん登場するのですが、第1巻の攻めのランス。今回はメインカップルの恋路を邪魔する存在になってしまうのですが、町の皆を大事に思いすぎて孤立してしまうランス。可哀想可愛くて彼こそリバやってほしい、いや普段やってるだろ、と思いました。本物の犬のおまわりさん最高。

前作のラストシーンの不穏な部分の伏線は回収されてなかった気がするので第5巻もあるのかな?と思いましたがもう終わりなのかな。どっちでしょう。

ウォーキングデッドみたいに文明と分断されたアメリカのコミュニティっぽい雰囲気が楽しいシリーズです。ファンタジーでもこういうのは読みやすいです。

BLの大好きが詰まってる

草間さかえ先生のバディもの。しかも探偵。それだけでもう「買い」です。攻めと受けのタイプも理想的でした。攻めの神子は謎めいた奴で優しげだけどのらりくらりと掴みどころのない食えない男。元女たらしで絶倫。受けの松田はエロい眼鏡。いつもキーキー怒ってるけど神子にエロで押されると大人しくなってしまう色っぽいツンデレのお手本のような人。

この2人が高校の同級生で大人になって再会後付き合う設定も大好きだし、松田が高校時代友人に片想いだった設定も良かった。あと先生特有の犬エピソードも良かった。本当に犬好きの先生だ。ケンカップルだけどやる事やってるのもいいし強がりの受けが攻めに絆されてるのもいい。草間作品の中ではエロ多い方だと思います。大人のエロスですよ。

このように私の「好き」が詰まってる作品でしたが、駄目押しで出てきた元同級生阿久津君。超カッコいい上に私がBLで大好きな警察関係者。先生お願いします。阿久津君スピンオフも描いてください。本編の続編もあればぜひ読んでみたいです。草間作品にしてはそれほど難解ではないと思います。

切ない王道ストーリー

3650日、10年愛のお話です。主人公達の16歳から26歳、友人から恋人へ変わるまでの日々なんですが…切ない!受けが攻めへの特別な思いに気づいた時、「絶対に気持ちを伝えてはいけない。伝えたら今までの関係が終わってしまうから」と自分に言い聞かせる場面、王道の切なさで久しぶりにBL小説を読んでて胸がギュッとなるあの感覚を味わえました。さすが高遠先生。

その後も攻めに彼女ができてしまったり、受けにとっての辛いイベントが待っています。この攻めも堅くてストイックで剣道の達人で私の好きなタイプでした。素敵な表紙を見て「右の人が受けだったらいいのに!」と思っていましたが逆でした。しかし受けがこんなに不安定で色々守ってあげなきゃいけないタイプだとどうしても攻めになってしまいますね。

このように恋愛面は切なさマックスで楽しめましたが、この作品がすごいのはサスペンス部分も面白いところ。受けが幼少時に受けた犯人からの恐ろしい言葉「種をまいておいたから」というのが不気味で尾を引きました。一冊完結なので最後までに伏線は全て回収しています。

やはり高遠さんの作品は面白い。キャラ文庫の方のミステリーも続きを楽しみにお待ちしております。

BARBARITIES IV コミック

鈴木ツタ 

待ちに待った最終巻

表紙のジョエルがキュートで可愛い。髭があっても。美形軟派風の年下攻め(金髪ロングヘア)×頭が良くて頑なな年上受け(黒髪チリチリヘア)の架空の中世ヨーロッパ風世界観の物語、大団円にて終了です。

満身創痍でジョエルを守るために体を張ったアダムが男前でカッコよかった!こんなにカッコいい人だったんだ。難攻不落に見えたジョエルもついにアダムの愛に絆されて落ちましたよ。もう落ちないかもと思ったので4巻まで焦らされた初夜が本当に良かったです。幸せそうで、ねちっこくて。

前半はシリアス展開でしたが、平和になってからはアダムの従者の恋のアシストがハンパなくて笑えました。寝屋でのジョエルが緊張から言葉数が多くなって可愛かったです。おじさん受けっぽいのも結構気にしてる様子でした。アダムは大満足で幸せ噛みしめているんだけどね。

亀の歩みのカップルだったけど最終巻でガッツリ結ばれて読者の私も大満足です。衣装もとても素敵ななんちゃって中世ストーリー、最後まで楽しかったです。最初から読み直したい。